早稲田大学合格物語
駿台講師からのメッセージ

英語科 勝田 耕史

●早稲田大の入試問題分析

早稲田大の英語の全体的な特徴は、長文の出題数や合計語数という点から見ると、読解の比重が非常に高いということだ。大問数は3~6題、語数は平均して2,000~2,500語(政治経済学部はもっと多い)となっており、商・教育学部のように、読解系の問題のみで構成されている学部もある。また、法・国際教養学部の長文は1題で1,200~1,500語に達することもあり、かなり驚異的だ。記述式の問題が占める割合は相対的には少ないが、自由英作文には細心の注意が必要。政治経済・法・国際教養学部では主として論説型の自由英作文が課され、また文・文化構想学部は、以前に比べれば問題の大幅な平易化があったとはいえ、与えられた英文の趣旨を英語で要約しなければならない。常識的に考えれば、記号の四択問題より記述のほうが高配点であろうから、これらの学部では記述問題の出来が雌雄を決すると言っても過言ではなかろう。
合格者最低点は慶應義塾大よりもやや高めであり、特に政治経済学部、教育学部国語国文学科・英語英文学科・数学科では70%を超えることが多い(つまり7割正解しても受からない、ということ)。この点も考慮に入れて入試に臨むことが必要である。

●早慶大を目指す人への学習指針

<早稲田大を目指す人へ>
長文の攻略が最優先。長文1題にかける時間は法・国際教養25分、政治経済・社会科学20分、商・教育15分、文・文化構想はⅠ~Ⅲ全部で65分が目安。これ以上かけると問題全部を解けなくなる。となると「速読術」に興味を持つ者が多くなるが、ゆっくり読んでわからないものを速く読んでも余計わからなくなるだけ。細かい部分にとらわれず、長文の言わんとしている所をおおまかにとらえる訓練を積み重ねよう。

数学科(文系数学) 大塚 美紀生

●早稲田大の入試問題分析

早稲田大の数学は、易しい問題で途中考察を重視するという傾向があります。商学部は難度の高い出題がなされますが、プロセスを重視している傾向は同じです。

【政治経済学部】

全問記述式。半数は結果のみ。標準的な問題ばかりですが、論述部分の出題は論理的理解と説明力が求められます。結果のみの問題も、部分点がもらえないだけで、考えさせられる内容です。2021年度入試からは数学は必須となります。

【商学部】

早稲田大で唯一難度の高い出題をします。大問3題の構成で、第1問は空所補充形式の小問4題、第2問第3問は本格的な記述式です。標準的な第1問を確実に押さえて、難度の高い第2問以降も、できるところまではしっかり記述することが肝要です。

【社会科学部】

標準レベルの出題ですが、全問記述式ということもあり、受験者の学習の質がそのまま得点に反映されやすいといえるでしょう。

【国際教養学部】

全問空所補充形式であるが、途中経過も十分考えさせられ、部分点がもらえない記述式の印象です。難易度は標準です。

【人間科学部・スポーツ科学部】

空所補充形式の出題であり、標準よりやや易しめの小問が並びます。

●早慶大文系を目指す人への学習指針

数学の学習で重要なことは、「試験場で問題が解ける」ような学習を普段から心掛けることです。そのような学習法とは、まず基本段階では

  • ・教科書で定義、用語を確認する
  • ・公式、定理は一通り自分で証明してみる
  • ・例題を解くことを通して解法パターンを身につける

その上で、応用演習としては

  • ・入試標準レベルの問題を、解答を見ないで自力で最後まで解き切る
  • ・解き切れないときは解答を見る前に、つまずいた基本をもう一度確認する

ということを実践することです。とりあえず制限時間は気にせずに、標準問題であれば自力で答が出せるようにすることを続ければ、スピードは後からついてくるはずです。
駿台では、こうした正当な学習が無理なくできるカリキュラムと環境が用意されています。駿台を上手く活用するのも、入試を乗り切る一方法といえるでしょう。

