2017年度入試
出題分析と入試対策
  早稲田大学 社会科学部 数学

過去の出題内容

2017年度

番号 内容 科目名
1 三角関数 数学Ⅱ
2 2次方程式、2次関数、整数 数学Ⅱ・Ⅰ・A
3 図形と方程式 数学Ⅱ

2016年度

番号 内容 科目名
1 2次関数、微分・積分法 数学Ⅰ・Ⅱ
2 ベクトルと図形 数学B
3 場合の数、数列 数学A・B

2015年度

番号 内容 科目名
1 三角関数、微分・積分法 数学Ⅱ
2 図形と方程式 数学Ⅱ
3 数列 数学B

出題分析

分量と形式

2017年度も例年通り大問が3題出題された。3題ともに記述の形式であることも例年通りである。例年、小問数は各大問毎に3~4問前後であり、問題の流れによって1~2問増減するが、今年は大問3題とも小問数は3問ずつであり、小設問の総計は9題とやや少なめであった。
2018年度以降も大問数3題、各問題の小問数3~4問前後を基本とすることは変わらないものと思われる。

内容

1. 三角関数の4次方程式を満たすθについて、sinθやcosθで表された式の値を求めさせる問題。
(1)半角公式を利用する問題。
(2)sinθとcosθで表された対称式の値を求める問題。
(3)三角関数の和を積に直す公式を用いて式の値を求める問題。
2. 2次方程式の2解αβに様々な条件を与え、それを満たすように2次方程式の未定係数であるmの値を決定させる問題。
(1)α2+β2を最小とするmの値を求める問題。
(2)α=2βとなるmの値を求める問題。
(3)αβがともに整数となるmの値を求める問題。
3. xy平面上の2つの円について、2円の位置関係や、接線について考える問題。
(1)xyの2次方程式が円を表すような未定係数kの値の範囲を求める問題。
(2)2円が異なる2つの共有点をもつ条件を求める問題。
(3)2円の共通接線の方程式を求める問題。

入試対策

この3年間で見ても、数学Ⅰ・A、Ⅱ・Bの全分野から満遍なく出題されている。その中でも比較的出題率の高い分野は、微分法・積分法、図形と方程式、数列、高次方程式(2次方程式含む)、三角関数、確率などである。
これらの分野から教科書や教科書傍用問題集の標準レベルの問題が出題されていることを考え、まずは、定義および基本となる定理・公式の定着を図ることが第一歩である。さらに、入試における典型問題も数多く出題されているので、入試標準レベルの演習を十分にこなしておくことが有効な対策といえるだろう。特に、教科書には載っていないが、入試特有の典型手法を使う問題もよく出題されるので、このような手法について、参考書などで一通り学習しておくのがいいだろう。また、大問3題の中に図形に関する問題を1題は入れようという意図が感じられるので、問題を図形的に考察する習慣も培っておきたい。
例年の出題を見ると、各大問はどの分野の問題が何問目に出るという法則は見あたらない。しかし、第1問目は方程式や関数などを題材に数式的な処理能力を問うことが多いので、これらの範囲の計算がきちんと出来るようにしっかり準備しておきたい。
また、各大問は3問~4問の小問から構成される場合がほとんどで、大抵は前半の小問の結果を用いて後半の小問を解くという形になっている。この点では、センター試験と似ていて、前半でうっかり取りこぼすと芋づる式に後半の問題も取りこぼすことになり、大問3題のみの出題であることを考えれば、大きく合否を左右しかねない。従って、基本的な前半の問題でミスをすることの無いように、正確に素早く処理する能力を身につけたい。そのためには、基本から標準の問題演習をきちんとこなす必要がある。
大学入試では、難問が解けたかどうかよりも、標準的な問題をいかに正確に解けたかが合否を左右する場合が多い。特に、早稲田大学社会科学部のようにやや易~標準レベルの問題を揃えて出題してくる大学では言わずもがなである。焦ることなく、まずは、教科書などで基礎を固め、その後、入試標準レベルの良問を演習していく、というやり方がいいだろう。
※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。