2017年度入試
出題分析と入試対策
  一橋大学 英語

過去の出題内容

2017年度

番号 項目 内容
読解 論説文(754語) ・下線部訳(1)
・内容説明(2,3)
・整序作文(4)
読解 論説文(796語) ・下線部訳(1)
・内容説明(2,3)
・空欄補充(4)
文法 部分整序作文
作文 100~130語の自由英作文
リスニング 記述式・英問英答(A・B)

2016年度

番号 項目 内容
読解 論説文(797語) ・下線部訳(1)
・内容説明(2,3,4)
・空欄補充(5,6)
読解 論説文(648語) ・内容説明(1,2)
・下線部訳(3)
・空欄補充(4)
文法 部分整序作文
作文 100~130語の自由英作文
リスニング 記述式・英問英答(A・B)

2015年度

番号 項目 内容
読解 論説文(832語) ・内容説明(1,3,4,5)
・下線部訳(2)
・空欄補充(6)
読解 論説文(750語) ・内容説明(1,2)
・下線部訳(3)
・空欄補充(4)
文法 間違いを含む英文の番号と間違っている下線部の記号を選択
作文 120~150語の自由英作文
リスニング 記述式・英問英答(A・B)

出題分析

分量

5問構成で、2016年度と同程度の量である。

一般的特徴

過去問を概観すればわかるが、設問形式そのものに奇をてらったようなものはなく、昔からよくある普通の入試問題である。「普通」というのが実は一番難しい。「山を張る」だの「短期完成」だの、お手軽な対策では到底このレベルには達しない。長期にわたる学習と訓練、そして、それなりの読書量を基礎にした、まっとうな学力・識字能力がチェックされているのであり、単語集を眺めるだけで勉強した気になっているような幼稚で安易な態度では絶対通用しない。

【読解】
評論・論説タイプの文章、エッセイ風の文章、小説の一部など、素材はさまざまである。いずれも(原典を見ればわかるが)語彙レベルを下げたり、難解・理解不能な部分は削除したりして、入試問題として慎重に編集されている。英文和訳は構文基礎チェックのポイントがたくさん入っていて、単なる語彙力チェックの設問ではない。空欄補充は「半分文法・半分文脈」である。読解セクションで、おそらく最も差がつきやすいのが「説明問題」である。少ない時は30字、多い時は120字で解答をまとめる設問が必ず含まれている。

【英作文】
2015年度までは120~150語の「議論型」「説明型」の自由英作文だったが、2016年度は「絵/写真」を使った問題のみになり、2017年度は「与えられた状況の1つを選び手紙を創作する」という設問になった。解答語数は100~130語である。このように、一見大きく変化しているようだが、2016年度から「創作」の方に向かう傾向が出ている。

【リスニング】
例年A、Bの2題に分かれ、英問英答式の設問。ただ聞いて理解するだけではなく、聞こえたものを書き取って(時には文構成を考えながら)答えるものであり、事実上Dictationに等しい試験スタイルである。

本年度の特徴

【読解】
Ⅰは「テクノロジーが人間の手に及ぼす変化」について、Ⅱは「米国の社会保障制度と結婚生活」について述べられた文章であった。Ⅰに部分的整序作文が1問入ったのが珍しいが、それ以外は英文和訳・説明問題・空欄補充と、よくある形式であった。またⅡの単語補充は、本年度は「文法・構文」の要素が強いものであった。

【文法】
本年度は、昨年同様4問構成で、6語~7語を並べ替える「部分整序作文」となった。(このセクションは、おそらく今後も文法・条件作文・整序作文のいずれかになると思われる)

【作文】
与えられた状況のうち1つを選んで100~130語の「手紙」を書く自由英作文になった。それぞれの状況は以下のような趣旨のものである。

1.「付き合っている相手が、あなたの誕生日のことをすっかり忘れてしまっている。自分がどれほど落胆しているかを伝える」

2.「飛行機で旅行をしたが問題がいろいろあって旅が台無しになった。航空会社の社長に苦情を言う」

3.「友人はいつも家に引きこもり、あなたは心配している。その友人に助言する」

【リスニング】
本年度もA、Bの2題に分かれており、どちらも放送内容の一部を使った英問英答の設問(各3問)であった。Aは1が副詞節全体、2と3が1文で答えるもの。Bは1と2が名詞句で答えればすむものとなっていて、Aがやや記述量が多いように見えるが、従来この程度の記述量のものが多かった。

