2018年度入試
出題分析と入試対策
  東京工業大学 英語

過去の出題内容

2018年度

番号 項目 問題形式 テーマ
読解・作文 1.下線部和訳(2題) 人間とロボットの感情的・倫理的関係
2.下線部英訳(2題)
3.下線部内容説明(1題・日本語による)
4.本文の内容に関する選択(3題)
5.内容一致(3/10題)
読解・作文 1.下線部内容説明(1題・日本語による) 発見・創造か省エネか
2.下線部和訳(2題)
3.下線部英訳(1題)
4.選択空所補充(2題)
5.本文の内容に関する選択(2題)
6.内容一致(2/8題)

2017年度

番号 項目 問題形式 テーマ
読解・作文 1.下線部和訳(2題) 狩猟採集から農耕牧畜へ
2.下線部英訳(2題)
3.下線部内容説明(1題・日本語による)
4.本文の内容に関する選択(3題)
5.内容一致(3/10題)
読解・作文 1.下線部英訳(1題) つづり方の上達法
2.下線部和訳(2題)
3.下線部内容説明(1題・日本語による)
4.選択空所補充(2題)
5.本文の内容に関する選択(2題)
6.内容一致(2/8題)

2016年度

番号 項目 問題形式 テーマ
読解・作文 1.下線部和訳(4題) イルカの知能
2.下線部内容説明(1題・日本語による)
3.下線部英訳(1題)
4.本文の内容に関する選択(3題)
5.内容一致(2/10題)
読解・作文 1.下線部和訳(2題) 図書館の廃止・存続をめぐる問題
2.下線部英訳(1題)
3.下線部内容説明(1題・日本語による)
4.本文の内容に関する選択(3題)

出題分析

分量

ここ数年、本文の語数は1年毎に数百語単位で増減しているが、今年度の2題合わせて2,300語強というのは、超長文による出題が始まった2010年度以降では平均的な分量と言える。設問の数と形式は昨年と同じだが、解答に求められる記述量は減少した。

パターン

個別の設問形式に変化は見られるが、標準的な読解力や作文力を試す問題が中心となっていること自体はここ数十年変わらない。大問は従来と変わらず2題。記述式問題は、日本語による内容説明が2題と和訳が4題、英訳が3題。客観式問題は、本文の内容に関する五択が5題と、10の選択肢のうち正解が3個及び8の選択肢のうち正解が2個の内容一致選択、本文中の選択空所補充が2題で、いずれも記述式問題に関わる箇所以外を受験者が雑に読み飛ばすことを阻止する、という狙いを感じさせるものと言える。

難易度

Ⅱの一部に生物学の専門用語などが用いられる読み難い箇所があったものの、全体的な文章の難度としては2題ともさほど高くはなく、昨年度と同程度かやや易しめと言える。
2題の内容説明に関しては、Ⅰ-5.は70字以内という制限が非常に厳しく、最低限の内容を伝えるためにまとめる手際良さが要求される難問の部類に入るものだった。これに対してⅡ-1.は、どのような内容を書くことを出題者が望んでいるのかが伝わり難い問題であり、果たして英文の読解力を測るのに適した出題となっているのか否かに疑問が残る。
和訳と英訳は、ここ数年と同様かなり易しめの取り組み易い問題であり、逆に言えば大幅な失点は許されない。選択式問題は概ね素直な作りで、本文がある程度きちんと読めていれば迷う余地が少ないものも多かったが、Ⅱ-6.(2)とⅡ-7.は不必要と思えるほど紛らわしい選択肢が含まれており、受験者をかなり消耗させるような出題となっていた。

内容

超長文化が導入されて以降は2題とも論説文ないし説明文での出題、という形式が定着している。人間とロボットの関係をテーマにしたⅠ、進化的な観点からの人間の性質に関する考察であるⅡという組み合わせだが、いずれも専門的な知識は特に必要なく、また高校での選択科目による有利不利も生じ難いよう配慮されているものと言える。過去には2014年度Ⅰの社会科学系の専門度・抽象度の高い文章を用いた出題などの例もときにはあったがレアケースであり、ある分野に的を絞った準備は特に必要ではなく効率的でもない。むしろ、多岐にわたる内容の文章に触れる機会を設ける方が良い。

