2025年度より新課程入試が始まります。駿台では、新課程に対応した万全のカリキュラムで受験対策ができます。各教科の先生に、新課程入試に向けて授業でどのように対応しているかを聞きました。
2025年度大学入学共通テストの概要
2025年度入試より新課程による入試が始まります。大学入学共通テストにおいては、出題科目の変更、試験時間や配点の変更、教科「情報」の新設などの変更が発表されています。
駿台では、正確な情報やデータを専門部署が収集し、生徒・保護者に向けて情報発信しています。入試が変わる年であっても、大手予備校の情報力と対策力により、確かで安心な志望校対策ができます。
2025年度共通テストの科目・時間割の詳細はこちら
※大学入試センター案より作成しています。2024年1月時点で確定ではありませんのでご注意ください。
■2025/1/18(土)
教科 | 出題科目 | 試験時間 | 配点 | |
地理歴史 公民 |
『歴史総合,日本史探究』 『歴史総合,世界史探究』 『地理総合,地理探究』 『公共,倫理』 『公共,政治・経済』 『地理総合/歴史総合/公共』 |
2科目受験 9:30~11:40 |
120分 | 200点 |
1科目受験 10:40~11:40 |
60分 | 100点 | ||
国語 | 『国語』 | 13:00~14:30 | 90分 | 200点 |
〈内訳〉近代以降の文章(現代文)3問110点、古文1問45点、漢文1問45点 | ||||
外国語 「英語」 リーディング 「他科目」 筆記 |
『英語』 『ドイツ語』 『フランス語』 『中国語』 『韓国語』 |
15:20~16:40 | 80分 | 「英語」 100点 「他科目」 200点 |
外国語 「英語」 リスニング |
17:10~18:10 | 30分 | 「英語」 100点 |
■2025/1/19(日)
教科 | 出題科目 | 試験時間 | 配点 | |
理科 | 『物理基礎/化学基礎/ 生物基礎/地学基礎』 『物理』 『化学』 『生物』 『地学』 |
2科目受験 9:30〜11:40 |
120分 | 200点 |
1科目受験 10:40〜11:40 |
60分 | 100点 | ||
数学① | 『数学Ⅰ,数学A』 『数学Ⅰ』 |
13:00~14:10 | 70分 | 100点 |
数学② | 『数学Ⅱ,数学B,数学C』 | 15:00~16:10 | 70分 | 100点 |
情報 | 『情報Ⅰ』 | 17:00〜18:00 | 60分 | 100点 |
地歴
地歴公民の変更点について、駿台講師が解説します。
日本史科
田部 圭史郎 先生
世界史科
鵜飼 恵太 先生
地理科
宇野 仙 先生
1 履修範囲が再編されます
地歴は改編され、新しい科目として、「歴史総合」「日本史探究」「世界史探究」「地理総合」「地理探究」を履修します。新高卒生にとっては見慣れない科目ですが、従来の科目「○○B」は「○○探究」とほぼ同一とみて良いでしょう。難関大を目指す受験生にとっては、今まで勉強してきたことは決して無駄にならない改編ですので安心してください。
新課程(2022年4月の高1より) | 旧課程 | ||||||||
教科 | 科目 | 単位 | 必履修科目 | 教科 | 科目 | 単位 | 必履修科目 | ||
地歴 | 歴史総合 | 2 | ○ | 地歴 | 日本史A | 2 | □ | △から1科目 □から1科目 |
|
日本史探究 | 3 | 日本史B | 4 | □ | |||||
世界史探究 | 3 | 世界史A | 2 | △ | |||||
世界史B | 4 | △ | |||||||
地理総合 | 2 | ○ | 地理A | 2 | □ | ||||
地理探究 | 3 | 地理B | 4 | □ |
新課程では、「日本史A」「世界史A」にかわり「歴史総合」が新設され、「日本史B」の内容は「日本史探究」に継承されました。共通テストも「日本史A」がなくなり、「日本史B」は「歴史総合、日本史探究」となります。この新課程の特徴の一つは、近現代史を現代的な諸問題と照らし合わせながら歴史を考察させる、という点にあります。
新課程では、近代以降の歴史を学ぶ「日本史A」「世界史A」を統合した「歴史総合」が新設され、「世界史B」の内容は「世界史探究」に継承されました。「歴史総合」は世界史の大きな流れの中に日本史を組みこみ、現代世界の諸問題との関係を考察していく新しい科目です。一方で、「世界史探究」はこれまでの「世界史B」と大差はありません。
「地理総合」については、必履修科目となったことで、旧課程「地理A」に「防災地理」と今日よく耳にする「SDGs(持続可能な開発目標)」に基づいた世界の諸課題や身近な地域の課題についての内容が拡充されました。また、GIS(地理情報システム)の利活用スキルがこれまで以上に求められるようになります。「地理探究」については、旧課程「地理B」からの内容に大きな変更はありません。ただし、系統地理分野において第3次産業と日本地誌の内容が拡充され、全体の切り口として「地理総合」と同じく「SDGs」に関連した最新の時事的内容をもとに地理を体系的に学習していくことが求められるようになります。
2 共通テストが変更されます
※公民を含んで記述しています
