2018年度入試
出題分析と入試対策
  一橋大学 英語

過去の出題内容

2018年度

番号 項目 内容
読解 論説文(736語) ・下線部訳(1)
・同意語抜粋(2)
・内容説明(3)
・空欄補充(4)
読解 論説文(766語) ・内容説明(1)
・下線部訳(2,3)
・内容正誤(4)
・空欄補充(5,6)
文法 部分整序作文
作文 100~130語の自由英作文
リスニング 選択式・英問英答(A・B)

2017年度

番号 項目 内容
読解 論説文(754語) ・下線部訳(1)
・内容説明(2,3)
・整序作文(4)
読解 論説文(796語) ・下線部訳(1)
・内容説明(2,3)
・空欄補充(4)
文法 部分整序作文
作文 100~130語の自由英作文
リスニング 記述式・英問英答(A・B)

2016年度

番号 項目 内容
読解 論説文(797語) ・下線部訳(1)
・内容説明(2,3,4)
・空欄補充(5,6)
読解 論説文(648語) ・内容説明(1,2)
・下線部訳(3)
・空欄補充(4)
文法 部分整序作文
作文 100~130語の自由英作文
リスニング 記述式・英問英答(A・B)

出題分析

分量

5問構成で、2016年度と同程度の量である。

一般的特徴

過去問を概観すればわかるが、設問形式そのものに奇をてらったようなものはなく、昔からよくある普通の入試問題である。「普通」というのが実は一番難しい。「山を張る」だの「短期完成」だの、お手軽な対策では到底このレベルには達しない。長期にわたる学習と訓練、そして、それなりの読書量を基礎にした、まっとうな学力・識字能力がチェックされているのであり、単語集を眺めるだけで勉強した気になっているような幼稚で安易な態度では絶対通用しない。

【読解】
評論・論説タイプの文章、エッセイ風の文章、小説の一部など、素材はさまざまである。いずれも(原典を見ればわかるが)語彙レベルを下げたり、難解・理解不能な部分は削除したりして、入試問題として慎重に編集されている。英文和訳は構文基礎チェックのポイントがたくさん入っていて、単なる語彙力チェックの設問ではない。空欄補充は「半分文法・半分文脈」である。読解セクションで、おそらく最も差がつきやすいのが「説明問題」である。少ない時は30字、多い時は120字で解答をまとめる設問が必ず含まれている。

【英作文】
2015年度までは120~150語の「議論型」「説明型」の自由英作文だったが、2016年度は「絵/写真」を使った問題のみになり、2017年度は「与えられた状況の1つを選び手紙を創作する」という設問、2018年度は「報道記事を創作」という設問になった。解答語数は100~130語である。このように、一見大きく変化しているようだが、2016年度以降「創作」の方に向かう傾向が出ている。これは予め内容を英語で準備しておいて、覚えてきたものをはめ込むことができない設問で、ある意味「発想力」を問う設問だとも言える。

【リスニング】
2017年度まで「英問英答」式の記述問題だったが、本年度は記号解答式のみになり、難易度は下がった。

本年度の特徴

【読解】
Ⅰは「賢いエコツアーの選び方」Ⅱは「アフリカの民主主義」について述べられた文章であった。英文和訳・説明問題・空欄補充と、よくある形式が主軸となった設問であった。また、説明問題(部分要約)は、すべて語数の指定があった。

【文法】
部分整序作文で、昨年度より2問増えて、6問構成となった(解答は2番目と6番目の語句を答える形式)。句・節の構造、定型表現、動詞の語法、比較構文の基本などが散りばめられており、全体的には基礎重視の範囲に収まっていると言える。(このセクションは、おそらく今後も文法・条件作文・整序作文のいずれかになると思われる)

【作文】
3つの報道記事(news story)の見出しから1つを選び、それについて100~130語の報道記事を創作する、という設問。与えられた見出し(headline)は以下のようなものであった。

1 「アマゾンの熱帯雨林で新種の昆虫を発見」

2 「犬を噛んだ男を逮捕」

3 「保健省出生率大幅アップを予想」

いずれも完全な創作でよいと思われる。また、設問にnews storyとあるが、あくまで作文の設問であるゆえ、報道記事の典型スタイルに沿っていなくてもよいと思われる。ただし「報道記事」であるから、自分個人の感想や意見を含めるような書き方はしてはいけない。

