2019年度 大学入試センター試験実施結果概況

去る、1月19日(土)、1月20日(日)に2019年度大学入試センター試験(以下、「センター試験」)が実施されました。そこで今回は、この2019年度センター試験の実施結果概況をお知らせします。

 志願状況

表1 2019年度 大学入試センター試験志願状況
区 分 志願者数 比率 増減
2019年度 2018年度 2019年度 2018年度 人数 増減率
現役生 464,950 473,570 80.6% 81.3% -8,620 -1.8%
既卒生 106,682 103,948 18.5% 17.8% +2,734 2.6%
認定試験合格者等 4,403 4,382 0.8% 0.8% +21 0.5%
その他 795 771 0.1% 0.1% +24 3.1%
合計 576,830 582,671 100.0% 100.0% -5,841 -1.0%

表1に2019年度のセンター試験志願状況をまとめました。確定志願者数は576,830人で、前年度より5,841人(-1.0%)減少し、4年ぶりに減少に転じました。

現役生は8,620人(-1.8%)減少し、5年ぶりに減少しました。この結果、現役志願率は44.6%から44.0%へ0.6ポイントダウンし、全志願者数に占める現役生の割合(現役占有率)は80.6%で、前年度より0.7ポイントダウンしました。いずれにしても、「現役中心の入試」という状況には変化はありません。

一方で、既卒生等(現役生以外)の増加数は2,779人(2.5%)で、3年連続増加となりました。これは、大規模私立大の合格者数絞り込みの影響で、再チャレンジ生が増加したことが大きな要因です。

次に、男女別では、女子占有率が44.1%から43.7%へ0.4ポイントダウンしました。女子の志願者数は前年度より4,316人(-1.7%)減少し252,353人となり、5年ぶりに減少となりました。

 主要科目別平均点

表2は、大学入試センターから2月7日(木)に発表された「センター試験(本試験)平均点等一覧(最終集計)」による主要科目別の平均点一覧です。なお、図1は表2を基に前年度最終集計との平均点の差をグラフに表したものです。

表2 2019年度 大学入試センター試験
主要科目別平均点
表2 2019年度 大学入試センター試験

※大学入試センター発表の[最終集計]です。

※平均点は少数第2位を四捨五入しています。

※差は四捨五入の関係で0.1の誤差がある場合があります。

主要科目で平均点がアップしたのは、国語(+16.9点)、英語(リスニング)(+8.8点)と受験者数が多い科目で目立ちます。一方で、平均点がダウンしたのは、倫理、政治・経済(-8.9点)、地理B(-6.0点)、化学(-5.9点)、物理(-5.5点)、倫理(-5.5点)などでした。

全科目を100点満点に換算すると、英語(リスニング)のアップ幅が最も大きく、ダウン幅が大きかったのは理科①の生物基礎でした。

理科①は、4科目間の平均得点率差がほとんどなくなったことから、2科目選択パターンによる有利不利がほとんどなくなりました。

理科②は、受験者数1万人以上の物理、化学、生物の3科目間の平均点差が、物理および化学の平均点ダウンと生物の平均点アップに伴い、理系の理科の選択パターンの代表的な2つのパターン物理・化学選択と化学・生物選択での平均点差を比べると、1.1点から6.0点に拡大しました。

また、数学I・A、数学II・B、英語(筆記)の平均点は、いずれもわずかなアップ、ダウンにとどまりました。

図1 2019年度大学入試センター試験科目別平均点 前年度との差
図1 2019年度大学入試センター試験科目別平均点 前年度との差

 5教科7(8)科目(900点満点)予想平均点

図2は、センター試験の文系5教科8科目(900点満点)、理系5教科7科目(900点満点)の最終予想平均点(データネット実行委員会〔駿台予備学校/ベネッセコーポレーション主催〕の推定)の推移を示しています。

2019年度は、文系が570点(得点率63.3%)、理系が576点(得点率64.0%)となりました。前年度対比では、文系が16点アップ、理系は12点アップといずれも大幅アップしました。なお、文理とも現行課程に完全移行した2016年度以降で最も高い平均点となりました。

文理ともにアップの予想平均点となったのは、受験人数の多い国語、英語(リスニング)の平均点がいずれも大幅にアップしたことが要因といえます。

図2 大学入試センター試験5教科7(8)科目予想平均点推移
図2 大学入試センター試験5教科7(8)科目予想平均点推移

次に、5教科型900点集計の得点帯ごとにどのような得点変動があったかを見ると、理系に比べ文系のプラス幅がめだっています。文系5教科8科目では、2019年度の560点~650点は前年度の540点~630点にあたり、前年度よりも約20点プラスになっています。

一方で、理系5教科7科目では、2019年度の565点~655点が前年度の550点~640点にあたり、前年度よりも約15点プラスになっています。

2019年度センター試験は一部地域では交通機関の乱れなどがありましたが、全般的には大きな混乱はなく終了しました。また、今年度のセンター試験は近年では最も遅い実施日程であったため、国公立大個別(2次)試験までの期間が短く、気持ちの切り替えが重要となります。既に、私立大の入試は始まっており、入試本番真っ只中という時期になりました。風邪やインフルエンザが流行しています。受験生のみなさんは、体調管理にも十分留意し、最後まであきらめることなく第一志望大学合格を目指してください。

そして、高2生のみなさんへのアドバイスです。みなさんの中には、今回のセンター試験の問題にチャレンジした人もいると思います。「時間が足りなかった」、「平均点がアップした国語や英語リスニングでも難しかった」と感じた人もいたのではないでしょうか。でも、出来ばえはさておき、センター試験の問題にチャレンジしたことがいい経験になったと思います。現時点では、思うように得点できなくでも、高3になって本番のセンター試験で高得点を獲得するためには、何をやっていくのか、しっかりと今後の学習計画を立てることが一番大切です。ぜひ、高い目標を掲げて、日々の学習に励んでください。

既に、2020年度入試について、ホームページ上で変更点を発表している大学もいくつかあります。正式には入学者選抜要項(当該入試年度の前年の7月に発表)で発表することになっています。

また、高1生のみなさんは、大学入学共通テストの導入に伴い、新しい制度で行われる2021年度入試の概要を今年の夏までに各大学が発表することになっています。
いずれにしても、高1・2生のみなさんは最新の情報を入手することを常に心掛けてください。

(2019年2月1日掲載)