入試科目としても大きく再編されました。共通テストでは6科目のうち最大2科目を選択し受験します。『旧日本史B』は『歴史総合,日本史探究』、『旧世界史B』は『歴史総合,世界史探究』となります。ただ、「歴史総合」によって、日本史選択者であっても世界史の一部が、世界史選択者であっても日本史の一部が試験で課されます。『旧地理B』は『地理総合,地理探究』となります。「公共」は旧課程の「現代社会」とほぼ変わりません。
教科 | 新課程(2025年度入試~) | 旧課程(2025年度入試の経過措置) | |||||
出題科目 | 試験時間 | 備考 | 出題科目 | 備考 | |||
地理歴史 公民 |
『歴史総合,日本史探究』 『歴史総合,世界史探究』 『地理総合,地理探究』 『公共,倫理』 『公共,政治・経済』 『地理総合/歴史総合/公共』 |
1科目選択 60分 2科目選択 130分 うち試験時間 120分 |
※左記出題科目6科目のうちから最大2科目を選択解答。 ※『地理総合/歴史総合/公共』は、「地理総合」「歴史総合」「公共」の3つを出題範囲とし、そのうち2つを選択解答。(配点は各50点) ※『地理総合/歴史総合/公共』で選択した科目と同一名称を含む科目の組み合わせは選択不可。 ※『公共、倫理』と『公共、政治・経済』との同時選択は不可。 ※受験する科目数は出願時に申し出。 |
『旧日本史A』 『旧日本史B』 『旧世界史A』 『旧世界史B』 『旧地理A』 『旧地理B』 『旧現代社会』 『旧倫理』 『旧政治・経済』 『旧倫理、政治・経済』 |
※左記出題科目10科目のうちから最大2科目選択。 ※同一科目名を含む2科目選択不可。 ※受験する科目数は出願時に申し出。 ※旧課程問題での受験を希望する場合には出願時に申し出。 |
また、地歴公民2科目を選択する受験者の選択可能な組み合わせには制限がありますので、下図を参照してください。
歴史総合, 日本史探究 |
歴史総合, 世界史探究 |
地理総合, 地理探究 |
公共, 倫理 |
公共, 政治・経済 |
地理総合/歴史総合/公共 | ||||
地理総合, 歴史総合 |
地理総合, 公共 |
歴史総合, 公共 |
|||||||
歴史総合, 日本史探究 |
○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | × | ||
歴史総合, 世界史探究 |
○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | × | ||
地理総合, 地理探究 |
○ | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ||
公共, 倫理 |
○ | ○ | ○ | × | ○ | × | × | ||
公共, 政治・経済 |
○ | ○ | ○ | × | ○ | × | × | ||
地理総合/ 歴史総合/ 公共 |
地理総合, 歴史総合 |
× | × | × | ○ | ○ | |||
地理総合, 公共 |
○ | ○ | × | × | × | ||||
歴史総合, 公共 |
× | × | ○ | × | × |
なお、『地理総合/歴史総合/公共』を選択する場合は注意が必要です。大学によってはこの試験科目を入試に課していない場合があるため、受験できる大学が狭まってしまう恐れがあります。
共通テストでは、大学入試センターより、旧課程履修者に対する「経過措置」が発表されています。それによると地歴公民は、新・旧どちらの問題で受験するかを「出願時」に決めます。この経過措置によって、新高卒生は、共通テストの出願時まで、新課程・旧課程どちらの科目で受験するかを見極めることができます。夏までの学習の進捗具合や、「歴史総合」「地理総合」「公共」といった新科目の様子を勘案してから、新課程受験or旧課程受験を選択できますので、新高卒生にとって有利な年と考えられるでしょう。
新課程の教科書、とりわけ「歴史総合」の教科書を見た日本史選択者は、知らないことだらけのその内容に不安を感じることでしょう。ですが、恐れる必要はありません。「日本史探究」について言えば、一部の教科書で構成や表現の変更はありますが、扱う「歴史」が大きく変わるわけではありません。なにより、共通テストや多くの大学入試で高卒生に対する経過措置が取られます。もちろん、駿台予備学校日本史科としても、「歴史総合」を含め、新課程に合わせた特別授業などによって、本番入試で合格点を取れるよう、皆さんの学習をサポートいたします。
新課程入試で最も大きな変更がある共通テストでは、経過措置が取られます。高卒生はこれまでの「世界史B」で受験できますので、不利になることはありません。また、個別(2次)・私大で歴史総合が出題される場合でも、「歴史総合」という科目が「世界史に日本史を組みこむ」ものなので、新たに追加される内容はそれほど多くはありませんし、東大や早慶大などの難関大では、これまでも日本史に関する事項が入試に組みこまれていました(世界史Bの教科書に日本史の概要が記載されていたため)。
共通テストに関しては経過措置が執られるため、旧課程「地理B」での受験が可能です。よって、新課程のための新たな対策は必要ありません。ただし、受験生の中には、新課程での受験を検討している方もいらっしゃると思いますので、駿台では希望する高卒生向けにGIS対策を含む「地理総合」の特別授業を実施します。また、旧課程「地理B」に新課程「地理探究」の内容の一部が先取りして加えられる可能性もありますので、教材やカリキュラムは新課程「地理探究」の内容を踏まえたものに改訂・拡充し、万全の対応でお迎えします。
3 駿台高卒クラスでは完全対応!
