2017年度入試
出題分析と入試対策
  慶應義塾大学 経済学部 小論文

過去の出題内容

2017年度

設問内容 課題文 出典
次の課題文を読んで、設問A、Bに答えなさい。
Aソクラテス的論者とはどのように議論をする人なのか。課題文に基づき、200字以内で説明しなさい。
Bソクラテス的なやり方で議論する能力を持つ人材は、組織(企業、行政機関など)において、どのような活躍ができるのか。また、そのためには、組織はどのような条件を備えることが必要か。課題文のみにとらわれず、あなたの考えを400字以内で論じなさい。
ソクラテス的論者はたえず異議を唱える人だ。議論をすることが権威への服従と仲間文化からの解放をもたらすと考えるからだ。それがリベラル教育とデモクラシーの核心だ。議論とは批判的探求、反権威主義だ。人間はそれらに同調しやすい。周囲から独立し、自らも議論の対象として他者と議論することで自分自身を検証し、各人の立ち位置を明らかにすることが出来る。
マーサ・C・ヌスバウム
『経済成長がすべてか?-デモクラシーが人文学を必要とする理由』
(岩波書店2013年)

2016年度

設問内容 課題文 出典
次の課題文を読んで、設問A、Bに答えなさい。
A共和主義的政治理論の自由とは何か、リベラルな自由と対比させながら、300字以内で説明しなさい。
Bたとえば地球温暖化防止対策のように、次世代のために現在のわれわれがコストを払うことは、われわれの自由と矛盾しないのだろうか。課題文の考え方を参考にして、自己統治、道徳などに触れながら、あなたの考えを300字以内で論じなさい。
リベラルな自由観とは、自由はみずからの目的や価値観をみずから選ぶことであり、政府の役割はそのための中立的な権利の枠組みを保障することに限られるとする。他方、共和主義的政治理論における自由の概念は、自由は自己統治の分かち合いに支えられており、それは共通善について、同胞市民と議論し、政治的共同体の運命を左右することだが、そのためには、国民が一定の市民道徳を持たなければならない、と課題文は主張する。
マイケル・サンデル
『公共哲学政治における道徳を考える』
(筑摩書房2011年)
鬼澤忍訳

2015年度

設問内容 課題文 出典
次の課題文を読んで、設問A、Bに答えなさい。
A「大学での教育の目的は、知識を授けることである」という見解についてどのように考えますか。課題文に基づき、知識の特徴を知恵および情報と比較して述べた上で、300字以内で書きなさい。
B知識は人間だけによって創られていくのであろうか。あなたの考えを、それに至った理由を付して300字以内で書きなさい。
知恵は統一性と永続性を特徴とするが新しさと無縁である。対照的に情報は断片的で新しさと多様性をもつ。知識は、両者の中間にあって、断片的な情報に脈絡を与え、統一性をつくる。だが、知識は複雑でその実用性が分かりにくい。大学での「知識」には授けるという権威主義的外観を示す。他方、「伝える」情報は没権威的で実用に富み、商品化され市場に乗りやすいのが特徴である。 山崎正和
『歴史の真実と政治の正義』
(中央公論新社2000年)

出題分析

経過

99年から小論文入試を復活させた経済学部ですが、00年から05年の6年間は、設問を3つに分け、設問Ⅰで資料文の論点を明確にさせ、設問Ⅱでその具体例を挙げての分析を要求し、設問Ⅲで自分の主張を書かせる出題形式が続いていました。
しかし、06年には、一転して、主設問を1問とし、論点も課題文の主張と「No!型の対話」を要求する出題形式に変え、総字数も640字に減少させました。
さらに、07~17年は設問が2問で総字数が600字の出題形式が続いています。設問Aで資料の分析をさせ、設問Bで問題への対策を問う「問題発見・問題解決型」の出題です。
14~15年は、設問Bが、課題文に論じられている論点から、ジャンプ・アップ(意外感の創出)しているのが特徴でした。課題文を意識的に10年以上前の文章を読ませることで、それが可能になったのです。16~17年の課題文は、政治哲学的な分野を読ませています。これも一種のジャンプ・アップ型でしょう。

