2017年度入試
出題分析と入試対策
  神戸大学 化学

過去の出題内容

2017年度

番号 テーマ 必要な知識
浸透圧 ファントホッフの法則
開放系・密閉系での浸透圧測定
気体の法則
有機化学
カルボン酸・エステルの性質
脂肪族アルコールの構造決定
酸無水物、エステルの合成
油脂の構造と融点の高低
アルコールとナトリウムの反応
アルコールの酸化、脱水
無機化学
無機Xの決定
沈殿反応
錯イオン生成反応
凝固点降下
炎色反応
天然有機化合物
酵素
デンプン
酵素反応
酵素の種類
酵素の反応条件
デンプンを素材としたモル計算

2016年度

番号 テーマ 必要な知識
固体の溶解度
反応速度
再結晶
固体の溶解度計算
一次反応と速度式
窒素化合物
合成法、性質、反応
ハーバー・ボッシュ法
オストワルト法
硝酸の性質
銅と希硝酸との反応
NOの性質と捕集法
有機化合物の性質
脂肪族、芳香族化合物
アルコールの酸化、脱水
アルカンの沸点の高低
アルコール、エーテルの沸点の高低
芳香族化合物の融点の高低
光学異性体
ニトロベンゼン、エチレン、フェノールの反応
合成高分子化合物
天然ゴム
重合法
PETの構造式
ポリスチレン
軟化点、熱可塑性樹脂
天然ゴムの立体構造

2015年度

番号 テーマ 必要な知識
凝固点降下
冷却曲線
強電解質溶液
過冷却状態
冷却曲線
凝固点の読み取り
溶液で冷却曲線が傾く理由
凝固点の計算
脂肪族炭化水素
分析と構造
芳香族化合物の系統分析
燃焼による組成式の決定 付加反応幾何異性体と光学異性体
クメン法
酸性・塩基性 NaHCO3との反応
2族化合物の性質
シュウ酸塩の熱重量分析
2族とアルカリ土類
CaCl2やBa塩の性質
CaC2O4・H2Oの熱重量分析
アミノ酸とペプチドの構造式
アミノ酸の電離平衡と等電点
酸アミド結合、ペプチド結合の生成および加水分解反応
アラニンの電離

出題分析

分量

理科系全学部共通で、例年4題の出題である。また、試験時間は理科1科目あたり60分であり、解答時間は適量である。

特徴

4題の出題であり、無機化学1題、理論計算1題、有機化学2題の出題である。化学基礎、化学の全分野から偏りなく出題され、また新しい課程に移行した影響もなく難易度の変化も見られない。

入試対策〈分野別分析と対策〉

①理論計算分野

『物質の構造』からは分子間力と水素結合、結晶についての理解を問う問題が、無機化合物の知識と関連させてよく出題されている。
『気体の法則』『状態の理論』からは出題されるときには難易度の高いものとなることが多いので、混合気体の反応、状態変化や蒸気圧など出題年度をさかのぼりながらも対応できるようにしておきたい。『溶液の理論』から課程の移行にともなってか14年、15年、16年、17年と続けて出題されており、14年の問題はかなり難しいものであった。
『反応の理論』では、2010、11年と2年連続して熱化学の大問が出題されている。従来より熱化学計算の標準的な小問がよく出題されてはいたが、このような偏ったテーマの大問での出題は異様ではあるが今後も注意しておくべきだろう。また化学平衡と反応速度の出題も多い。特にこれらのテーマについては、苦手とする受験生が多いだろうから、早い時期から意識をもって集中して対策を立てておくべきだろう。気相反応を素材とした反応速度、平衡移動についての定性的な問題や平衡定数を扱う計算問題がよく出題されており、14年も気体平衡が出題された。同じ問題でよいので繰り返し反復練習をすることが計算力を高めることには効果的である。

②無機化学分野

神戸大学では『無機化合物の性質』『酸と塩基・酸化還元・電気化学』から一題という枠組みで長らく出題していたが、11~14年の間は単純な無機化合物の知識を問う出題が姿を消し14年に鉛蓄電池が出題されていた。15年はCaC2O4・H2Oの熱重量分析が出題され、過去にはCuSO4・5H2Oを繰り返し出題していた神戸大であったので十分に出題が予想されていたものであり、これにカルシウム化合物の性質を問う出題内容であった。16年は窒素化合物の性質に関する出題となっており、10年までの出題形式が復活した形となった。17年はイオン分析に関する出題だった。ある元素や無機物を取り上げて、知識を総合的に問う形式の出題は十分に考えられるので、過去に繰り返し出題されている『アルミニウム』や『銅』についても確認しておくようにしておこう。

③有機化合物

脂肪族化合物や芳香族化合物についての有機化学からは単純な知識を問うだけの出題も見られることもあるが、多くは構造決定題または実験題となる。構造決定題では07年(C8H10O)、12年(C3H8O)のように典型的なものを中心に出題しているが、09年(C4H6O2 環状エステル)、10年(C4H8O)などやや難度の高いものを出題することもあるので、構造決定問題の解法に習熟しておくことが必要である。13年(C11H14O2)、14年(C10H12O2)と同じような出題が続いていたが、15年は脂肪族、芳香族化合物の知識を素材とした系統分離についての問題が久しぶりに出題された。16年、17年も脂肪族、芳香族化合物の性質に関する出題で、17年(C5H12O アルコール)はやや目新しい構造決定の出題だった。
天然有機化合物・合成高分子化合物からも14年だけは出題がなかったが、ふつう1題出題されその多くは『糖』『アミノ酸とタンパク質』が出題されている。15年は反応の理論で電離平衡が良く出題されることにも関連して、ようやくアミノ酸の電離平衡である等電点が出題された。16年は旧々課程で頻出であった『合成高分子化合物』が出題された。17年は酵素・デンプンを素材とした出題だった。『糖』、『アミノ酸とタンパク質』、『合成高分子化合物』は過去の出題に当たっておくことが良い対策になることだろう。また、『核酸』についての出題は神戸大学では未だにないが、現行課程では出題される可能性はあるので丁寧に学習しておきたい。
最後に、ここ数年の出題にはかならず説明記述問題が含まれている。化学の内容を理解した上で、記述のためのトレーニングも積んでおく必要がある。
※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。