2017年度入試
出題分析と入試対策
  早稲田大学 政治経済学部 数学

過去の出題内容

2017年度

番号 内容 科目名
1 小問4題(数列、複素数と数列、対数、三角関数) 数学Ⅱ・A・B
2 カードを引いて戻す操作を3回行うときの場合の数 数学A
3 放物線や直線によって囲まれる図形の面積 数学Ⅱ
4 立体図形と三角形の外心・垂心 数学B

2016年度

番号 内容 科目名
1 条件付き確率の応用 数学A
2 座標空間における立体射影 数学B
3 対数不等式の解法 数学Ⅱ
4 平面図形と三角関数 数学A・Ⅱ

2015年度

番号 内容 科目名
1 2次関数のグラフと連立方程式 数学Ⅰ
2 空間ベクトルの図形への応用 数学B
3 場合の数と集合の要素の個数 数学A
4 数列と整数問題 数学A・B

出題分析

分量

2005年度以降、2012年度を除いて4題が出題されている。2017年度も例年通り4題の出題となった。いずれの問題も内容豊かであり、60分の試験時間に余裕はない。

出題形式

2000年度以降は、「結果のみ」、「結果のみと記述」、「記述」の3形式の組み合わさった出題が行われている。2017年度は「結果のみ」が2題、「結果のみと記述」が2題となっている。
「結果のみ」では、文章の空所補充問題が含まれるのが通例であったが、2017年度はすべて、1問1答式の出題であった。「結果のみと記述」は、計算準備の部分は結果のみ書かせ、主要計算などは詳しく記述させる形式である。
2017年度では、問1が分野の異なる小問4つの組となったのが目新しい。今後の動向が注目される。

難易度

2017年度は、2016年度と比べてやや易しくなった。これは、2016年度が図形問題を中心に全体に難しかったためであり、2017年度も難易度そのものは高い。なお、問1が計算力をみるタイプの小問集合となり、取り組みやすくなった。

問題の内容と傾向

2017年度に出題された分野は次の通りである。
複素数、三角関数、対数、積分法(以上数学Ⅱ)
場合の数(数学A)、数列、ベクトル(以上数学B)
データの分析(数学Ⅰ)、整数(数学A)からの出題はないものの、文系の高校数学の履修範囲からまんべんなく出題されていることは例年通りであった。出題が特に集中する分野・テーマはないが、問3の放物線の囲む面積の公式的な扱い、問4の三角形の外心・垂心の計算は、ともに2014年度にも扱われた内容である。
計算力を必要とする理系的問題が含まれることが継続した特徴である。ベクトル・数列・確率の問題は多めであり、立体図形の問題は2015年度から3年連続の出題である。
問1の4つの小問は、学習の習熟度をみるための問題である。入試の定番の内容であり、日常の学習量の差がそのまま結果となって現れる。

入試対策

分野を選り好みしないで学習すること、基本事項を正確に理解し典型問題に適用できる技術をもつこと、が何より重要である。特殊なテクニックの類を追い求める必要はない。「その場で考えさせる」問題が主体となる傾向は薄れたとはいえ、由来を無視した公式の暗記や、答さえ出せばよい式の解法技術の追求では、良い結果は生まれない。
教科書の基本事項については、その前提条件や論理的内容を正しく理解するようにこころがけたい。また、公式については、その導出を自分で一度は体験してみるのがよい。なお、参考書や過去問集で典型・頻出問題とされるものの学習は必須である。記述部分の答案作成に対しては、思考の過程を正確かつ簡潔に書き表すための言語能力が必要となる。国語など他教科を含めた総合的学力が最後にはものをいうことを認識しておきたい。

地歴・公民との選択について

数学は満点を狙える科目であるが、問題数が少ないので、当たりはずれ・得手不得手の差が大きい。地歴・公民との選択は慎重に行いたい。
※本ページ内容は一部のコメントを除き、駿台文庫より刊行の『青本』より抜粋。