2018年度入試
出題分析と入試対策
  九州大学 地理

過去の出題内容

2018年度

番号 項目 内容 形式
〔1〕 世界の宗教 世界の宗教分布図:宗教名記述、キリスト教の伝播経路とその背景、イスラム教が生活習慣や文化に与える影響、ヒンドゥー教の変容 記述・論述
〔2〕 日本地誌 人口・産業・気温の都道府県別統計:県名選択、指標名選択、20 世紀後半以降の日本の人口増減・移動の特徴、戦後の工業立地の特徴とその変遷 選択・論述

2017年度

番号 項目 内容 形式
〔1〕 三大穀物の生産と輸出入 三大穀物の生産と輸出入統計:小麦・米の生産と輸出入の特徴、とうもろこしの生産と輸出入の特徴と生産量の変化の要因 選択・記述・論述
〔2〕 アフリカ地誌 大都市が北緯20 度以北で少なく赤道以南で多い自然的・農業的・資源的背景、地中海沿岸とギニア湾沿岸に大都市が多い背景、アブジャの人口が少ないにもかかわらずナイジェリアの首都となった理由と歴史的背景 論述

2016年度

番号 項目 内容 形式
〔1〕 世界の都市圏人口と都市問題 4都市の都市人口に関する問題、先進国におけるインナーシティ問題、発展途上国における都市人口集中の歴史的背景、地理的・経済的要因、問題点 選択・論述
〔2〕 BRICsの経済発展と農業の異同 国民総所得など4つの指標でBRICs 4か国の国名を答える、4か国の経済発展を背景とした共通する特徴、ブラジルとインドの農牧業における共通点と相違点 選択・論述

出題分析

分量

例年、大問2題。語句の記述や選択で答える小問も見られるが、各大問に2、3問ずつ課される論述問題のウエートが大きい。2018年の論述問題の字数制限は、〔1〕が100字、150字、200字、〔2〕が200字、300字で、合計950字にもなる。ちなみに、2017年は合計980字、2016年は合計950字だったので、1、000字近い論述が必出と考えておきたい。

パターン

記述式、選択式といったパターンが含まれ、2018年は宗教名の記述、県名の選択、統計指標の選択が出題された。小問の多くを占めるのは論述式で、100~300字という長文での論述が求められる。指定語句を用いての論述が課されることも多く、2018年は5問の論述問題のうち2問がそれに該当した。

出題内容

2題のうち、1題が系統地理分野、1題が地誌分野からの出題という構成の年次が多い。系統地理分野では、2018年が宗教、2017年が三大穀物、2016年が都市、2015年が貿易と、毎年テーマが異なっており、広い範囲からの出題を意図しているようにも見える。地誌分野でも、2018年が日本、2017年がアフリカ、2015年がオセアニアと取り上げる地域が異なっているので、過去に出題されていない地域も含めて、偏りなく学習しておく必要がある。

難易度

出題される内容は標準レベルと言える。何を答えればいいのか全くわからないといったものではないが、正確に即答するのは難しいレベルの出題が多く見られる。特に、長文の論述問題の解答作成では、ポイントを適切に取り上げるのが難しく、手間取ることが予想される。

入試対策

通常の授業で学習する内容を、正確に理解していくことが重要である。それによって得た知識を、統計・グラフや地図と結びつけて、図表の読み取り・判定問題でミスしないようにするとともに、数値の変化や地図上の位置のもつ意味を説明できるようになっておきたい。
また、教科書をしっかり読みこんでおいてほしい。豊富な内容をわかりやすい文で説明しているので、単に知識の幅を広げるだけでなく、解答作成の際の表現の手本ともなりうる。さらに様々な情報を集めるなら、資料集や参考書を活用したい。時事的話題や基礎的教養を身につけるなら、テレビのニュースや新聞を見るようにも心がけたい。
長文の論述問題に対応するには、書く力を訓練しておく必要がある。問われている内容をしっかりつかみ、ポイントを過不足なく、適切に取り上げて、細部にまで注意を払いながら答案を作り上げるのは、かなりの慣れが必要である。過去問を活用して答案を完成させていく作業を繰り返しておいてほしい。九州大の過去問は2015年以降しかないので、大阪大など、出題量・パターンの似ている他大学の過去問も解いておきたい。300~400字の論述が課される筑波大の過去問も、長文の論述に慣れるには効果があるだろう。字数は少ないが、東京大や京都大、首都大学東京、名古屋大などの過去問も、知識や思考の幅を広げるには有効となる。そして、作成した答案は、地理の先生に添削してもらうようにしてほしい。

※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。