2018年度入試
出題分析と入試対策
  九州大学 生物

過去の出題内容

2018年度

番号 項目 内容
〔1〕 生殖と発生 植物の生殖と胚乳の遺伝(記述、80字論述、100字論述)
〔2〕 生殖と発生
動物の反応と行動
動物の発生のしくみと神経系(記述、30字論述×2)
〔3〕 細胞と分子 さまざまな膜タンパク質(記述、選択、40字論述、100字論述)
〔4〕 遺伝情報の発現 遺伝子多型の解析(記述、計算、50字論述)
〔5〕 進化と系統 進化のしくみと三ドメイン説(記述、選択、100字論述)

2017年度

番号 項目 内容
〔1〕 代謝
進化と系統
電子伝達系のしくみと共生説(記述、25字論述×2、30字論述)
〔2〕 体内環境の維持 生体防御(記述、選択、50字論述、70字論述)
〔3〕 生殖と発生 動物の発生とプログラム細胞死(記述、選択、40字論述)
〔4〕 細胞と分子 細胞内での物質の輸送(記述、選択、60字論述、100字論述)
〔5〕 進化と系統 動物の系統(記述、選択、60字論述)

2016年度

番号 項目 内容
〔1〕 細胞と分子 膜タンパク質と細胞内シグナル伝達(記述、選択、計算、90字論述、60字論述)
〔2〕 生殖と発生 脊椎動物の初期発生と誘導(記述、選択、80字論述×2)
〔3〕 動物の反応と行動 神経の興奮と伝導(記述、選択、計算、60字論)
〔4〕 植物の環境応答 種子発芽と花芽形成のしくみ(記述、選択、40字論述、140字論述)
〔5〕 生態と環境 生命表と成長曲線(記述、選択、計算)

出題分析

分量

14年度までは大問6題であったが、15年度以降は大問5題となった。
計算問題・論述問題・実験考察問題などがほぼすべての大問に含まれており、時間的には余裕はないように思われる。比較的基本的なところから着実に答えていき、論述問題や実験考察問題、および計算問題を余裕をもって解けるように時間配分を考えて取り組むことが望まれる。

パターン

基本用語の空欄補充に始まり、定番の論述や計算問題、さらに読解・考察問題と続く出題が多い。基本的には、教科書レベルの用語や現象の理解で十分に正解できる問題が半分以上存在しているといえる。
図やグラフを用いた出題も毎年必ず出題されているが、リード文中に必要な情報が十分に与えられており、丁寧に素早く情報処理する能力が要求されている。
近年では読解・考察問題の難易度が高くなってきており、かつ論述問題や計算問題も増加傾向にある。論述問題の指定字数には幅があり、20字程度のものから180字程度まであるが、50~100字程度のものが中心となる。13年度は合計15題(約350字)と非常に論述量が多かったが、近年は全体で450~550字程度に落ち着いている。

内容

遺伝情報およびタンパク質のはたらき(酵素・免疫・ホルモンなど)、神経、代謝の出題頻度は高いが、分野的には毎年あまり偏りがない。細胞と組織、刺激と反応、恒常性、免疫、発生、分子生物、生態、進化、系統という各分野からの問題が、大きなテーマにならなくても小さな設問として毎年含まれており、総合問題として広く問われることがある。ときには、他の大学ではあまり見られないような内容の出題もある。いずれにしても、偏りのないよう全分野にわたって学習する必要がある。
考察問題を見てみると、受験生にはなじみのない実験や題材もあるが、リード文中に詳しく説明してあるので、文章をよく読んでじっくり考えれば答えられる問題が大半である。

難易度

九大は標準的な良問が多い。ごくまれに細かい知識を要求する設問があったりもするが、その辺りでは差がつかない。計算問題に関しては化学的な計算や煩雑な単位変換が必要なものもあり、しっかり練習していない人は時間内に対応できず、ここで差がつくと思われる。ただ、これも練習さえしていればそれほど難しい問題ではない。典型的なものも含めて、多くの問題にあたっておこう。

入試対策

何よりも基礎

問われていることのほとんどは、高校で学ぶ範囲内といってよいので、まずは高校の教科書を中心に学習することである。教科書をじっくり読んでいき、ひとつひとつ確認していくことを勧めたい。そして、疑問が出てきたとき、参考書で調べてみよう。図やグラフなどは、可能な限り自分で描き写して、そのポイントを把握していこう。実験の方法などもていねいに見ておこう。

参考書・問題集の使い方

分厚く詳しい参考書を次々と暗記ペンで塗りつぶしていくという方法は感心しない。教科書の知識を骨にして、肉付けのために参考書を用いるのがよい。特に九大の問題は基礎的な部分の理解が問われるので、そのような学習方法が適している。ただ、代謝、分子生物、腎臓、興奮の伝導速度や伝達時間などの計算は必ず練習しておこう。標準的な問題が多く収録されていて、解説の詳しい問題集(駿台文庫『理系標準問題集生物』など)を用いればよい。

答案作成上の注意

制限字数の中でまとめることが難しい論述問題も出題されるため、要点を押さえてコンパクトに答案を作るように心掛けたい。また、誤字やケアレスミスに注意してほしい。基本的な問題のときにこわいのは、そんなつまらないことによる減点である。「取りこぼし」をなくすことである。日頃から教科書に出ている程度の漢字はしっかりと覚えておいてほしい。さらに、リード文や設問文に書かれている重要なポイントを確認した上で、減点されないように正確な文を作ってほしい。

2019年度入試への対応

先に述べた九大頻出の単元については、しっかりと理解し、演習をくり返しておこう。まずは標準的な問題を絶対に取りこぼさないこと。また、手早く情報を整理しながら実験などを読めるように十分な演習をしておいてほしい。さらに、論述問題の比重が依然として高い試験なので、しっかり練習しておこう。

※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。