2017年度入試
出題分析と入試対策
  早稲田大学 文学部 日本史

過去の出題内容

2017年度

番号 時代 内容 形式
原始 旧石器~弥生時代の石器と生活 選択・正誤
古代 古代の女性天皇 記述・選択・正誤
中世 中世の鎌倉と京都に関連した雑題 記述・選択・正誤
近世 近世の政治と社会を中心とした雑題 記述・正誤
近現代 近現代の日米関係と沖縄 記述・正誤
原始~近世 日本美術の「かざり」「あそび」「アニミズム」 記述・選択・正誤

2016年度

番号 時代 内容 形式
原始 旧石器・縄文時代の生活 記述・正誤
古代 古代の戦乱 記述・選択・正誤
中世 守護からみた中世武家社会の変遷 記述・選択・正誤
近世 石高制の成立と近世社会 記述・選択・正誤
近代 「大正デモクラシー」と護憲運動 記述・選択・正誤
古代~近代 古代~近代の肖像美術 記述・選択

2015年度

番号 時代 内容 形式
原始 5世紀までの「倭」の社会 記述・選択・正誤
古代 古代の土地制度 記述・選択・正誤
中世 中世における「たたかい」 記述・選択・正誤
近世 幕藩体制下の武家の生活 記述・正誤
近現代 近現代の「公園」 記述・選択・正誤
近世・近代 近世・近代の日本画の歴史 記述・選択

出題分析

2017年度入試は、出題形式・範囲・内容ともに、ここ数年間の出題傾向を踏襲したものであった。

分量

小問数は45問。2016年度は46問だったので昨年とほぼ同じである。一部にやや複雑な正誤判別問題も含まれるが、60分という制限時間で十分解ける問題数である。

難易度

一部に難問がみられるものの、他学部に比べれば標準的な問題が多い。史料集や図説集を活用しながら、教科書レベルの知識を確実にしていれば高得点が期待できるであろう。

出題範囲・形式

本学部では、原始時代から必ず出題される。一方、戦後史からの出題も少なからずみられ、年度によっては近現代での出題の半分を占めることもある。したがって、原始から近現代までのすべてを出題範囲と考え、全時代をまんべんなく学習しておく必要がある。また、出題形式は例年、記述・語句選択・文章判別の3パターンから構成されている。論述形式による出題はみられない。

出題内容・傾向

他学部では近現代が重視される傾向にあるが、本学部では前近代に比重が置かれている。出題されるテーマも、政治・外交・社会・文化と多岐にわたる。すべての分野について偏りなく、教養としての知識を身につけていることが必要とされているのである。
特に文化史に関しては、図版が用いられることも多い。また、著名な作品でも、いざその名称を書くとなると戸惑ってしまうようなものを、あえて記述させることもしばしばである。文学部に入学するのだから、一問一答的な問題に答えられる知識だけでなく、文化全般に対して幅広い興味・関心をもち、丁寧な学習を積み重ねてきた学生が求められているといえるのではないだろうか。

入試対策

他学部に比べて標準的な問題が多いので、まずは教科書に掲載されている内容を確実にすることである。その際、図版にもしっかり目を通すこと。また、重要な用語は労を惜しまず手を動かして書いてみるように心がければ、記憶に残るばかりでなく記述問題対策ともなる。
例年、美術を中心とした文化史からの出題がみられる。絵画などが引用されることも多いので、図説集などを利用して実物の写真を見ながら整理するとよい。人物名や作品名を記述させることもあるので注意したい。
また、他学部にくらべて史料問題が少ないという特徴もある。しかし、選択肢の一部で史料が用いられることや、史料に関する知識を必要とする出題はみられる。他学部では定番の出題形式なので、本学部対策としても、日頃から史料集を手元において学習するように心がけたい。
本学部の日本史は、けっして難しいものではない。早稲田対策だからといって、はじめから細かな知識の暗記に走らず、まずは基礎的な知識をしっかり身につけることである。本書を活用して真剣に取り組めば、かなりの高得点が期待できるであろう。
※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。