駿台入試ニュース 2024 VOL.4

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2025年度入試スケジュール・大学入学共通テストについて
大学入試センターより「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項」が公表されました。これまでも大学入試センターは時間割や出題教科・科目について公表しており、今回の発表でも以前の発表から変更はありませんでしたが、本稿で改めて旧課程との相違点について言及したいと思います。

2025年度入試スケジュール・大学入学共通テストについて

共通テストの追試験は本試験の1週間後に実施、2020年度までの日程に戻る

6月7日付で、大学入試センターは2025年度大学入学共通テスト実施要項を発表しました。この発表と、6月5日付で発表された文部科学省の大学入学者選抜実施要項発表で確定した2025年度の入試スケジュールは次頁の通りで、共通テストは本試験が2025年1月18日、19日、追試験が本試験の1週間後の1月25日、1月26日となります。新型コロナウイルス感染症が拡大した2021年度以降、追試験は本試験の2週間後に実施されていましたが、それ以前の本試験の1週間後実施に戻ることとなります。
追試験の会場については、前年度の当初発表(※)同様、「原則として全国を2地区に分け、地区ごとに1か所を設定する」とされました。追試験会場は2021年度から2023年度まで新型コロナウイルス感染症の対応として各都道府県に1か所以上設置されましたが、全国で2か所の設置となります。
近年は私立大においても約9割の大学で定員の一部を募集するにあたり共通テストを利用していますが、共通テストの受験前に出願が締切りとなる募集単位もありますので、各大学の公表する最新の学生募集要項を必ずご確認ください。

(※2023年6月における当初発表はこの通り。ただし、2024年1月の能登半島地震の対応として金沢大に設置されたほか、追試験受験者数の状況を踏まえ、埼玉大、大阪教育大などにも設置)

(詳細は下記リンク先の大学入試センターホームページ「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項」をご参照ください

大学入学共通テスト時間割/出題教科・科目について

今回の発表により、共通テストの試験時間割が確定しました。 2025年度の共通テストは、新教科「情報」の実施などの変更が加わる新課程に基づいて行われる初めての共通テストです。出題教科・科目、時間割ともに前年度から変更が加えられています。

【時間割・配点】
時間割と配点は以下の表の通りです。前年度からの変更点として、「情報」の時間が追加されたこと、国語と数学②の試験時間が10分延長されたこと、基礎科目で構成される理科①と専門科目の理科②で、それぞれ別の時間帯で実施されていた理科が1つの時間帯で実施されるようになったことが挙げられます。その結果、試験全体の終了時刻は1日目、2日目ともに10分延長されています。

【出題教科・科目】
出題教科・科目の前年度との比較は以下の表の通りです。個々の教科の詳細な比較ならびに旧課程科目については別表をご覧ください。

得点調整について

得点調整の対象となる科目および得点調整の方法についても発表が行われています。得点調整の対象となる科目については以下の表の通りで、同じ教科内で赤枠中の科目間で得点調整が行われます。

(「情報」以外の教科においては、受験者数が1万人未満の科目は得点調整の対象としない。
ただし、「情報I」と「旧情報」の科目間においてはいずれかの受験者数が1万人未満であっても対象とする。)

得点調整は以下の条件によって行われます。

・20点以上の平均点差が生じた場合
・15 点以上の平均点差が生じ、かつ、大学入学共通テストの科目別得点等における9段階の段階表示(スタナイン)の区分点差が20点以上生じた場合

ここでいう区分点差とは、各科目の成績の段階表示の各段階の境目となる、上から4%、11%、23%、40%、 60%、77%、89%、96%の分位点(得点)の差を指します。
このスタナインについては共通テスト初年度の2021年度から導入されていましたが、得点調整に活用されるのは初めてです。 なお、スタナインは得点調整のほか、個別の大学で合否判定に活用する動きも見られます。2025年度入試で鳥取大が導入するほか、2026年度入試では千葉大が導入を予告しています(いずれも総合型選抜)。特別選抜を中心に今後活用が広がる可能性があります。

「新課程入試」1年目を迎えるにあたって

これまで述べてきたような変更が行われる2025年度共通テスト。「情報」の追加は確かに大きな変化といえますが、国公立大でも配点比は10%未満の募集単位が多く、北海道大のように受験は必須だが配点しない大学も見受けられます(2025年度入試のみ)。必ず大学発表の選抜要項を確認し、「情報」の受験が必要かどうか、また、配点比についても確認してみましょう。
また、過去の例からいうと課程改定時の平均点は高く(下図)、新規導入科目の平均点も同様に高い傾向にあります。2006年度に新規導入された英語リスニングの1年目の平均得点率は72.5%という高いものでした。

新課程だからとむやみに恐れることなく、駿台ホームページなどで正しい情報を入手して受験に臨みましょう。