大学受験の英語 リーディングの勉強法、長文読解のコツ

監修者:駿台予備学校 教務課

受験英語において、得点配分も大きく、実力の差が出やすい、リーディング。英語が苦手、という人が一番感じている壁かもしれません。ですが逆に実力をつければ、自信につながる科目とも言えます。どうすればリーディング、長文読解の力がつくか、その勉強法を解説します。

受験英語において、得点配分も大きく、実力の差が出やすい、リーディング。英語が苦手、という人が一番感じている壁かもしれません。ですが逆に実力をつければ、自信につながる科目とも言えます。どうすればリーディング、長文読解の力がつくか、その勉強法を解説します。

目次

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大学受験英語におけるリーディング、長文読解力の重要性

文部科学省の方針により、2021年度以降の大学入試では「読む」力に加え、「聞く・書く・話す」の4技能が積極的に問われるようになりました。共通テストや国公立大学の入試では、リスニング試験を通じて英語を「聞き取る力」が試されます。また、国公立大学の二次試験(個別試験)では、与えられたテーマや資料をもとに「自分の考えを英語で書く力」が求められます。さらに、総合型選抜などで英語面接を実施し、「英語で話す力」を評価する大学も増えています。

このように、近年の大学入試では4技能をバランスよく問う傾向が強まっています。とはいえ、英語学習の土台となるのはやはり「読む」力です。なぜなら、読めない単語は聞き取ることも、正しく書くことも、自然に話すこともできないからです。

英語の読解、リーディングの力をつけるには「英文精読」と「長文読解」という2つの段階があります。
英文精読は、英文を正確に読み取り、内容を理解するための基礎的な技能です。
一方、長文読解は、基礎的な読む力を活かして、試験問題の内容を把握し、設問に答えるための応用的な読み方です。授業で培う英文精読力を土台に、試験本番で求められる長文読解力を磨くことが、志望校合格への近道です。

リーディング力をつける勉強方法

では、志望校合格に必要な「リーディング力」を伸ばす方法には具体的にどのようなものがあるでしょうか?

精読…きちんと理解できるまで読む

リーディングでは最初から「速く読むこと」を意識する人が多いですが、一文一文を正確に理解する精読力を身につけることが、速く読めるようになる近道です。精読する力が身につけば、短時間で文構造を分析することができ、結果的に自然と読むスピードが上がるからです。

精読では、英文を一文ずつ丁寧に読み、文法や構文を見抜く力を伸ばします。必ず英文の和訳をするのがポイントです。なぜなら読むだけでは自分の理解不足に気付くのは難しく、和訳を通して理解が不十分な点に気付くことができるからです。わからない部分は文法書で復習し、理解を深めます。新たに知った知識は、付箋に書き込みノートに貼るのもよいでしょう。ノートを開くたび、繰り返し付箋を見ることで、記憶が定着しやすくなります。

※付箋の例

授業や試験の復習では、精読をするのが基本です。長文問題でつまずいた英文をじっくり読み直すことで、1つ1つ丁寧に苦手を克服していきます。正確に読む精読力が、多読や速読の基盤になるのです。

多読…様々なジャンルのテキストに触れる

多読には2つの目的があります。

一つは英文を読む量を増やし、読むスピードと集中力を鍛えること。もう一つはさまざまなジャンルの英文に触れて、出題テーマへの対応力をつけることです。多読の勉強法としては、次の2つの方法がおすすめです。

  1. 学校や塾で使っていた教材を読み返す
    学校の教科書や過去の問題集には、環境・文化・科学など入試でよく出題される多彩な題材がそろっています。また、すでに一度読んだことのある英文なので、多読へのハードルも低くなる点も大きなメリットです。

② 多読専用の書籍を活用する
『Oxford Bookworms』や『ラダーシリーズ』などの多読用書籍は、図書館にも置かれていることが多く、気軽に手に取れるのが魅力です。レベル別に構成されているため、無理なく読書量を増やせます。

速読早く読める力をつける

大学入試の英語は、まさに時間との戦いです。私立大学では3,000語、共通テストでは6,000語前後の英文を制限時間内に読み切る必要があります。限られた時間の中で正確に情報を読み取るには、普段から速読をする習慣を身につけ、その速さで理解する速読力を身につける必要があります。

