東大入試は小数点第4位まで点数化するので、0.1点差で不合格になるのも珍しくありません。だから妥協せずに勉強してほしい。常に1点でも多くという気持ちを忘れず勉強することが大切だと思います。
計画性を持って勉強し、苦手を潰していくのも重要ですが、本番で力を発揮できないと意味がありません。東大に入る強い気持ちがあればこそ、本番で力が発揮できます。ときには息抜きも必要ですが、芯は曲げないことです。
東大は教科負担が大きく、やりきることは大変です。焦って空回りしないことです。大事なのは走り続けることでなく、より遠くへ行くこと。気分転換をしつつ、でもできるところまで、できる限りやる。それは大学生活でも意義あることだと思います。
東大では今まで知らなかった世界がたくさん待ち受けています。興味、能力、バックグラウンド、自分の持っていなかったものを持つ人がたくさんいます。皆さんにもこの世界の広がりを感じてほしいです。東大生は、「東大生」というだけでプレッシャーを掛けられることも多いですが、逆にそこに責任も感じます。その責任を任うできると、自分も成長できる。それは東大生だけが体験できることなので、ぜひ誇りに感じてほしいです。
東京大学 文科二類 経済学部卒業(私立浅野高等学校出身)
学問分野も、将来のキャリアも、東大はフィールドが広いです。東大に入ることで可能性、選択肢を広げることができるでしょう。それから、受験勉強は決してムダにはなりません。例えば、数学的発想・思考力は難しい問題を解決するときに役立ちますし、国語や社会の論述は自分のイイタイコトを簡潔にわかりやすくまとめる練習になります。また、「合格」という一つの目標に向かって努力することは、良い経験であり、強い精神力を身につけられると思います。皆さんも頑張ってください。
東京大学 理科三類 医学部卒業(私立開成高等学校出身)
東大は、あらゆる人に居場所を認める懐の深さがあるところで、それを楽しみにしてほしいです。教養も医学・医療もずっと勉強ですが、駿台で学んだ大切なことの一つは、「勉強することの意味は、勉強し続けないとわからない」ということでした。続けていくことでしか見えない景色が、絶対にある。浪人のときに見えなかった景色が大学には広がっていたし、大学で想像していなかった景色が社会人になって見えてきました。目の前の勉強が、その先の世界に、そこであなたの訪れを待っている人たちに、つながっています。思う存分、今を走り続けてください。