駿台では、地歴において履修課程や入試科目が変わったとしても、十分に対策が出来るカリキュラムを揃えています。授業内で類題練習をするほか、模試の出題においては作問をしている先生が日本史・世界史の両方の出題に関与し、しっかりした受験対策が取れます。
「新課程」という3文字を過大に意識してはいけません。基本的な歴史知識を積み重ねつつ、理解を深め、どのような問題にも対応できる実力をつけることが肝要です。駿台予備学校日本史科は、この合格に必要な実力をつける指導を、一貫して実践してきました。私自身も駿台に入り、科目をこえた諸先輩講師から「私たちの仕事は大学で学ぶ諸学問の前提を身につけさせること」と厳しく教えられてきました。これは私個人の見解にすぎませんが、「歴史総合」は、「大学で学ぶ諸学問の前提」という点から見ると、とても良い科目と思っています。「歴史総合」を学ぶことにより、たとえば憲法・資本主義・国民国家・植民地主義などを、世界史的な広い視野から考察することができ、それは諸学問の前提としての歴史知識を豊かにしてくれます。また、個別(2次)試験や私大で「歴史総合」が必要な受験生のために、新たに追加された世界史分野の内容を扱う特別授業「日本史選択者のための歴史総合」を実施します。「新しい科目を学ばなければ」と考えるのではなく、これを一つの契機と考え、利用しましょう。そして、ともに頑張りましょう。
歴史自体の大枠が変わったわけではありません。駿台では、まず通史の解説を行う「世界史Ⅰ・Ⅱ」の授業があります。ここでは「世界史」の流れや因果関係の理解を追求する講義を展開していますので、「世界史B」であっても「世界史探究」であっても対応できる学力を養成することができます。また、新たに追加された「歴史総合」については、この授業のテキストに、「歴史総合」で追加される日本史の重要事項をまとめた「歴史総合対策資料」を掲載しますので、日々の学習の中で関連事項を確認することができます。また、個別(2次)試験や私大で「歴史総合」が必要な受験生のために、新たに追加された日本史分野の内容を扱う特別授業「世界史選択者のための歴史総合」を実施します。これらの授業を通じて固めた基礎学力を実際の入試での得点力に変えるため、通期のカリキュラムに組みこまれた「東大世界史」「京大世界史」「一橋大世界史」「早慶大世界史」などの志望別対策授業を通じて、各大学の出題に即して合格に必要な学力を養成することができます。駿台での学習で志望校への合格を勝ち取ってください。
国公立個別(2次)・私大受験は、新課程「地理探究」での受験が基本となります。上述のとおり旧課程「地理B」からの内容に大きな変更点はありませんが、新課程「地理探究」を分析し尽くした、模試の出題も行う講師が、受験生が独学では対策しにくい最新の時事問題や予想問題の提供、論述指導など、新課程の拡充内容にあわせて手厚くフォローしていきます。また、東大をはじめとする難関国公立大学の個別(2次)試験では「世界を俯瞰できる視点」が求められています。駿台では、黒板に大きな世界地図を掛けて授業を行うことで、受験生が自然と世界地図で物事を考えられる工夫も行っています。
公民
地歴公民の変更点について、駿台講師が解説します。
公民科 吉田 和真 先生
1 履修範囲が再編されます
公民は改編され、新しい科目として「公共」を履修します。新高卒生にとっては見慣れない科目ですが、旧課程の「現代社会」とほぼ同一とみて良いでしょう。難関大を目指す受験生にとっては、今まで勉強してきたことは決して無駄にならない変更ですので安心してください。
新課程(2022年4月の高1より) | 旧課程 | ||||||||
教科 | 科目 | 単位 | 必履修科目 | 教科 | 科目 | 単位 | 必履修科目 | ||
公民 | 公共 | 2 | ○ | 公民 | 現代社会 | 2 | △ | △から1科目、 又は□2科目 |
|
倫理 | 2 | 倫理 | 2 | □ | |||||
政治・経済 | 2 | 政治・経済 | 2 | □ |
2 共通テストが変更されます
※詳細は、地歴の欄で説明しています。詳しくはこちら
「公民」選択者が新課程で共通テストを受験する場合、基本的に『公共,倫理』か『公共,政治・経済』を選択することになります(このほかに『地理総合/歴史総合/公共』もありますが、選択できる大学・学部は限られています)。「公共」は新課程で新設された科目ですが、内容は旧課程の「現代社会」に類似しています。
すなわち、ごく一部を除き、学習事項は「政治・経済」と「倫理」の両科目に含まれており、政経分野の履修範囲は「政治・経済」とほぼ同じ、倫理分野は「倫理」より相当狭くなっています。そして、その範囲の基礎的な内容を学ぶことが想定されています。このため、「公共」の試験問題の難易度は比較的平易になると予想されます。ウエートは政経分野の方に大きく置かれると考えています。
したがって、旧課程の『倫理,政治・経済』を選択していた人にとっては、新課程のいずれの科目を選択しても、学習の負担は軽減されることになります。とくに『公共,政治・経済』を選択する場合は、顕著に軽くなります。反対に旧課程の『倫理』『政治・経済』『現代社会』の選択者の場合は、負担が増えます。ですが、高卒生は2025年度共通テストで旧課程の科目も選択できますので、心配はいりません。
また、一部の私立大学でも、2025年度入試で『公共,政治・経済』が選択科目になりますが、「公共」という科目の性質上、これまでの『政治・経済』の試験問題から大きく変わることはないと見ています。
3 駿台高卒クラスでは完全対応!
駿台では、公民において教育課程や入試科目が変わったとしても、十分に対策ができるカリキュラムを揃えています。
駿台では、新旧いずれの課程の科目を選択しても万全の対策がとれるよう、講座をラインアップしていきます。通常カリキュラムで「公共」「倫理」「政治・経済」「現代社会」の各授業を実施し、選択科目によっては組み合わせて受講することにより、確かな実力を効率よくつけてもらいます。新科目「公共」に対する不安をなくすため、講習会で短期集中型の講座も設置する予定です。最適化したカリキュラムでみなさんを合格に導きます。
国語
国語の変更点について、駿台講師が解説します。
現代文科
霜 栄 先生
古文科
松本 裕喜 先生
漢文科
三宅 崇広 先生
1 履修範囲が再編されます
国語は、再編されて「現代の国語」「言語文化」の2科目が必履修科目となり、「言語文化」「文学国語」「古典探究」が新設されます。
各科目名が変更となりますが、新高卒生にとって新課程で学習する内容は、科目の特性から事実上は高校3年間で学習してきた内容とほぼ変わらないとみて良いでしょう。
教科 | 新課程 | 旧課程 | ||
国語 | 現代の国語 | 2○ | 国語総合 | 4● |
言語文化 | 2○ | 国語表現 | 3 | |
論理国語 | 4 | 現代文A | 2 | |
文学国語 | 4 | 現代文B | 4 | |
国語表現 | 4 | 古典A | 2 | |
古典探求 | 4 | 古典B | 4 |
※数字は標準単位数。○は必履修科目。●は必履修科目だが2単位まで減可。
