2018年度入試
出題分析と入試対策
  名古屋大学 数学

過去の出題内容

2018年度

番号 内容 科目名
1 不等式と領域、三角形の面積、不等式の証明 Ⅱ、B
2 方程式の整数解、論証問題 A、Ⅱ
3 確率、漸化式、数学的帰納法 A、B

2017年度

番号 内容 科目名
1 3次関数のグラフ、面積
2 確率の漸化式、3状態の推移 A、B
3 整数、不定方程式、約数 A

2016年度

番号 内容 科目名
1 直線の直行条件、解の存在条件 Ⅰ、Ⅱ
2 確率、確率の最大値 A
3 整数、2016の約数の総和 A

出題分析

分量

毎年3問。90分。

形式

記述式。18 年度のは理系と共通の問題であった。17 年度の は理系の一部であった。16 年度のは理系と類似であった。

出題分野の特徴

大問3問である。
これは、同水準の他大学と比べて少ない問題数である。
受験生に十分な時間を与え、じっくりと考えさせて丁寧に学力を考査しようとす出題者サイドの意向が伺える。
このことは、受験生サイドからみれば、どの問題もおろそかに扱えないことを示している。もしも不得意分野を抱えていて、それが出題と一致したりすれば、大きなダメージをこうむることになる。
どの問題も小問に分けられている。
ここにも、受験生に十分に力を発揮させようとする出題者の配慮がある。もっとも、そこには(満点や0点の続出を避け)理想的な得点の分布を得たいという目的もあるだろう。
しかし、このことは、どの問題も小問に分割できるような大型の問題であることを示している。受験生に対して、複合的で息の長い総合問題に取り組むことができる学力の構築を求めている。
入試全体に占める数学の1問のウエイトが高い。
これは①とも関係するが、大問数が少ないために1問の配点が大きくなる。それに応じて各部分点の単位も大きくなり、答案上の小さな差が得点上の大きな差になることもある。受験生は、第三者が読んでわかるような論理的な文章を書けることが常にも増して大切になる。

◆出題内容の特徴◆

極端な易問や、極端な難問はない。しかしながら、文系の問題としては(同格の他大学の問題と比較して)難しい方に属する。各問題が大型であるため、多分野を縦断する総合問題であることが多い。
「確率・場合の数」はほぼ毎年出題されている。確率の漸化式、確率の最大値、反復試行の確率など、この分野の出題は多彩である。型にはまらない思考力を試そうとしているようである。
「座標平面」も頻出分野である。名大では、ずっと「座標平面」またはその近接分野の「ベクトル」が必ず出題されており、今後も「座標平面」または「ベクトル」からの出題が必ずあると思う方がよい。
「数Ⅱの微分・積分」は、18、16年度の出題はなかったが、以前はほぼ毎年出題されている分野である。少し難しい問題や計算量の多い問題などに取り組んで備えておくべきである。
「漸化式」を利用して解く問題がよく出題される(偏愛されているといってよい)。「確率」や「場合の数」と融合されていることが多い。
「整数」の出題も目立つ。平凡なものではないことが多い。よく考える習慣をつけるようにしたい。

◆難易度の変遷◆

「名大の先生方は、受験生諸君に十分に実力を発揮してもらいたいと考えておられる」ことがよく感じられる出題がずっと続いており、本年もそうであった。しかし、時に(15年度)3題中2題が理系と共通(あるいは、ほぼ同じ)であったりして、文系の問題としては相当に負担が多く、目新しかったり、難しかったりした。来年の様子は分からないが、理文の差異を考えない感覚で出題されると、高得点は難しいであろう。諸君にとっては、なおさら標準問題を確実に獲得することが大切になる。

◆学習対策◆

苦手な分野を作らない。特に、「座標」については計算量が多いと苦手とする生徒が多いが、時間をかけて取り組めば十分対処できるようになるので、手薄にならないようにしたい。
各分野において、典型的な頻出問題をていねいにこなすことを基本方針とするのがよい。
論理的な文章を書くように努めること。特に、「任意の~」「 ~が存在する」という命題においては、第三者が読んでわかる記述をするように、平素の勉強において心掛けること。
問題が大型であるため、大計算となることがある。単純な計算であるが長い忍耐が必要となることもある。常日頃からいやがらずに計算力をつけておかないと「標準問題が試験場で難問に転化した」り、「やればできると分かっているのだができなかった」という悔しい思いをすることになりそうである。実に、計算力は合否を分ける大きな要素であることを肝に銘じておいて、日常の学習においても「一発で決める」ようにする。
過去問はできるだけ多く解いておきたい。学ぶ価値のある良問が多い。
※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。