執筆:八尾直輝
「勉強のやり方」を教える塾プラスティー・塾長
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愚者は自分の経験からしか学べない、賢者はさらに歴史から学ぶと言います。経験からしか学べないのは愚かなことで、より広く先人たちの知見を取り込んでいくことは言うまでもなく重要なことです。
しかしこのことわざは、「みな経験から学ぶ」ということも示していると言えるかもしれません。さらに「経験から学ぶことは大きい」とまで拡張すると言い過ぎでしょうか。
言われたことが身につけば容易ですが、なかなかそうもいかないのが人間です。悪い習慣と知りながら、それをなかなか修正できないというのが人間の本性とも言えるのではないでしょうか。
自分で経験して、時には痛い目を見たりしながら、学んでいくというのも1つ人間の側面なのでしょう。
ではなぜ人は「言われたこと」が身につかないのでしょうか。私は小学生のとき、(控え目に言って)落ち着きのない子供でした。「廊下を走るな」と言われれば走り、「忘れものをするな」と言われ続け、結局小学校を卒業するまで、物忘れは直りませんでした。
「廊下を走るのは危険だ」「忘れ物をすると自分が困る」ことは頭では理解できていました。でも実際に廊下を走らなくなったのは、廊下で窓ガラスに激突してケガをしてからでした。試験で消しゴムを忘れて困った経験から、試験前に持ち物を確認するようになったように思います。
窓ガラスに激突しないと学べないのはさすがに「愚者」と言わざるを得ないですが、痛い目を見たり、困ったりするなかで、人は「納得感」をもって真に学ぶことができるのだと思います。
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「勉強のやり方」を教える塾プラスティー・塾長。 「できない」を「できる」に変換する独自の学習法と習慣形成の支援を行う「学習コーチ」というサービスを開発・提供。 共著には『ゲーミフィケーション勉強法』『小学生から自学力がつく』があり、雑誌『螢雪時代』への寄稿や、講演会の開催、学校・予備校・教育サービス開発に広く携わっている。
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