2017年度入試
出題分析と入試対策 早稲田大学 教育学部 地理
出題分析と入試対策 早稲田大学 教育学部 地理
過去の出題内容
2017年度
番号 | 項目 | 内容 | 形式 |
---|---|---|---|
Ⅰ | アジアの地誌 | ムスリムの多いアジアの国々に関する地誌 | 選択・記述 |
Ⅱ | アフリカの地誌 | 東経20度が通過するアフリカ諸国の地誌 | 選択・記述 |
Ⅲ | ヨーロッパの地誌 | EUの動向とそれに関連した3か国の地誌 | 選択・記述 |
Ⅳ | オセアニアの地誌 | オーストラリアを中心としたオセアニアの地誌 | 選択・記述 |
2016年度
番号 | 項目 | 内容 | 形式 |
---|---|---|---|
Ⅰ | ロシア周辺地域の地誌 | バルト3国、カフカス地方、中央アジア5か国に関する地誌 | 選択・記述 |
Ⅱ | ヨーロッパの地誌 | 北緯50度の緯線が通過するヨーロッパ諸国の地誌 | 選択・記述 |
Ⅲ | アメリカ合衆国の地誌 | ジョージア、ワシントン、イリノイ、カリフォルニアの4州の地誌 | 選択・記述 |
Ⅳ | アフリカの地誌 | アフリカ中部の地誌 | 選択・記述 |
2015年度
番号 | 項目 | 内容 | 形式 |
---|---|---|---|
Ⅰ | アジアの地誌 | 2004年のスマトラ地震、2011年のチャオプラヤ川の水害、2014年の広島の土砂災害に関する地誌的出題 | 記述 |
Ⅱ | ヨーロッパの地誌 | 地中海に面するトルコ、イスラエル、イタリア、スペインに関する地誌 | 選択・記述 |
Ⅲ | アフリカの地誌 | アフリカの資源に関する地誌的出題 | 選択・記述 |
Ⅳ | アメリカ合衆国の地誌 | アメリカ合衆国の歴代大統領に関する地誌的出題 | 選択・記述 |
出題分析
分量
近年、大問は4題構成が続いている。設問数は50問、レベルも基本的なものが大半を占めており、時間的な問題はないものと思われる。
パターン
出題形式は、例年、用語・地名・数値などの選択問題と、文中の空欄に適語を記入する完成問題の組み合わせである。論述問題はまず出題されないと考えてよいだろう。
内容
細かい数値や順位・地名などを問うものが若干含まれるものの、例年難易度は標準的であり、正攻法の学習で高得点が可能である。
出題傾向としては、形式では、近年大問すべてが地誌的出題となっている。内容的には、地誌という構成上、地域ごとに自然的・人文的範囲を広く網羅した出題となる。近年の特徴としては、人文的側面として歴史的建造物や人物、世界遺産が取り上げられることが多く、また地名を問う問題が増えていることも指摘できる。後者の中には、2012年のバレアレス諸島、ピンドス山脈のように、やや細かい地名が問われることもある。これらを意識した学習(地図帳で何らかの地名を調べる際に、その周辺にも目を向けるなど)をすることが、合否を分ける場面で大きな力となるだろう。
また例年、地形・地体構造、気候などに関する問題が含まれている。氷河地形や火山が取り上げられることも多い。今年度は出題されなかったが、一昨年度にⅠとⅣで出題された地震・台風などによる自然災害も出題頻度の高いテーマである。大噴火を起こした火山名や大災害をもたらした地震などは、『理科年表』などに当たって確認しておきたい(例えば1923年の関東大地震、2004年のスマトラ沖地震、2011年の東北地方太平洋沖地震など)。気候については、気候区の分布の把握は不可欠である。緯度や地形、大陸の東岸・西岸・内陸などに注意して、その成因を考慮しながら気候分布を大きくつかんでおこう。
地誌の出題では、形式的には、東南アジアやヨーロッパなどの地域を数か国あるいはテーマ別に取り上げたり(今年度のⅠ・Ⅱはこのタイプ)、アメリカ合衆国やカナダ・インドなどのいくつかの州や都市を取り上げたり(昨年度のⅢはこのタイプ)というものが多い。また、インド洋・太平洋という海洋をテーマとするもの(2009年度)、地域を流れるいくつかの河川を取り上げて地誌的大問を展開するような形式(2014年度)もみられる。内容的には、各地域の経緯度・気候・産業・貿易・都市・民族・宗教などを総合的に問う問題が一般的である。また、今年度のⅡのように、経緯線を扱う問題は頻出である(2016、14、13年度にも出題)。普段から白地図を使うなどして、まめにチェックしておきたい。貿易や農産物などの統計の出題も多いので、その対策も怠りないように。地域としては、ヨーロッパが近年毎年出題されているほか、アジアの出題も多い。しかし、大問4問すべてが地誌となると、得意な地域をつくるよりは、全地域において取りこぼしをなくすような学習が必要であろう。国単位の出題では、かつてはアメリカ合衆国が多かったが、近年は2~3年に一度程度である。一方、最も頻度の低い地域は旧ソ連であるが、昨年度出題があった。2014年度にも大問Ⅱ(中央アジア・カフカス諸国)で出題されたが、その前は1996年度の東シベリアや極東に関する出題まで遡ることになる。
