2018年度入試
出題分析と入試対策
  京都大学 国語(理系)

過去の出題内容

2018年度

番号 科目 類別 内容 出典
現代文 評論 傍線部の内容説明、傍線部の理由説明 佐竹昭広
「意味変化について」
現代文 評論 傍線部の内容説明、傍線部の理由説明 湯川秀樹
「科学と哲学のつながり」
古文 紀行 現代語訳、内容説明 西山宗因
『肥後道記』

2017年度

番号 科目 類別 内容 出典
現代文 随想 傍線部の内容説明、傍線部の理由説明 串田孫一
「山村の秋」
現代文 評論 傍線部の理由説明 安藤宏
『「私」をつくる近代小説の試み』
古文 擬古文 現代語訳、内容説明 中島広足
『海人のくぐつ』

2016年度

番号 科目 類別 内容 出典
現代文 随想 漢字の書き取り、傍線部の内容説明、傍線部の理由説明 松浦寿輝
『青天有月』
現代文 評論 傍線部の内容説明、傍線部の理由説明 樺山紘一
『情報の文化史』
古文 芸道論 現代語訳、内容説明 『わらんべ草』

出題分析

特記事項

《現代文》

例年通り、は文系・理系で共通問題(設問数は、理系が文系よりも1問少ない)、は文系・理系別問題であった。
は昨年度の文学的随想とは異なり、意味論における言語と人間の心的活動の関係を論じた評論からの出題であった。論旨は把握しやすく、特に言語論に関する基礎的な知識があれば、内容は平易であっただろう。評論ではあるが表現、文体、引用などは、15年度出題の随想(阿部昭『短編小説礼讃』)に近い。
では、ここ数年、言語表現をテーマとする文章が出題されており、昨年度は、言文一致体について述べた評論から出題され、文章自体の難易度は例年に比べて難化した。昨年度の本文とは打って変わり、今年度は科学者である筆者が科学の限界について述べた文章であった。10年度の木下是雄『日本語の思考法』と同様、理系を意識した出題であったといえよう。理系としては、標準的な内容難度である。京大現代文では、理系に限らず、自然科学者の文章が出題されることはまれであり、過去には寺田寅彦(例外的な科学者ではあるが)の文章があるくらいである。
漢字問題は二年続けて出題されなかった。漢字が出題されるかどうかは年度による。

分量

《現代文》

◎問題本文量(字数)
文系・理系が分離した後の字数の増減は以下の通りである。

13年度 約3100字 約1800字

14年度 約3300字 約1800字

15年度 約2700字 約2400字

16年度 約2900字 約1900字

17年度 約2500字 約1900字

18年度 約3400字 約1800字

◎解答記述量

13年度
4問(漢字・3行・4行・5行) 12行分
3問(3行・3行・3行)      9行分 合計21行分

14年度
4問(漢字・2行・3行・6行) 11行分
3問(3行・3行・3行)      9行分 合計20行分

15年度
4問(3行・3行・4行・4行) 14行分
3問(4行・3行・5行)     12行分 合計26行分

16年度
4問(漢字・5行・3行・4行) 12行分
3問(3行・3行・5行)     11行分 合計23行分

17年度
4問(3行・2行・3行・4行) 12行分
3問(3行・3行・4行)     10行分 合計22行分

18年度
4問(3行・4行・3行・5行) 15行分
3問(3行・2行・4行)      9行分 合計24行分

問題本文量は、は増加し、は昨年並み。約2500〜3500字と幅があるが、は15年度が例外的で、通常は1700字〜1900字程度である。については長文が題される可能性もあると覚悟しておこう。
解答記述量については、3行の記述説明が基本で、2行、4行〜6行設問も出題され、合計で22行〜24行というところである。全体として、「たくさん書かねばならない」という京大現代文の特徴は失われつつある。書く必要のあることをきちんと書くことが求められる。解答のカタチや設問意図を意識して解答作成をすることが、高得点をとるには一層必要となる。
京大現代文の解答欄はタテ14センチで、1行あたり字数でいうと25字〜30字。文字数で言えば、25文字程度で記述する。解答行数=解答字数に応じた的確な解答作成を意識する必要がある。1行に40字近く書いている答案も散見されるので、初期の段階で注意をしておきたい。当たり前のことだが、京大現代文は小さな字が書けるかどうかという能力試験ではない。一定の字数で、設問要求に応じて、的確な表現で説明できるかどうかという能力が問われている。

