駿台入試ニュース 2023 VOL.2
- 2022年度国公私立大入学者選抜実施状況の概要
- 国立大・私立大は志願者数増加、公立大は減少
○一般選抜:国立大の志願者数は11年ぶり増加
○総合型選抜:国公私立大で入学者数増加
○学校推薦型選抜:全体では入学者数増加、全入学者数の3割を超える
2022年度国公私立大入学者選抜実施状況の概要
2022年度国公私立大入学者選抜の実施状況の概要が、2023年1月25日に文部科学省より発表されました。
国立大・私立大は志願者数増加、公立大は減少
2022年度の志願者数は、国立大では20,288人(5.9%)、私立大では26,789人(0.7%)の増加、公立大では4,012人(2.5%)の減少でした。この結果、全体では43,065人(1.0%)の増加となりました。
一般選抜:国立大の志願者数は11年ぶり増加
2022年度の一般選抜の志願者数は、国立大は20,174人(6.8%)の増加で11年ぶりの増加、公立大は3,771人(2.8%)の減少で3年連続減少となりました。国立大の増加は、共通テストの大幅難化はありましたが、 難関大を中心に成績上位層でも共通テストの得点ダウンが顕著だったことにより、結果として個別(2次)試験の比重がより高くなったことから、強気な出願傾向が見られたことが要因でした。国立大では募集人員が379人(0.5%)減少し、志願倍率は3.8倍→4.1倍で0.3ポイントアップ、一方で、公立大では募集人員が18人(0.1%)減少しましたが、志願倍率は5.9倍→5.8倍へと0.1ポイントダウンしました。私立大は、志願者数は181人(0.01%)の微減で3年連続減少となりましたが、合格者数は57,764人(5.4%)増加し、実質倍率は2.8倍→2.7倍へと0.1ポイントダウンしました。これは、継続するコロナ禍の影響による経済環境の悪化や地方在住者の感染への不安、対面授業の再開が不透明なことによる都市部の大学への敬遠などから1人あたりの併願校数が減少したこと、共通テストの平均点がダウンしたことにより、特に共通テスト受験後に出願可能な共通テスト利用方式の志願者数が減少したこと、中堅校の総合型選抜・学校推薦型選抜といったいわゆる「年内入試」によって大学進学を決定した受験生が多かったことが大きな要因といえます。
総合型選抜:国公私立大で入学者数増加
2022年度の総合型選抜は、国立大64大学243学部、公立大38大学76学部、私立大550大学1,708学部で実施され、全体の実施大学数は9大学増加、実施学部数は47学部増加しました。入学者数は、国立大では97人(1.8%)、公立大では7人(0.5%)、私立大では6,883人(9.7%)といずれも増加し、全体では6,987人(9.0%)増加しました。全入学者数に占める総合型選抜の入学者数の割合は13.5%と前年度より0.8ポイントアップしました。
学校推薦型選抜:全体では入学者数増加、全入学者数の3割を超える
2022年度の学校推薦型選抜は、国立大77大学279学部、公立大94大学202学部、私立大600大学1,893学部で実施され、全体の実施大学数は8大学増加、実施学部数は28学部増加しました。入学者数は、国立大では135人(1.2%)減少、公立大では14人(0.2%)増加、私立大では1,034人(0.5%)増加し、全体では913人(0.4%)増加しました。全入学者数に占める学校推薦型選抜の入学者数の割合は36.2%で、前年度より0.2ポイントアップしました。
(詳細は、別表を参照。そのほか、国公私立大入学者選抜実施状況の概要についての詳細は、下記リンク先の文部科学省ホームページ「令和4年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」をご参照ください。)