2018年度入試
出題分析と入試対策
  名古屋大学 世界史

過去の出題内容

2018年度

番号 項目 内容 形式
中国古代史 唐と周辺諸国 語句記述:14問
空欄(2行程度):5問
空欄(3行程度):2問
ヨーロッパ中世史 中世西欧世界の膨張 語句記述:4問
短文論述2~4行:3問
西アジア近代史 19世紀のアレクサンドリア 語句記述:8問
短文論述2行:2問
ヨーロッパ現代史 冷戦と東西ヨーロッパの分断 長文論述 400字(指定語句7つ)

2017年度

番号 項目 内容 形式
中国古代から近世史 漢代から明代の儒学の展開 短文論述4行:5問
前近代の東南アジア史 インド・中国を含む東南アジアの港市世界(資料文あり) 語句記述:7問
短文論述5行:1問
ヨーロッパ近世・近代史 17世紀から19世紀のイギリス史(史料問題) 記号選択:6問
語句記述:5問
空欄(3行程度):3問
ヨーロッパ古代史 古代地中海世界の宗教 長文論述 350字(参考史料文2つ)

2016年度

番号 項目 内容 形式
古代地中海史 フェニキア人の地中海交易(地図あり) 語句記述:5問
短文論述2~4行:4問
中国古代・中世史 唐から宋の税制度(資料文あり) 語句記述:8問
短文論述1~4行:3問
東南アジア史 インド文明圏と中国文明圏の中の東南アジア(資料文あり) 語句記述:11問
空欄(3行程度):2問
ヨーロッパ中世史 中世末期のドイツとイタリア北部の政治状況 長文論述 350字(指定語句5つ)

出題分析

問題形式と分量

出題形式については、例年大問が4題、うち3題は短文論述と語句記述が中心、残る1題は長文論述である。ほぼ毎年、資料文を引用する問題も出題されている。さらに2008年から歴史史料をあげる史料問題もほぼ隔年ごとに出題されるようになった。短文論述では、1行から5行(解答用紙の1行の下線は約14 cm、1行はおおよそ25字程度、もしくは空欄が設けられており1行はおおよそ30字~40字程度)書かせる問題が例年ほぼ10問程度から15問程度出題され、これに加え350字あるいは400字の長文論述もあり、書く字数がかなり多い。分量的にみると、制限時間90分はかなり厳しい。時間的な余裕はほとんどないので、手際よくハイペースで問題を解いていかねばならない。

問題内容

出題される時代は、古代・中世から近代・現代、地域は中国と欧米を中心に西・南・東南アジアが出題されて、おおむねバランスの良い出題となっている。例年、大問はほぼアジア2題、欧米2題であるが、05年のようにアジア3題、ヨーロッパ1題、あるいは06年のように逆にアジア1題、ヨーロッパ3題となることもある。アジアについては、中国史が毎年必ず出題され、2000年、01年、03年、09年、11年、14年は大問2題が中国史であり中国史の比重は高い。また東南アジアも、本学では頻出分野であり、04年、05年、07年、13年、15年、16年、17年と出題されている。アジアは、この他、西アジアやインドが出題される。欧米史では、古代・中世と19・20世紀の近現代がよくねらわれるが、ほぼ全時代にまたがっている。ただ本年のように第二次世界大戦後についても出題される。
難易度については、中国史で例年、難レベルの問題が出題される。しかしそれ以外については、やや難の問題も含むがほぼ標準レベルである。長文論述については、後述するように標準レベルである。

