2学期・後期前半の学習での注意点

例年以上に厳しい暑さだった今年の夏。特に東日本、西日本は「猛暑」を通り越して「酷暑」といえる記録的な暑さだっただけに、さすがにこの夏はきつかった、という人も多いのではないでしょうか。9月になっても残暑が厳しい地域もあるため、例年以上に身体へのダメージに対するケアを意識しましょう。

さて、9月は受験生には2019年度センター試験の受験案内が配布され、出願の準備も始めなくてはならない時期のため、改めて入試を意識する人も多いでしょう。今回は学習には最も適した季節といわれる秋に注意すべき点についてまとめてみました。

秋に要注意!スランプの克服法

夏休み期間中の学習計画はどれくらい達成できましたか。「ほぼ達成できた」と胸を張って答えられる人は少なく、むしろ「計画の半分もこなせなかった」、「苦手科目の克服が進まなかった」などと焦りを感じている人が多いのではないでしょうか。しかし、いつまでも夏の反省ばかりしていても始まりません。ここは、きちんと気持ちを切り替えて前進することが大切です。

ところで、多くの受験生は、高校や予備校で必須の模試に加えて、その他の個人参加の模試、駿台の実戦模試のような大学別模試をあわせると、9月~12月までは毎月1、2回は模試を受験していくことになると思います。これらの模試の結果が、志望大学の目標ラインを上回っていれば自信につながり、ますますやる気も出てくることでしょう。逆に目標ラインに届かないと、夏の過ごし方への後悔が大きくなり、焦りや自信喪失を生むことになります。特に夏に頑張ったにもかかわらず秋の最初の模試で結果が伴わないと、気持ちが大きく落ち込んでしまうこともあります。これが、俗にいう「スランプ」です。そして、このスランプが最も起こりやすいのが、秋なのです。

このスランプを脱出するにはどうすれば良いのでしょうか?「これからは応用力養成のために、問題集や過去問で演習をどんどん進めたい」と考えている人も多いでしょうが、実は成績がなかなか上がらない教科・科目こそ、遠回りに見えても思い切って教科書や参考書で基本事項を再確認することが大切です。特に、数学や理科といった理系科目では段階を踏んで理解を高めていくことが必要なため、それを怠るといくら時間をかけても成果が出ないものです。焦ることなく、もう一度あやふやな点がないように完成度をアップさせましょう。

そうはいっても、時間は無限にあるものではありません。自分一人で悩むのではなく、高校や予備校の先生にうまく質問をして、合理的に学習を進めましょう。「聞くは一時(いっとき)の恥、聞かぬは一生の恥」ということばがあります。「今頃こんなことを質問したら怒られないか」といった苦手箇所こそ、入試本番での命取りになる箇所だと肝に銘じて、積極的に質問をすることが大事です。

焦りからスランプになって、何も手がつかないといった精神状態になることもあります。このような場合には、得意科目と不得意科目を組み合わせて、まずは得意科目の学習から始めて達成感を得て、次に勉強のペースが戻ってきたところで不得意科目に取り掛かるといった工夫も必要です。

また、苦しい時に自分一人で学習を進めていると、ますますスランプの底に落ち込んでしまうことがあります。こういった時には、高校や予備校の図書室や自習室などをうまく活用することをお勧めします。周囲が同じように学習している環境に自分を置くことで、あれこれ悩むより、まずは学習に取り掛かるという気持ちに切り替えさせてくれる効果があります。学校や予備校にいれば、友人との何気ない会話を交わすことで気分転換をはかることも可能です。

■現役生の成績の伸び方

現役生の成績の伸び方

実は、スランプは多くの受験生にやってくるものなのです。なぜなら、学習の積み重ねと成績の上昇との関係は、上の図にあるように、1次関数のグラフのように正比例していくものではなく、学習の積み重ねに対する成績の上昇は、階段状にアップしていくものなのです。つまり、いくら努力していても成績にはほとんど変化が現れない期間があります。これが、スランプの実態なのです。模試の成績でいうと夏に努力した成果は11月頃に、秋に頑張った成果は12月半ばのセンター試験プレテストあたりでやっと出てくるといったタイムラグがあることを覚えておきましょう。

こういった状況を初めて経験する現役生にとっては、スランプの期間が長く、非常に苦しく感じることでしょう。すると、「志望校のレベルダウン」や「入試教科・科目の少ない入試方式への志望変更」といった目先の困難から逃げようと考える人もいるかもしれません。一見すると負担が軽くなり合格への道のりが緩やかになった気がしますが、これから成果が出てくるという前に、学習のスピードを減速させてしまう原因となります。そして、ますます成果が出る時期を遅らせてしまうという悪循環に陥りがちです。

また、保護者のみなさんも受験生本人のことを考えて、志望校のレベルダウンや安全校の確保の話題を出したくなる場合もあると思います。しかし、保護者のみなさんも今が我慢の時期と考えて、受験生に対しては志望校をレベルダウンさせることなく、一緒になって第一志望へ向かって進んでいくのだという強い気持ちが大事です。受験人口はピーク時の6割弱まで減少しています。つまり、大学受験では以前よりももっと努力が報われるようになっているということですから、まだまだあきらめる必要はありません。「第一志望は、ゆずれない。」という気持ちを忘れないでください。

(2018年9月3日掲載)