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集中力とは-集中力のつくり方-

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執筆:八尾直輝

「勉強のやり方」を教える塾プラスティー・塾長

目次

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そもそも集中力ってなに?

集中力のある人・ない人

我々はよく「あの人は集中力がある」という言い方をします。いつ見ても学習に集中しているように見える人は、確かになんらかの「力」を持っているように感じられます。

それでは「集中力のない人」はいるのでしょうか。自分の集中力に自信のない人も、趣味には時を忘れて没頭することができるのではないでしょうか。また、これまで振り返ると学習に集中できたときもあったのではないでしょうか。そういう意味では、潜在的には誰しもが集中力をもっていると考えることもできそうです。

集中力は才能ではなく、「技術」と考えよう

誰もが集中力を持っているとしたら、それが発揮できないのはなぜでしょうか。

例えば部活に集中できるのはなぜでしょうか。様々な理由が考えられますが、監督や顧問の先生が「監視」しているからという側面もありそうです。
スマホゲームに集中できるのはなぜでしょうか。親から邪魔の入らない「場所」を選んで遊んでいるからかもしれません。

そう考えると、集中するためには「監視」や「場所」といった環境が重要と言えます。自分に適した環境を整えることで、人は集中しやすくなります。
このように自分に適した環境を準備することが真の「集中力」と言えるかもしれません。集中力は「才能」ではなく、自分に適した環境を準備する「技術」なのです。

監視」や「競争」を取り入れる

集中せざるを得ない状況をつくる

それでは集中出来る環境を作るにはどのような技術が必要なのでしょうか。「監視」や「競争」といった要素がヒントになりそうです。監督がいる自習室で学習したり、友人と競って同じ空間で学習することで人は集中力を向上させることができます。学校の授業は集中できても、自宅で動画授業を見るのは集中しづらいですよね。
「人の目」を意識することは集中力を高めるのに一定の効果がありそうです。

一人で学習するシーンでも、工夫の余地があります。たとえば課題をリスト化し、制限時間をタイマーで設定して取り組むと「競争」のような感覚が得られます。友人同士でLINEで学習開始報告をするのも有効かもしれません。実際に学習開始時に友人と「Zoom」をつなぎ、お互いの自宅学習の様子を「監視」しあっている生徒もいました。スマホでZoomすることで、学習中にスマホから離れることができるというメリットもあったようです。

宣言効果

人に自分の目標を宣言することで、遂行しやすくなることを宣言効果と言います。自分の目標が他の人に知られることで生徒の危機感やモチベーションを高めることは直感的にも理解できると思います。実際に目標を人に宣言する効果は複数の研究で明らかにされています。

実施するにあたって留意すべき点は次の2つです。

1.自分自身の言葉で目標を宣言する
宣言は「自分の目標として、自覚的で実行可能と感じていること」が重要です。学習の終了時に改めて自分で宣言するのも効果的です。

2.尊敬できる人に宣言する
宣言効果は「誰に宣言をするか」によってその効果が変化することが知られています。(2019 Bryce J Linford, “When Goals Are Known The Effects ofAudience Relative Status on Goal Commitment Performance”)
この研究によると自分が「尊敬に値する人」と考える人への宣言が有効であることが確認されています。自分が尊敬できる先生や友人に、目標を宣言することで学習効果を高めることができるかもしれません。

休憩の効用

休憩することで学習効率が上がる!?

最後に休憩を活用するやり方を紹介します。学校や塾の時間割にはほとんどの場合「休み時間」があるはずです。
「学習時間」と「休憩時間」のベストバランスはどれくらいなのでしょうか。

1つとても示唆に富む研究があります。「Effect of intermittentlearning on task performance」と題した研究で、以下の3つのパターンで英単語の学習効果と、学習時の脳波を測定しました。

1.60分連続で学習する
2.45分連続で学習する
3.15分連続を3回に分けて学習する(間に7.5分休憩する)

テストは1・2・8日後の3 回に分けて実施されました。2 日後以降では3番目の休憩ありの学習者群の学習効果が最も高いという結果になりました。
15分3回は合計で45分ですから、学習時間自体は60分学習に満たないにも関わらず、休憩を挟むことで学習効果が上がることが示唆されたわけです。
「長時間連続した学習」よりも「適切な休憩をいれた学習」の方が学習効果を高めるという仮説はとても有力と言えるでしょう。

自分に合うリズムをさがそう

学校では「50分+10分」のリズムが基本かもしれませんが、自習時にはみなさんの好きなリズムで学習することができます。自分にとって最適なリズムを探すことが、学習効果を押し上げるかもしれません。

例えば「25分+5分」のリズムも効果的と言われています。巷でポモドーロテクニックと呼ばれているもので、リズムよくてきぱき課題を終わらせていくのに有効なようです。
また「90分+20分」のリズムが人間の生理的に合っているという説もあります。受験生など、1つ1つの課題に時間がかかる場合は、このリズムを取り入れてみるのも効果的かもしれませんね。

著者プロフィール

八尾直輝の写真 八尾直輝 株式会社プラスティー教育研究所

「勉強のやり方」を教える塾プラスティー・塾長。 「できない」を「できる」に変換する独自の学習法と習慣形成の支援を行う「学習コーチ」というサービスを開発・提供。 共著には『ゲーミフィケーション勉強法』『小学生から自学力がつく』があり、雑誌『螢雪時代』への寄稿や、講演会の開催、学校・予備校・教育サービス開発に広く携わっている。

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