2 共通テストが変更されます
共通テストは、「近代以降の文章」が1題追加となり、大問5問構成になります。試験時間も10分増え、90分となります。
配点は200点満点こそ変わりませんが、近代以降の文章が3問で計110点、古典が2問で計90点(古文・漢文各45点)となります。
大問5問となり、以前の共通テストと比較して時間が不足する可能性があるため、時間配分が重要となるでしょう。現代文・古文・漢文ともに問題文を速く正確に読む力や、複数資料を読み解く力を身に付け、入試に挑みましょう。
教科 | 新課程(2025年度入試~) | 旧課程(2015年度入試~2024年度入試) | |||||||
科目 | 試験時間 | 配点 | 備考 | 科目 | 試験時間 | 配点 | 備考 | ||
国語 | 近代以降の文章 | 90分 | 45点 | 論理的な文章 | 近代以降の文章 | 80分 | 50点 | 論理的な文章 | |
近代以降の文章 | 45点 | 文学的な文章 | 近代以降の文章 | 50点 | 文学的な文章 | ||||
近代以降の文章 | 20点 | 新傾向問題 | |||||||
古文 | 45点 | 古文 | 50点 | ||||||
漢文 | 45点 | 漢文 | 50点 |
なお、第3問近代以降の文章の「新傾向問題」については、大学入試センターより出題方法や問題作成方針が決定・公表されています。
■2022年11月9日公表の試作問題における新傾向問題について
・テクストを図表と関連付けながら的確に読み取る力や、レポートの作成に向けてテクストを適切に解釈し、目次の内容や構成について分析したり検討したりする力を問う。
・資料をレポートに引用するために、複数の文章やグラフの内容や要旨を適切に解釈する力や、よりよいレポートにするために、レポートの内容を捉え直したり、根拠の示し方について考察したりする力等を問う。
新課程の共通テストでは、今までの評論文・文芸作品(小説)の問題に加え、新傾向問題(実用的文章+複数の図表(グラフなど))を用いた現代文第3問が出題されます。駿台高卒クラスでは、4月から共通テスト対策に取り組み、第3問対策としても新たに作成した様々なオリジナル問題を使用して万全の準備を行います。したがって、駿台高卒生が現役高校生より有利であることは間違いありません。AIと協働していく社会に向けた国語教育を視野に入れ、ぜひ未来に、一生に役立つ真の国語力を駿台で身につけてください。
古文の新課程入試においては、配点が従来の50点から45点となります。また、国語全体に目を向けると、大問が5つとなり、試験時間が80分から90分になります。このような形式面での変化はありますが、内容面に関して、古文においては従来の共通テストに比して大きな変化はないと考えられます。
共通テストの古文には、複数のテクストを比較・統合する問題、対話形式の問題など、センター試験時代には無かった新しいタイプの問題が登場しており、今後ともこうした傾向の作題がなされる可能性があると考えられるでしょう。
「共通テスト」が始まって以来、句形や語順といった漢文読解の基礎については従前よりも高いレベルで求められています。句形の機械的な理解で片付くような問題は見られなくなっているのです。
さらに【問題文Ⅰ】【問題文Ⅱ】のような二つ以上の資料から正解を導く出題が定着していますから、情報処理力を前面に打ち出した漢文の問題に対処できる、迅速かつ正確な漢文読解力を構築しておくことが不可欠です。
この「共通テスト」の傾向は、他の国公立大・私立大の入試にも大きく影響を及ぼしています。
3 駿台高卒クラスでは完全対応!
現代文の新傾向問題については、駿台は従来より研究を重ね、通常カリキュラムを一層強化し対策を行います。
■現代文 新傾向問題の対策
現代文の新しい「第3問」では、どのような力が問われるのでしょうか?
文章を図表と関連付けながら的確に読み取る力や、レポートの作成に向けて文章を適切に解釈し、内容や構成について分析したり検討したりする力
…共通テスト試作問題 第A問 より
資料をレポートに引用するために、複数の文章やグラフの内容や要旨を適切に解釈する力や、よりよいレポートにするために、レポートの内容を捉え直したり、根拠の示し方について考察したりする力
…共通テスト試作問題 第B問 より
駿台でのオリジナル予想問題の例
新課程の共通テストでは、今までの評論文・文芸作品(小説)の問題に加え、新傾向問題(実用的文章+複数の図表(グラフなど))を用いた現代文第3問が出題されます。さらに現実の社会生活や個人の学習場面やグループ内の会話を想定した設問、問題文を論拠に資料に書かれていない結論・意見を推論する設問の出題も本格化します。過去の傾向に合わせた対策を立てる、あるいは設問の解答法を学ぶといった従来の受験勉強ではなく、これからの社会で生きるために必要な思考カ・判断カ・表現力を問うための出題です。これは進化を続けるAI、ChatGPTと協働して働くことが予測され、学校卒業後も生涯にわたって勉強を続けていくことが必要となる実社会に則した読解の学習を促進するためです。
まだ指導書や問題集もそろっておらず傾向も定まらないため、学校の授業では軽視されがちな分野ですが、私たちは長年にわたって共通テストや新課程について研究を続けており、駿台高卒クラスでは4月から共通テスト対策に取り組み、第3問対策としても新たに作成した様々なオリジナル問題を使用して万全の準備を行います。したがって、駿台高卒生が現役高校生より有利であることは間違いありません。ぜひ未来にも、一生にも役立つ真の国語力を駿台で身につけてください。
■古文・漢文の対策
古文・漢文においては、共通テストの現代文「第3問」新設の影響を受け、解答にかけられる時間が充分に取れないと考えられます。配点も5点ずつ少なくなりますが、よりミスできない科目となり、「1点の重み」が増加します。駿台の高卒クラスでは、古文・漢文においても確実な得点源となるよう、いっそう抜かりない共通テスト対策を授業で扱います。
駿台古文科では、共通テスト独自の設問に皆さんが対応できるように、万全のカリキュラムを準備しています。例えば、高卒のほぼ全てのクラスで使用するテキスト「古文(基幹・共通テスト)」では、基幹編で本文を正しく読解するための方法を学び、その上で共通テスト編に収録されたオリジナルの問題を通じて、共通テストへの対応力を高めていきます。また、私大入試や国公立大個別(2次)試験で古文が必要な方を中心に、コース・クラスにあわせた教材も適宜使用し、高度な読解力・記述力を涵養します。駿台の古文のカリキュラムは、入試古文を突破するのに必要な事項を、志望に合わせて網羅できるものとなっています。
新課程になっても、入試古文の問題は、与えられた文章を正しく読解できているか否かを問うために設けられることは変わらない、ということをまずは心に留めてください。形式の変化や新傾向の問題に惑わされず、文章を精確に読む力を養っていく、正攻法の学習を積み重ねることが何よりも肝要です。駿台では、どのような文章にも対応できるような、盤石な読解力を身につけていただけます。駿台で一緒に頑張りましょう!
