2017年度入試
出題分析と入試対策
  東京工業大学 英語

過去の出題内容

2017年度

番号 項目 問題形式 テーマ
読解・作文 1.下線部和訳(2題) 狩猟採集から農耕牧畜へ
2.下線部英訳(2題)
3.下線部内容説明(1題・日本語による)
4.本文の内容に関する選択(3題)
5.内容一致(3/10題)
読解・作文 1.下線部英訳(1題) つづり方の上達法
2.下線部和訳(2題)
3.下線部内容説明(1題・日本語による)
4.選択空所補充(2題)
5.本文の内容に関する選択(2題)
6.内容一致(2/8題)

2016年度

番号 項目 問題形式 テーマ
読解・作文 1.下線部和訳(4題) イルカの知能
2.下線部内容説明(1題・日本語による)
3.下線部英訳(1題)
4.本文の内容に関する選択(3題)
5.内容一致(2/10題)
読解・作文 1.下線部和訳(2題) 図書館の廃止・存続をめぐる問題
2.下線部英訳(1題)
3.下線部内容説明(1題・日本語による)
4.本文の内容に関する選択(3題)

2015年度

番号 項目 問題形式 テーマ
読解・作文 1.下線部和訳(2題) 電球の発明が睡眠に与えた影響
2.下線部内容説明(2題・日本語による)
3.下線部英訳(1題)
4.1文補充箇所の選択(1題)
5.内容一致(4/15題)
読解・作文 1.下線部和訳(2題) 数値データへの対処法
2.下線部英訳(1題)
3.下線部内容説明(1題・日本語による)
4.本文の内容に関する選択(4題)

出題分析

分量

昨年度、2010年度の導入以来続いた超長文化の傾向が一段落して本文2題分の語数が約2,100と大幅に減少したが、本年度は一昨年度とそう変わらない約2,900に戻り、昨年度の問題を見て多くの受験生が感じたであろう、長文化に歯止めがかかったのでは、という期待は裏切られる形となった。記述式問題の分量は昨年度と比べて全体としてはほぼ変わらない印象だが、英文和訳問題の数が6題から4題へと減少、和文英訳問題は2題から3題へと増加した。

パターン

個別の設問形式に変化は見られるが、標準的な読解力や作文力を試す問題が中心となっていること自体はここ数十年変わらない。大問は従来と変わらず2題。記述式問題は、日本語による内容説明が2題と和訳が4題、英訳が3題。客観式問題は、本文の内容に関する五択が5題と、10の選択肢のうち正解が3個及び8の選択肢のうち正解が2個の内容一致選択、本文中の選択空所補充が2題で、いずれも記述式問題に関わる箇所以外を受験者が雑に読み飛ばすことを阻止する、という狙いを感じさせるものと言える。

難易度

英文自体はさほど読み難いわけではなく、難易度としては昨年度並みと言える。
2題の内容説明に関しては、Ⅰ-5.は80字以内という制限が微妙で、内容的にどこまで含めることが要求されているのかがわかりにくく、Ⅱ-4.は要求されている内容をわかり易く誘導する設問だが、70字以内といういくらか窮屈な字数制限が与えられたため答案をまとめ辛かった。
和訳と英訳は、例年と比べても易しめで取り組み易い問題であり、逆に言えば大幅な失点は許されないレベルと言える。選択式問題は概ね素直な作りで、本文がある程度きちんと読めていれば迷う余地が少ないものが中心だったが、Ⅰ-6.の内容一致に限って言えば、何と言っても本文が長大なので該当箇所を探し出すのに一苦労する選択肢も含まれ、受験者をかなり消耗させる出題となっていた。

内容

超長文化が導入されて以降は2題とも論説文ないし説明文での出題、という形式が定着している。人類史に関するⅠと言語をテーマとするⅡという組み合わせは東工大らしさを感じさせるもので(2013年度にも似た組み合わせがあった)、専門的な知識は特に必要なく、また高校での選択科目による有利不利も生じ難いよう配慮されているものと言って良いだろう。過去には、2014年度Ⅰの社会科学系の専門度・抽象度の高い文章を用いた出題などの例もときにはあったがレアケースであり、ある分野に的を絞った準備は特に必要ではなく効率的でもない。むしろ、多岐にわたる内容の文章に触れる機会を設ける方が良い。

入試対策

<読解力>

やはり今後も「長さ」に怯むことのないよう、日頃から1,500語を超えるような長文を読む機会を作るように努め、慣れることが必要である。内容一致などの選択式の設問の出題傾向を考えると、細部に拘泥せずに大掴みに読み進めることばかりが期待されているわけではないので、文章全体の構成をしっかりと押さえ、どのように論理が展開されているかを捉えつつも、精読を心掛ける、という正攻法の姿勢での読解が望まれる。

<英文和訳>

特別に複雑な文章構造を含んだり、語彙レベルが特に高かったりということは少なく、標準的な難易度での出題が続いている。直訳してもあまり自然な日本語にならない部分が出題される場合もないではないが、全般的な出題傾向から言って、技巧的な翻訳能力のようなものが求められているとも考えにくいので、訳文が多少ぎこちなくなってもさほど気にする必要はないだろう。基本に重点を置いた語彙力と文構造の把握力の養成に励んで欲しい。

<和文英訳>

英語で書かれた文章の一部のみが日本語で示され、その英訳を求める、というスタイルが定着しており、要求される英文の分量もおおよそ70~80語程度までである。
ただし、一昨年度は約40語、昨年度は約50語、本年度は約70語と、ここ3年度について言えば、解答に要する語数は増加傾向にある。英文和訳と同様、高度な語彙力や慣用的な口語表現などではなく、標準的な文の構成力や文法・語彙・語法の知識を試すものが中心なので、やはり基礎力重視の対策が中心で良い。また、以前から続く傾向だが、本文中の表現を使える場合も多いので、英文和訳の設問に目を通してから本文を読み始めるのが得策だろう。

<内容説明>

毎年何題か出題されるこの手の問題は、つまるところいずれも、文章全体の論理展開や前後関係などを把握できているかどうかを問うものである。下線部の前後だけではなく、文章中のより広い範囲あるいは文章全体の理解に基づいた解答を求める出題がされる場合もあるが、腰を据えて本文を読んだ上で設問の要求をしっかりと把握すれば、自ずと解答箇所は見つかるはず。本年度は上の「難易度」の項で記した通り、2題とも字数制限などにより答案としてまとめにくい面があり、多くの受験者がそれなりに苦労したものと思われる。ただし読解力とは別の、答案として要領良くまとめる技術を学校側が意図的に求めているのかと言えば、これまでの出題傾向から考えて、むしろ本年度はたまたまそのような出題になった、という方が真相に近いのではないかという気がする。この手の問題に対する特段の対策を練るよりは、仮に「答案のまとめにくさ」を感じさせる出題があったとしても、それは全ての受験者が感じることになるはずだと腹を決めて、標準的な問題への対応力の養成を心掛ける方が良いだろう。

※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。