2017年度入試
出題分析と入試対策
  北海道大学 物理

過去の出題内容

2017年度

番号 項目 内容
1 力学 円運動、単振動、衝突、放物運動
2 熱力学 2室の気体、状態変化、熱力学第1法則
3 電磁気学 コンデンサー、非線形素子、過渡現象

2016年度

番号 項目 内容
1 力学 球の分離、運動量保存則、鉛直面内の円運動
2 光波 光の基本的性質、屈折と分散、虹の原理
3 電磁気学 電磁誘導、磁場中の導体棒運動

2015年度

番号 項目 内容
1 力学 運動量保存、衝突、放物運動
2 電磁気学 電流と磁場、偶力のモーメント、つりあいの安定性
3 熱力学 気体の状態変化、熱力学第1法則

出題分析

分量

理科2科目150分(2016年までは120分)で、大問は3題。基礎から標準レベルの設問が多く、極端な難問が出されることはない。また、設問一つ一つの計算量も決して多くない。しかし、誘導式の問題文が長めのこともあり、全体の分量は例年やや多めの印象を受ける。効率よくこなせればよいのだが、全問完答を狙うのは現実的には難しい。実力差が得点にあらわれやすい設定といえよう。

パターン

最も多いのは、分野ごとの基本知識からある程度発展的な内容を問う設問を、問題文の流れの中に穴埋めで配置するパターン。設問数は10~12程度でやや多めだが、かなりていねいな誘導がなされている。穴埋め以外の設問があるときは、計算過程の記述や理由説明、グラフ作成が要求される。2017年度前期試験は全設問数が39で、記号選択1題の他は全て解答記入式(穴埋め)として出題された。

内容

大問3題中、力学電磁気学はほぼ毎年1題ずつ出題されており、これは他大学の出題傾向とも変わらない。熱力学、波動、原子物理は、いずれかが残りの1題に出されることになるが、ヤマをかけたりせず、対策はおろそかにしないでほしい。最近10年間の前期試験では、熱が5回、波が5回出題されており、近いところでは4年連続で熱のあと、2016年に波、2017年に再び熱が出題された。原子物理の出題は、過去を含めてごくわずかである。
なお、各年度の前期・後期の一方で波動、もう一方で熱力学という出題がなされることが多い。各分野の頻出項目は以下のとおり。
力学:放物運動、単振動、円運動、摩擦力、衝突
電磁気学:コンデンサー、電磁誘導、荷電粒子運動
波動:光波干渉、屈折、共鳴、ドップラー効果
熱力学:気体の状態変化、熱力学第1法則

難易度

多くの設問は、教科書的な基本レベルから入試での標準的なレベルのものである。特に穴埋め部分は各分野の基本法則がわかっていれば解けるものが多く、物理の考え方の基礎がきちんとできているかを見ようとする大学側の意図がうかがわれる。記述部では分量は少ないにせよ文章表現や論理展開がおろそかだと差が出る。グラフ作成も含めて、記述式設問の難易度は総じて高くなく、むしろ基本レベルといってよい。あくまでも高校物理の基礎学力をしっかり判定しようということであろう。

入試対策

北大入試で問われるのは高等学校課程の標準的な内容であるから、まずは背伸びをせず高校物理の全体像を時間をじっくりとかけてつかんでほしい。物理は論理的・階層的な構造を持つ学科であるから、安易な公式の暗記と当てはめではなく、各分野の基本法則の意味と使い方、典型問題を解く流れを習得すること。北大物理の問題は文の流れの中で解答の道筋を示して誘導していくので、解答を論理立ててつくる訓練はたいへん有効である。
その後は青本や実戦模試などを利用して、北大物理の感触を肌でつかむ訓練をすること。北大の物理は平均的な難易度が高くない割に分量が多めになる傾向があるので、時間配分や誘導形式の問題文の読み方などを、時間を区切った中で実戦的に行うようにするとよい。また、北大はセンター試験の配点が難関校の中では比較的高いので、年末から年明けにかけてはこちらの対策もおろそかにしないでほしい。
※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。