駿台の漢文のカリキュラムは、前期には句形・語順・文脈把握力などの漢文読解の基礎力を盤石なものに構築します。初歩的なことから積み上げますので、これまでの漢文の学習歴への不安はご無用です。後期は演習問題で、文系・理系・医系などの進路、目指す大学に応じて、共通テスト・国公立大・私立大それぞれでしっかり合格点以上(できれば満点を目指しましょう)を確保できる実戦力(=入試問題に正答する力)を養成します。いずれも、必要最小限の時間で最大限に効果的・効率的にマスターできるテキスト・サブテキスト・タブレットでの小テストなどを使って、わかりやすく実力アップの実感できる授業を展開いたします。
講師はもちろん、あなたの漢文力アップ・合格力アップのために、精一杯リード+バックアップいたします。一年後のあなたは、去年のあなたとは全く異なった漢文の実力と確信のある自信を持って試験に臨めるはずです。お任せください。駿台なら漢文も安心です!
英語
英語の変更点について、駿台講師が解説します。
英語科 増田 悟 先生
1 大きな変更はなし
履修科目が次のように変更となりました。「聞くこと」「読むこと」「話すこと」「書くこと」の力をバランスよく育成するための科目として「英語コミュニケーションⅠ、Ⅱ、Ⅲ」や、発信力の強化に特化した科目として「論理・表現Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」が新設されました。各科目名が変更となりますが、新高卒生にとって新課程で学習する内容は、科目の特性から事実上は高校3年間で学習してきた内容とほぼ変わらないとみて良いでしょう。
教科 | 新課程 | 旧課程 | ||
英語 | 英語コミュニケーションⅠ | 3● | コミュニケーション英語基礎 | 2 |
英語コミュニケーションⅡ | 4 | コミュニケーション英語Ⅰ | 3● | |
英語コミュニケーションⅢ | 4 | コミュニケーション英語Ⅱ | 4 | |
論理・表現Ⅰ | 2 | コミュニケーション英語Ⅲ | 4 | |
論理・表現Ⅱ | 2 | 英語表現Ⅰ | 2 | |
論理・表現Ⅲ | 2 | 英語表現Ⅱ | 4 | |
英語会話 | 2 |
※数字は標準単位数。●は2単位まで減可
共通テストにおいても変更はありません。高校時代に学習したことを継続し、安心して受験勉強を進めてください。
教科 | 新課程・旧課程 | |||
出題科目 | 試験時間 | 備考 | ||
外国語 | 『英語』 『ドイツ語』 『フランス語』 『中国語』 『韓国語』 |
80分 リスニング試験 60分 うち試験時間 30分 |
※左記出題科目5科目のうちから1科目を選択。 ※『英語』は[リーディング][リスニング]を出題し、原則としてその両方を受験。 ※英語以外の科目を受験希望する場合には出願時に申し出。 |
2025年に実施される新課程入試での共通テストに関して、大学入試センターは2022年に試作問題を公表しています。リーディングについては、大問の構成などに若干の変化はありますが、「英文の内容を素早く正確に理解し、的確な情報処理を通して設問を解いていく」という従来の方向性に変更はありません。リスニングについても、変更点はほとんどないと思われます。国公立大の個別(2次)試験や私大入試にも、特筆すべき大幅な変化はないでしょう。
このように、新課程入試だからといって不安を感じる必要はありません。駿台がこれまで実践してきた正統派の学習を通して、どのような出題形式にも対応できる幅広い英語力を身につけることが、第一志望校の合格につながるのです。
2 駿台高卒クラスでは完全対応!
駿台では、英語の原理原則に基づき、様々な角度から英語を学習して丁寧に訳せるような力をつけます。また、最近の大学入試では語数が増加したり、読み取る資料が多岐に亘ることが特徴です。その対策のため、速読力や資料読解力をつける授業・テキストも取り入れ、確実な得点源となるようなカリキュラムで学習します。
駿台では、50分授業の特色を生かして、文法・構文・長文読解・和文英訳・自由英作文といった多面的な学習を行うカリキュラムを組んでいます。教材によっては、50分の授業を2コマ連続で行い、分量の多い長文読解問題を扱うことを通じて、英文の内容を素早く理解しながら設問を解いていくための速読力を養成します。共通テストについても、出題形式別のテスト演習授業で十分な対策を行っていきます。
また、ほぼすべての教材に音声付録がついており、リスニング対策も万全です。さらに、各種模擬試験や授業中に行われるテスト演習を通じて、実践的な答案作成力も鍛えていきます。
もちろん、授業後に疑問点がある際は、授業の合間の休み時間や個別質問システム(ティーチング・アドバイザー)を用いて、講師に直接質問ができる環境も整っています。
新課程入試を恐れる必要はありません。ぜひ駿台でともに学び、第一志望合格を目指しましょう。
理科
理科の変更点について、駿台講師が解説します。
物理科
小倉 正舟 先生
化学科
吉田 隆弘 先生
生物科
河崎 健吾 先生
地学科
木村 修 先生
1 履修範囲が一部で変更
理科の履修科目については、新課程と旧課程は同じです。高校時代に学習してきたことを活かして受験勉強を進めることになります。ただし、「化学」「生物」では、学習内容の一部に変更がありますので対策を怠らないようにしましょう。
新課程・旧課程とも | ||||
教科 | 科目 | 単位 | 必履修科目 | |
理科 | 科学と人間生活 | 2 | △ | △と□から1科目、又は□から3科目 |
物理基礎 | 2 | □ | ||
物理 | 4 | |||
化学基礎 | 2 | □ | ||
化学 | 4 | |||
生物基礎 | 2 | □ | ||
生物 | 4 | |||
地学基礎 | 2 | □ | ||
地学 | 4 |
新課程の物理が扱う単元は、「物理基礎」と「物理」の全体において、旧課程との違いはありません。学習指導要領上では、「物理基礎」において「熱」と「波」を扱う順序が変更されていますが、最新の主な教科書は旧課程のままになっています。また、学習指導要領上では、「交流の発生」の取り扱いが「物理基礎」から「物理」に移行されていますが、最新の主な教科書は旧課程のままで、どちらの教科書にも(「物理」の方がより詳しめに)掲載されています。
