2017年度入試
出題分析と入試対策
  神戸大学 数学(理系)

過去の出題内容

▼理、工、医(医学科、保健学科-検査技術科学)・農・国際人間科学(環境共生学科-理科系)・海事科学部

2017年度

番号 内容 科目名
1. 微分法と方程式、数列の極限 数学Ⅲ
2. 定積分と不等式、無限級数 数学Ⅲ
3. 図形と計量、無限等比級数 数学Ⅰ、Ⅲ
4. 確率、空間ベクトル 数学A、B
5. パラメータ表示された曲線 数学Ⅲ

2016年度

番号 内容 科目名
1. 空間ベクトルと内積 数学B
2. 2次関数、図形と方程式 数学Ⅰ、Ⅱ
3. 2曲線が接する条件と回転体の体積 数学Ⅲ
4. 2整数の最大公約数 数学A、B
5. 極方程式と曲線の長さ 数学Ⅲ

2015年度

番号 内容 科目名
1. 2曲線で囲まれた部分の面積 数学Ⅲ
2. 図形と最大・最小 数学Ⅲ
3. 4次関数のグラフと変曲点、接線 数学Ⅲ
4. 数列の和と極限 数学B、Ⅲ
5. 三角形の成立条件と場合の数 数学A
▼医(保健学科-看護学、理学療法学、作業療法学)・国際人間科学部(発達コミュニティ・子ども教育学科)

2017年度

番号 内容 科目名
1. 3次関数の極値、最大値と最小値 数学Ⅱ
2. 定積分の計算、2次方程式の整数解 数学A、Ⅱ
3. 確率、空間ベクトル 数学A、B

2016年度

番号 内容 科目名
1. 空間ベクトルと内積 数学B
2. 2次関数、図形と方程式、面積 数学Ⅰ、Ⅱ
3. 確率 数学A

2015年度

番号 内容 科目名
1. 図形と方程式 数学Ⅱ
2. 積分と漸化式 数学Ⅱ、B
3. 三角形の成立条件と場合の数 数学A

出題分析

▼理、工、医(医学科、保健学科-検査技術科学)・農・国際人間科学(環境共生学科-理科系)・海事科学部

分量

例年試験時間は120分で、5題出題されている。時間的に過不足はない。

形式

記述式で、多くの場合、誘導式の小問に分かれている。17年度は5問ともこのパターンの出題であった。小問をつけずに解法を問う問題も出題されている(13年度)。

内容

最近の5年分の出題を科目別にみると次のようになる。
17年度の数学Ⅰの出題は、第3問の「図形と計量」であり、正四面体における三角比の値と正三角柱の体積である。数学Aの出題は、第4問の「確率」であり、適切な分類を伴う確率の計算である。数学Bの「空間ベクトル」で事象が指定されている。16年度の数学Ⅰの出題は、第2問の「2次関数」であり、絶対値記号を含む2次関数のグラフの概形を用いて不等式の成立条件を求めるものである(数学Ⅱを含む)。数学Aの出題は、第4問の現行課程で新たに入ってきた分野である「ユークリッドの互除法」である。通常は正の整数に限定されるが、負の数も含めて考える証明問題である(数学Bを含む)。15年度の数学Ⅰ、数学Aからの出題は「場合の数」であった。14年度は「整数」と「確率」、13年度は「確率」であった。
17年度の数学Bの出題は、第4問の「空間ベクトル」であり、ベクトルの垂直や4点が同一平面上にある条件などが問われている。16年度の数学Ⅱの出題は、第2問の「図形と方程式」である。また、数学Bの出題は2題あり、第1問の「空間ベクトル」と第4問の「数列」である。特に、第4問は3項間の漸化式を用いた問題であり、偶奇の場合分けを含む。15年度は「数列」であった。14年度は「空間のベクトル」であり、13年度は「図形と方程式」、「微分・積分」、「空間のベクトル」、融合で「数列の漸化式」と多かった。
17年度の数学Ⅲの出題は4題にわたり、近年、出題が多い。過年度との関わりも含めて述べておく。第1問の「微分法と方程式」は14、13年度にも、「数列の極限」は13年度にも出題がある。第2問は「定積分と不等式」と「無限級数」で、「無限級数」は15年度にも出題がある。第3問は「無限等比級数」で、第5問の「パラメータ表示された曲線」は16、15年度にも出題がある。16年度の数学Ⅲの出題は2題あり、第3問の「回転体の体積」と第5問の「極座標」である。第3問は2曲線が接する条件を含み、定番の問題である。また、第5問は現行課程で新たに入ってきた分野である「曲線の長さ」を求める問題である。15年度は「微分」が2題と「積分」、融合で「無限級数」と多かった。14年度は「微分」と「積分」の2題、13年度は、定積分で与えられる関数と、融合で「数列の極限」であった。数学Ⅲの「微分・積分」は理系数学の中心をなす部分であるが、数学Ⅲからはこれまで「微分・積分」はもちろん、ほとんどすべての項目が取り上げられてきている。

難易度

近年では、08年度は少し易しかったが、09年度にやや難しくなった。10~14年度は平年並に戻ったが、15~17年度は少しだけ難化した。15年度は例外的に証明問題が出題されなかったが、論証重視の傾向は強く、要注意である。また、これまで計算力を問う問題がよく出題され、先見性をもって計算しなければならない問題も多い。さらに、曲線の概形を図示させることもある。平易ではあるが、あまり扱い慣れていない問題や、基本的ではあるが本質的な理解を問う問題もよく出題される。
▼医(保健学科-看護学、理学療法学、作業療法学)・国際人間科学部(発達コミュニティ・子ども教育学科)

