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共通テストの追試とは?本試験より難しい?申請条件も解説

監修者:駿台予備学校 教務課

大学入学共通テスト(以下、共通テスト)とは、2021年1月から大学入試センター試験に代わって実施されている試験です。この共通テストに追試験(以下、追試)があることはご存知でしょうか? この記事では、共通テストの追試を受けるための条件や日程、問題の難易度などを解説します。

目次

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共通テストの追試とは?

共通テストの追試とは、何らかの理由で当日に受験できなかったときに、別日程で受けられる試験です。受験票に記載されている問い合わせ大学に申請したうえで、その理由が認められた場合にのみ受験できます。

ちなみに、令和5年に行われた共通テストの追試受験許可者数は3893名(2日間:2518名、1日目のみ:883名、2日目のみ:492名)となっています。

参照

大学入試センター 令和5年度大学入学共通テスト追・再試験受験状況

共通テストについては、こちらの記事を参照してください。

「共通テストとは?日程や科目、2024年度予測も駿台がわかりやすく解説」

共通テストを追試日程で受ける条件とは?

共通テストの追試は、以下どちらかの条件に当てはまっている場合に受けられます。

疾病・負傷による場合

以下の健康チェックリストの確認項目のうち、A欄で1項目以上、またはB欄で2項目以上該当すれば、本試験を受けられない代わりに追試の受験を申請できます。健康状態チェックリスト内に該当しない体調不良の場合は、受験票に記載されている問い合わせ大学に電話で連絡してみましょう。

〈健康状態チェックリスト〉

確認項目
A 高熱の症状がある(38.0度以上)
息苦しさ(呼吸困難)がある
強いだるさ(倦怠感)がある
B 発熱の症状がある(37.5度以上38.0度未満)
咳の症状がある
咽頭痛がある

追試の申請受付時間は決まっていて、少しでも過ぎてしまうと追試の受験は申請できません。直前になってあわてないように、事前に案内を読み、申請受付時間がいつまでなのか把握しておきましょう。

試験場に向かう途中の事故またはやむを得ない事由による場合

試験当日、試験場に向かう途中で事故にあった、または交通機関の遅延や予定外の運休にあった場合は、追試の受験を申請できます。その場合、申請できる期間は、その日の試験終了時刻までです。

また、やむを得ない事由による場合も、追試の受験を申請できます。例としては、両親または親族等の危篤や死亡、自宅の火災、特定の要件(※)を満たしていない濃厚接触者、入国後の待機期間中などが挙げられます。これらについても申請受付時間が決まっているので、事前に案内をチェックしておきましょう。

参照

大学入試センター

大学入試センター令和5年度大学入学共通テストにおける新型コロナウイルス感染症対策等に関するQ&A

令和5年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト 受験上の注意

追試の日程はいつ決まる?

共通テストの追試の日程は、初年度から一貫して「本試験の2週間後」と定められています。 令和6年は1月27日、28日に追試が実施されます。

追試の受け方は?会場は東日本・西日本で1か所ずつ

共通テストの追試を受けるには、後述する手順に沿って、申請を行います。

受験の許可が下りたら、該当する会場に赴いて試験を受けます。
令和6年の追試会場は、東日本と西日本で1か所ずつ設置される予定です。会場の場所は前年の12月ごろに公表されます。過去には東京に1か所、京都・大阪・兵庫のいずれかに1か所設置されました。令和6年も、似たエリアに設置されると考えて良いでしょう。

再試験とは別物

追試と似た制度として、再試験があります。こちらは、雪や地震などの自然災害によって受験できなかったときや、試験会場・本部の不手際により試験が正常に受けられなかった場合に行われるものです。過去の例では、英語のリスニング用ICプレイヤーの故障、問題冊子のミスなどがありました。

再試験と追試は別物なので、申請の際は混同しないように注意しましょう。

追試申請の申し込みかた

共通テストの追試は、受験票に記載されている問い合わせ大学にあらかじめ電話をしたうえで、申請受付時間内に「受験票」と「必要な書類」を問い合わせ大学に持参します。

必要な書類は、追試を受験する理由によって異なります。
疾病・負傷による場合は、治療期間が明記された「医師の診断書」が必要です。
一方で、試験場に向かう途中の事故またはやむを得ない事由による場合は、「事故または事由が確認できる証明書等」が必要です。申請受付時間内に問い合わせ大学に行けないときは、電話で相談し、指示をあおいでください。

本試験より追試のほうが難しい?

ネットで追試について調べると、「本試験よりも難易度が高い?」といった噂や疑問を目にすることがあります。これらの真偽について解説します。

本試験とは別の問題になる

当然ですが、追試では本試験と別の問題が出題されます。ただし、設問の意図や問われている本質は本試験と変わらないので、これまで積み重ねてきた努力が無駄になることはありません。

追試の平均点は?

追試の平均点は公表されていません。そのため、「本試験と追試のどちらの難易度が高い」といったことは言えません。
大学入試センターの公式サイトでは、本試験だけでなく、過去の追・再試の問題と正解も公表されています。本試験対策と合わせて、追試の過去問を解いてみるのも良いでしょう。腕試しになるのはもちろん、万が一追試を受けることになったとしても、過去問を解いていれば心構えができるのではないでしょうか。

参照

大学入試センター 大学入学共通テスト 過去の試験情報 令和5年度試験

得点調整と追試

共通テストの特徴の1つに、難易度の違いによる不公平をなくすための「得点調整」があります。ここからは、得点調整がどのようなものなのか、追試でも行われるのかについて解説します。

得点調整とは

得点調整とは、同じ教科の選択科目において、それぞれの科目間で問題の難易度に差が生じた際、不公平にならないようにするための仕組みです。原則として、科目間で20点以上の平均点差が生じ、その原因が試験問題の難易差に基づくものと認められた場合に行われます。

対象となる科目は、現時点で以下のとおりです。

・地理歴史:「世界史B」「日本史B」「地理B」間
・公民:「現代社会」「倫理」「政治・経済」間
・理科②:「物理」「化学」「生物」「地学」間

参照

大学入試センター 大学入学共通テスト 令和6年度大学入学共通テストQ&A Q18

令和5年に行われた共通テストでは、理科②において得点調整が行われました。ただし、受験者数が1万人を下回った科目は、得点調整の対象外になると定められています。そのため、この年は「地学」の受験者数が1万人未満だったため、得点調整の対象から外れています。

追試は得点調整を行わない

得点調整については、本試験を対象に行われるものであるため、追試受験の場合は行われません。

追試は不利なのか?ベストは本試験を受けること

共通テストを受験する多くの学生は、本試験が終わればすぐにでも二次試験(個別学力検査)対策の時間を取りたいところです。もし追試を受けることになったら、それだけで2週間のタイムロスになります。

しかし、冬はインフルエンザの流行などもあり、体調不良にならない保証はありませんし、不慮の事故や、やむを得ない事由がいつ起こらないとも限りません。万が一のときの救済措置として、追試の制度があることは覚えておきましょう。

ベストは本試験を受けることです。万全の態勢で本番に挑めるよう、健康に留意して試験を乗り切りましょう。

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