ところで、学習指導要領には、各教科の教育の基本方針が示されています。新課程の理科においては、国際水準を意識した上で、育成すべき資質や能力を「知識や観察・実験の技能」「知識・技能を用いた思考力、判断力、表現力等」「主体的に取り組む姿勢」の3つとしています。また、これらの育成の際には、自然現象を科学的な視点で捉えて探究する(質的・量的な関係や時間的・空間的な関係で捉え、比較、関連付けを行う)という理科の考え方を働かせ、課題を主体的に発見し、見通しをもって追求し、解決して考察することが重要とされています。そのため、新課程の教科書には、教科書本文の記述とは別に、実験に関する記述や問題、物理に関連する身近な題材を取り上げたコラムなど、主体的学習を促すための記述が旧課程の教科書よりも明らかに増えています。当然、入試問題でも、思考力を重視した目新しい問題や実験とその考察に関する問題などが増加傾向になると予想されます。
新課程では、熱化学の分野で大きな変更点があります。例えば、これまでは物質が燃焼したときの発熱現象を
と表していました。これを新課程では下記のように表すことになります。
符号が逆になっていることに気づいたと思います。旧課程では物質からエネルギーが放出されると考え、発熱を+で表現していました。しかし、新課程では、物質のエンタルピーが減少するという理解になり、発熱を- で表現することになります。そしてエンタルピーという、より本質的な物理量を用いて熱現象を理解することになります。
また、この他にも、エントロピーの導入、アルカリ土類金属元素と遷移元素の定義変更などもあり、旧課程で学んだ知識のアップデートが必要となります。
旧課程と新課程の教科書の大きな変更点は次の2つです。
1点目は、旧課程の教科書で最後に学習していた「進化・系統」の分野が、新課程の教科書では最初の第1章に配置されました。
2点目は、「植物の環境応答」の分野に、旧課程の教科書では別の分野に含まれていた植物に関する内容(植物の配偶子形成と受精、発生、ABCモデルなど)が加わりまとめられました。
上記のように、旧課程と大きく変わるのは、教科書で学習する順番です。旧課程で学習しなかった全く新しい分野を、新課程で学習するようなことはほとんどありません。よって、これまで旧課程で学習した内容は、ほぼすべて新課程の「生物」の学習に活かされ、不利になることはありません。
学習指導要領によると「地学基礎」の内容は概ね変わりませんが、旧課程に比べて、太陽表面の現象、太陽の進化についてや、銀河の分布について等の一部の内容が無くなり、それらが「地学」へ移行します。
主に理系の受験生が選択する「地学」は、「地学基礎」を前もって学ぶ、すなわち「地学基礎」と「地学」でセットになっていると考えると、旧課程に比べて内容の変更はほぼ無いと思って良いでしょう。
2 共通テストの変更はほぼなし
共通テストでは、時間割に一部変更がありますので冒頭に掲載している時間割をご覧ください。従来は理科①(基礎科目)・理科②(専門科目)で時間が分かれていたものが、今回からは「理科」として一本化された時間の中で、基礎科目・専門科目が混在する形となります。専門科目は時間が変わり朝一番から試験が始まることになりますが、それ以外は大きな変更はありません。
教科 | 新課程(2025年度入試~) | |||
出題科目 | 試験時間 | 備考 | ||
理科 | 『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』 『物理』 『化学』 『生物』 『地学』 |
1科目選択 60分 2科目選択 130分 うち試験時間120分 |
左記出題科目5科目のうちから最大2科目を選択解答。 『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』は、「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」の4つを出題範囲とし、そのうちから2つを選択。(配点各50点) ※受験する科目数は出願時に申し出。 |
3 駿台高卒クラスでは完全対応!
このような状況においても、駿台の受験対策は変わりません。駿台物理科における受験指導の目標は、新傾向問題においても、自力で糸口をつかみ、解答へ至る過程を論述しながら、必要に応じて素早く答えに辿り着く力を養うことであり、初見の問題でも主体的に取り組める自立した大人を養成することにあるため、そのまま新課程にも対応可能だからです。駿台では、その目標を達成するために、まずは基礎的な典型問題において数少ない物理の原理の使い方を学びます。原理から結果を得る途中に現れる公式と呼ばれる式を、原理から離れて多数暗記しても、自立した大人への道は遠回りになるでしょう。物理の原理を具体的な問題において記述し、計算をして、導いた結果を考察する、この繰り返しによって原理に裏打ちされた物理的直感力を後天的に獲得しながら目標を達成できるのです。駿台物理科は、出題傾向に左右されない揺るぎない力の養成を目標としているので、新課程になっても不安や恐れを感じる必要はまったくありません。
駿台化学科では、この大きな転換期を見据えて、例えば、2021 年度の東大入試実戦模試の題材としてエンタルピーを出題するなど、早くからエンタルピー教育への対策を練ってきました。また、旧課程で使用していたテキストにおいても、エントロピーに相当する「乱雑さ」の解説を載せてあり、適宜、授業内で扱ってきました。
駿台のカリキュラムでは、前期で理論化学をしっかりと学びます。エンタルピーは 5 月下旬から 6 月上旬にかけて扱います。テキストには、エンタルピーを習得しやすいように作成したオリジナル問題をはじめ、エンタルピー表記に改題した入試問題、反応の理論 (乱雑さなど) を詳しく扱っていた 1980 年代の入試問題等を載せ、旧課程で学んできた受験生が、無理なくエンタルピーやエントロピーを理解できるように準備しています。
課程変更により不安を抱く受験生もいるかもしれませんが、実はエンタルピーの方が計算問題が解きやすい、という利点もあります。旧課程の熱化学計算が上手く出来なかったという受験生は、ぜひ、エンタルピー変化を用いた解法を学んでみてください。
さらに、エンタルピー・エントロピーを学ぶことで、旧課程ではしっくりと理解できていなかった化学現象がよりクリアに理解できるという利点もあります。