入試対策

<読解力>

やはり今後も「長さ」に怯むことの無いよう、日頃から1,500語を超えるような長文を読む機会を作るように努め、慣れることが必要である。内容一致などの選択式の設問の出題傾向を考えると、細部に拘泥せずに大づかみに読み進めることばかりが期待されているわけではないので、文章全体の構成をしっかりと押さえ、どのように論理が展開されているかを捉えつつも精読を心掛ける、という正攻法の姿勢での読解が望まれる。

<英文和訳>

特別に複雑な文章構造を含んだり、語彙レベルが特に高かったりということは少なく、標準的な難易度での出題が続いている。直訳してもあまり自然な日本語にならない部分が出題される場合もないではないが、全般的な出題傾向から言って、技巧的な翻訳能力のようなものが求められているとも考え難いので、訳文が多少ぎこちなくなってもさほど気にする必要はないだろう。基本に重点を置いた語彙力と文構造の把握力の養成に励んで欲しい。

<和文英訳>

英語で書かれた文章の一部のみが日本語で示され、その英訳を求める、というスタイルが定着しており、要求される英文の分量もおおよそ70~80語程度まで(一昨年度は約50語、昨年度は約70語、本年度は約50語)である。英文和訳と同様、高度な語彙力や慣用的な口語表現などではなく、標準的な文の構成力や文法・語彙・語法の知識を試すものが中心なので、やはり基礎力重視の対策が中心で良い。また、以前から続く傾向だが、本文中の表現を使える場合も多いので、和文英訳の設問に目を通してから本文を読み始めるのが得策だろう。

<内容説明>

毎年何題か出題されるこの手の問題は、つまるところいずれも、文章全体の論理展開や前後関係などを把握できているかどうかを問うものである。下線部の前後だけではなく、文章中のより広い範囲あるいは文章全体の理解に基づいた解答を求める出題がされる場合もあるが、腰を据えて本文を読んだ上で設問の要求をしっかりと把握すれば、自ずと解答箇所は見つかる場合が多い。確かに、本年度は上の「難易度」の項で記した通り、字数制限が厳しかったり、いかなる内容を書くよう求められているのかわかり難かったりなど、受験者に苦労を強いる出題となっていた。ただしこれは、読解力とは別の、答案を要領良くまとめる能力や出題者の意図を忖度する技量を学校側が意図的に求めているということではなく、本年度の場合もたまたまそのような出題になってしまった、というのが実情ではないかと思われる。この手の問題に対する特段の対策を練るよりは、たまたまハプニング的に対処の難しい問題が出ることがあっても、すべての受験者が難しいと感じるはずであり自分だけが不利を被るわけではないと考えて、標準的な問題への対応力の養成を心掛ける方が良いだろう。

<本文の内容に関する選択問題・内容一致問題>

これらの問題形式も定着してきており、ここ2年はⅠ、Ⅱ共に両方の形式で出題されている。1つの特色と言えそうなのが、それぞれの形式の1問当たりの配点は同じであると思われるこれらの問題だが、難易度にはかなりのばらつきも見られる、ということである。上記の「難易度」でも触れたが、本年度のⅡ-6.(2)とⅡ-7.はかなりの難問であり、読解力のある受験者が時間をかけて本文を丁寧に読みさえすれば正解を得られる、といった出題ではなかったと思われる。もちろん、この形式の問題にあまり真剣に取り組む必要はない、などと言うつもりはないが、ある程度時間をかけても自信を持って正解を選べそうにないと思ったなら、その問題には見切りをつけて余ったエネルギーを他の問題に使う方が得な場合もある、と考えても良いだろう。

※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。