2017年度入試
出題分析と入試対策 早稲田大学 文化構想学部 世界史
出題分析と入試対策 早稲田大学 文化構想学部 世界史
過去の出題内容
2017年度
番号 | 時代 | 内容 | 形式 |
---|---|---|---|
Ⅰ | 古代 | 古代社会の神々と権力者 | 記述・選択 |
Ⅱ | 古代~中世 | 古代~中世のイタリア半島 | 記述・選択・正誤 |
Ⅲ | 中世~近世 | イスラーム世界の人々の移動と交流 | 記述・選択・正誤 |
Ⅳ | 近世 | 近世のドイツ | 記述・選択・正誤 |
Ⅴ | 中世~現代 | モンゴル高原から中国東北地方の歴史 | 記述・正誤 |
Ⅵ | 近現代 | 近現代のヨーロッパ | 記述・正誤 |
Ⅶ | 現代 | 20世紀の前衛芸術 | 記述・選択・正誤 |
2016年度
番号 | 時代 | 内容 | 形式 |
---|---|---|---|
Ⅰ | 古代 | 古代メソポタミア | 記述・選択 |
Ⅱ | 古代~中世 | 古代ローマの建築物 | 記述・選択・正誤 |
Ⅲ | 中世~近世 | 中国の仏教・道教とチベット仏教 | 記述・選択・正誤 |
Ⅳ | 中世 | 中世西ヨーロッパ世界の展開 | 記述・正誤 |
Ⅴ | 古代~近世 | 前近代のアフリカ | 記述・選択・正誤 |
Ⅵ | 近世~近代 | 17~19世紀のアメリカ東海岸地域 | 記述・選択・正誤 |
Ⅶ | 現代 | 冷戦 | 記述・選択・正誤 |
Ⅷ | 中世~近世 | ヨーロッパの美術作品 | 記述・選択 |
2015年度
番号 | 時代 | 内容 | 形式 |
---|---|---|---|
Ⅰ | 古代 | エーゲ文明 | 記述・選択 |
Ⅱ | 古代 | 古代のヨーロッパとイランの抗争 | 記述・選択・正誤 |
Ⅲ | 中世 | ビザンツ帝国とモスクワ大公国 | 記述・正誤 |
Ⅳ | 近世 | 18世紀の東ヨーロッパ | 記述・選択・正誤 |
Ⅴ | 近世~現代 | 東南アジアと東アジアの港市 | 記述・選択・正誤 |
Ⅵ | 現代 | 第一次世界大戦と戦後のヨーロッパ | 記述・選択・正誤 |
Ⅶ | 中世~現代 | パレスチナの歴史 | 記述・選択・正誤 |
Ⅷ | 近代 | 19世紀後半のフランス絵画 | 記述・選択 |
出題分析
分量
本年度(2017)の大問数は7題、小問数は40問で、昨年度(2016)からわずかに減少した。試験時間の60分で十分に解答できる分量である。次の表は過去7年分の大問数と小問数を示したものである。参考にして欲しい。
2017 | 2016 | 2015 | 2014 | 2013 | 2012 | 2011 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
大問数 | 7 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 |
小問数 | 40 | 43 | 43 | 43 | 44 | 43 | 42 |
出題形式
記述問題が16問、単純な選択問題が10問、短文の正誤判定問題が14問であった。大問〔Ⅵ〕で、昨年に引き続いて地図問題が出題された。大問〔Ⅶ〕で、文化構想学部の特徴となっている図版(絵画・写真)を用いた文化史が出題された。論述問題は出題されなかった。
内容
時代は、古代から現代までほぼ全ての時代から出題された。先史時代からは出題されなかったが、過去には出題されている。来年度は、先史時代から現代まで全ての時代から出題されると考えなければならない。
地域は、ヨーロッパから最も多く出題された。他に、中国・西アジア・中央アジア・インド・アフリカ・アメリカなどから出題された。朝鮮・東南アジア・オセアニアなどからの出題はなかった。本年度はヨーロッパ・中国・西アジアからの出題が多かったが、過去には多岐に渡る地域から出題されている。来年度は、様々な地域から出題されると考えなければならない。
分野は、政治史が多く、文化史からも一定数出題された。社会経済史からの出題は少なかった。例年、最後の大問で図版を用いた文化史が出題されており、これは早大文化構想学部の特徴となっている。来年度も、政治史と文化史が多く出題されると考えられる。
