駿台入試ニュース 2024 VOL.5
- (1)2025年度開設予定大学・学部等について
- (2)2025年度入学定員増減について
- 文部科学省より「令和7年度国立大学の入学定員(予定)について」、「令和7年度開設予定大学等一覧」等が公表。
(1)2025年度開設予定大学・学部等について
開設認可は大学が1大学、学部が9大学9学部
8月28日付で、文部科学省は令和7年度開設予定の大学、学部等について発表しました。今回の答申で開設が認可されたのは、大学が1大学(私立)、学部が9大学9学部(公立2大学2学部、私立7大学7学部)、学科が2大学2学部2学科(いずれも私立)となっています。
大学では、通信制の東京経営大が新たに開設を認可されました。一方で、昨年11月に申請があった3大学は申請取り下げ、または審査継続(保留)となりました。
学部では、公立大においては福井県立大・恐竜、下関市立大・看護などが新たに開設を認可されました。恐竜学部は全国で初めての学部です。福井県立大ホームページによれば、古生物のほか地質・岩石・地形等の学びを深め、都市計画や防災等にも活かせる力を身に付けることができるとし、想定される就職先として政策立案・教育・研究分野、デジタル関連分野、観光関連分野、地質関連分野などを挙げています。また、下関市立大は前年度のデータサイエンス学部の開設に続き、2年連続での学部開設となります。私立大においては、開設が認可された7大学7学部のうち、2大学2学部が看護学部、4大学4学部が情報およびデータサイエンス系の学部、ないし学科を含む学部でした。情報およびデータサイエンス系の学部開設が相次ぐ背景には、少子化の中、人気の系統として一定数学生の確保が見込まれること、文部科学省の「大学・高専機能強化支援事業」により、国から学部再編等に必要な経費を支援される対象となる学部系統であることが挙げられます。同事業は、デジタル・グリーン等の成長分野をけん引する高度専門人材の育成を目的としたもので、追手門学院大・理工、安田女子大・理工など先述した4大学4学部は、いずれも同事業に選定された大学にあたり、学部再編等に必要な経費を20億円程度まで、原則8年(最長10年)にわたって支援を受けることができます。追手門学院大、安田女子大はこれまで理系学部がありませんでしたが、先述したメリットを背景にこうした大学は今後も増えていくことが予想されます。
(2)2025年度入学定員増減について
8月28日付の発表では、私立大入学定員の増減について認可された大学についての発表も行われています。計15大学の定員の増減が認可されました。関西大・ビジネスデータサイエンスの開設に伴う350人の定員増加などが含まれています。
また、国立大の入学定員増減等については8月30日付で発表が行われました。2025年度の国立大(学部)の入学定員は9万6,393人で前年度から326人増加しました。分野別での増減では、「理工」の347人増加が前年度に引き続き最も多く、「その他」の107人増加が続きます。一方で、「人文」は前年度に引き続き最も多い70人の減少、続いて「教育」は65人減少となっています。「理工」は4年連続増加、一方で「人文」は3年連続減少で、文系学部の定員を削減して理系学部の定員に振り替える動きが読み取れます。大学別では、21大学で計431人の増員が行われました。うち11大学は「大学・高専機能強化支援事業」による増員で、大阪大・工、基礎工では計60人が増員されます。
大学の統合については、東京工業大と東京医科歯科大が統合した、東京科学大が2024年10月から開設されます。また、学部については筑波技術大の共生社会創成学部が開設されます。
(詳細は、別表参照。なお、4年制大学のみを掲載していますので、大学院・短大については、下記リンク先の文科省HPをご参照ください。