出題意図

経済学部の出題意図は「高校生にふさわしい知識、理解力、分析力、構想力、表現力を問う」ことにあります。かなり「盛りだくさん」で欲張りな意図です。
06年の出題は批判的「分析力と構想力」(クリティカル・シンキング)を柱とする「No!型の対話」でした。12年の例外を除くと、07年から17年では設問Aが「理解力と分析力」(ロジカル・リーディングとクリティカル・リーディング)を、設問Bが「構想力」(クリティカル・シンキング)を主として問う出題でした。最近は出題形式と論点を毎年、変化させており、今後もその変化が予想されます。ですから「設問分析」が大切です。多様な出題意図を柔軟に受けとめておく必要があります。

出題分野

1999年 ヨーロッパ文明の精神(α問題)
現代の理想の愛   (β問題)
2000年 歴史学とジェノサイド
2001年 科学技術の発達と制御
2002年 専門的知識と教養
2003年 家族生活の変化
2004年 中小企業のグローバル経済への挑戦
2005年 インターネットの公共性
2006年 遺伝子診断の問題点
2007年 社会の変化と子供の脳の発達
2008年 新しい動物園の構想
2009年 「年功制」と「能力給」
2010年 排出権市場の有効性と限界
2011年 大学における教養教育と専門教育
2012年 自然現象に関する研究と実験
2013年 原発再稼働
2014年 技術進歩の二つのタイプ
2015年 創造的知識の主体
2016年 リベラルな自由と共和主義的な自由
2017年 ソクラテス的論者と権威主義
慶應大学経済学部の出題分野と「問題発見・問題解決」の出題意図の基本は慶應大学経済学部のアドミッションポリシーである「社会に積極的に関与する強い意志を持ち、自らの智力によって変化する社会を把握しようという気概をもった人間を求めています」に対応しています。小論文は、この「アドミッションポリシー」への適性テストと言えます。ですから、出題分野の根柢には、変化する現代産業社会の課題への挑戦があります。
経済学部の出題分野は99年に出題形式を変えて以降、00年に「歴史教科書問題」に直結する「歴史学とジェノサイド」を出題し、01年には、「遺伝子組み換え技術」によって食糧生産の限界をブレイク・スルー(突破)する方向の検討が出題され、さらに02年は、大学の役割についての二つの理念・方向性の論点が出されました。この3年間は「学問・科学」の分野に出題が集中しているのが特徴です。そして、03年には、少子高齢化時代における「家族生活の変化」が出題され、04年には「国際経済自由化への中小企業の挑戦」が出題されました。いずれも、日本経済社会が直面している大きな課題です。
さらに、05年には「インターネットの公共性」が、06年には「遺伝子診断の問題点」が出題されています。これらは産業社会におけるデジタル・テクノロジーとバイオ・テクノロジーの発達がもたらした課題です。
07年の「社会の変化と子供の脳の発達」は03年の「家族生活の変化」とも近接の出題で、現代文明が子供達に与える影響を分析・検討させる出題でした。08年は、動物園の集客への取り組みとその問題点を指摘し、「新しい市立動物園の構想」を提案させる問題です。つまり、生態系の保護と市場(集客)との関連を考えることが要求されていました。09年は「年功制」と「能力給」の長所と短所の分析を通して、現代の産業社会での職業の多様なあり方を分析させる問題でした。10年には、設問Aで環境保護にとっての、排出権市場の有効性とその限界を考えさせ、設問Bで「原子力発電と放射性廃棄物」のように、「市場による方法」では解決が困難な具体例を挙げさせる問題でした。11年には、02年に出題された「専門的知識と教養」のテーマが再度出題されました。若者の失業率の上昇、大学生の就職が困難な時代状況に対応した出題です。
こうした現代の産業社会が直面している課題を中心に出題することが、「高校生らしい知識」の意味なのです。しかし、12年はこれまでの傾向に反する出題でした。現代の「産業社会のあり方」とは無関係な「自然現象に関する研究と実験」というテーマで、しかも、課題文への「批判的読解力」(クリティカル・リーディング)と「対話」(クリティカル・シンキング)を一切必要としない「要約型」の出題です。この転換は、予想どおり一時的なものでした。実際、13年には、「原発再稼働」、14年には「技術進歩の二つのタイプ」、15年には「創造的知識の主体」という人工知能(AI)の可能性を問う現代産業社会の根本的論点についての「検討」(クリティカル・リーディング)と「対話」(クリティカル・シンキング)が出題されています。
16年には、「リベラルな自由観」と「自己統治の分かち合い」を支える「共和主義的な自由観」の対立という政治学的公共政策の対立的議論が温暖化対策をテーマに出題されました。
17年には、「ソクラテス的論者と権威主義」の対立が組織(企業、行政)の真の構造改革にとっていかに必要であるかを議論させています。クリティカル・シンキング(批判的対話)の必要において一貫していますが、14、15年が難問であったのと比較すれば17年は易化しています。