▼長文論述問題の出題テーマと傾向

2000 Ⅳ 東アジア近現代 中国の植民地化と抵抗 350字 (6つの参考語句)
01 Ⅳ ヨーロッパ通史 西洋と東洋の専制君主体制の比較(相違点) 350字 (3つの資料分を参考にして)
02 Ⅳ ヨーロッパ近代 産業革命の明と暗 350字 (10のグラフを参考にして)
03 Ⅳ 近現代の世界 19世紀と20世紀の各大陸の人口増加とその要因 350字 (表を参考にして)
04 Ⅳ ヨーロッパ古代 アテネの民主化とローマの身分闘争の比較 350字 (8つの参考語句)
05 Ⅳ ヨーロッパ現代 英・独・伊の世界恐慌対策 350字 (5つのグラフを参考にして)
06 Ⅳ 中国古代 武帝時代の中国 350字 (6つの参考語句)
07 Ⅳ 欧米近現代 人道と平和への努力の歴史 350字 (5つの指定語句)
08 Ⅳ 欧米近現代 工業化問題の克服の歴史 350字 (5つの指定語句)
09 Ⅳ 欧米近現代 旧大陸から新大陸への移民 350字 (4つの語句・1つの表・2つのグラフを参考にして)
10 Ⅳ ヨーロッパ中世 西欧とビザンツ帝国の社会の比較 350字 (5つの参考語句)
11 Ⅳ 中国近世 17世紀の中国の政治・経済・文化 350字
12 Ⅳ ヨーロッパ現代 第二次世界大戦の経緯 400字 (7つの参考語句)
13 Ⅳ 19世紀の東南アジア 英・仏による東南アジアの植民地化 350字 (6つの参考語句)
14 Ⅳ ヨーロッパ古代 アレクサンドリアの繁栄に至る歴史的背景 350字 (5つの指定語句)
15 Ⅳ 中国・東南アジアの中世・近世 ムスリム海上勢力の活動 350字 (8つの参考語句)
16 Ⅳ ヨーロッパ中世 中世末期のドイツとイタリア北部の政治状況 350字 (5つの指定語句)
17 Ⅳ ヨーロッパ古代 古代地中海世界の宗教 350字 (2つの参考史料分)
18 Ⅳ ヨーロッパ現代 冷戦とヨーロッパの分断 400字 (7つの指定語句)

制限字数は1997年以降、 12年と本年は400字であるが、それ以外は例年350字である。

テーマに応じて400字になることもあるが、字数については基本的に350字とみてよいだろう。本年はヨーロッパ現代が出題された。上の2000年以降の出題テーマ一覧でわかるように、まず全体的な傾向として、アジア史に対して欧米史が多い。以前は、近現代の欧米が頻出だったが、2010年以降、ヨーロッパの古代・中世、中国・東南アジアの出題も多くなった。したがって欧米史の古代・中世・近代・現代、それに中国と東南アジアが頻出テーマであり、この分野はとくに手抜かりのないように学習してほしい。難易度については、以前は高校世界史のレベルを越える難問が出ることもあったが、04年以降は、易しいとはいえないまでも、標準レベルで、しかも良質な問題が出ている。名大の論述問題では、指定語句あるいは参考語句、表・グラフ、資料(史料)文があたえられることが多い。とくに指定語句・参考語句は、答案作成にあたって重要なヒントになっているので、これらをしっかり踏まえて答案を作成してほしい。

入試対策

  1. 出題内容の分析からもわかるように時代・地域にほとんど偏りがないので、世界史の全分野をまんべんなくやりとげることが基本。弱点の分野をつくらないことである。経済史や文化史など受験生の弱点となるところも確実にこなさなければならない。やはり高校の教科書と世界史用語集を使って勉強することが基本となる。
  2. できるだけ多くの問題にあたること。名大では短文論述の問題が多いので日ごろから、50字から100字程度の文章を書く練習が必要である。記述・短文論述中心の問題集を2、3冊最後までやり遂げることだ。
  3. 学習するさいは歴史地図も参照にすること。頻出ではないが、地図問題も出題されることがある。歴史地図といっても、高校の教科書に出てくる地図で十分である。世界史に出てくる海・河川・山脈等の地名をしっかり覚えておこう。
  4. 論述対策は、上述の学習が前提となる。何をおいても、上の1~3に全力をそぐ。世界史の知識が頭の中になければ、どのようにあがいても論述問題はできない。知識を蓄積した上で、論述問題とはどういうものかを学んでほしい。まず名大の過去問を、最低5年分は必ずやってみること。自分の受験する大学の問題がどのようなものかを知ることが何よりも重要。長文論述対策の良い問題集が少ないので、他の大学(たとえば筑波大)の論述問題を解くのも良い学習方法である。答案を作成したら、先生に添削してもらうと良いだろう。
※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。