分量

例年試験時間は80分で、3題出題されている。時間的に過不足はない。

形式

記述式で、多くの場合、誘導式の小問に分かれている。17年度は3問ともこのパターンの出題であった。例年この誘導式の小問パターンが多いが、小問をつけずに解法を問う問題も出題される。

内容

最近の5年分の出題を科目別にみると次のようになる。
17年度の数学Aの出題は2題ある。第2問は「2次方程式の整数解」であり、典型的である。第3問は「確率」であり、適切な分類を伴う確率の計算である。数学Bの「空間ベクトル」で事象が指定されている。16年度の数学Ⅰの出題は、第2問の「2次関数」であり、絶対値記号を含む2次関数のグラフの概形を用いて不等式の成立条件を求めるものである(数学Ⅱを含む)。数学Aの出題は、第3問の「確率」である。15年度の数学Ⅰ、数学Aからの出題は「場合の数」であった。14年度は「整数」の証明問題、13年度は「確率」であった。
17年度の数学Ⅱの出題は2題ある。第1問の「3次関数」は極値の計算、場合分けを伴う最大値と最小値である。第2問の「定積分の計算」と「2次方程式」は基本的である。16年度の数学Ⅱの出題は、第2問の面積の「積分」である。15年度は「図形と方程式」と、漸化式との融合で「積分」であった。14年度は「微分・積分」から、極値と面積が融合問題の中で出題された。13年度は「図形と方程式」から出題された。よく出題されるのは「微分・積分」と「図形と方程式」である。
17年度の数学Bの出題は、第2問の「空間ベクトル」であり、ベクトルの垂直や4点が同一平面上にある条件などが問われている。16年度の数学Bの出題は、第1問の「空間ベクトル」である。15年度の数学Bからの出題は積分との融合で「漸化式」(階差数列の和が必要)であった。14年度と13年度は「空間ベクトル」が出題された。

難易度

近年は特に難しい問題はなく、基本的、あるいは標準的なレベルの問題が出題されている。しかし、例年、1題はかなりの計算力を必要とする問題であることが多く、15年度は例外的に証明問題が出題されなかったが、論証を要求されることも多い。

入試対策〈特徴と対策〉

▼理、工、医(医学科、保健学科-検査技術科学)・農・国際人間科学(環境共生学科-理科系)・海事科学部

学習指導要領の変更に伴い、15年度から現行課程入試が始まり、16年度は「ユークリッドの互除法」と「曲線の長さ」が出題された。次年度からは複素数平面も出題されるであろう(17年度後期に出題有り)。しかし、大勢としては計算力と思考力の両方を重視するこれまでの傾向を受け継ぐものとなるであろう。したがって過去問の研究が参考になることは間違いない。そこで以下17年度までの分析と、それを踏まえた対策を述べておくことにする。
数学Ⅰ、数学Aからは、「場合の数」、「確率」から出題されることが多かった。また、数学Ⅱ、数学Bからは、「数列」、「漸化式」、「ベクトル」に加えて、「図形と方程式」、「三角関数」もよく出題された。数学Ⅲからは、これまで教科書に出てくるほとんどすべての項目が取り上げられてきており、この傾向は今後も続くものと考えられるので、教科書の内容を偏らずにすべて学習しておくことが望まれる。また複素数平面では、回転を中心とする図形に関連する問題が要注意である。
どの分野でも、超難問と思われるものはまず出題されないのが神戸大の特徴である。標準的な問題を数多く演習し、標準問題で取りこぼしをしないことが大切である。また、多くの場合、一定の計算をこなして答を出すことが要求されるから、日頃から着実に計算を実行して答を出すという、計算力重視の学習をすることが望まれる。また、過去には、あまりパターン化されていない、思考力を要する問題もたびたび出題されたので、日頃からいろいろな問題をさまざまな角度から解き、柔軟な思考力を身につけておくことが大切である。さらに証明問題も多いから、論証の力も養っておかなければならない。
以上の点に留意し、十分な準備をしておけば、本番で確実な成果を期待できるであろう。

▼医(保健学科-看護学、理学療法学、作業療法学)・国際人間科学部(発達コミュニティ・子ども教育学科)

学習指導要領の変更に伴い、15年度から現行課程入試が始まったが、17年度は「2次不等式の整数解」が出題された。ところで前回の学習指導要領の変更においては、06年度からそれに伴う入試となったが、以前からの傾向はそのまま引き継がれた。したがって、今回も大勢としてはこれまでの傾向を受け継ぐものとなるであろうから過去問の研究が大切になることは間違いない。そこで以下17年度までの分析と、それを踏まえた対策を述べておくことにする。
「ベクトル」、「微分・積分」、「図形と方程式」のように毎年よく取り上げられる分野があり、強い傾向性があると言える。また、「整数」に関連した問題もよく出題されるので要注意である。しかし、一方で、いろいろな分野が融合した問題も出題されている(17年度第3問、15年度第2問、14年度第1問)。したがって、特定の分野に偏らず、教科書のすべての項目にわたって幅広い基礎力をつけておくことが大切である。
レベル的には基本的、あるいは標準的な問題がほとんどであるが、論証を前面に出した問題も多く、一定量の計算をして答を出すことを要求されることも多い。したがって、日頃から論証問題に力を入れる他、着実に計算を実行して答を出すという、計算力重視の学習にも力を入れておくことが大切である。また、文字係数についての適切な場合分けが必要な問題(10年度第1問)や、パターン化されていない問題も出題される。したがって、日頃からいろいろな問題をさまざまな角度から解き、柔軟な思考力を身につけておくことが大切である。
以上の点に留意し、十分な準備をしておけば、本番で確実な成果を期待できるであろう。
※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。