入試対策

1.設問分析が大切だ!

設問の指示と資料文の主旨との関係を把握し、「何をどう書くことが求められているのか」という出題者の意図を分析する作業を「設問分析」といいます。慶應大経済学部の場合、60分間という短時間の試験で「盛りだくさんの出題意図」、「出題形式の変化の可能性の高さ」、「産業社会が抱える多様な出題領域」という特徴があります。ですから、設問分析をいかに素早く、正確に行えるかが、対策の最大のポイントです。設問分析のハズレは取り返しのきかない致命傷になります。経済学部の小論文問題は、設問が最後についています。しかし絶対、最初に設問文を読む必要があります。何がキーワードかが分かり、特に、設問Bが何を要求しているのかを理解してから、課題文を読むことで、「問題発見」問題解決に必要な「クリティカル・リーディング/シンキング」のポイントが見えてくるからです。ついでに、課題文が書かれた年代やタイトルにも注意を払うべきでしょう。例外的な出題であった12年を除いたこの11年間の設問のタイプを概観してみます。
① 課題文に「No!型の対話」(06年)
主設問が1問型で、しかも課題文の主張に対し、反論を加える「No!型の対話」要求が明示されています。課題文の主張を分析し、いかに反論を加えるのか。「No!型の対話」では「構想力」(クリティカル・シンキング)がポイントになります。
② 「設問2個600字型」(07~11・13~17年)
07~11・13~17年の10年間は設問2個で総字数600字で統一されています。その特徴は設問1(A)で、しっかりと課題文を読み(クリティカル・リーディング)「問題発見」することがポイントです。そして設問2(B)では、その問題点を前提に多角的視点(「他者の視点・ライバルの視点」を活用)により具体的問題について検討させ、対策や賛否を問う「 問題解決能力
クリティカル・シンキング
」を要求しています。
③ ジャンプアップ型の設問(14~17年)
「設問2個600字型」のうち、14・15年の設問Bと16年の設問Bは「ジャンプアップ型」の設問でした。
(ⅰ)
14年の「技術進歩の二つのタイプ」の設問Bには、突然、「積上げ型の技術進歩」と「ジャンプアップ型の技術進歩(イノベーションを含む)」の社会的影響を「具体例を挙げて比較せよ」という要求が出されています。しかも、〈「積上げ型の技術進歩」と「ジャンプアップ型の技術進歩」と判断した根拠もあわせて示せ〉という、前代未聞の設問の指示があります。その原因は、課題文が「先進国ではイノベーションが進まない」という主張を強調しているからです。
なぜ、2017年の現代からすれば「エー!」と叫ぶような主張をしているのか。ここがクリティカル・リーディングのポイントです。それは課題文が「ITバブル崩壊」と言われた、2002年に書かれたことにあります。課題文の中で、アップル企業がグーグル企業により、その技術を模倣されたことが書かれてあります。その後のアップルがジョブスの指導のもと、iPod→iPad→iPhoneと他社を圧倒するイノベーションを進展させたことは、当然、課題文は知らずに書かれているのです。だから、課題文が書かれた年代も踏まえて、「クリティカル・リーディング」すれば、「新しい創造的イノベーション(他社の「模倣」を許さない技術進歩)」として、「ジャンプアップ型技術進歩」を定義付けることを出題者は期待しているのです。それは課題文の論理を簡単には受け入れない「クリティカル・リーディング」の要求です。その意味では難問と言って良いでしょう。
(ⅱ)
さらに、設問Bが課題文から「ジャンプアップ」しているのが、15年の「創造的知識の主体」問題です。設問Bは「知識は人間だけによって創られていくのであろうか」と問いかけています。設問Aで、「知識の特徴を知恵および情報と比較」させ、「大学での教育の目的は、知識を授けることである」という見解を検討させ(これもクリティカル・リーディング/シンキングです)た上で、いきなり「論点」をジャンプアップさせています。ここで、「知識の創造」の主体としての「人間」に対置するライバル(他者)として、人工知能(AI)を考える必要があります。しかし、2000年以前に書かれた課題文には、現代のDL(ディープ・ラーニング)型の人工知能は、一切視野に入っていないのは、当然のことです。しかし、この設問Bに答えるためには、「知識の主体としての人間」のライバルとして、人工知能を論点に入れることが、慶應大経済学部のアドミッションポリシーやこれまでの出題、特に前年の「ジャンプアップ型の技術進歩」から期待されているのです。デジタルテクノロジーの急激な発展という現代産業社会への問題意識・教養が必要なのです。その為に、この2年間、「古い時代に書かれた課題文」が必要だったのです。
(ⅲ)
16年には、「リベラルな自由観」と「共和主義的政治理論の自由観」という、政治学的公共政策との対立論争を温暖化対策をテーマに出題しました。設問が2問型の10年間の設問Aで政治学的公共理論の対立を説明させるのは、初めてです。その意味で、16年度の出題と17年度の「ソクラテス的論者と権威主義」も「政治と経済・行政・環境」との関係を論じさせている意味では「想定外」の「ジャンプ・アップ型」と言えます。