《古文》

ここ数年は400字前後である。18年度の『肥後道記』は430字ほど、17年度の『海人のくぐつ』は330字ほどであった。ただし、13年度の『玉勝間』が560字ほど、11年度の『織錦舎随筆』が590字ほどで、600字近い文章が出題されたことがあったことは考慮しておかなければならない。

設問パターン

《現代文》

漢字問題が出題されるか否かは年度によって異なるが、それ以外は全問記述説明問題であり、傍線部の内容説明と傍線部の理由説明が主である。
本文と設問の関係を簡単に整理しておこう。

本文 論理が細部まで語り尽くされていない文章
  • ・筆者もしくは主人公が、あれこれと思いついたことをその思惟の流れのまま書いている文章
  • ・日常的に使用される日本語の特徴を反映した、省略の多い、状況依存型の文章
  • ・比喩表現や慣用表現が用いられているため、表現が明確ではない文章
  • ・言語の多義性から、文脈に応じた限定が必要な文章
設問 本文中の表現を、本文の(広義の)論理に沿って理解し、より正確な・より明快な表現に換える

センター試験の現代文と京大現代文をまったく違うものと考えるべきではない。センター試験で要求される客観的速読や辞書レベルの語義理解、評論であれば論理構造の把握、小説であればシチュエーションを踏まえた心情把握がきちんとできることは当然要求される。それに加えて、京大現代文ではより高度な読解力が要求され、さらに、その読解内容を的確に表現する言語表現力が要求されると考えればよいだろう。
設問パターンとパターンに応じた解答作成については、後の「入試対策」で述べるが、内容説明問題にも様々なタイプがあるので、過去問演習を通して、説明パターンを把握していることが必要である。比喩の説明問題は以前ほどではないにしろ、必ず出題されている。理由説明問題については解答の構成に工夫がいる。これも過去問演習を通して、説明パターンを確認しておきたい。 小説や随想の場合は、登場人物や筆者の心情が記され、傍線部の内容説明・理由説明が心情説明となる場合もある。センター試験第2問(小説)の心情説明問題を記述で答えることが要求されていると考えておこう。
の最後の設問では、傍線部なしで部分要旨が問われたり、本文の重要な単語の説明を本文全体をふまえて行う問題などが出題されている。07年度以降のの問題で確認しておこう。

《古文》

現代語訳と説明が典型的な設問である。

(1)  現代語訳は、語法の理解を尋ねる面と、問題文の内容理解をも尋ねる面と、二つの性格を併せ持っている。語法面では基本的な語法の部分を出題していて、文法レベルで分析に苦しむような部分は出題されていない。言葉を補う必要があるかどうかは、設問に指示がある。
(2)  説明は、傍線部の内容を説明するものと、理由、心情、文章の内容や筆者の考えをまとめるものと、二種類がある。近年は手応えのある文章が出題されているので、読み取りはもちろんのこと、どうまとめてどう書くかという、思考力・表現力を試していると言えよう。

傾向

《現代文》

文章のジャンルとしては、随想が主流だが、小説も評論も出題されている。筆者の考えがすべて論理的に表現されてはいない古い評論は随想との区別がつきにくい。また、身辺雑記の随想と一人称で書かれた私小説的な小説との区別も難しい。受験生としては、ジャンルにこだわらず、論理的な文章も文学的な文章も中間的な文章も出題されると考えて、どのような文章でも読みこなせるようにしておきたい。随想・評論のテーマとしては、文化・芸術・文学・言語・人生など、原則人文系のテーマである。
読解力については、センター試験で要求される客観的速読力に加えて、傍線部読解を通して、本文の根底にある筆者の論理や思考、思惟を把握することが求められている。設問は、本文読解を前提とした傍線部を含む文脈の把握、比喩表現の意味などを自力で説明する語彙力、抽象的な内容を傍線部の構造をふまえて、本文中に根拠を求め、さらに不足分を自分で補うといった具体的説明力、またその逆に、具体的な内容をコンパクトにまとめる表現力があるかどうかをみることを意図している。