入試対策

1.バランスのとれた学習を積み重ねること

近年の英語教育の流れを反映し、一橋大も「読む・書く・聴く」の3分野をバランス良く配分した大問構成を維持している。したがって、偏った学習は禁物で、常日頃から「文字と音声」の両面に触れていることがポイントになる。オーラル面ばかりの教育を受けてきた人は、意識的に論説・エッセイタイプの文章を「読み・訳し・まとめる」訓練を増やし、逆に、論説文を読むばかりだった人は、音声面の訓練を増やすよう心がけること。

2.正確に訳し、まとめる訓練を増やすこと

英文和訳は構文基礎チェックのポイントがたくさん入っていて、単なる語彙力チェックの設問ではない。基本文法をきちんと応用し、正確な理解を目指すことが第1歩。また、そのパッセージ全体を読まないと訳語の決定ができない部分もあるので、全体を通読してから解答をまとめる癖をつけておくこと。
説明問題は読解系統の設問の中では応用編に入るもので、そのパッセージの内容を理解しながら読んだかが試されるわけだが、同時に「わかったことを簡潔にまとめる日本語表現能力」も試される。読解問題で最も差がつきやすいのがこの設問なので、説明問題・部分要約問題の演習量は普段から増やしておくべきだろう。

3.作文用のインプットを増やすこと

和文英訳だろうと自由作文だろうと関係なく、普段からさまざまな設問を通して「アウトプットのためのインプット」を続けなければならない。一橋大志望者は設問の形式だけを見て、最初から「意見を書く作文ばかり」をやろうとするが、それでは実はスキルアップになっていないことが多い。まずは基礎固めをしておくことで、正確に書くための基本文法・語法の習得が第1のポイント。次に多種多様の作文問題に広く触れて表現力を上げること。そして一貫性のある文章構成ができるように英語のパラグラフ構成の基本を身につけること。

4.作文は、いかなる出題形式でも対応できるよう準備すること

「写真/イラスト」について書くものから「手紙」を書くものに変わったが、来年以降どうなるかはわからない。ただし「創作」の方向に進んでいるように思われるので「架空の状況設定」のもとで内容を考える、という練習はしておくとよいだろう。たとえば「もしあなたが外国人だとして初めて日本に来たとしたら、日本のことをどのように思うか」とか「もしもタイムマシンで100年後の世界に行けたら、世界はどうなっていると思うか」など。

■英作文対策の一般的な方針

①内容のアウトラインを考える。

 内容が出せなければ、英文も書けないのだから、複数の項目の中から選べる場合には、まず、全ての項目について、自分が出せる内容を考えてメモする。この作業を「アウトライン化」と言う。頭の中でぼんやり考えるのではなく、言語化することが大切で、これは日本語でもよい。できれば各ポイントで使えそうな英語表現、英単語、英文もメモしておく。初見では書けそうもないと思っても、アウトラインを言語化して書いていくと芋づる式に内容が浮かんでくるトピックもある。
②表現が追いつかないポイントは捨てる。

 英作文の試験なのだから、そのポイント(サブ・トピック)で必要になる単語・表現が全く浮かばなければ、これは降参するしかない。そのポイント(サブ・トピック)は捨てること。この「仕分け作業」をするためにも、アウトライン化をしっかりやっておくことが大切。ポイント(サブ・トピック)が多く浮かぶものの方が当然、答案作成には有利である。

5.Dictation を普段からやっておくこと

リスニングは、まず普段から継続的に音声を聴き取る練習をするのが第1歩。実際試験場では、英語を聞いて、ほぼ同時にメモをとったり、解答を選んだり、英文を書いたりするのだから、普段からほぼ同時進行で2つのことをする訓練をしておくとよい。それには1文ずつに分かれた英語例文の音声を聞いて、それを書き取ってみる訓練(=ディクテーション)を続けるとよい。単語・フレーズ・例文などは、ただ目で追うだけではなく、音声を聞いて書き取る作業もやっておくと知識の定着度が上がる。
これは単なるリスニング対策にとどまらず、さまざまなプラス効果が得られる大切な作業である。

※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。