駿台化学科では、常に化学の本質的な理解を重視してきました。ぜひ、駿台でしか受けられない化学の授業を受けてみてください。そして、共に化学を楽しみ、第一志望に向けて一緒に頑張りましょう。
新課程の「生物」の学習でポイントになるのは、ズバリ「進化・系統」の学習の仕方でしょう。特に「進化」が教科書の先頭になったということは、高校で学習する「生物」のほぼすべての分野において、「進化」をベースに学習していくことを意味しています。「進化」の理解には、遺伝や遺伝子、生殖、代謝などの基本的な理解が必要となりますが、新課程の教科書では、突然変異や減数分裂、動物の配偶子形成などが、新たに第1章に配置されています。この第1章を効率よく学び、理解して他の分野につなげていけるかが新課程の「生物」を学習する上でカギとなります。駿台では、新課程の「生物」を徹底的に研究し、「進化」を前期から効率よくスムーズに学習していけるように、テキスト全体を大幅に刷新して新課程に対応します。安心して駿台で「生物」を学びましょう。
駿台の地学科では、主に文系の受験生向けに「地学基礎共通テスト対策」、理系の受験生向けに「地学共通テスト対策」・「理系地学」の授業が用意されています。
2025年度入試の共通テストでは、旧課程の受験生へ選択問題を出題する可能性があり、旧課程の受験生が不利にならないように配慮するとされています。よって、2024年度高卒クラスでは、旧課程で「地学基礎」、「地学」を既に学んでいる受験生が多くの割合を占めるためもあり、「地学基礎共通テスト対策」、「地学共通テスト対策」のテキストは、旧課程の内容となります。
また、主に個別(2次)試験対策である「理系地学」のテキストですが、「地学基礎」、「地学」の内容の変更がほぼ無いためもあり、旧課程・新課程の両方に対応できる内容となります。学習指導要領から判断すると、新課程の入学試験では観察や実験を念頭に置いたもの、図やグラフ等の資料を読み取る必要のある問題が、これまで以上に出題されることが予想されます。
駿台のテキストは、それらのことを念頭において構成されていますので(「地学図表集」も配布されます)、駿台で「地学基礎」、「地学」を学習することで、受験での対策は十分に行えます。予習、授業、復習を繰り返していくことで、目標の大学で合格点を取ることができる実力を養っていきましょう。
数学
数学の変更点について、駿台講師が解説します。
数学科 若月 一模 先生
1 履修範囲が再編されます
新学習指導要領では履修範囲の再編が行われました。「数学C」が新設され、新高卒生にとっては負担が増えたようにも見えます。しかし、実は下図のように分野の移行があり、実質的に学習する分野に大きな変化はありません。そのため、基本的には高校の学習を活かし、受験勉強を続けることになります。
大学入試としての最大の出題範囲は
文系:「数学Ⅰ・Ⅱ・A・B・C(※)」
理系:「数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C」
となります。
また、理系であっても薬学部や農学部など、現在数学Ⅲを選択していない方は、「数学Ⅰ・Ⅱ・A・B・C(※)」が最大範囲となります(以下「文系」と読み替えてください)。旧課程の科目名と混同しないようにしましょう。
(※)数学Cは、多くの大学でベクトルのみの出題としています。
※数字は標準単位数
2 共通テストが変更されます
数学は下表の通り、共通テストでの変更があります。
数学①「数学ⅠA」では、従来選択問題であった「図形の性質」と「場合の数と確率」は全員が解答することになります。
数学②は出題が「数学Ⅱ・数学B・数学C」1科目のみの出題となり、問題数が増え、試験時間が60分から70分に変更となります。
また、数学B・Cそれぞれ2項目に対応した出題(「数列」「統計的な推測」「ベクトル」「平面上の曲線と複素数平面」)のうち、3項目の内容を選択解答します。
教科 | 新課程(2025年度入試~) | 旧課程(2025年度入試の経過措置) | |||||
出題科目 | 試験時間 | 備考 | 出題科目 | 備考 | |||
数学 | ① | 『数学Ⅰ,数学A』 『数学Ⅰ』 |
70分 | ※左記出題科目2科目のうちから1科目を選択解答。 ※「数学A」[図形の性質][場合の数と確率]2項目に対応した出題とし全てを解答。 |
『旧数学Ⅰ・旧数学A』 『旧数学Ⅰ』 |
※「数学A」[場合の数と確率][整数の性質][図形の性質]の内容のうち、2項目を選択解答。 ※新旧両課程問題は共通冊子であり、試験当日選択。 |
|
② | 『数学Ⅱ,数学B,数学C』 | 70分 | 「数学B」[数列][統計的な推測]、 「数学C」[ベクトル][平面上の曲線と複素数平面] 4項目に対応した出題とし3項目を選択解答。 |
『旧数学Ⅱ・旧数学B』 『旧数学Ⅱ』 『旧簿記・会計』 『旧情報関係基礎』 |
「数学B」[数列][ベクトル][確率分布と統計的な推測]の内容のうち、2項目を選択解答。 ※『旧数学Ⅱ・旧数学B』『旧数学Ⅱ』は新課程問題と共通冊子。試験当日選択。 ※『旧簿記・会計』『旧情報関係基礎』を受験希望する場合には出願時に申し出。 |
共通テストでは、大学入試センターより、旧課程履修者に対する「経過措置」が発表されています。それによると数学は、問題冊子が新旧合冊であるため、新・旧どちらの問題で受験するかを当日の問題を見てから決めることができます。
自身の得意分野や解きやすい問題が、新旧どちらに出題されているのかを比較確認してから解答に進めますので、共通テストの数学は新高卒生にとって有利な年と考えられるでしょう。
※「旧簿記・会計」「旧情報関係基礎」を選択する場合は、上記の方法はできません。
新課程における見かけ上の大きな変更点は新しい科目として数学Ⅽができ、項目1の表のように内容の組み換えが起こったことです。これに伴い、共通テストの試験範囲も上記にあるように変更されます。
特筆すべきこととしては、共通テスト数学①では「整数の性質」の出題がなくなり選択問題がなくなる点、共通テスト数学②では選択問題が数学Bと数学Cの4つの内容のうち3項目を選択するようになる点があります。
共通テストでは経過措置として、新課程用の問題と旧課程用の問題の2種類が用意され、高卒生は試験当日に好きな方を選択することができることになっています。
3 駿台高卒クラスでは完全対応!
