駿台入試ニュース 2024 VOL.3

ヘッドライン

(1)2025年度大学入学者選抜実施要項公表

・共通テストの追試験は本試験の1週間後に実施、2020年度までの日程に戻る

・「思考・判断の能力」、「表現する能力」についての記述の追加

(2)2025年度国公立大一般選抜入試日程について

(1)2025年度大学入学者選抜実施要項公表

共通テストの追試験は本試験の1週間後に実施、2020年度までの日程に戻る

6月5日付で、文部科学省は2025年度大学入学者選抜実施要項を公表しました。各大学は、この実施要項に基づき大学入学者選抜を実施します。大学入学共通テストの実施期日は本試験が2025年1月18日、19日、追試験が本試験の1週間後の1月25日、1月26日と発表されました。新型コロナウイルス感染症が拡大した2021年度以降、追試験は本試験の2週間後に実施されていましたが、それ以前までの本試験の1週間後実施に戻ることとなります。その他の日程については基本的に前年度と同様の日程となっています。

大学入学共通テスト

本試験 2025年1月18日(土)・19日(日)

追試験 2025年1月25日(土)・26日(日)

「思考・判断の能力」、「表現する能力」についての記述の追加

今回の発表では、前年度の入学者選抜実施要項から新たに「自らの考えを論理的・創造的に形成する思考・判断の能力」、「思考・判断した課程や結果を的確に、さらには効果的に表現する能力」についての言及がなされました。「思考力・判断力・表現力」は「基礎的・基本的な知識」、「主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度」と並ぶ学力を構成する3要素の一つとして文部科学省は定めており、これまでの入学者選抜実施要項でも大学入学者選抜において適切に把握することを求めていました。今回の発表における言及はこれら「思考力・判断力・表現力」に類するものと捉えられますが、より具体的な記述といえます。
発表では、これらの能力に関する評価を充実させるため、可能な範囲で記述式の検査方法を取り入れることが望ましいとしています。また、これらの能力を含む能力・適性を多角的に評価・判定するための手段として、小論文、エッセイ、面接、口頭試問、ディベート、集団討論、プレゼンテーション等を挙げています。
その他、資格・検定試験等の成績の活用について、前年度から記述が追加されました。具体的には、家庭環境や居住地域により、資格・検定試験等を受検することの負担が大きい志願者の受験機会の公平性・公正性の確保にあたって、「学部等同一の募集単位において、資格・検定試験の結果を利用しない募集区分の設定」、「個別学力検査の成績と資格・検定試験等の結果のいずれか有利となる方法を選択的に利用する」などの措置を新たに求めています。 さらに資格・検定試験等については「大規模な災害の発生等により、資格・検定試験等が実施されない場合の代替措置等」についての検討を各大学に求める記述も追加されています。総じて、家庭環境や居住地域、大規模な災害といった環境的な要因によって志願者が不利になることがないよう求めているといえます。加えて、調査書の出欠の状況を推薦要件や合否判定の一つの材料として活用する際の留意事項を明確化するとともに、障害のある志願者への合理的配慮についても追記が行われています。

(詳細は下記リンク先の文部科学省ホームページ「令和7年度大学入学者選抜実施要項」をご参照ください。)
令和7年度大学入学者選抜実施要項

(2)2025年度国公立大一般選抜入試日程について

前述の通り、大学入学共通テストの本試験は2025年1月18日(土)・19(日)に実施されます。各大学が実施する個別試験の試験期日は2025年2月1日(土)~3月25日(火)までの間です。すでに発表されている国公立大一般選抜の2025年度入試日程をみると、京都大・法で特色入試として実施していた後期日程を廃止して学校推薦型選抜に振り替えるほか、京都工芸繊維大は後期日程を廃止し、前期日程のみとなります。また、神戸大・医(保健/看護)、長崎大・薬(薬)などでも後期日程の廃止が発表されており、後期日程の廃止が目立ちます。
(2025年度国公立大一般選抜入試日程について、詳細は次頁の別表を参照)

各大学の入学者選抜要項は、7月末までに公表されますが、受験生にとって負担が重くなる入試科目等の変更は入試年度の2年程度前に告知することを文部科学省は求めています。したがって、2025年度入試について新たに発表となる変更は、基本的に負担が重くなるものはないと思われます。ただし、新学習指導要領に対応して行われる初めての入試となる2025年度入試は、入試科目・配点等についての発表の状況は大学によって異なることから注意が必要です。なお、駿台ホームページでもこうした日程や科目・配点といった変更点をまとめて掲載しています。
2025年度入試では、東京工業大と東京医科歯科大が統合した東京科学大として開学するほか、神戸大・システム情報をはじめ理工系学部の新設や改組、相次ぐ女子枠の新設とそれに伴う一般選抜募集人員の変更など、多くの変更が予定されています。出題範囲や配点の変更、募集人員の変更なども掲載していますので、定期的に確認していただければと思います。