《古文》

京大の問題文にはいくつかの系統がある。
一つの問題文にはいろいろな要素が含まれているので、単純に整理はできないが、大きく、本格的な古文の系統、物語や説話の中で和歌を扱う系統、歌論や評論の系統、近世擬古文の系統があると整理することができるだろう。
本格的な古文の系統としては、15年度(文系)『うつほ物語』、14年度(文系)『とはずがたり』、13年度(文系)『源氏物語』、12年度(理系)『苔の衣』、09年度(理系)『源家長日記』、08年度(文系)『石清水物語』など、物語や説話の中で和歌を扱う系統は、16年度(文系)『伊勢物語』、15年度(文系)『うつほ物語』、15年度(理系)『雑々集』、12年度(理系)『苔の衣』、10年度(理系)『女郎花物語』、08年度(理系)『唐物語』など、歌論や評論の系統は、18年度(文系)『風雅和歌集』仮名序、17年度(文系)『夜航余話』、16年度(理系)『わらんべ草』、14年度(理系)『百人一首聞書』『牛の涎』、13年度(理系)『玉勝間』、12年度(文系)『百首異見』、11年度(理系)『織錦舎随筆』など、近世の和文や擬古文の系統は、18年度(理系)『肥後道記』、17年度(理系)『海人のくぐつ』、13年度(理系)『玉勝間』、12年度(文系)『百首異見』、11年度(文系)『井関隆子日記』、11年度(理系)『織錦舎随筆』などである。
13年度以降、文系は、15年度『うつほ物語』、14年度『とはずがたり』、13年度『源氏物語』というように、本格的な古文の読解力を試す傾向が、理系は、16年度『わらんべ草』、14年度『百人一首聞書』『牛の涎』、13年度『玉勝間』というように、評論的な文章を正確に読み解く力を試す傾向が見て取れたけれども、18年度は近世の紀行文、17年度は和歌を含む近世擬古文が出題されているので、評論系統だけでなく、和歌を含む物語や説話、近世擬古文なども視野に入れておかなければならないことは言うまでもないだろう。文系理系どちらも、ただ単に古文ができるかどうかの試験ではなく、文章を正確に読み取り、よく考え、読み取ったことや考えたことを明快に説明できる力、つまり、実際に大学で必要とされる力を試しているので、余裕があれば理系の問題だけでなく、文系の問題もやっておくことを強く勧める。

入試対策

《現代文》

本文ジャンル
随想、小説、評論
本文出版年次
古いものから最近のものまで
本文内容
含蓄のある文章から思弁的な文章まで
本文量
1700字から3500字程度
解答記述量
2行から6行まで
漢字問題
出題されることもあるし、されないこともある

以上、柔軟に対応できるようにしておきたい。

◎総論

まず、新旧・硬軟問わず、随想対策を重点的に行い、京大特有の説明パターンに慣れておくことが必要である。論理的な随想は評論の読解に通じる読解力が要求される。また、心情叙述に重点をおいた随想は私小説に近い。そうした意味では、センター試験対策を兼ねて評論・小説対策を十全にしておくことが望ましい。
問題本文対策としては、2000字〜3000字程度の文章で、芸術論、文学論、哲学などの人文系の随想・評論を中心に読んでおくとよいだろう。設問対策としては、過去問で記述説明(内容、理由、意図など)を中心に実際に解答を作成してみることが大事である。
センター試験対策の際に、選択肢を消去法で選ぶのではなく、自力で解答のポイントを設定して解くというポイント法で取り組んでおけば、センター試験で高得点を狙えるだけでなく、京大現代文対策にもなる。随想問題で筆者の心情が問われることもあるので、センター試験の小説問題の正解選択肢を参考に心情説明のカタチを確認しておきたい。
記述説明問題で解答を作成する際に注意したいのは、漠然と解答を書かないということである。本文を一読し、傍線部と設問文を検討し、設問意図を考える。そして、設問を解く作業、解答を作成する作業を通して、本文をより正確に、より深く理解する。この深化した本文読解をもとに、解答を作成するという手順で練習をするとよい。