速読力を高めるためのポイントは、大きく3つあります。

① 語彙・文法知識を瞬時に使えるようにする

速読のカギは、英文に含まれる語彙や文法の知識を即座に引き出せる状態にすることです。英文の意味を反射的に理解できるようになると、英文の内容理解に集中できるようになります。

頻出の単語や熟語は単語集などを活用し、「見た瞬間に意味が浮かぶ」まで繰り返し練習しましょう。また、重要な文法に関わる構文の学習は、例文の暗記を通して行うのが最も効果的です。特に、文構造を意識せずに理解できる反射力を養うため、以下のステップで学習を進めてください。

ステップ1:構造を意識して学ぶ

例文の文構造(SVOや修飾関係など)を分析し、例文に含まれる文法的な意味を深く理解します。

ステップ 2:無意識に読めるまで音読する

日本語訳を見た瞬間に、英語の構文が自然に口をついて出る(暗唱できる)ようになるまで繰り返します。この反復を通じて、速読の際にも文構造を意識的に分析するプロセスを省略できるようになります。

ステップ3:活用の幅を広げる
暗唱できるようになった例文の単語を入れ替えたり、時制や主語を変えたりして、その構文を自在に応用する練習をします。これが、複雑な英文に対応できる本物の速読力へと繋がります。

② 音声を活用する

速読力を鍛えるには、目だけでなく耳も使って英語のリズムや語順に慣れることが効果的です。音読やシャドーイングを通して、英文を語順のまま理解する感覚を身につけましょう。音声を1.2倍速などで聞く練習を加えると、情報処理のスピードが自然に高まります。(※音読、音声活用の具体的な方法は、次の項で詳しく解説します。)

③ 実戦演習で時間感覚を身につける

入試本番では、時間的なプレッシャーの中で、内容を正確に読み取り解き切る力が求められます。この読解スピードを鍛えるには、目標時間を設定したトレーニングが効果的です。

演習で長文を読む際にはストップウォッチで時間を計測し、事前に設定した目標タイムとの差を記録しておきましょう。その後、内容が理解できなかった箇所や、速読しづらいと感じた部分を復習します。そして、数日後にもう一度同じ問題に挑戦し、タイムの変化を記録することで、読解スピードと正確さを両立した本番に強い速読力が着実に身につきます。

音読…声に出し、音で覚える

リーディング力を高めるうえで、音読はとても効果的な学習法です。英文を声に出して読むことで、語順や構文の流れを体で覚え、英語のリズムや抑揚を自然に身につけられます。結果として、速く・正確に読む力の向上にもつながります。音読は、次の3つのステップで取り組むと効果的です。

① 音声を聴いて、正しい発音とリズムを確認する

音読を始める前に音声を聴き、単語の発音やアクセント、息継ぎの位置などをチェックしましょう。正しい音を意識して読むことで、英文の意味を“音の流れ”として捉えられるようになります。教科書や長文問題集の付属音源を活用するとよいでしょう。


② 意味を理解しながら声に出す

文の意味を意識しながら、意味のかたまり(チャンク)ごとに区切って読む練習をしましょう。「読む」と「理解する」を同時に行う習慣をつけることで、黙読時の理解スピードも自然に上がっていきます。最初はゆっくり、慣れてきたらテンポを上げて読むのが理想です。

③ シャドーイング・リピーティングで定着させる

音声に合わせて同時に読む「シャドーイング」や、聞いた後に真似して読む「リピーティング」は、発音やリズムをより自然に身につける練習法です。英語の語順をそのまま理解できるようになり、リーディングだけでなくリスニング力の向上にも効果的です。

音読は、短時間でも継続することが何より大切です。1日5〜10分でもかまいません。「朝食前に行う」など時間を決めて習慣化することで、無理なく続けられます。また、家族や友人、先生に聞いてもらうのもおすすめです。誰かに伝わるように読むことで、自然と発音や抑揚が磨かれ、学習へのモチベーションも保ちやすくなります。

長文読解力をあげるコツ

リーディング学習で、英文を正確に読み取れるようになったら、長文問題の読解力も進めていきましょう。

単語・文法を覚える

いうまでもないことですが、長文問題の攻略には、単語力と文法力が欠かせません。また、直接意味や用法を問う質問は、詳細な理解が問われることが多く、曖昧な理解では太刀打ちできません。ここでは、単語・文法を効率よく身につけるための学習法を紹介します。

