2017年度入試
出題分析と入試対策 東北大学 英語
出題分析と入試対策 東北大学 英語
過去の出題内容
2017年度
番号 | 項目 | 内容 |
---|---|---|
Ⅰ | 読解 (エッセイ) |
問1 下線部和訳(13.8cm×5行) 問2 下線部和訳(13.8cm×5行) 問3 空所補充 問4 下線部内容選択 問5 下線部和訳(13.8cm×5行) |
Ⅱ | 読解 (論説文) |
問1 下線部説明(13.8cm×5行) 問2 下線部説明(13.8cm×5行) 問3 下線部和訳(13.8cm×5行) 問4 段落内容選択 |
Ⅲ | 読解 (会話文) |
問1 内容一致 問2 自由作文(13.8cm×5行) |
Ⅳ | 英作文 | 和文英訳×2問(それぞれ13.8cm×5行) |
2016年度
番号 | 項目 | 内容 |
---|---|---|
Ⅰ | 読解 (エッセイ) |
問1 下線部和訳(13.8cm×5行) 問2 空所補充 問3 同義語発見 問4 空所補充 問5 下線部和訳(13.8cm×4行) 問6 下線部説明(それぞれ13.8cm×2行) |
Ⅱ | 読解 (論説文) |
問1 下線部和訳(13.8cm×5行) 問2 文整序 問3 下線部説明(13.8cm×3行) 問4 下線部説明(13.8cm×5行) |
Ⅲ | 読解 (会話文) |
問1 内容一致 問2 自由作文(13.8cm×6行) |
Ⅳ | 英作文 | 和文英訳×2問(それぞれ14.1cm×5行) |
2015年度
番号 | 項目 | 内容 |
---|---|---|
Ⅰ | 読解 (エッセイ) |
問1 下線部和訳(13.8cm×5行) 問2 下線部内容説明(13.8cm×4行) 問3 下線部内容選択 問4 下線部内容選択 問5 下線部内容説明(13.8cm×4行) |
Ⅱ | 読解 (論説文) |
問1 下線部和訳(13.8cm×5行) 問2 下線部内容選択 問3 下線部理由選択 問4 下線部和訳(13.8cm×4行) 問5 下線部内容説明(13.8cm×5行) |
Ⅲ | 読解 (会話文) |
問1 内容正誤×5問 問2 自由作文(13.8cm×4行) |
Ⅳ | 英作文 | 和文英訳×2問(それぞれ14.1cm×5行) |
出題分析
分量
概要
内容
【長文読解総合問題】
2017年度は、昨年度と同様、大問ⅠとⅡで長文読解総合問題が出題された。
Ⅰは「GPS機器の功罪」というテーマで、GPSを使うことにより受けられる恩恵と、それにより失われる人間の能力に関するエッセイ形式の問題であった。特に専門知識を必要とするものではなく、内容も身近で読みやすい素材だったが、下線部は構造がやや難しく、解答を作るのに時間を要した者も多かっただろう。問題構成については「下線部和訳(2問)+下線部説明(1問)+空所補充(1問)+下線部内容の選択(1問)」であった。空所補充が1問減少したが、記述量としては昨年度よりやや増加した。問題の中では、問5の下線部説明が難しく、最終段落全体とともに英文全体の文脈を考慮しつつまとめなければならなかった。
Ⅱは「日本のアニメに対する海外での反応」というテーマで、日本のアニメが世界各地にどのような影響をもたらしているのかについて論じたものであった。問題構成については「下線部説明(2問)+下線部和訳(1問)+内容一致(1問)」であった。昨年度に出題された文整序がなくなり、今年は内容一致が出題されたが、記述式問題に関しては、昨年とほぼ同じ形式で、分量もほとんど変わりがなかった。問題の中では、問3の和訳問題がやや難しく、こなれた日本語にするのに時間を要した者も多かっただろう。
ⅠもⅡも全体的には、文構造を正確につかむための精読力と文脈把握力の両方が試されており、バランスのよい設問構成と言えよう。難易度も易しいものからやや難しめのものまで含まれており、例年比では取り組みやすい問題といえるだろう。