◎各論

  • ① 硬質な随想・評論など論理的な文章については、まず、本文全体を一読し、テーマと全体の構成を把握した上で、傍線部の関連領域を確認する。心情叙述に重点を置いた随想・小説については、まず、本文全体を一読し、シチュエーションと人物像を把握した上で、傍線部が誰に関連する内容で、どの場面に関わるのかを確認する。
  • ② 設問意図がわからないまま、傍線部周辺を書くという漫然とした解答作成はやめる。「この設問は傍線部のこの表現の説明を求めている」「この設問は、傍線部と同じ内容のことを述べた部分が次の段落にあることに気がついたかどうかを見ようとしている」「この傍線部は比喩表現だから、これを一般表現に直せばよい」などと考えることが重要である。
  • ③ 内容説明。いくつかの基本パターンがあるので、過去問演習を通して、説明パターンを把握していることが必要である。以下、その一部を紹介しておこう。
    • 1 傍線部を本文で確認し、傍線部を含む一文の構文、本文の文脈におけるその傍線部の役割を確認して解答に反映する。
      • a 論理構造
      • b 話題の限定
      • c 同義関係、対比関係、理由・結論関係、並列関係  など
    • 2 作業例
      • a 主語・目的語などの省略→主語・目的語などを補う
      • b 傍線部内・傍線部直前の指示語→指示内容をおさえる
      • c 比喩表現→比喩を用いない一般表現に換言
      • d 慣用表現→辞書の意味をおさえて換言
      • e 多義的な表現→文脈に即して限定する
      • f 曖昧な表現→明快な表現にする  など
  • ④ 理由説明。これも、いくつかの基本的なパターンがあるので、過去問演習を通して、説明パターンを把握していることが必要である。以下、その一部。
    • 1 論理の欠落を埋める。簡単なパターンは、主語を維持しておいて、述語までの欠落を補う。
    • 2 筆者・登場人物の心理・心情、表情・動作・様子、台詞の場合は、シチュエーションを踏まえて、原因・きっかけ+筆者・登場人物の主観的要素で作成する。  など
  • ⑤ 表現意図。これも、いくつかの基本的なパターンがあるので、過去問演習を通して、説明パターンを把握していることが必要である。以下、その一部。
    • 1 比喩表現  共通性・類似性の指摘
    • 2 否定形表現   肯定形表現
    • 3 助詞・副詞   助詞・副詞のニュアンスの理解を示す  など
  • ⑥ 部分要旨。近年は最後の設問で、要旨をまとめさせる設問が出題される傾向にある。ポイントを丁寧に拾い、コンパクトにまとめることが要求される。
  • ⑦ 本文の表現の発見→抜き出し→合成だけでは、解答としては不十分である。解答ポイントを意識し、構文を決め、さらに、字数との関連で圧縮が必要となる場合もある。語彙力や表現力が問われる。
  • ⑧ 3行や4行の解答欄が増え、具体例や具体的説明を抽象化して短くまとめることが必要な設問も出題されている。
  • ⑨ 心情説明問題については、シチュエーションをおさえた上で、表情・台詞・動作などを根拠に心情を確定していく作業が必要である。
  • ⑩ 皮肉、ユーモアを説明する設問が出題されることがある。表現に込められた筆者の意図・心情を探ることが必要となる。

以上、やみくもに設問を解くのではなく、設問要求は何か、どのような構文で書くか、どのような表現がよいのか、などを意識して、解答を作成していくことが必要である。
漢字については、特別な対策は必要ない。センター試験第1問の漢字問題をする際に、自分で書けるかどうかを確認していくことと、文章を読んでいて読めない漢字、書けない漢字が出て来たら、書き出して覚えていくように心がけておこう。同音異義語に気をつけるなど、センター試験第1問の漢字対策をきちんとしておくことがそのまま京大で漢字が出題された場合の対応策となる。