【リスニング】
A、Bの2題に別れていて、各3問の構成は従来通りだが、本年度はすべて記号選択式。設問の問いは音声で流れるもので、設問冊子には書いていない。これまでの英問英答式ではなくなり、難易度は下がったと思われる。

入試対策

1.バランスのとれた学習を積み重ねること

近年の英語教育の流れを反映し、一橋大も「読む・書く・聴く」の3分野をバランス良く配分した大問構成を維持している。したがって、偏った学習は禁物で、常日頃から「文字と音声」の両面に触れていることがポイントになる。オーラル面ばかりの教育を受けてきた人は、意識的に論説・エッセイタイプの文章を「読み・訳し・まとめる」訓練を増やし、逆に、論説文を読むばかりだった人は、音声面の訓練を増やすよう心がけること。

2.正確に訳し、まとめる訓練を増やすこと

英文和訳は構文基礎チェックのポイントがたくさん入っていて、単なる語彙力チェックの設問ではない。基本文法をきちんと応用し、正確な理解を目指すことが第1歩。また、そのパッセージ全体を読まないと訳語の決定ができない部分もあるので、全体を通読してから解答をまとめる癖をつけておくこと。
説明問題は読解系統の設問の中では応用編に入るもので、そのパッセージの内容を理解しながら読んだかが試されるわけだが、同時に「わかったことを簡潔にまとめる日本語表現能力」も試される。読解問題で最も差がつきやすいのがこの設問なので、説明問題・部分要約問題の演習量は普段から増やしておくべきだろう。

3.作文用のインプットを増やすこと

和文英訳だろうと自由作文だろうと関係なく、普段からさまざまな設問を通して「アウトプットのためのインプット」を続けなければならない。一橋大志望者は設問の形式だけを見て、最初から「意見を書く作文ばかり」をやろうとするが、それでは実はスキルアップになっていないことが多い。まずは基礎固めをしておくことで、正確に書くための基本文法・語法の習得が第1のポイント。次に多種多様の作文問題に広く触れて表現力を上げること。そして一貫性のある文章構成ができるように英語のパラグラフ構成の基本を身につけること。

4.作文は、いかなる出題形式でも対応できるよう準備すること

本年度は「報道記事の創作」だが、来年以降どうなるかはわからない。ただし、2016年以降「創作」の方向に進んでいるように思われるので「架空の状況設定」のもとで内容を考えるとか、ストーリーを創作するという練習はしておくとよいだろう。たとえば「もしあなたが外国人だとして初めて日本に来たとしたら、日本のことをどのように思うか」とか「もしもタイムマシンで100年後の世界に行けたら、世界はどうなっていると思うか」など。あるいはイラストや写真を見てストーリーを創作する、ということもやっておくとよい。

■一般的な方針

①内容のアウトラインを考える。

 内容が出せなければ、英文も書けないのだから、複数の項目の中から選べる場合には、まず、全ての項目について、自分が出せる内容を考えてメモする。この作業を「アウトライン化」と言う。頭の中でぼんやり考えるのではなく、言語化することが大切で、これは日本語でもよい。できれば各ポイントで使えそうな英語表現、英単語、英文もメモしておく。初見では書けそうもないと思っても、アウトラインを言語化して書いていくと芋づる式に内容が浮かんでくるトピックもある。
②表現が追いつかないポイントは捨てる。

 英作文の試験なのだから、そのポイント(サブ・トピック)で必要になる単語・表現が全く浮かばなければ、これは降参するしかない。そのポイント(サブ・トピック)は捨てること。この「仕分け作業」をするためにも、アウトライン化をしっかりやっておくことが大切。ポイント(サブ・トピック)が多く浮かぶものの方が当然、答案作成には有利である。

5.リスニングは「英問英答」式の復活に備えておくこと

本年度は記号解答のみであったが、また英語で質問に答える設問に戻る可能性は十分にある。その備えとしてDictation(書き取り)を普段からやっておくこと。

※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。