駿台の高卒クラスの数学では、新課程・旧課程どちらにも対応した「ハイブリッドカリキュラム」で、適宜特別授業を実施し、みなさんの志望校合格に向け万全の対応をしています。
新高卒生にとっては、共通テストが新課程・旧課程どちらも選択できるとなると、数学②においては「数列」「ベクトル」のみで受験できる旧課程問題の方が、試験範囲が前回と同じで高得点を狙いやすいと思うかもしれません。
しかし、過去の経過措置を見ると、旧課程問題は新課程問題より難しい傾向があるので、最初から旧課程問題を選択すると決めてしまうのは危険があります。
よって、駿台数学科では、高卒生が2種類の問題から選択できる利点を活かすため、新課程・旧課程のどちらの問題にも対応できるカリキュラムを組んでいます。
具体的には、共通テスト数学②で新課程用の問題に対応するために、「数列」「ベクトル」に加えて、文系は「統計的な推測」、理系は「平面上の曲線と複素数平面」を選択できるような対策をしていきます。
また、国公立大個別(2次)試験や私立大の試験については、例えば東大は「旧教育課程を履修した高等学校卒業者等に対しては、出題する教科・科目の問題の内容によって配慮を行う」と発表しており、他の多くの大学も旧課程履修者への何かしらの配慮を行うと発表していますので、それらを前提としたカリキュラムを組んでいます。
以上より、新課程になることに不安を持つ必要は一切なく、安心して第一志望合格を目指して頑張ってもらえればと思います。
情報
1 教科「情報」が新設されました
新学習指導要領に従い、2022年4月の入学者より、高校では新たに「情報Ⅰ」を必履修科目として学習することとなりました。
「情報Ⅰ」は、「問題の発見・解決に向けて,事象を情報とその結び付きの視点から捉え,情報技術を適切かつ効果的に活用する力を全ての生徒に育む」ことを目標とする科目です。また、「情報Ⅰ」の発展的な選択科目として「情報Ⅱ」があります。いずれも標準単位数は2単位です。
2 共通テストで「情報Ⅰ」が出題
高校で「情報Ⅰ」が必履修科目となったことを受け、共通テストでは出題教科に「情報」、科目に「情報Ⅰ」が追加されます。試験時間が60分、満点は100点です。
大学入試センター発表の「試作問題」では、大問4問の出題となり、新学習指導要領で学ぶ4つの分野((1)情報社会の問題解決、(2)コミュニケーションと情報デザイン、(3)コンピュータとプログラミング、(4)情報通信ネットワークとデータの活用)がすべて出題されていました。
教科 | 新課程(2025年度入試~) | 旧課程(2025年度入試の経過措置) | ||||
出題科目 | 試験時間 | 備考 | 出題科目 | 備考 | ||
情報 | 『情報Ⅰ』 | 60分 | 『旧情報』 | ※高等学校等において「社会と情報」「情報の科学」のいずれの科目を履修していても不利益が生じないよう、両科目の共通部分に対応した必答問題に加え、「社会と情報」』に対応した問題及び「情報の科学」に対応した問題を選択解答。 ※新旧両課程問題は共通冊子であり、試験当日選択。 |
共通テストでは、大学入試センターより、旧課程履修者に対する「経過措置」が発表されています。それによると「情報」は、問題冊子が新旧合冊であるため、新・旧どちらの問題で受験するかを試験当日の問題を見てから決めることができます。この経過措置によって、新高卒生は、共通テスト当日に新課程・旧課程両方の問題を比較した上で解答できます。
3 駿台高卒クラスでは完全対応!
●駿台の高卒クラスは、新課程「情報Ⅰ」の内容を学習します
高卒生の入試は「情報Ⅰ(新課程)」と「旧情報(経過措置)」から選択可能です。
しかし、駿台は入試において「情報Ⅰ」の選択が得策であると考えています。その主な理由は次の通りです。
(1)入試対策がしやすい
⇒「情報Ⅰ共通テスト対策」の参考書や学習動画・演習問題集が「旧情報」と比較して豊富にあります。
(2)高得点が狙える
⇒入試初年度は問題が易しい傾向があり、「旧情報」より「情報Ⅰ」のほうが高得点を狙いやすいと考えられます。
(3)タイムパフォーマンスが高い
⇒「情報Ⅰ」は、駿台の学習と自習時間の計60時間で網羅でき、得点1点あたりに掛かる学習時間が少ないとみています。
●年間カリキュラム(予定)
週2コマで終講までに学習が完遂、高得点が可能となります。
- ・前期に学習する主な内容
-
「プログラミング」「データの活用」「情報社会の問題解決」「コミュニケーションと情報デザイン」
- ・後期に学習する主な内容
-
「コンピュータ」「情報通信ネットワーク」「共通テスト予想問題」
●ライフイズテック社「情報AIドリル」
クラス担任管理画面を通じて、学生の学習進捗状況や総学習時間を把握した上でコーチングを行います。
特長1:AIによる自分専用カリキュラム
問題演習と解説スライドの個別最適な学習で、初めての「情報Ⅰ」を最短距離で学習できます。豊富な共通テスト予想問題にも取り組めるため、過去問が存在しない新入試にも安心して臨めます。
特長2:プログラミングの体験可能
プログラミングの問題は、基本知識を踏まえて、自分の手で試行錯誤しながらプログラミングした経験の有無が差をつけます。暗記ではなく「本質的な理解」と「問題対応力」を養成します。
特長3:リアルタイム質問機能
平日18:00~21:30にリアルタイムで質問可能です。「情報Ⅰ」担当の講師がタイムリーに回答。質問の「時期」「回数」に制限はありません。
特長4:共通テストオリジナル予想問題
1年間で最大8回分の「共通テスト予想問題」での実戦演習が可能です。また、5月・7月・12月の共通テスト模試自己採点結果とも連動して、強化すべき学習内容がその都度レコメンドされます。