2.課題文の主旨をつかむ!

(1) 設問分析の前提は、課題文の論点を正確に把握することです。論点とはその課題文の「中心的主張
イイタイコト
」と「その理由説明
ナゼソウナルノカ
」の組合せです。この論点と設問に示される出題者の意図との関係を分析するのが「設問分析」なのです。
設問で要約や説明が求められている場合、その字数は短いことが予想されますから、簡潔にしかも必要な部分を落とさないようにしなければなりません。要約・説明問題の評価は減点法なのです。肝心なキーワード等を外すと大幅に減点されます。小論文では、「理由説明
ナゼソウナルノカ
」は「本論」と呼ばれています。要約や説明問題は「本論が命」なのです。
この間の大部分の「課題文」の場合、その論点・テーマについての理由説明に二面性や対立やジレンマが含まれていました。二面性とは、厳しい対立を含まない二つの要因や選択肢を意味します。そしてジレンマとは、一方の要因や選択肢をA、もう一方の要因や選択肢をĀAのライバル)とすると、その関係に対立が含まれていて「両立が困難」なのに、「両立が望ましい」状況にあることを意味します。
二面性、対立、ジレンマのいずれの場合も、論点に含まれる相違性であるAĀを簡潔に取り出すことがポイントです。
(2) また、06年の「No!型の対話」の場合、課題文の論点Aをしっかりと分析し、それと対決するライバルの論点・主張Āを発想(クリティカル・シンキング)できるか否かが最大のポイントになります。

3.課題文と「対話・格闘」する!

