2017年度入試
出題分析と入試対策
  北海道大学 地学

過去の出題内容

2017年度

番号 分野 内容(出題形式)
1 天文 距離
はし
子、大規模構造(記述、論述、計算)
2 地質 地球史、大量絶滅(記述、選択、論述)
3 大気 フェーン現象、地上天気図(記述、論述、計算)
4 地球 プレート運動、地震(記述、選択、論述、描図)

2016年度

番号 分野 内容(出題形式)
1 地球 地球の概観、天体の形状(選択、論述、描図)
2 地球 地震波、断層運動(選択、論述、計算、描図)
3 地質 島弧-海溝系の地質、プレート運動(記述、論述)
4 大気 大気大循環、南北熱輸送(記述、論述)

2015年度

番号 分野 内容(出題形式)
1 岩石 マグマの発生、火山活動、火成岩(記述、選択、論述)
2 地質 地球史、古生物、放射年代(記述、選択、論述)
3 海洋 エルニーニョ現象、南方振動(記述、選択、論述)
4 天文 HR図、恒星の進化と諸量(論述、計算)

出題分析

出題分野

地学の5つの分野である、「地球」(固体地球物理)、「岩石」(岩石・鉱物)、「地質」(地質・地球史)、「大気・海洋」(流体地球物理)、そして、「天文」(太陽系、恒星と宇宙)の中から、大問として4つが出題されている。この出題構成は、2004年度から継続している。なお、「大気・海洋」は、「大気」または「海洋」と分けての出題が多い。
2017年度は、「天文」分野が2年ぶりに独立して出題され、「岩石」分野と「海洋」分野からは2年連続で出題がなかった。出題内容では、プレート運動、地震・断層運動が2年連続で出題、宇宙の大規模構造が2013年度以来、地球史と古生物は2015年度以来であるが、直近の5年間で3回の出題、地上天気図が2014年度以来の出題、フェーン現象は実に1987年度以来の出題である。なお、出題科目名は2015年度から「地学基礎・地学」、2014年度までは「地学Ⅰ・Ⅱ」である。

出題分量

科目当たりの試験時間が75分(2016年度までは60分)で、大問は4つであるため、一見すると余裕があるように感じる。しかし、後述のように論述問題や計算問題の分量から推測すると、答案作成には相応の時間を要すると感じる。

出題形式

過去の出題形式を列挙すると、①提示文中の空欄に適語などの記述問題や単答式の記述問題、②選択肢問題、③地学現象を説明する論述問題、④関係式の導出や数値を求めさせる計算問題、そして、⑤描図問題と実に多岐にわたっている。また、特筆すべきは、論述量と計算量について出題年度によってバラツキが大きい点があげられる。これらの過去3年間の推移を、以下の表に示しておく。
年度 論述解答数 総文字数 計算解答数 解答形式
17 8 470 8 過程の明示、結果のみ
16 9 515 2 過程の明示
15 8 460 3 過程の明示

出題内容

地学のほぼ全分野にわたっての出題がなされているため、知識の質のみならず一定量も求められる内容となっている。また、地学で用いられる図表や写真などから地学現象を読解させるような思考力を問うものもある。さらに、論述問題では字数制限(過去10年間では15~200字)を課して地学現象を説明させるものとなっている。
加えて、2017年度のダークエネルギー、2016年度の構造侵食、2013年度のアウターライズ(海溝外縁隆起帯)のような新しいトピックスの出題や、2013年度の地質断面図を描かせるような地学で必要な技能を問う出題がある。また、2012年度のケプラーの第三法則の式導出のような地学で求められる物理的・数学的な能力も問われている。

難易度

地学の教科書で扱われる内容を問う標準的な出題が多い。しかし、ここまで述べた通り出題分野には大きな偏りが見られず、かつ論述量と計算量が年度で異なる点から、試験時間内での解答能力が問われる。2017年度は論述量がやや減少し計算量は増加したが、総合的に見て難易度は「標準」である。

入試対策

《知識整理》

地学の教科書などで、5つの分野ごとの知識整理が何よりも必要となる。一定の知識量の蓄積と同時に、分野ごとに図表などの見方やそこで示される地学現象を掴まえられるような訓練も必要である。あわせて、数理的な理解力を身に付けるために、積極的に数式で現象の関係性を説明できるように努めて欲しい。

《論述対応》

地学で扱われる用語や現象を20~100字程度で実際にまとめてみる練習を積み重ねる必要がある。その際、キーワードは何かを常に意識し、因果関係を明確にし文全体の整合性が保てるように自らの手で推敲に努めて欲しい。
※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。