下線部和訳は、極端に複雑な文構造の理解が問われることは少なく、むしろ、標準的な難易度の英文をこなれた日本語に直す力が問われている。語句説明問題は、「どこまでを答えに含めるのか?」が設問文だけからは明確でない場合がある上、字数制限もないことが多く、与えられた解答欄の大きさを手がかりに、過不足ない答案を素早く作成する柔軟な対応力が必要になる。かなり長い範囲にわたって、重要要素を数カ所見つけなければいけないこともある。この他にも、同義表現選択、単語空所補充、内容一致文選択などが出題されることも増えているが、全般的に、単に知識を試すだけの設問はほとんど見られず、思考力・推理力・表現力を測ることができるよう工夫された設問が多い。長期にわたる地道な努力がきちんと得点に反映されるはずであるから、そうした努力を怠らなかった学生は安心して取り組めるであろう。しかしこれは逆に言うと、「単語や熟語を暗記しておけばなんとかなるかな」などという安直な態度では絶対に通用しないということである。
【会話文問題】
2017年度はⅢで会話文を使った内容一致問題・英問英答式の作文問題が出題された。内容はディベート形式の対話で、「制服の是非」に関して男女二人が論じ合うものだった。問2の英問英答式の英作文は、学校での制服着用に賛否を示した上で、その理由を英語で述べよというものだった。問題文中に、「会話文中で述べられていない理由を少なくとも1つ挙げよ」と但し書きがあり、自分で理由を考えなければならなかった。ただ、昨年度は「会話文中で述べられている理由を用いずに書け」という非常に難しい出題だったため、今年はかなり書きやすくなったと思われる。来年度以降も会話文が出題される可能性は高いので、文脈の流れを正確に追うと同時に、本文中に挿入された「状況描写」も丹念に読み、発言の文脈を理解することが要求される。
【英作文】
2007~2010年度は(Ⅳで)和文英訳(日本語の中の下線が引かれた箇所を英訳する形式)のみが連続して出題された。ところが、2011年度は従来通りの和文英訳に加えて、Ⅲで「与えられた英問に対する返答を英語で書く」という形式の問題が出題された。その後2年は記述がかなり偏重され、受験生にとってはつらい時期であった。2012年度はそれに加えて、Ⅱで「与えられた3つの講義要綱を読んで、その中から受講するものを1つ選び、その選択理由を英語で説明せよ」という形式の自由英作文問題が出題された。さらに、2013年度ではⅢで「ダム建設を巡る4人の議論を読み、『推進派』と『反対派』の意見を要約する」という形式の問題が出題された。しかし、その後英作文の分量は減少し、2014年度から2017年度にかけて、Ⅲで会話文中のセリフの意図や自分の意見を英語で記述させるものと、Ⅳの和文英訳のみとなった。
過去の出題を見ると、2004年:和文英訳+自由英作文/2005年:自由英作文のみ/2006年:要約問題+和文英訳/2007~2010年:和文英訳のみ/2011~2013年:自由英作文+英問英答+和文英訳/2014~2017年:英問英答+和文英訳、という形式であった。
近年、作文パートは設問のタイプや組合せが安定していると言えるが、今後、設問タイプが変化する可能性も考えられるので、さまざまな出題形式を想定して準備しておくべきであろう。但し、どんな問題が出題されても、「1文1文正確な英文を書く」ということに変わりはないので、文法的に正しい英文を書けるように日々練習を繰り返すべきである。特に、自分の意見を秩序立てて述べる自由英作文の練習は欠かせない。
入試対策
【下線部英文和訳】
【下線部説明問題】
【内容一致英文選択問題】
上記の他にも、文章全体の流れやパラグラフ構成を問う問題、タイトル選択などといった設問が組み込まれてくる可能性も十分あるので、普段から訓練しておきたい。