(1) その小論文のタイプがどのようなものであれ、課題文の主旨、とりわけその本論、「理由説明
ナゼソウナルノカ
」との「対話」や格闘が君の文章の最も重要な部分です。その部分が君の「分析力と構想力」を一番発揮できる部分なのです。
社会科学系の小論文の課題文にはあるテーマが抱えている二面性や対立やジレンマが含まれています。そしてその二面性や対立点のうち、どちらの側面を重視するのか、ジレンマの解決の方向をどう考えるのか、そうした内容を含む解答が求められているのです。それは、現代社会が抱えている課題がそうした基本的骨格をもつことに由来しています。その意味でも、12年の出題は異質なのです。
(2) 「設問2個型」の特徴は、課題文の論理をまずは、ロジカル(論理的)に整理した上で、それをクリティカルに分析し、問題の原因分析と問題解決の方向を推理・推測することが要求されていることです。07~11・13~16年の設問Aは、上記のAĀの対立・異同関係を示すことを要求し、AĀとの関係を踏まえて、設問の視点から問題を分析、推論する論理テストに近づくのが特徴です。他方、設問Bはクリティカル・シンキングにより問題解決のアイディアとその意義を考えることが中心の問題になる確率が高まっています。

4.アドミッション・ポリシーを踏まえ現代社会への問題意識と知識を鍛える!

小論文は「時代を映す鏡」であり、普段から現代社会や現代文明の諸問題についての興味と関心、つまり「問題意識と知識」を鍛える必要があります。経済学部のアドミッション・ポリシーである「社会に積極的に関与する強い意志を持ち、自らの智力によって変化する社会を把握しようとする気概をもった人間」への期待、それが出題意図にある「高校生にふさわしい知識」の内容なのです。しかも、それは現代人の教養とも呼べるもので、「教養の低下」こそが、その時代の知の危機を意味します。
慶應大経済学部の場合では、「設問2個型」の設問B(2問目)では設問により、AĀとの関係を考えるために具体例を提示することや、課題文とは別の視点や論点やアイディアを導入することが要求されています。また、「No!型の対話」でもそうした「ライバル・他者の視点の導入」が最大ポイントです。つまり、慶應大経済学部の小論文は、問題を多面的に考える力を必ず要求しているのです。こうした設問に対応するには、知識・「問題意識」の有無が最大のポイントです。小論文の「問題意識」は、時代や社会が現在抱えている基本的諸問題に直結しています。それらは、「政経」や「現代社会」などの「教科書的知識」を最近の「新聞・新書・テレビ放送などの知識」とつなげ、問題発見や問題解決の知識にする必要があります。日々、知識を更新させる必要があるのです。
つまり、君に必要な知識や問題意識のポイントは、現代社会のテーマや論点について、どのような対立・論争点やジレンマが存在しているのか、そこに焦点をあてて(クリティカル・リーディングのポイントです)、具体例や「他者の視点」を取り入れることです。そうしたやり方で知識を取り込まなければ、いざ論述という場合に使えません。暗記型ではなく、疑問や批判を伴ったクリティカル・シンキングによる問題解決型の知識の取り入れなのです。
最近の慶應大経済学部の小論文は、その出題背景に現代の産業文明の大転換や新しい産業社会の課題があります。たとえば科学技術の発展と市場経済の拡大に伴うグローバリズムが現代の産業文明の大きな特徴ですが、それは他の社会問題(様々なセーフティ・ネット、異文化対立、少子高齢化、経済格差の拡大、環境問題、企業社会や行政組織、デジタル技術とバイオ技術の産業化(IoT(インターネットのモノづくり)や人工知能(AI)やロボットなど)、BRICsの台頭とその低迷etc.)と連動し、密接に絡み合って進行しています。そうした現代の産業社会を考える力を問うことが、「経済学部への適性テスト」としての小論文の役割なのです。知識は自ずとネットワークを形成します。ですから、産業社会を中心とした「知のネットワーク化」が慶應大経済学部の小論文の「問いの発見」や「具体例の提出」や「課題文との対話」に必要不可欠なのです。
※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。