2017年度入試
出題分析と入試対策
  早稲田大学 文化構想学部 日本史

過去の出題内容

2017年度

番号 時代 内容 形式
奈良~明治 古代から近代初期までの日本の交通に関する歴史 記述・選択・正誤
平安~江戸 日本における「家」の形成と系譜意識に関する歴史 記述・選択・正誤
室町~江戸 将軍権力の対外的称号に関する歴史 記述・選択・正誤
室町~戦後 中世から現代までの日本と台湾との関係 記述・選択・正誤

2016年度

番号 時代 内容 形式
奈良~江戸 古代から近世までの教育機関や施設に関する歴史 記述・選択・正誤
平安~明治 日本における地域と地域社会の歴史 記述・選択・正誤
奈良~戦後 古代から現代までの税の歴史 記述・選択・正誤
平安~戦後 古代から現代までの日本史における歴史観・歴史意識の変遷 記述・選択・正誤

2015年度

番号 時代 内容 形式
奈良~室町 古代・中世の日本の仏教 記述・選択・正誤
弥生~明治 日本における鉄器と鉄生産の歴史 記述・選択・正誤
奈良~戦後 古代から現代までの「琉球」と「蝦夷」の歴史 記述・選択・正誤
江戸~戦後 近世から現代までの日本史における農村社会と農村政策の歴史 記述・選択・正誤

出題分析

文化構想学部の問題は、早稲田大学の他学部に比べると平易な設問が多いが、本年度は記述式や語句選択の設問で、一部に細かい用語を問うものもみられた。

分量

小問数は、2014年度と2015年度が43問、そして2016年度と本年度が44問であった。時間内で十分に解答できる内容で、43~44問という分量を想定すべきであろう。

難易度

2017 年度は難度の高い設問がやや多かったが、文学部と同じく標準的なレベルの出題が大半を占めている。

出題範囲・形式

戦後史からの出題は、2013年度以降、例年小問1~3問程度である。本年度は、Ⅳで記述式が1つ、文章正誤判定問題が2つ出題された。法学部や政治経済学部のように大問1題をあてることはまずないと判断してよい。文学部と似た傾向を示しているので、今後も原始から1960年代までを問う出題が続くだろう。出題形式は、記述・選択・文章正誤判定のパターンである。注意したいのは、高得点を得るには文章正誤判定問題で正答率をアップすることである。特に複数の選択肢を選ばせる形式への対応力が必要となってくる。

出題内容・傾向

文化構想学部の大きな特徴は、大問4題がすべて時代通観的なテーマ史で構成されている点にある。これは、歴史事象を多角的な視点でとらえようとする出題スタッフの意図の表れであると考えられる。歴史用語をただひたすら暗記するのではなく、大きな流れの中で考える姿勢を受験生に期待しているのではないだろうか。

入試対策〈2018年度入試に向けての対策〉

文学部と同様、文化構想学部では標準的なレベルの問題が多い。したがって、教科書をしっかりと読むことが何よりも大切である。また、市販されている図版集や史料集をフルに活用するのもよいだろう。さらに、テーマ史の出題が多いことから、ぜひ学習院大学の全学部の問題を数年にわたって解いてみてほしい。同大学では、毎年必ず大問1題はテーマ史にあてており、その内容も非常にすぐれている。近年は、他大学(センター試験も含め)でもテーマ史を重視する傾向にあり、そうした大学の問題も収集しておくことをすすめる。その上で、文学部や人間科学部などの標準的な問題に取り組み、余裕があれば法学部や商学部・教育学部といった難問を含む出題にチャレンジしてみるとよいだろう。
こうした努力を積めば、必ず高得点が得られる。それが文化構想学部の問題である。
※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。