地域は、ヨーロッパから最も多く出題された。他に、中国・西アジア・中央アジア・インド・アフリカ・アメリカなどから出題された。朝鮮・東南アジア・オセアニアなどからの出題はなかった。本年度はヨーロッパ・中国・西アジアからの出題が多かったが、過去には多岐に渡る地域から出題されている。来年度は、様々な地域から出題されると考えなければならない。
分野は、政治史が多く、文化史からも一定数出題された。社会経済史からの出題は少なかった。例年、最後の大問で図版を用いた文化史が出題されており、これは早大文化構想学部の特徴となっている。来年度も、政治史と文化史が多く出題されると考えられる。
難易度
一部に難問があるが、多くは標準的な問題である。早稲田大学を志望する受験生ならば、高得点を取らなければならない。
入試対策
①文化構想学部の問題は標準的なレベルが多い。ただし、一定数の難問が出題されているため、決して油断をしてはならない。世界史の学習をする際には、常に歴史的出来事の因果関係を意識して歴史の流れをつかみ、年号や地図の理解を深めて歴史の縦と横のつながりを把握することが重要である。教科書をよく読むだけではなく、用語集を読んで理解を深め、資料集を用いて年代や地図の理解を深めてほしい。そして、最も大切なのは問題演習を繰り返して応用力を養うことである。どんなに時間をかけて世界史の学習を行っても、問題演習を行わなければ実力はつかない。様々な問題を数多くこなして欲しい。
②出題形式についてだが、問題の約半数が記述問題なので、しっかりと書く練習を繰り返してほしい。特に中国史などの漢字に注意すること。また、多くの受験生が苦手としている短文の正誤判定問題が多く出題されているので、しっかりと問題演習を行う必要がある。例年、地図や図版を用いた問題が出題されている。普段教科書や資料集に掲載されている地図や図版をよく見ること。その際、地図や図版をただ漫然と眺めるだけではなく、それらがどのような歴史的意義や特徴を持っているのかを考えることが重要である。特に文化史の問題では、絵画・建築物・彫刻などの内容や特徴を理解していないと解けない問題が多いので注意すること。それから、これまで文化構想学部では論述問題が出題されたことはない。ただ、文学部では短文の論述問題が出題されている。来年度以降、文化構想学部でも論述問題が出題される可能性もあるので、論述問題集を使用して論述演習をしておくとよい。いずれにしても、論述問題を解くことは世界史の学力そのものを大幅に向上させてくれる。是非、論述演習を行って欲しい。
③文化構想学部は標準的な問題が多いが、早稲田大学を志望する受験生のレベルが高いため、合格ラインはかなり高くなる。また、難問も出題されているため、早稲田大学の他の学部の過去問にも取り組み、どのような問題にも対応できるような応用力を養わなければならない。合格に向けて頑張って欲しい。
②出題形式についてだが、問題の約半数が記述問題なので、しっかりと書く練習を繰り返してほしい。特に中国史などの漢字に注意すること。また、多くの受験生が苦手としている短文の正誤判定問題が多く出題されているので、しっかりと問題演習を行う必要がある。例年、地図や図版を用いた問題が出題されている。普段教科書や資料集に掲載されている地図や図版をよく見ること。その際、地図や図版をただ漫然と眺めるだけではなく、それらがどのような歴史的意義や特徴を持っているのかを考えることが重要である。特に文化史の問題では、絵画・建築物・彫刻などの内容や特徴を理解していないと解けない問題が多いので注意すること。それから、これまで文化構想学部では論述問題が出題されたことはない。ただ、文学部では短文の論述問題が出題されている。来年度以降、文化構想学部でも論述問題が出題される可能性もあるので、論述問題集を使用して論述演習をしておくとよい。いずれにしても、論述問題を解くことは世界史の学力そのものを大幅に向上させてくれる。是非、論述演習を行って欲しい。
③文化構想学部は標準的な問題が多いが、早稲田大学を志望する受験生のレベルが高いため、合格ラインはかなり高くなる。また、難問も出題されているため、早稲田大学の他の学部の過去問にも取り組み、どのような問題にも対応できるような応用力を養わなければならない。合格に向けて頑張って欲しい。
※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。