2021年度 大学入学共通テスト結果

1月16日(土)、17日(日)に2021年度大学入学共通テスト(以下「共通テスト」)の第1日程が実施されました。従来の大学入試センター試験(以下「センター試験」)から、共通テストに変更された初年度でしたが、その概況についてお知らせします。

2021年度共通テストの志願者数は、前年度のセンター試験と比べて22,454人(4.0%)減少し、535,245人となりました。現卒別では、現役生が2,440人(0.5%)減少し、既卒生等は20,014人(19.0%)減少しました。現役生の志願率(高校卒業見込者数に対する志願者数の割合)は44.3%と前年度より1.0ポイントアップ、また志願者数に占める現役占有率(全志願者数に占める現役生の割合)は84.0%となり、前年度より2.9ポイントアップしました。このように、現役生中心の入試の傾向がさらに顕著になりました。

ところで、国公立大学の出願期間は、2021年度入試では1月25日(月)~2月5日(金)(※特例追試験受験者を除く)でしたが、2月下旬には最終の志願者数が発表されますので、3月号のこのコーナーで詳細をお知らせ出来ると思います。

表1 2021年度大学入学共通テスト 第1日程 最終発表による主要科目平均点一覧

表1
※文系5教科8科目、理系5教科7科目の平均点<900点満点>はデータネット実行委員会推定
※2020年度の5教科7(8)科目平均点算出の際の英語については、筆記(200点)+リスニング(50点)の合計250点満点を200点満点に圧縮しています。
※英語の満点の(  )内は2020年度。得点差は、2020年度の筆記、リスニングを100点満点に換算して、比較しています。

次に、自己採点集計データネット(データネット実行委員会:駿台予備学校/ベネッセコーポレーション主催)へ提出した408,238人(共通テスト志願者数に対する集計率約76.3%)のデータをもとに分析していきたいと思います。
表1は、2月18日(木)に大学入試センターから発表された「2021年度大学入学共通テスト実施結果の概要」における主要科目の平均点一覧です。

なお、1月22日(金)に発表された中間発表その2では、公民(現代社会、倫理、政治・経済)と理科②(物理、化学、生物、地学)でそれぞれの教科内での科目間の平均点差が20点を超えたために、公民3科目および理科②の受験者数が1万名未満だった地学を除いた3科目の間で、「分位点差縮小法」に基づく得点調整が実施されました。その結果、得点調整後の平均点差は、公民が14.93点、理科②が15.06点に縮まりました。

一方で、主に文系が受験した理科①(物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎)において、例年最も多い選択パターンである「化学基礎+生物基礎」と2番目に多い選択パターンである「生物基礎+地学基礎」の平均点の2科目合計の差を見ると、8.87点で前年度の1.17点から7.70点拡大し、選択パターンによる明暗が見られました。

この結果、得点調整を反映した5教科900点集計の予想平均点は5教科8科目文系では552点(得点率61%、対前年度比+4点、得点調整前との比較+1点)、5教科7科目理系では572点(得点率64%、対前年度比+13点、得点調整前との比較+11点)となりました。共通テストへの移行に伴い問題の難化が予想された結果、5教科900点集計の平均点はダウンするのではないかという予想は外れ、文理ともに得点調整前の平均点でも、前年度を上回る結果となりました。

図1 2021年度大学入学共通テスト 第1日程 最終発表による科目別平均点前年度との差

図1

図1に示した2月18日(木)に大学入試センターより発表となった「第1日程 最終発表」による主要科目の平均点を前年度センター試験の最終集計での数値との比較を見ていくことにします。なお、英語リーディング(英語R)と英語リスニング(英語L)については、前年度のセンター試験での平均点を2021年度共通テストの配点に合わせて補正しています。さらに得点調整が行われた科目では得点調整前の前年度差を黄色の棒グラフで示しています。

平均点がアップしたのは生物(+15.1点)、数学II・B(+10.9点)、地学(+7.1点)、倫理(+6.6点)、地学基礎(+6.5点)、数学I・A(+5.8点)などです。逆に平均点がダウンしたのは、地理B(-6.3点)、化学基礎(-3.6点)などです。理科②では、得点調整前は化学(-3.7点)、物理(-2.9点)と平均点がダウンしていましたが、得点調整の結果、いずれも前年度比でアップしました。

また、地歴B科目、倫理・政経では、地理Bが60.06点に対して、倫理・政経が69.26点と9.20点差が付いたことで、理系での選択率が高い2科目間で明暗を分けました。

