2017年度入試
出題分析と入試対策
  慶應義塾大学 医学部 物理

過去の出題内容

2017年度

番号 項目 内容
力学 持ち上げ可能な最大重量
ガラス管と水で閉じ込められた気体の圧力
三重水素のβ崩壊
弦の振動と音階
力学 回転する円板上で分裂する3物体の運動
電磁気 電流
抵抗率
ホール効果

2016年度

番号 項目 内容
波動 円運動する音源によるドップラー効果
電磁気 AED(除細動器)のしくみ
原子・原子核 235Uを用いた発電量
原子核反応
力学 加速時、減速時における2輪車のその重心とともに動く座標系(非慣性系)でのつりあい
電磁気 ガウスの法則
クーロン力を利用したリニアモーター

2015年度

番号 項目 内容
電磁気 LEDの正式英語名称
原子・原子核 X線が発生する実験
力学 電流の大きさ
熱膨張させた金属円柱を元の長さに戻す力の大きさ
波動 窒素ガスを入れた袋が上昇しなくなる水深
薄膜の干渉
電磁気 サイクロトロン
原子・原子核 核反応、半減期
力学 なめらかな床の上を動く台とその台上を動く物体の運動

出題分析

分量

昨年と同様に今年の大問数も3題であった。問題Ⅰは小問2つと中問2つで構成されていた。他の大問は問題文も長く設問も多いので、60分で完答するにはかなりきつい分量である。

パターン

1999年度から第1問は小問集合になっていたが、2011年度と2013年度は異なっていた。数値計算を必要とする設問が必ず出題されている。最近は、説明や描図をする設問もあり、バラエティーに富んでいる。

内容

最近は身近な現象が題材となっている問題も多い。また、常識的な物理量の数値(可視光の波長など)を問う設問が出題されたりもする。原子と素粒子に関する出題の割合も高い。

特徴と難易度

問題の条件設定があいまいだったり、物理用語の使い方が不適切だったりする場合が多いので、出題者が考えた以上に難易度は高くなってしまっている。問題の設定がつかめず、試験時間中に困惑してしまう受験生も多いことであろう。2011年度では大問Ⅲで大きな出題ミスがあり、試験後に、配慮した採点をすると発表があった。

入試対策

まずは物理の基本を確実なものにしておく必要がある。そのために、典型的な問題を通して、物理現象を支配している法則を正しく知り、それを自由に使えるように練習しておくべきである。身近な現象が題材になる場合も多いので、日頃からさまざまな現象を物理的な視点から見て考えるように心がけるとよい。
また、毎年、数値計算を必要とする設問があるので、すばやく、正確にできるように練習しておくこと。このとき、いろいろな単位の間で成り立つ関係や、常識的な物理量の数値に注意をはらっておくとよい。
さらに、他の大学では出題されることが少ない「原子と素粒子」の分野の学習がおろそかになりがちなので、その分野の内容もしっかり学習しておくべきである。
※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。