① 単語の学習法:返し縫い記憶法

記憶は「自力で思い出す」ことで定着すると言われています。ポイント「覚えてから、少し時間をおいてテストする」ことです。覚えた直後だと、短期記憶で容易に答えることができてしまいますし、時間が経過し過ぎると忘れてしまいます。この「少し時間をおいてテスト」することで、英単語を覚えるのが「返し縫い記憶法」です。

返し縫い記憶法の3ステップ

1. 教材を準備する

単語帳や自作ノートなど、覚えるべき単語リストを用意します。

2.小さなブロックに分ける

2分ほどで覚えられる範囲を1ブロックとして区切ります。短時間で集中できる分量にするのがポイントです。

3.暗記とテストを交互に繰り返す

新しいブロックを暗記したら、直前のブロックを1分ほどでテストします。暗記とテストを「返し縫い」のように交互に行うことで、短期記憶から長期記憶への定着が促されます。

② 文法の学習法:リード&ルックアップ

文法の学習には反復練習が欠かせません。その最も効果的な方法の1つが「リード & ルックアップ」です。この学習法は「英文を見ながら音読する(リード)」と、「英文を見ずに暗唱する(ルックアップ)」を繰り返すシンプルなトレーニングです。英文を見ないで暗唱することで、単語の知識ではなく、文法知識を脳から「思い出す」力が鍛えられます。その結果、入試の長文で複雑な構造(修飾、倒置、省略、挿入など)に出会ったときも、文法の知識を意識することなく、瞬時に文章の骨格を把握できるようになります。

パラフレーズや構文を覚える

入試の英文では、同じ内容を別の言葉で表す「パラフレーズ(言い換え)」や、複雑な文構造を持つ英文が多く出題されます。例えば、2022年の共通テストリーディング第1問において、本文中の”receive free one-day zoo passes”という表現が選択肢では”get free entry to the zoo for a day”という表現に言い換えられている、と見抜くことが求められました。このようにパラフレーズを正確に読み取るには、語彙の幅を広げる力と構文を正確に理解する力の両方が欠かせません。

① パラフレーズを見抜く:オリジナルのパラフレーズ集を作る

英文のパラフレーズには、主に3つのタイプがあります。

1.単語・熟語の言い換え(because of → due to など)

2.品詞を変えた言い換え(growth → grow)

3.構文や表現の言い換え(It is necessary for us to ~ → We must ~)

こうした言い換えを読み取るには、頻出のパターンを知っておくことが求められます。

長文問題集や過去の入試問題を活用し、自分でパラフレーズ集を作るのがおすすめです。自分で整理する過程で、読解中に自然と同義表現を見抜く力が鍛えられます。

また、単語集や辞書もパラフレーズ対策の重要なツールです。英和辞典の語義説明や類義語欄、和英辞典の例文には、頻出の言い換え表現が数多く載っています。普段の学習の中で見つけた同義表現や派生語は、パラフレーズノートに追記しましょう。語彙のネットワークが広がり、長文読解での「言い換えへの対応力」が大きく向上します。

② 英語の構文を理解する:構造分析のトレーニング
入試で出題される複雑な構文を正確に読み取るためには、文の骨格を意識して読む練習が大切です。教科書や参考書など、自分のレベルに合った教材を使い、英文の構造を一文ずつ丁寧に分析していきましょう。

英文をスムーズに理解するためには、品詞と文型の知識が欠かせません。『英文読解入門10題ドリル』(駿台文庫)は、英文の構造を理解するために必要な基礎知識を段階的に学べる教材です。実際に手を動かしながら構文を整理することで、文の組み立て方や修飾関係の捉え方が自然と身につきます。さらに発展的な教材もこちらのコラムでも紹介しています。ぜひ参考にして、対策に活用してください。

大学受験向け おすすめの英語参考書 目的別の選び方

模試や定期試験などの問題を、全文和訳してみる

長文を全文和訳することは、読解力を底上げするうえで非常に効果的です。特に、模試や定期試験で扱われる文章は、学習効果が高い文章が多く、しっかりと時間をかけて復習すべきです。「精読…きちんと理解できるまで読む」で紹介した方法で全文和訳を実践することにより、次の3つのメリットが得られます。

