<第2回>大学入学共通テストについて
2019年12月17日に文部科学大臣より、2021年度入試から始まる大学入学共通テストで導入予定だった国語と数学の記述式問題について、同年度の実施を見送ると発表がありました。
2021年度入試から、現在の大学入試センター試験(以下センター試験)に代わり、「大学入学共通テスト(以下共通テスト)」の実施が予定されています。 今回は共通テストについてポイントをまとめました。
何が変わるのか
2019年6月発表の文部科学省の共通テスト実施大綱によると、出題教科・科目はセンター試験と変更はありません。主な変更部分は『国語』と『数学①(「数学Ⅰ」、「数学Ⅰ・数学A」)』でマーク式問題に加え、一部記述式問題が加わり、試験時間もそれぞれ80分から100分、60分から70分へと延長されることです。
国語の記述式問題については、大問1題として出題され、中身は最大80字から120字以内の小問1題を含む小問3題で、出題内容は論理的文章または実用的文章からの出題となります。なお、従来の国公立大学の個別試験や私立大学入試とは異なる独自の出題形式だといえます。
数学の記述式問題については数学①の「数学Ⅰ」と「数学Ⅰ・A」の共通問題である「数学Ⅰ」の範囲からの出題である大問3題中でマーク式問題と合わせて出題されます。記述式問題といっても、単に解答を数式で表す形式で、文章で説明する問題や証明・論証問題などは出題されません。
国語も数学も問題文が長くなっており、解答に際しては、速読力も含めて、文章を正確に読み取る「読解力」が必要となります。
共通テストに向けて

共通テストに変わることで変化がある部分を強調する報道などが多く、不安を感じている方も多いかもしれませんが、過度に恐れることはありません。センター試験と出題教科・科目の変更はありませんし、数学②、理科、地歴公民などは、すでに近年のセンター試験でも新傾向問題が出題されており、それらの過去問演習で対策は可能です。つまり、少なくとも2021年度は、従来のセンター試験のマイナーチェンジと考えるといいでしょう。
入試に向けて皆さんに必要なことは高校での日々の学習をしっかりと行い、本物の学力を着実に身に付けることです。
もちろん、新しい問題形式に慣れるための演習は必要ですが、即効的な対策といったものはないと思って、基礎からきちんと固めていくことが最大の入試対策になります。
常に前向きな気持ちを持って、ぶれることなく最後まで諦めずに第一志望合格に向けて頑張りましょう。
(2019年10月21日掲載)