出題傾向としては、形式では、近年大問すべてが地誌的出題となっている。内容的には、地誌という構成上、地域ごとに自然的・人文的範囲を広く網羅した出題となる。近年の特徴としては、人文的側面として歴史的建造物や人物、世界遺産が取り上げられることが多く、また地名を問う問題が増えていることも指摘できる。後者の中には、2012年のバレアレス諸島、ピンドス山脈のように、やや細かい地名が問われることもある。これらを意識した学習(地図帳で何らかの地名を調べる際に、その周辺にも目を向けるなど)をすることが、合否を分ける場面で大きな力となるだろう。
また例年、地形・地体構造、気候などに関する問題が含まれている。氷河地形や火山が取り上げられることも多い。今年度は出題されなかったが、一昨年度にⅠとⅣで出題された地震・台風などによる自然災害も出題頻度の高いテーマである。大噴火を起こした火山名や大災害をもたらした地震などは、『理科年表』などに当たって確認しておきたい(例えば1923年の関東大地震、2004年のスマトラ沖地震、2011年の東北地方太平洋沖地震など)。気候については、気候区の分布の把握は不可欠である。緯度や地形、大陸の東岸・西岸・内陸などに注意して、その成因を考慮しながら気候分布を大きくつかんでおこう。
地誌の出題では、形式的には、東南アジアやヨーロッパなどの地域を数か国あるいはテーマ別に取り上げたり(今年度のⅠ・Ⅱはこのタイプ)、アメリカ合衆国やカナダ・インドなどのいくつかの州や都市を取り上げたり(昨年度のⅢはこのタイプ)というものが多い。また、インド洋・太平洋という海洋をテーマとするもの(2009年度)、地域を流れるいくつかの河川を取り上げて地誌的大問を展開するような形式(2014年度)もみられる。内容的には、各地域の経緯度・気候・産業・貿易・都市・民族・宗教などを総合的に問う問題が一般的である。また、今年度のⅡのように、経緯線を扱う問題は頻出である(2016、14、13年度にも出題)。普段から白地図を使うなどして、まめにチェックしておきたい。貿易や農産物などの統計の出題も多いので、その対策も怠りないように。地域としては、ヨーロッパが近年毎年出題されているほか、アジアの出題も多い。しかし、大問4問すべてが地誌となると、得意な地域をつくるよりは、全地域において取りこぼしをなくすような学習が必要であろう。国単位の出題では、かつてはアメリカ合衆国が多かったが、近年は2~3年に一度程度である。一方、最も頻度の低い地域は旧ソ連であるが、昨年度出題があった。2014年度にも大問Ⅱ(中央アジア・カフカス諸国)で出題されたが、その前は1996年度の東シベリアや極東に関する出題まで遡ることになる。
入試対策
●基本的な地理用語・地名のマスター
教科書はもとより、用語集等も含めて、基本的な地理用語の意味と頻出地名を、完璧と言えるまでに学習すること。地図で何かを調べる際には、その周辺の都市や運河、山脈・河川・島嶼などもあわせて確認するようにしよう。
●統計の学習は必須
気候・貿易統計の学習は必須だが、その他、人口・生産統計などの基本的数値(概数でよい)や上位国の顔ぶれは覚えておく必要がある。統計集は、地図帳とともに常に傍らにおいてまめに確認していくこと。
●白地図の利用
地誌の学習には、白地図を利用して、経緯線、山脈、河川、都市などの地理的事象を記入・整理する方法が効果的である。地図帳にどんどん書き込みをしていくのも一つの方法であろう。入試までに、情報の詰まった手作りの地図帳が残ると非常に心強いものである。
また、アメリカ合衆国・インド・中国など、州や省で構成される大国に関しては、主要な州単位・省単位の整理は欠かせない。主要な州名(省名)や都市名、頻出の経緯線については確実に把握しておくこと。
また、アメリカ合衆国・インド・中国など、州や省で構成される大国に関しては、主要な州単位・省単位の整理は欠かせない。主要な州名(省名)や都市名、頻出の経緯線については確実に把握しておくこと。
●新聞記事にも注意する
ノーベル賞を受賞したグラミン銀行のような時事的な問題もよく取り上げられる。日頃から新聞記事には注意し、民族問題や世界経済の変化など、地理に関する事柄はノートしておきたい。
●過去問は必ずやってみる
毎年の出題傾向には類似性が見られる。過去問は必ず解いてみて、出題頻度の高い地域や分野は徹底的に学習しておこう。
※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。