2017年度入試
出題分析と入試対策 慶應義塾大学 理工学部 数学
出題分析と入試対策 慶應義塾大学 理工学部 数学
過去の出題内容
2017年度
番号 | 内容 | 科目名 |
---|---|---|
1 | 加法定理・複素数平面・逆関数と積分 | 数学Ⅱ、Ⅲ |
2 | 空間ベクトル | 数学B |
3 | 定積分・区分求積法 | 数学Ⅲ |
4 | 確率・数列の極限 | 数学A、Ⅲ |
5 | 接線・法線・微分の方程式への応用・面積 | 数学Ⅲ |
2016年度
番号 | 内容 | 科目名 | |
---|---|---|---|
1 | (1) | 2016の正の約数の個数と約数の平均値 | 数学A |
(2) | 三角関数の最大値 | 数学Ⅲ | |
2 | 定積分の計算と不等式の証明 | 数学Ⅲ | |
3 | 確率と連立漸化式 | 数学A、B | |
4 | 複素数の累乗根と整数の論証 | 数学A、Ⅲ | |
5 | 空間図形ベクトルと図形の計量 | 数学B |
2015年度
番号 | 内容 | 科目名 |
---|---|---|
1 | 三角関数とパラメタを含む関数の最小値、グラフと面積・回転体の体積 | 数学Ⅲ |
2 | 絶対値とパラメタを含む方程式 | 数学Ⅰ、Ⅱ |
3 | 数列の漸化式と極限 | 数学B、Ⅲ |
4 | 座標空間における立方体の計量 | 数学B |
5 | 確率、数列の和、極限(区分求積法) | 数学A、B、Ⅲ |
出題分析
分量
5題(120分)
パターン
空所補充式の問題が多く、一部分が記述式である。大問1題全体が記述式のこともあるが、最近は大問の一部分が記述式であることが多い。今年度は空所補充式が4題、空所補充と一部記述式が1題であった。空所補充問題は値ばかりでなく式を要求することも多い。
内容
例年の特徴を挙げると、思考力と計算力の両方を要求する出題内容であり、具体的には以下のようになっている。
- 1°
- 第1問は小問集合のことが多く、2題あるいは3題の小問が出題される。
- 2°
- 数学Ⅲの微積分の高度な問題がよく出題されている。特に今年度は数学Ⅲからの出題が多く、数学Ⅲの理解度が試験の出来具合を左右する。
- 3°
- 数学Ⅲの最重要項目は微積分であるが、微積分以外の数学Ⅲの分野でも工夫された問題、本質を理解していないと解けない問題がよく出題される。
- 4°
- 数列および数列の極限の問題も毎年出題される。特に、漸化式を作って解く問題が多く、確率と絡めて出題されることが多い。ただし、今年は漸化式が関係する問題は出題されなかった。
- 5°
- 空間図形の問題も出題頻度が高い。特に、空間図形をイメージできないと解くのが厳しい問題が多く、空間のセンスが試される。
- 6°
- 記述問題は証明問題が多いが、どのようなことを証明させるかは年によって様々である。計算過程を見る場合もあれば、論証力を試す問題の場合もある。
- 7°
- 計算力も大切である。結果のみを与える問題では、途中の考え方は正しくても最終結果が間違っていれば点はもらえないので、計算ミスには十分に注意したい。
- 8°
- 複素数平面は現行課程になってからはよく出題される分野である。
難易度
今年度は、第1問の小問も2題から3題に増え、全体的に計算量の多い問題が多かったので、やや点のとりにくい試験問題になった。慶応理工の入試問題は4、5年に1回程度の割合で易しい問題が多く出題されることもあるが、平均的には今年度と同程度の難易の問題が出題されると考えておくとよい。
また、問題のほとんどが穴埋め形式の問題のため、求める値の数値は正確でなければ得点できない。すなわち、考え方が正しくても結果が間違っていれば得点にならないので、見た目以上に厳しい試験であることも忘れないようにしたい。
また、問題のほとんどが穴埋め形式の問題のため、求める値の数値は正確でなければ得点できない。すなわち、考え方が正しくても結果が間違っていれば得点にならないので、見た目以上に厳しい試験であることも忘れないようにしたい。
入試対策
全分野にわたって基本事項の熟知は当然であるが、出題頻度の高い確率、数列(特に漸化式)、数学Ⅲの極限、微積分分野は表面的な理解にとどまらず、公式や定理の内容を感覚的にも理解し、空間図形の場合は立体感覚、空間のセンスを必要とする問題も多いので、普段からイメージを大切にした学習をするべきである。
また、<難易度>でも触れたように、穴埋め形式のため結果を「正確に」求められることが重要である。計算力をはじめとして正確な数式の処理能力を十分につけておくこと。
また、<難易度>でも触れたように、穴埋め形式のため結果を「正確に」求められることが重要である。計算力をはじめとして正確な数式の処理能力を十分につけておくこと。
※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。