2017年度入試
出題分析と入試対策
  一橋大学 国語

過去の出題内容

2017年度

番号 科目 類別 内容 出典
現代文 評論 書き取り5・語句の意味2・傍線部内容説明1(80字)・傍線部理由説明1(80字) 塩野谷祐一
『エッセー 正・徳・善』
近代文語文 評論 語句の意味3・傍線部内容説明2(字数設定なし・50字) 末松謙澄
『歌楽論』
現代文 評論 論旨要約(200字以内) 佐々木浩雄
『体操の日本近代』

2016年度

番号 科目 類別 内容 出典
現代文 評論 書き取り5・語の意味2・傍線部理由説明1(80字)・傍線部内容説明1(80字) 長谷正人
「大量消費社会とパーソナル文化」
現古融合 評論 現代語訳1・意味の説明1・漢字1・論旨説明(100字) 竹西寛子
「続・往還の記」
現代文 評論 論旨要約(200字以内) 内田芳明
『風景の現象学―ヨーロッパの旅から』

2015年度

番号 科目 類別 内容 出典
現代文 評論 書き取り5・語句の意味2・傍線部内容説明1(40字)・論旨説明(100字) 齋藤希史
『漢字世界の地平』
近代文語文 評論 傍線部内容説明1(30字)・現代語訳1・論旨説明(100字) 田口卯吉
「青年独立の困難」
現代文 評論 論旨要約(200字以内) 内田羲彦
「「読むこと」と「聴くこと」と」

出題分析

分量

全3題は例年通りで、問題文の長さも例年通りの枠内におさまっている。 また、近年記述問題の字数の主流は60字までだが、2002年には問題一で、2003年・2010年・2011年・2013年そして2016年と、問題二で100字以内が出題されている。20~50字とともに、全文スケールの長い字数の記述問題についてもしっかり対策を。

パターン

問題一は、書き取り、語句の意味、傍線部の理由説明・内容説明で記述重視。問題二は、ここ10年の主流である近代文語文の出題で、語句の意味と記述で、問題一と問題二を合わせると、語句の意味が5こ問われた。問題一と問題二とを合わせて、設問数が10以内におさまっているのは例年通り。問題三は、全文の論旨を200字以内でまとめる例年のパターン。

形式の変更

2000年までは、記述重視の年もあれば、語句の空欄補充や語句の意味問題に重点を置く年もあるというように、設問形式が一定していなかったが、2001年以降、一般的な国公立二次記述重視型の傾向が定着した。今年も、この傾向に変化は見られない。また、難易度についても、ほぼ同レベルのなかなか手ごわい記述問題で一定化してきたといえるだろう。問題三は、2002年の250字以内を例外として、200字以内の要約問題として定着している。また2005年以降、条件なしの要約が続いていたが、2014年に条件・注文つきの要約が10年ぶりに復活し、2015年以降は旧に復した。

入試対策

<問題一>

人格の「かけがえのなさ」ということが、いかにして〈人格の尊厳性〉という考えにつながるのかを、哲学的に論じた塩野谷祐一の著作からの出題。問題一は、99年以降、評論ないし随筆からの出題となっている。近年は現代的著作からの出題が増えているが、2009年鈴木大拙、2012年丸山真男といった、明治・大正生まれの著者たちによる少し古めかしい文章にも慣れておくことが必要。ただ、大きな流れとしては、現代的著作からの出題にシフトしていくのではないかと予測される。

<問題二>

大方の予想通り、昨年の現古融合問題から、今年は近代文語文に戻った。一橋大学の入試国語で古典分野が出題範囲に加えられた1997年以来、現古融合問題6、近代文語文11、現漢融合問題1、近世古文3の出題があったことになる。そして、この10年間に限ってみると、近代文語文優勢であることは、かなり明らかであろう。
昨年は平安時代の日本文学が話題となっている文章であったが、これまでの現古融合問題では江戸時代の文学者や学者、思想家の文章が取り上げられることが多く、過去に3題の出題があった古文もすべて江戸時代の文章が取り上げられている。主に明治時代に書かれている近代文語文をこれに合わせれば、江戸時代から明治時代、即ち、近世から近代にかけての文学や思想に対する関心から出題されているということが見えてくる。これまでの出題傾向をふまえれば、一橋大学を志望する諸君は日本史選択であるかどうかを問わず、特に江戸から明治時代にかけての日本の思想史・文学史・学問史について、ひとわたり学習しておくことが望ましい。また、過去問演習を通して、出題者がどういう問題意識でその文章を取り上げているのかまでを見通しておくことを勧めておきたい。

<問題三>

日本の体操の近代史をテーマに、競技スポーツとの対比を戦前・戦中・戦後という時代相に即して論じた佐々木浩雄の著作からの出題。問題三の出典は、2001年までは、三木清・丸山真男・水尾比呂志・福田恆存・夏目漱石というふうに、明治・大正・昭和のビッグ・ネームたちの文章だったのだが、2001年以降は、2009年、2011年をのぞいて現代的文章の世界から出題されている。今後も現代的文章が主流となる大勢に大きな変化はないと考えられる。
字数については、200字でほぼ固定。また、要求については注文がつくかつかないか、いずれにも対応できるようにしておかねばならない。要約問題対策は、ペースを決めて(たとえば2週間に1回)練習を重ねるしかない。過去問を素材に、<青本>の各年度の解説を参照しつつ練習を重ねること。ただ、要約文を作って模範解答を見ておしまいにするのではなく、必ず身近な信頼できる添削者に自分の要約文を見てもらって、批評・アドバイスをもらうこと。

※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。