《古文》

(1) 最初にできてほしいこと

勘や雰囲気で読むのではなく、ここにこう書いてあるぞという自分の理解の確認のための現代語訳を手段として、言葉の論理・表現の論理に従って謙虚に読解できることである。
現代語訳は、想像力を働かせた創作や、思い入れたっぷりの美しい文芸的な訳が求められているのではない。君の読み取りのノートを見せてくださいということで、問題文を正確に読み取っているかどうかを確かめようとしているのである。現代語訳の手順としては、まず、助動詞・助詞・敬語は型通りに、語順はそのまま、構文を崩さずに一語一語置き換えるという逐語訳をし、次に、自分の本文理解を示すという意図で、言葉を補ったり、適切に言い換えたり、設問の要求に応えることをする。ひとつの言葉の理解のために問題文全体が必要になることもあり、常に部分と全体の対応を意識する必要がある。こういう現代語訳をすることを通して、問題文を正確に読み取ることができるようになるのである。『源氏物語』を代表とする中古の標準的な文章がきちんと読解できることをめざして練習してほしい。
特徴的なのは、和歌全体を現代語訳させる設問である。過去問を見ると、全体を訳させている和歌は、技巧を駆使したものではなく、ほぼ逐語訳で済むような平易な表現の和歌が多いので、心配はいらない。あとは、設問の指示に従って答えればよい。対策としては、まず、枕詞・序詞・掛詞・縁語などの技巧の整理をすることによって、いわゆる「景と情」の関係を十分に理解しておくこと。京大はこのような技巧についてそれだけを質問することはないだろうが、技巧についての知識は、和歌の表現を理解し、内容の把握をするためにぜひとも必要であるからである。次に、和歌の引用・和歌の贈答・物語や説話の中の和歌の読解方法などについても基本的な理解をしておく必要がある。
この数年、文系理系ともに漢文や漢詩が出題されているが、どれも平易なものであるので、センター試験の対策が十分であれば、心配はないだろう。

(2) 各ジャンルの読解の要領を身に付けること

説話は、「今は昔」で始まり、話に起承転結があって、最後に評言と言われる語り手(筆者)の感想や教訓が付け足されるという独特の形式がある。いわゆるお話の部分は具体的であるが、評言の部分は一般的・抽象的である。これを理解した上で、鎌倉時代の説話集を中心に練習するとよいだろう。
近世擬古文はほとんどが国学者や漢学者などの知識人が書いたものであるので、古文で書かれた評論・随想と言ってよく、文章の内容は学問論や芸道論などの手応えのあるものが多い。話の構成や展開を意識しながら内容を正確に把握しよう。論を読み解くという面では、歌論も練習のテーマとしては同じ部類に入る。
擬古物語は、『源氏物語』や『狭衣物語』などの中古の作り物語の語法が土台になっているので、和歌を含んだ本格的な古文が読解できる力が必要である。現代語訳や心情・内容の説明がポイントになる。登場人物の設定や場面展開が定型化されているので、いくつか練習しておくとよいだろう。歴史物語は、史実を素材として創作された物語ととらえれば、読解の方法は作り物語や擬古物語と同様である。

(3) 説明する技術

まず、設問で求められていることをきちんと把握し、整理整頓した上で、必要十分な説明を分かりやすい平易な表現で書くというのが基本姿勢であろう。ともかくいっぱい書けばどうにかなるだろうというような解答では合格できない。高度に知的な作業を求めているのである。なにをどのように言うか、どう書けば自分の考えが伝わるか、誤解される表現はないか、自分の考えが十分に書けているかなどに注意しながら、構成や表現などを工夫して、何度も繰り返して練習する必要がある。
解答欄は縦14センチ、1行の幅は1センチ、字数としては25字程度になる。解答欄の行数から字数の大体の見当がつくので、求められている字数を考慮して解答を書く練習をしよう。

※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。