1. 読めなかった理由が明確になる
全文和訳をすると、「主語と動詞の対応を誤解していた」、「関係詞の先行詞を取り違えていた」、「熟語の正しい意味を知らなかった」など、英文を正しく読めなかった原因がはっきりしますまた、自分がどのレベル(語彙/文法/論理)でつまずきやすいのかも可視化できます。これにより、復習の方向性が明確になり、次にどの教材で何を補強すべきかが判断しやすくなります。

2. 英文の流れを理解できる
和訳の過程では、段落ごとの論理構造(主張→根拠、具体例→結論 など)も整理されます。一文ごとの理解だけでなく、文章全体の流れや「結局何が言いたいのか」がつかめるようになります。これは、長文問題で最も大切な「大意把握」の力を磨くことにつながります。

3. 辞書・参考書の活用で副次的な知識が身につく
和訳中に辞書を引いたり、文法書を参照したりすることで、もともと学ぶつもりではなかった語法やコロケーション、同義語・反義語にも触れられます。こうした「思わぬ拾いもの」をどんどん集めて習得していくことが、読解力の底上げにつながります。

全文和訳は時間がかかるので敬遠されがちですが、得られるメリットは非常に大きい学習法です。時間がない場合は、特に読みづらかった段落をピックアップして訳すだけでもOKです。無理のない範囲からでよいので、ぜひ一度試してください。

幅広い問題に触れる

「多読…様々なジャンルのテキストに触れる」では、様々なジャンルの文章の読み方を解説しました。大学入試の英語長文には、IT・医療・感染症・SNS・心理学・歴史・ビジネスなど、多様なジャンルの文章が出題されますので、読む英文の「ジャンルの幅」を意識的に広げることが必要といえます。おすすめなのが、「ジャンル別要点整理ノート」の作成です。読んだ英文をテーマごとに分類し、

  • 内容の要点
  • 論理展開
  • 頻出のキーワード
  • 言い換え表現(パラフレーズ)

の4点を1テーマごとにまとめる学習法です。同じテーマの文章は、似たような文章展開になることが多いものです。テーマごとにまとめることで、初見の英文の展開がつかみやすくなります。下記の例を参考にして、取り組んでみてください。

例:テーマ「SNSの利用と影響」

①内容の要点
SNSは、関係の維持や情報収集には役立つが、依存や比較によるストレス増加を招くこともある。

②論理展開
冒頭でSNSのメリットを提示
→中盤でデメリットを指摘
→最後に「使い方が重要」と示して結論づける

③頻出キーワード
social media / addiction / comparison / mental health / influence / attention span など

④よく出る言い換え表現(パラフレーズ)
addiction → become dependent on ~
negative effect → harmful influence
spend much time on SNS → devote many hours to using apps

時間を決めて読む

「速読…早く読める力をつける」で紹介した学習を通し、速読の基礎体力がついたら、次は実戦での速読力を上げる段階です。そのためには「時間を決めて読む」練習が必須です。以下の3STEPで取り組みましょう。

STEP1:理想の目標時間を決める

まずは、理想の目標時間を決めましょう。読解時間の目安は「100語あたり1分」です。(設問を解く場合は、選択肢を検討する時間を1分追加して「100語あたり2分」)目安に従って目標時間を算出したうえで、英文の難度や設問数に応じて時間の調整を行いましょう。


STEP2:予習をカウントアップで実施する

カウントアップとは、制限時間を設けずに、実際に読み終わるまで何分かかったかを測る方法です。予習の段階ではこの方法で英文を読み、目標時間と現状の実力とのギャップを把握しましょう。計測後には、自分がどこでつまずいたかを細かく分類します。

  • 語彙で立ち止まった
  • 文構造の把握に時間をとられた
  • 文章の展開(主張→根拠)が追えなかった
  • 選択肢を読むのに時間がかかった

のようにタイムロスがあった原因を知り、対策を講じましょう。

STEP3:復習をカウントダウンで実施する

カウントダウンは、先に制限時間をセットしてその時間内に読み切れるかを試す方法です。復習の際には、予習で読んだ英文をカウントダウンで読み直し、より短時間で英文を読み切る練習を行いましょう。設定タイムは「予習でかかった時間 × 0.8(分)」がおすすめです。