数学科(理系数学) 清 史弘

●早稲田大の入試問題分析

早稲田大の入試問題は、私立大学には珍しい「全問記述型」の問題である。答の数値だけを答える問題とは異なり、 他の私立大学では必要としない答案の「作文力」も一部必要とする。とはいうものの、作文のしやすい素直で実直な問題が出題されるから、基本に忠実に考えれば結果が得られる問題がほとんどである。また、大学で学ぶことのある定理、一般的な事実を誘導をつけて説明させるように作られたと思われるものが多い。そのために最終結果が簡潔で美しいものが多く、繁雑な計算は多くはない。ただし、ある程度の難易度の積分の計算を確実に求められる力は不可欠である。

●早慶大理系を目指す人への学習指針

まず、定理、公式等の基礎の部分は深く理解していなければ合格点を取ることは難しいので、普段の学習で定理、公式等は「使い方」だけではなく証明も含めて説明できるようにしておくべきである。これを夏、あるいは秋口までに完成し、その後は過去問を少なくとも5年分くらいは解いておくようにするとよい。なお、早慶大理工学部用の冬期・直前講習では傾向を分析した上での予想問題を用意してあるのでそちらの受講もお薦めする。この講座では、これまでにかなり本番と近い問題が出題されている。

現代文科 清水 正史

●早稲田大の入試問題分析

早稲田大が出題する文章は、その多くが硬質な評論文である。出題分野はきわめて多岐にわたり、〈出題傾向にヤマをかけ、頻出分野の文章に目を通しておいて、それと似た文章が出るのを期待する〉といった手はあまり通じない。
設問は選択式中心だが、なめてかかると痛い目にあう。〈普通の大学なら正解になりそうな選択肢〉が〈ひっかけの誤答になっている〉出題だからである。具体的には、①〈常識と違う逆説的な論旨〉の文章を出題し、〈このテーマならふつうこれが正解だろう〉という内容の選択肢を〈常識的にはよさそうだが、その文章の論旨には反している誤答〉とする、②設問箇所の直前・直後のみでなく、より広い範囲にわたる論旨を踏まえた選択肢を正解とし、〈直前・直後だけだといかにも正解に見えそうな誤答〉を作る、③〈本文の内容を別の言葉に書き換えた正解〉を設定し、〈選択肢の言葉が直接本文に出てくるかどうかをチェックして答える〉やり方の人には正解が選べないようにする、などである。
こうした出題に対応するには、①常識的先入観を排して、それぞれの文章ごとの論旨を正確に受け止める力を養う、②設問箇所の前後を見るだけでなく、まず本文の論旨を的確に把握し、その理解を前提に個々の設問を考える習慣をつける、③〈選択肢の言葉が本文に出てくるかどうか探す〉のではなく、〈本文の理解と設問要求とをかみ合わせて正解に必要な内容の見当をつけてから、選択肢を吟味する〉やり方を身につける、といった学習が必要である。

●早稲田大を目指す人への学習指針

まず、現代文の授業や、信頼できる参考書などを通じて、どんな文章にも通用する〈読解の方法〉を、きちんと身につけることが必要である。〈どこかで読んだことがあるからわかる〉というのではなく、初見の文章について、筆者の叙述を粘り強く追いかけ、正確に理解する力を養うのである。もちろんその前提として、評論用語の正確な知識は必須であり、用語集などを利用して語彙力の強化に務めたい。
その上で、青本などで過去問を解いていくことになる。ただ漫然と〈解いて答え合わせ〉を繰り返すのではなく、〈問題分析〉に示したような設問の特徴を意識して演習を重ね、早稲田大の出題に頭を慣らしていこう。
さらに、必ずしも〈良問〉揃いとは限らない、というのも、残念ながら早稲田大の一つの特徴である。選択肢があまりにまぎらわしいものなど〈解けそうにない設問〉は、〈当たればもうけもの〉くらいのつもりで早めに〈見切り〉をつけ、解ける設問に時間を割いて、合格ラインの得点を確実におさえる、といったことも考える必要がある。本番同様の制限時間を計って過去問を解いていくなかで、そうした呼吸も身につけていきたい。