2020年度入試に向けて
「平成」が終わり、5月からは「令和」。つまり、高3生が受験する2020年度入試は「令和」初の入試ですね。さて、4月末から10連休という人がほとんどだと思います。生活リズムを乱したり、気を緩めすぎたりしないように注意しましょう。
今回は、2020年度入試で第一志望校合格を勝ち取るための学習計画を立てる際のポイント、および志望校の選び方についてまとめてみました。最後に2020年度大学入試トピックスもまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
学習計画のポイント
「やりたいこと」ではなく、「やるべきこと」を考えよう!
入試問題は、基本的に高3までの履修範囲が全て出題の対象となります。教科別では、理系の理科はセンター試験前までにひととおり終わらせる必要があります。しかも国公立大の個別(2次)試験や私立大入試では、その出題範囲から分野をまたがった問題も出題されるので、応用力の強化も必要です。
ただし、「やりたいこと」ばかりをやっていると、時間をかけた割には思ったような成果が出ないことがあります。重要なのは、「やるべきこと」を教科・科目ごとに定期的に把握することです。これからやるべき内容や量を考慮し、受験日から逆算した学習計画を立てることが大切です。
学習計画は「長期・中期・短期」で考えよう!
学習計画は学力の到達目標に対して、①長期(学期・長期休暇ごと)→②中期(1か月ごと)→③短期(1週間・1日)と絞り込んで考えていくとよいでしょう。高1・2生は、受験はまだまだ先のことと思わずに、今のうちから学習計画を立てて実行していくことを習慣にできるようにしてください。
- ①長期計画…教科書レベルの事項の完成がいつ頃になるかを考えましょう。高2までの基礎事項の確認は早めに計画を設定して、きちんと範囲を網羅しておくことが大切です。そして、次に志望校の入試科目や傾向に合わせた応用力養成のための学習計画を大まかに決めます。
- ②中期計画…次に具体的に単元ごと、レベルごとの目標と計画を立てます。模試や学校のテストの日程を力試しや区切りとして考えてみると計画が立てやすく、学習リズムもつかみやすくなります。
- ③短期計画…最後に1週間・1日ごとの学習プランとペース配分を考えます。ただし理想を追いすぎると「ムリな計画」となってしまうので、土日などを使った予備日(調整日)を設けて、遅れを取り戻す時間も考えておきましょう。
苦手分野の克服は高3の夏の終わりまでには済ませたいものです。そして11月頃までに基礎事項の確認や、苦手分野のフォローなど、ひととおりの予定を完了させましょう。最後の1~2か月は志望校対策の応用力強化期間として、過去問題への取り組みなど、自信をもって入試本番に向かうためにやるべきことがたくさんあるからです。
区切りごとに計画の修正を!
真の学力は一朝一夕に身につくものではありません。夏休みくらいまでは計画に沿って学習が進んでいれば、その間は結果が出なくても焦ることはありません。また、途中で不足していると実感する部分や、予定どおりに進んでいない部分が出てきたら、状況を分析して計画を修正してください。
特に短期計画では、その達成度により当初の計画が適切だったのか、ムリな計画だったのか、あるいは軽い計画だったのかを確認しやすいでしょう。達成度の見直しを重ねることで、毎回、適切な計画を立てる力がついていくはず。実は計画がどれだけ実行されたかを確認することも大事なのです。
スマホとうまく付き合おう!
大学のHPを見たり、勉強での調べごとをしたりとスマホを重宝している人も多いでしょう。SNS、WEB、ゲーム、音楽、動画視聴などスマホがあればいくらでも時間をつぶせるだけに、最近ではスマホにはまりすぎてしまう人が増えています。受験生、高校生にとっても無視できない大きな問題ですから、一日の使用時間を制限するなど付き合い方をしっかりと考えておきましょう。合格者でも「使用時間をもっと少なくしておけばよかった」と反省している人は案外多いので注意しましょう。
志望校の選び方
「入りたい大学」? 「入れる大学」? 弱気は禁物!
高1・2生だと、志望校や学部・学科がはっきりとしていないという人が多いかもしれません。高3生でもまだ決めていないという人もいるでしょう。学習計画を立てる目的は、第一志望校に合格するための学力をつけるためですよね。実際に受験する大学の最終的な決定は、出願の始まる前までに決めればよいのですが、まずは目標とする志望校を決めてみましょう。
志望校選定のポイントは、現在の学力で、あるいは少しの努力で「入れる大学」を志望校にするのではなく、今の自分には少し難しいかな、というくらいの大学、つまり、「入りたい大学」を志望校にするということ。社会に出るときには、大学でどれだけ自分をレベルアップさせることができたかが問われます。受験勉強で安易に妥協せず頑張ることができれば、大学でもレベルアップのために頑張ることができるはずです。また、目標を高くしておくと、モチベーションの維持につながり、勉強をもっと頑張ろうという思いが強まるはず。1ランク以上、上を目指すくらいの気持ちをもっていきましょう。
2021年度から新たな入試制度での受験になることを心配して、高3生が高2の時に受験した模試では顕著な弱気・安全志向が見られました。でも、2021年度入試は当初の予定とは大きく変わり、ほとんど今までの入試のマイナーチェンジに留まることになりました。こういった情報をきちんと理解して、高3生は「入りたい大学」を最後まであきらめないことがいい結果につながりそうです。
模試の結果を見て弱気に…
高3生になると、受験する模試の回数がこれまでより多くなるでしょう。成績表の志望校判定ではどの大学も厳しい評価がズラリ、ということもあるかもしれません。そんなときは模試の成績、つまり現在の学力で合格できる大学に志望校を変えたくなるかもしれません。

例えば、志望校のAライン(合格可能性80%以上)の偏差値が60なのに、自分の偏差値が50だったとしたら? その差である「10」を埋めるためにどうするかを考えて学習計画を立てて、実行していくのが受験勉強です。
ただし、ただ勉強時間を多くすればいいというわけではありません。模試の成績表には志望校判定だけではなく、受験した教科・科目の成績も載っていますが、さらに設問ごとの成績までチェックして、まずどこからやるべきかを学習計画に反映させることが重要です。平均点が高い問題で、出来がよくなかった問題の見直しが「やるべきこと」です。今は志望校判定に一喜一憂しすぎないでください。
2020年度入試トピックス
大学 | 2020年度 |
---|---|
東北大 | 経済学部が理系型入試導入。 |
宇都宮大、群馬大 | 共同教育学部を設置。 |
鳥取大、広島大 福島県立医科大 |
医学部医学科後期廃止。 |
九州大 | 医学部医学科で面接実施。これで全ての医学部医学科で面接実施。 |
首都大学東京 | 「東京都立大」へ名称変更。 |
慶應義塾大 |
理工学部の学門名称変更。
学門A(物理・電気・機械分野)、学門B(電気・情報分野)
学門C(情報・数学・データサイエンス分野) 学門D(機械・システム分野)、学門E(化学・生命分野) |
専修大 | 神田キャンパスへ商学部を移転し、国際コミュニケーション学部を新設予定。 |
神奈川大 | 国際日本学部を新設予定。2021年度には新設の「みなとみらいキャンパス」へ移転予定。 |
2020年度入試で、現時点で判明している主要大のトピックスを上表にまとめました。県をまたいでの学部設置、学部新設、大学名称変更などさまざまですが、今後判明する2020年度入試変更点などの入試情報は、駿台予備学校のホームページに情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。なお、最新情報は必ず各自の志望大学のホームページや選抜要項などで確認してください。
(2019年4月26日掲載)