2018年度入試
出題分析と入試対策
  名古屋大学 日本史

過去の出題内容

2018年度

番号 時代 内容 形式
古代 古代の政治・外交・文化 論述 (11行)
中世・近世 中世・近世の政治・外交 論述 (8行)
近代 明治から昭和初期の政治・外交・経済 論述 (11行)
近世・近現代 近世・近現代の外交・経済 論述 (10行)
語句記述(7問)

2017年度

番号 時代 内容 形式
古代・中世 古代から中世の政治 論述 (10行)
中世・近世 中世・近世の政治・社会・文化 論述 (10行)
語句記述(3問)
近代 近代の社会 論述 (8行)
現代 現代の政治・外交・社会 論述 (7行)
語句記述(3問)

2016年度

番号 時代 内容 形式
古代・中世 古代から中世における土地と銭貨をめぐる経済 論述(9行)
中世・近世 中世から近世の公家と武家の関係 論述 (10行)
語句記述(1問)
近世・近代 近世から近代の日英関係 論述 (6行)
語句記述(5問)
近世・近現代 近世後期から戦後にかけての教育 論述 (9行)

出題分析

出題形式

原則、論述形式の問題が中心で、大問4題の構成となっている。2009年度以降は、空欄補充形式の語句記述の問題が含まれるようになった。今後も増加が予想される。論述の字数制限はなく、枠として各設問2~4行程度与えられているだけである。字数は1行で30~40字と考えればよいだろう。そうすると、分量は例年すべての設問を合わせて35行前後で、字数にすれば1000~1400字程度というのが定着しており、かなり多い。90分で全設問に答えるには、スピードも要求され、慣れが必要であろう。特に2018年度は40行と多かった。

出題内容

時代構成は例年、Ⅰ原始・古代(あるいは古代・中世)、Ⅱ中世・近世(あるいは近世)、Ⅲ近代、Ⅳは近現代である。テーマも特に偏りはなく、幅広い学習が必要である。現代史も毎年出題されているので学習で手を抜いてはいけない。
また、論述させる内容のパターンは用語の単純な内容説明もあるが、⑴歴史の流れや社会の全体的な構造のなかで持つ意義・意味を問うもの、⑵同一テーマに基づいて経過・展開過程を説明した上で特徴・性格を説明させるもの、⑶異なる歴史用語を比較・対照させるもの、⑷他の事項との違いを意識した上で特徴・性格を説明させるもの、⑸原因・背景を問うもの、⑹結果・影響を問うものなど、一工夫した出題が目立つ。そのため、歴史用語の暗記を中心とする学習をしていたのでは対応できない問題が多い。また、⑺史料やリード文の要約をする出題や資料の読解を求める出題が毎年1 題は出題されている。論述のパターンも様々なので、他大学の問題も含めて解いてみることでトレーニングをするのもよいだろう。

入試対策

  1. 教科書の内容を中心とした基礎学習が重要!
    論述形式の出題といえば、難しい問題が多く、教科書以外にも参考書を読んだり、教養書を読んだり、…と難しいことを想像する人が多いだろう。しかし、問われている内容を見れば、教科書にある知識で十分に解答できることがわかる。まずは教科書を読み、時代の流れや各時代の特徴をしっかりと把握してほしい。その上で、時代の流れや特徴と歴史用語がどのように繋がっているのかを確認すること。ただ、勘違いしてほしくないのは「歴史用語の暗記は不要」と言っているのではない。あたりまえのことだが、流れがわかればよいといって、歴史用語の暗記をしないと、論述の際に用語が書けない。あくまで、流れや背景をとらえながら、必要な用語もその流れや背景のなかで覚えていくこと。
  2. 史料(図版などの資料も含む)やリード文からの情報を読み取る読解力を!
    本学の問題は教科書レベルの知識で十分解答できるが、リード文で初めて見る内容が出てきたり、また、史料(資料)問題もしばしば出題されて大部分は初めて見る史料(資料)であったりと、受験生にとっては見ただけで頭の痛い問題が含まれる。
    これらの問題に対応するためにはどうしたらいいのか。まず、設問の意図をつかみ、次に史料(資料)やリード文からその解答を導き出すためのポイントを引き出すことである。教科書には載っていなかった内容や、未見の史料などからの出題は、それらの内容と教科書レベルの知識を組み合わせれば必ず解答できるようになっている。そこで重要なことは、くり返しになるが、①教科書レベルの知識はしっかり身につけておくこと、②教科書に掲載されている史料や図版は、補足説明も含め普段から読む習慣をつけておくこと、③リード文をしっかり読んで必要なデータを取れるようにすることである。
    ②については、出題が少ないからといって手を抜かないこと。結局、本番の試験で未見史料を読みこなせるかどうかは、普段から史料を読み慣れているかどうかにかかっている。③については、リード文には意味があることを頭に入れておいてほしい。教科書に載っていない内容などが書かれていたら、解答作成のヒントとなる情報がたくさん入っている。また、史料(資料)と組み合わせてあれば、史料(資料)を読解するためのヒントがそこには書かれている。リード文を適当に読み、設問だけを読んで解答しようとする受験生がいるが、リード文を軽視せず、普段からしっかり読み込んで必要なデータを読み取れるようにしておこう。
  3. 夏ごろからは、実際に書く練習を!
    学習がすすみ、知識が定着したからといって入試本番でいきなり書けるわけではない。本学の場合は行数によりある程度の字数制限があり、答えがわかったところでまとめられなければ意味がない。また、設問に対する的確な解答が書けているか、文章として意味の通るものになっているかなどの問題もある。そのためにはできるだけ早い時期から書く練習をしておく必要がある。原始~現代まですべての学習が終わっている必要はない。ある程度、学習がすすんできたら、夏ごろから実際に書き始めてほしい。そして、できれば論述対策の講習などを受講して答案作成のポイントを学び、また、添削をしてもらうのがよい。なかなか、自分一人では上達しないものである。
    論述問題を解き始めたら、最初は教科書を見ながら解答を作成すればよい。まずは、設問に対して的確に解答にあたる部分を抜き出せるかどうかである。また、教科書を参考にすることにより論述を解答するための文体に慣れることも必要である。そこから、知識の定着度合いに合わせて、本番に向けて徐々に教科書を見ないで書けるようにしていけばよい。そういった学習をしながら論述向けの知識を蓄えていってほしい。
※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。