この3STEPに慣れてきたら、予習をカウントダウンで実施するなど、自分なりにやり方をアレンジしても構いません。

毎日長文を読んで、音読10回を繰り返す

大学受験対策が本格化する高校3年生の夏休み以降は、毎日1題の長文を読み、同じ文章を繰り返し音読する習慣をつけましょう。1題を徹底的に「読む→理解する→音で処理する」まで行うことで、英文の語順処理が自動化されます。たとえば、SVOCの把握に迷う回数が減ったり、言い換え表現が自然と目に入るようになったりします。英文を読む負担が減るため、結果として設問に答える時間も確保しやすくなります。


回数の目安は1つの長文につき10回程度
ですが、1日で10回まとめて行う必要はありません。起床後・放課後・就寝前など3回に分ける、平日は5回、週末に5回など、自分の生活リズムに合わせてスケジューリングしてください。長文の音読は1回5分前後なので、「登下校の時間」「寝る前の5分」など、自分の生活の中のスキマ時間を活用するのもおすすめです。

音読は「効果はわかるけど、面倒で続かない」学習の代表格ではないでしょうか。継続のコツは、自分の音読を録音することです。1回目と10回目の音読を聞き比べると、「読むスピードが上がっている」「つっかえずに読めている」など、自分の変化がはっきりわかるはずです。この「変化が耳でわかる」感覚が、音読を続ける大きな動機になります。

共通テストで、9割、8割 得点にむけたリーディング対策

国公立受験を考えている人や、共通テスト利用入試を考えている人は、共通テストでできるだけ高得点を取得しておきたいところ。共通テスト特有の出題形式や、時間の制約に慣れておく必要があります。

設問を先に読む

時間との戦いになるリーディングでは、設問に先に目を通してから本文を読む必要があります。設問を読み、本文から読み取るべき内容を先に把握することで、メリハリをつけて本文を読むことができるからです。設問の先読みにはコツがあります。設問を読むといっても、すべて丁寧に読むのでは時間が不足します。先読みのポイントは次の4つです。

  • 疑問詞(問われているのは「人/時/場所/理由/方法」のどれか)
  • 固有名詞(人名/地名/イベント名)
  • 数字(数量、年代、人数)
  • fact(事実)を問うのか、opinion(意見/主張)を問うのか

下に示しているのは疑問詞を含む設問の例です。(出典:2025年度大学入学共通テストリーディング 第3問)
疑問詞Howと選択肢の語に注目することで、本文中で重点的に読むべきポイントを絞り込むことができます。

また、2025年度の第6問・第7問では、問題文の後に「本文を要約した表」があり、その空欄を埋める問題が出題されていました。本文を読む前にこの表に目を通し、文章全体の流れと、空欄に入れるべき情報を先に把握するべきです。

スラッシュやチャンクで区切って読む

2025年度共通テスト・リーディング第7問で出題された次の英文を見てみましょう。

For animals with brains and central nervous systems, sleep is generally defined as an altered state of consciousness characterized by specific body positions, closed eyes, a general decrease in physical activity, and slower response rates.

英語を読み慣れている人でも、一読で理解するのは難しい構文です。こうした長い文を焦らず正確に読み取るには、「スラッシュリーディング」や「チャンクリーディング」と呼ばれる読解法が効果的です。これは、カンマ、接続詞、前置詞、分詞、関係詞の前など、英文を意味・文法のかたまりごとに区切って読む方法です。すべての英文にスラッシュを入れる必要はありません。長文の中でも特に一文が長い箇所や構文が複雑な部分で実践してみましょう。

※ 上記の英文の区切り例
For animals / with brains and central nervous systems, / sleep is generally defined / as an altered state of consciousness / characterized by specific body positions, / closed eyes, / a general decrease in physical activity, / and slower response rates.

主語をチェックする

共通テストリーディングで高得点を取るためには、速く読むことに加え「正確に」内容を理解することが不可欠です。そのカギを握るのが、文章の主役である「主語」を把握することです。


日本語に比べ、英語は主語の重要性が高い言語です。文で述べたい内容やテーマが、主語として提示されるケースが多々ありますこの特徴を活かし、「設問の先読み」(参照:「設問を先に読む」)で発見したキーワードが主語に含まれていることを発見した場合、その文を重点的に精読するなど、読解のペースを戦略的に調整することが可能になります。


主語に代名詞・指示語・定冠詞(the)が使用されている場合には、特に注意が必要です。これらの語句が意味している内容を正確に把握することが、文章の論理的なつながりを把握し、設問を解くうえで非常に重要です。

下記は、共通テストで主語に指示語が使用されたケースです。

One key point  of the slow life is to own fewer belongings. This makes it easier to concentrate on everyday activities. (共通テスト2025年第4問より)