次に、5教科型900点集計の得点帯ごとにどのような得点変動があったかをみると、5教科8科目文系では、580点~650点の層でやや人数が増加していますが、前年度とほぼ変化はありません。

一方で、5教科7科目理系では、780点以上は前年度と比べて減少しており、550~750点の得点層では前年度よりも増加しています。また、得点調整後と得点調整前とを比較すると、650点~810点の幅広い得点帯で人数が増加しています。理系では、多くの受験生が選択した化学及びそれに次ぐ選択率の物理で得点調整が行われた結果、得点調整による得点変動が大きい受験生が多くなっています。

図2 2021年度大学入学共通テスト データネット集計 募集人員・系統別志望者数 対前年度指数

図2

国公立大学の志望者数は対前年度指数99と前年度並です。国公立大学・私立大学のいずれも、秋期模試動向では理高文低の傾向でしたが、データネットの志望者数集計でも同様の傾向となっています。

文系では志望者数が減少している学部系統が多く、特に語学系統、国際関係学系統などで減少が目立ちます。一方、秋期模試動向でも志望者数の増加がみられていた理系では薬学系統などで増加がみられ、医学系統も対前年度指数105とやや増加しています。また、近年高い人気が継続している情報系統については、総合科学系統の中の総合情報学という専攻の増加が目立っています。

図3 2021年度大学入学共通テスト データネット集計 難関国立10大学志望者数 対前年度指数

図3

難関国立10大学(北海道大、東北大、東京大、東京工業大、一橋大、名古屋大、京都大、大阪大、神戸大、九州大)全体の志望者数は対前年度指数104とやや増加しています。日程別でも前期日程は対前年度指数104、東京工業大が募集を取りやめた後期日程も指数105といずれもやや増加しています。

難関国立10大学の文理別の状況見ていくことにします。まず、文系では北海道大・文、名古屋大・文、大阪大・法などで志望者数の増加が目立っています。一方で、北海道大・総合文系、東京大・文一、京都大・法、大阪大・外国語などでは減少が目立っています。

次に理系では、文系よりも志望者数が増加している傾向が見られます。例えば、神戸大・理、工、名古屋大・情報などでの増加が目立ちます。神戸大では、海事科学を海洋政策に改組し、九州大では工を改組します。いずれも入試方式が大きく変わるため、注意が必要です。九州大・工は秋期模試動向段階では志望者数が減少していましたが、データネットでは対前年指数110と増加が見られます。また、大阪大では工と基礎工の配点が同じになる変更がありますが、工が104、基礎工が105といずれも志望者数がやや増加となっています。

最後に、医歯薬系学部ですが、特に医学部医学科の志望者数の増加が目立ちます。例えば、北海道大、大阪大、神戸大などで志望者数の増加が顕著です。また、北海道大・歯では後期日程を廃止することに注意が必要です。一方で、医学部保健学科などの医療技術や看護系統では志望者数が減少している傾向がみられます。

以上が共通テスト(第1日程)の結果概要ですが、2021年度入試に立ち向かう高3生、既卒生の皆さんは、共通テストが終わった方はしっかりと頭を切り替えて、国公立大個別(2次)試験や私立大入試にむけた直前対策をしっかりとやってください。とにかく、終わった共通テストの結果にいつまでも気をとられてしまって、入試直前の追い込みに失敗するという悔いを残すことだけはないようにしてください。

新型コロナウイルス感染症の完全収束まではまだまだ時間がかかるようです。2021年度入試においても、今後さらにコロナ禍対策として、個別試験の内容変更や面接のオンライン実施といった変更が加わる可能性もあり、志望大学の発信する情報には例年以上に敏感になってほしいと思います。

落ち着かない入試とはなっていますが、私立大入試や国公立大個別(2次)試験まで、体調管理には細心の注意を払い、最後まで努力を続けてください。皆さんのご健闘を心よりお祈りいたします。

また、高2生や高1生の皆さんへのアドバイスです。初めて行われた共通テストの第1日程、第2日程の問題は必ず解いてください。実際に問題にあたることで、大学入試センターが皆さんに求めている力は何かを実感できると思います。コロナ禍の影響が見極めにくい環境ですが、2022年度入試については正式には7月の入学者選抜要項で発表することになっています。その以前にも、ホームページで入試変更を随時発表する大学も増えています。高1・2生の皆さんも、常に最新の情報を手に入れることを怠らないようにしてください。

(2021年2月1日掲載)