駿台入試ニュース 2022 VOL.4

ヘッドライン

(1)2023年度大学入学者選抜実施要項公表
前年度に引き続き新型コロナウイルス感染症に対応した試験実施上の配慮を明記
2022年8月1日以降、個別試験中止等の変更は原則行わない
多様な背景を持った者を対象とする選抜及び障がいのある入学志願者への合理的配慮の充実
不正行為防止の取り組み、災害等不測の事態への対応の強化
(2)2023年度国公立大入試日程について
共通テスト本試験は2023年1月14日(土)・15日(日)に実施
コロナ禍対策として、追試験は2週間後の1月28日(土)・29日(日)に実施
個別試験は2023年2月1日(水)~3月25日(土)の間で実施

(1)2023年度大学入学者選抜実施要項公表

追試験は2週間後に実施、8月1日以降個別試験中止等は原則行わない

6月3日付で、文部科学省は2023年度大学入学者選抜実施要項を公表しました。各大学は、この実施要項に基づき大学入学者選抜を実施します。前年度に引き続き、例年本試験の1週間後に実施される追試験が2週間後に実施されるなど、志願者が新型コロナウイルス感染症に罹患した場合等でも対応できるよう措置が講じられています。なお、追試験会場については、今後、新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、2022年秋頃を目途に決定し周知する予定となっています。

大学入学共通テスト

本試験 2023年1月14日(土)・15日(日)

追試験 2023年1月28日(土)・29日(日)

また、2023年度入試でも、新型コロナウイルス感染症への対応として、従来の方法と異なる選抜方法を検討している場合には、入学志願者が安心して準備できるように、その検討状況等について大学のホームページ等を通じて、随時情報を発信するとともに、変更については2022年7月31日までに発表するものとしています。
さらに、2022年8月1日以降は個別試験を実施する教科・科目変更や中止等は、原則行わないと記されました。

※当該大学が所在する地域の感染状況が著しく深刻であることにより、当該地域において入学者選抜が実施できないことが明らかであるような例外的な場合を除く

なお、今般の新型コロナウイルス感染症対策という特別の事情に鑑み、2年程度前に予告・公表した学力検査の教科・科目等を見直すことは可能であるが、その場合であっても、入学志願者への影響を十分考慮した上で変更するものとしています。

個別試験における受験機会の確保

個別試験についても新型コロナウイルス感染症等に罹患した入学志願者の受験機会を確保するため、各大学は次のいずれかの一つの方策を必ず講ずることとしました。

① 追試験の設定

② 追加の受験料を徴収せずに、別日程への受験の振替

多様な背景を持った志願者及び障がいのある入学志願者への合理的配慮

文部科学省は、多様な背景を持った志願者を対象とする選抜及び障がいのある入学志願者への合理的配慮の充実について、実施要項に明示しました。

多様な背景を持った者を対象とする選抜(家庭環境、居住地域、国籍、性別等の要因により進学機会の確保に困難があると認められる者その他各大学において入学者の多様性を確保する観点から対象になると考える者(例えば、理工系分野における女子等)を対象とした選抜)を実施する場合は、その趣旨や方法について社会に対し合理的な説明を行うことや、入学志願者の大学教育を受けるために必要な知識・技能、思考力・判断力・表現力等の適切な評価に留意すること。

障がいのある入学志願者に対して合理的配慮の内容を決定する際には、入学志願者一人一人の個別のニーズを踏まえた建設的対話を行うこととし、相談窓口や支援担当部署等を設置するなど事前相談体制の構築・充実に努めること。

不正行為防止の取り組みと災害等不測の事態への対応の十分な検討・準備

2022年度入試における共通テスト試験中の問題流出を受けて、受験生の不正行為防止の取り組みと対応が厳格化されました。不正行為に該当する行為等を募集要項等で明示することとし、不正行為については警察に被害届を提出する場合があることを周知する、監督者に対しても巡視時に注意を要する点(例えば、手の位置、受験生の目線等)を周知することなどが示されています。
また、災害等の不測の事態への対応についても、特に受験生が安心して受験に臨めるよう、各大学は十分な検討・準備を行うこととしています。具体的には、警察や公共交通機関等との連携、試験当日の警備要員の確保と十分な巡回、警察や消防等の協力の下、警備体制や救助要請等に関する危機事象発生時のマニュアル等の整備、受験生が不審者や不審物を発見した場合にその通報を受けられる体制の整備、自然災害や人為災害等により受験する事ができなかった者への受験機会の確保等の対応、取り組みをするよう明示しました。

(詳細は下記リンク先の文部科学省ホームページ「令和5年度大学入学者選抜実施要項」をご参照ください。)
令和5年度大学入学者選抜実施要項

(2)2023年度国公立大入試日程について

前述の通り、大学入学共通テストの本試験は2023年1月14日(土)・15日(日)に実施されます。各大学が実施する個別試験の試験期日は2023年2月1日(水)~3月25日(土)までの間です。すでに発表されている各大学の2023年度入試日程をみると、岩手大・農(共同獣医)、岐阜大・医(医)、三重大・教育(学校/数学-初等、中等)、京都工芸繊維大・工芸科学(デザイン・建築)、岡山大・全学部、広島大・教育(生涯活動教育/音楽文化系)、長崎大・多文化社会、岩手県立大・ソフトウェアなどで後期が廃止されます。
(2023年度国公立大入試日程について、詳細は次頁の別表を参照)

各大学の入学者選抜要項は、一般選抜以外の総合型選抜や学校推薦型選抜などの詳細も含めて7月末までに公表されますが、受験生にとって負担が重くなる変更は高2の夏までに発表することになっていますので、今後新たに発表となる変更は、基本的に負担が重くなるものはないと思われます。さらに、11月以降に発表される一般選抜の学生募集要項でも変更点などが示されることがありますので注意が必要です。いずれにしても、コロナ禍の完全収束まではまだ時間が掛かると思われるため、2023年度入試に於いてもコロナ禍対策については要注意といえます。

なお、主要大学については、駿台ホームページでも変更点をまとめて掲載しています。 2023年度入試では、一橋大・ソーシャル・データサイエンス、名古屋市立大・データサイエンスの学部新設、東京学芸大・教育の課程改組、大分大・理工の学科改組など様々な変更があります。出題範囲や配点の変更、募集人員の変更なども掲載していますので、定期的に確認していただければと思います。