実際の出題では、上記の文の直後に空所があり、空所に当てはまる接続副詞が問われました。主語のThisが示す内容(所有物を少なくすること)を把握しておくことで、文章の論理関係が明確になり、解答の精度が大きく向上します。

接続詞に注目する

共通テストのように情報量の多い長文を読む際、効率的に内容を理解するカギとなるのが「接続詞」です。文のナビゲーター役である接続詞に注目することで、英文全体の内容をより正確に、そして素早く把握できるようになります。

例えば、andなどの「並列・追加」のサインを見つけたら、前の情報と同じ方向性の話が続くと予測できます。また、so や because のような「因果関係」を示す語句は、原因と結果を明確に把握する助けになりますし、while や although といった「対比・譲歩」の語句は、異なる意見や情報が比較されていることを示します。このように文章の構造を意識するだけで、情報が整理され、読解の質が向上します。


共通テストで特に注目したいのが「逆接」を表す接続詞(but, yetなど)です。なぜなら、逆接の後には筆者が最も伝えたい重要な情報や、従来の考えを覆す新しい主張が提示されることが多いからです。実際に、2025年の共通テストリーディング第2問において、but に続く内容が設問の解答根拠になっているケースが見られました。逆接語句を目にしたら、印をつけるなどして強調し、その直後の内容を集中して読み込む習慣をつけましょう。また、接続詞ではありませんが、 however も逆接を表す重要な単語であることも覚えておきましょう。

TOEICⓇ TOEFLⓇ GTECⓇ 英検、とっておいたほうがいいの

大学入試での英語外部検定利用制度は年々拡大しています。特に英検は受験機会が多く、幅広い大学・学部で利用できるため、受験生にとって身近な選択肢になっています。

大学入試までに時間の余裕がある高校1年生、高校2年生は、受験を積極的に検討しましょう。英検などで一定のスコアを取得しておくと、大学によっては英語の個別試験が免除されたり、個別試験の得点に換算されたりすることがあります。早い段階で基準を満たしておくことで、高校3年生になった際、他科目の受験勉強により多くの時間を使えるという大きなメリットが得られます。目標とする大学の基準を調べ、計画的に準備を進めましょう。

一方、現在高校3年生の場合は、戦略的に判断することが求められます。まず、志望校が外部検定を利用できるかどうか、利用できる場合は基準スコアを必ず確認しましょう。その上で、検定対策にどれだけ時間を割けるかを冷静に判断する必要があります。例えば、英検準1級やTOEFLといった高度な試験は、対策に一定の労力が必要です。検定の勉強が共通テストや個別試験の対策を圧迫しそうであれば、無理に外部検定にこだわらず、目の前の受験勉強を着実に進める判断も大切です。

検定試験の特徴や対策方法については、コラム「効率の良い、おすすめの勉強法とは?大学受験に向けた勉強法について」で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。

これからの時代に求められる英語力

情報技術が急速に進化し、世界がインターネットでつながる現代において、英語力は非常に重要なスキルです。なぜなら、インターネット上に存在する膨大な情報の約半分が英語で発信されているからです。世界の最先端の知識やトレンドに直接アクセスするためにも、英語のリーディング力が、これからの社会で欠かせない基礎能力となります。

「AI翻訳が普及しているのに、なぜ自分で英語を学ぶ必要があるのだろうか?」と疑問に感じる人もいるかもしれません。しかし、AI翻訳が進化している今だからこそ、リーディングを学習する意義はむしろ高まっています。

AI翻訳は非常に便利ですが、その翻訳はあくまで大量のデータに基づいた「もっともらしい訳」に過ぎません。そのため、原文が持つ微妙なニュアンス、文化的背景、そして書き手の真の意図を正確に捉えることは困難なことがあります。特に専門性の高い文章や、繊細なコミュニケーションを要する場面では、AI翻訳をそのまま受け入れることには限界があるのです。
自分で英語を読み解く力があれば、AIによる翻訳結果が文脈に合っているか、正確かを判断し、その情報を深く理解して応用することができます。そして、この読解力を鍛える絶好の機会が大学入試です。受験勉強を通じて身につける論理的に文章を把握する力こそが、単なる言語の置き換えを超えて、言葉を通じて本質を掴むという、人間ならではの高度な思考力なのです。

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