2018年度入試後期模試動向

12月になり、受験生のみなさんは入試に向けて、少しずつ学習のペースをアップさせている方が多いのではないでしょうか。今回は9月に実施した「第1回駿台・ベネッセマーク模試」による系統別志望動向を見ていくことにします。
この動向はあくまでも秋の模試結果をもとにした分析のため、本番入試では動向が大きく変化することも考えられます。この点については、あらかじめご了解をいただいて、最終出願の際にはデータネット(駿台・ベネッセコーポレーション主催のセンター試験自己採点集計)の分析結果をぜひ参考にしてください。

 「第1回駿台・ベネッセマーク模試」による系統別志望動向

国公立大全体の各日程内の第1志望者数合計の前年度対比指数、および私立大全体の総志望者数の前年度対比指数はいずれも98の微減です。なお、以下の分析では志望者指数を( )内に表記します。

●国公立大
国公立大

全体的に減少している系統が多く、近年の文系人気が落ち着いているように見えます。これは、2018年度入試は現役生が減少する年度であることが最大の要因ですが、減少している外国語(98)、人文科学(99)、法(99)でもいずれも微減にとどまっているため、実際には高い人気が継続していると考えておくべきでしょう。

増加している系統では、社会(118)の大幅増加が目立っています。公立大化される長野大が新たに集計対象になったこと、首都大学東京などの学部改組に伴う影響が要因ですが、国公立大でこの系統に分類される募集区分はそれほど多くないため、増加率が大きくなっています。そのため、指数だけを見て不安に思う必要はありません。国公立大の文系の系統の中で、最も志望者数の多い経済・経営・商(103)は増加が継続していますが、専攻別では経済学系(106)が増加、経営・商学系(95)はやや減少と対照的です。

メディカル系は、歯(101)、薬(100)、保健衛生(99)はいずれも前年度並ですが、医(94)は減少が継続しています。また、薬は新設される山陽小野田市立山口東京理科大・薬を除くと(96)のやや減少です。ハイレベルな入試となる系統ですが、入試でも減少が継続しているだけに、最後まであきらめずにチャレンジすることが合格へのポイントです。

理系では、農・水産(91)が全系統の中で最も大きく減少しているのが目立っています。大学別では、北海道大・農<後>、千葉大・園芸<前><後>、名古屋大・農<前>、九州大・農<前><後>などが大幅減少しています。工(97)はやや減少、理(99)は微減ですが、主要な専攻別では、情報科学系(127)、情報工学系(117)の大幅増加が目立っています。AIやIoTへ社会の注目が集まっていることが人気の要因といえそうです。また、高い人気が継続していた建築・土木系(100)は前年度並で、人気上昇が落ち着いています。

ところで、その他(114)が大幅増加しています。これは、金沢大<後>で新たに実施される文系一括入試、理系一括入試が集計の対象になったことが要因ですが、既存の北海道大の総合入試(102)のみでも微増しています。

●私立大
私立大

増加している系統は、社会(103)、歯(103)の2系統のみです。

文系で唯一増加している社会を主要な専攻別で見ると、社会福祉学系(93)は減少が継続しているのが目立っています。また、文系の社会以外の系統に関してはいずれも微減にとどまっているため、国公立大同様に実際には高い人気が継続しているといえます。

メディカル系では、薬(94)の減少率が最も大きくなっていますが、入試の段階で4年制学科と6年制学科を分けて募集している大学を見ると、4年制学科の減少率の方が大きい大学が多くなっています。保健衛生(96)は、これまでの増加傾向からやや減少に転じています。専攻別で増加しているのは作業療法系(102)のみで、2018年度入試でも新設の目立つ看護系(100)はごくわずかですが減少しています。

理系は、国公立大同様に農・水産(91)が全系統の中で最も大きく減少しており、専攻別でも全て減少しています。理(96)はやや減少、工(98)は微減しています。専攻別では、理で増加しているのは数学系(101)のみです。また、工では情報工学系(113)が国公立大同様に大幅増加していますが、建築・土木系(97)はこれまでの増加傾向から一転して減少に転じているのが注目されます。

私立大は入学定員管理の厳格化に伴い、特に大都市部の大学では合格者数絞り込みが続いています。2018年度入試では私学助成が全額不交付となる入学定員超過率がさらに厳しくなることもあり、模試ではやや弱気になっている傾向が見受けられますが、『第一志望は、ゆずれない。』を忘れずに学習を続けてください。

 2018年度入試に向けての心構え

上記で述べたように、系統別では国公立大、私立大ともにほぼ同じ志望動向で、2016年度入試から顕著になった文高理低の傾向が継続していますが、文系人気のアップ率は落ち着いてきています。文系志望者は2008年頃をピークに2015年度入試まで減少が続きました。成績上位層で見れば、文系志望者はピーク時の8割程度しかいないのです。2018年度入試では、文系人気の一層のアップがないことから、まだまだ文系には広き門が開いているといえます。

また、2015年度入試がピークだった理系志望者はそれ以降減少しており、特に難関のメディカル系でその傾向が顕著です。理系の間口は確実に広くなっています。つまり、文理ともに、2018年度入試では受験生は強気の出願ができる状況だといえます。

ところで、国公立大、私立大志望者を問わず、ほとんどの受験生にとってセンター試験が2018年度入試の第1関門だと思います。そのセンター試験の2018年度実施日は、1月13日、14日と前年度より1日前倒しとなり、ここしばらくなかった早い日程となっています。

年が明けるとすぐにセンター試験本番です。受験生のみなさんは、今年はクリスマスも大晦日もお正月も無いと思って、学習計画を立ててください。そして、センター試験が終われば個別(2次)試験までの期間は例年よりも長いため、理科や地歴公民など選択科目の追い込みが効く日程だといえます。

2018年度入試ではカリキュラムや入試制度の変更はありません。落ち着いて、過去問対策などもしっかりと行い、万全の態勢で入試に臨んでください。とにかく、自分の入試スケジュールで最後の日まで絶対にあきらめないことが重要です。12月になり、不安な気持ちに押しつぶされそうになることもあるかもしれません。それは受験生全員が同じように感じることなのです。

急に寒くなり、風邪やインフルエンザも流行しています。ぜひ、体調管理に気をつけて、最後まで第一志望大学を目指してがんばってください。

(2017年12月1日掲載)