夏から秋にかけて、多くの大学でオープンキャンパスが開催されます。受験生にとっては、志望校を選ぶきっかけになるだけに、ぜひ参加したい催しです。でも、そこで起こりがちなのが「どんな服装で行けばいいのか」という問題。制服で行くべきなのか、制服がない学校は私服になるが、どんな格好が望ましいのか…と、頭を悩ませる受験生も多いのではないでしょうか。この記事では、オープンキャンパスの服装を決めるときのポイントや、持ち物などについて解説します。服装に迷ったときの参考にしてみてください。
制服、私服どっちが多いか?どっちでもいいのか
結論から言うと、オープンキャンパスに行くときの服装は、制服でも私服でもかまいません。
大学にもよりますが、実際のオープンキャンパスでは、制服で行く人と私服で行く人の割合はおおむね同じくらいです。
多くの大学でオープンキャンパスが行われるのは7~11月。季節で言うと夏~秋にかけての開催になるため、気候に合わせた服装を選ぶことも大切です。また、オープンキャンパスを訪れる目的によっても、服装は違ってきます。学部や学科によっては実習の体験があるので、それに合わせた服装を求められることもあります。
制服派のメリット・デメリット
制服のある高校に通う現役生は、制服で行く人も多いようです。ですがあえて私服で訪問する学生もいます。
ここでは、制服をえらぶことのメリット・デメリットをご紹介します。
制服は高校生の正装 だから間違いない?
制服は、高校生の正装です。そのため、オープンキャンパスにおいて制服の着用がNGというシーンはほとんどありません。「なにを着ていけばいいか、わからなくて不安」という人は、制服にすれば問題ないでしょう。
また夏服、冬服とスタイルが決まっているので、季節で迷うこともありません。
制服を着用しての訪問は、ある意味、現役生であることや、真面目さのアピールにもつながります。
学校の印象を代表してしまう
一方で、制服を着た生徒の態度が悪かったり、着崩したりしていると、高校のイメージを下げる可能性もあります。制服を着ていると、どの高校の生徒か一目で、あるいは調べればわかります。自分たちの受験だけでなく、来年以降に受験する後輩たちにも迷惑がかかりかねないので、制服を着てオープンキャンパスに行くなら、高校を代表するくらいの自覚をもって、着こなしや行動に気をつけましょう。
私服派のメリット・デメリット
制服のない高校や、既卒生であれば、必然的にオープンキャンパスには私服で参加することになります。
動きやすい、リラックスできる
私服の場合は、季節や目的に合わせて服装を調整しやすいのがメリットです。大学のキャンパスは広く、思ったより歩くこともあります。オープンキャンパスは夏の暑い時期に開催されることも多く、外の暑さと冷房の効いた室内の寒暖差を考えると、体温調節しやすい服装で行くほうが快適に過ごせます。また、調理や保育など、実習の体験ができる場合は、動きやすい服装で行くのがおすすめです。
悪目立ちしてしまう場合も
オープンキャンパスでは、私服の場合も落ち着いた印象になるように気をつけている人がほとんどです。派手だったり、ラフすぎたりする服装は、悪目立ちする可能性もあります。オープンキャンパスに行く目的と状況を考えて、適切な私服選びをしたいところですが、この「適切な私服とは?」で迷ってしまう人が多いようです。
制服か私服か、どっちで行くか判断するポイント
服装選びのポイントについて具体的にみていきましょう。
制服のある高校に通っていると、最終的に制服か私服か、どちらを選ぶか迷ってしまうかもしれません。どちらを着ていくべきか、判断するポイントを4つご紹介します。
推薦で受けるのか。第一志望かどうか
指定校推薦にせよ、公募推薦にせよ、「推薦」は高校を代表して受けることになります。第一志望の進学先ならとくに、個別面談や相談に参加することもあるでしょう。
参加したこと、そこでも自身をアピールしておきたいのであれば、制服があるなら制服を着用するのがおすすめです。
大学の雰囲気になじんでいろいろ見てみたいのか
ほとんどの大学では、入学後は私服で通うことになります。オープンキャンパスの日も、大学内にいる在学生は当然、私服で来ています。キャンパスでは制服は目立ちます。目立たず色々見て回りたいのであれば、私服を選ぶのも良いでしょう。
大学の雰囲気になじんで、入学後の自分の姿をイメージしやすいというメリットもあります。
大学のオープンキャンパスの様子から判断する
その大学に通っている先輩から話を聞いたり、大学の雰囲気から判断したりするのも1つの手です。大学の案内に昨年のオープンキャンパスの様子が写真付きで掲載されていることもあるので、それを参考にするのもいいでしょう。服飾系の学校では、アピールするために自分の好きな服を着ていく人もいます。
服装の押さえておきたいポイント、NGポイント
私服で行く場合の、「適切な私服」や「落ち着いた印象の服装」はどうやって選べばいいでしょうか?
これだけは避けたい、NGポイントについてもチェックしていきましょう。
オープンキャンパスの服装テーマは「学生らしさ」
オープンキャンパスに行くときは、特におしゃれをする必要はありません。
次の観点で服装を選ぶ、選んだ服装をチェックしてみるとよいでしょう。
- 清潔感があるか?…これはどんな私服であっても気をつけたいポイントですね。
- 動きやすいか?…キャンパスは広く、教室感の移動も高校までの比ではないかもしれません。
- 学生らしい…就活生ではないので、スーツである必要はありません。
- 暑さ・寒さ対策ができているか?…室内、室外の気温差が大きいことも。自分で対策しましょう。
これは避けたいNGポイント
一方で、これは避けたほうがよいというポイントは、
- 悪目立ちするほどの派手なファッション
- ラフすぎる服装
露出の大きい服装や、過度なアクセサリーといった目立ちすぎるファッション、逆にスウェット、ジャージ(体育実技などがある場合を除く)などは、オープンキャンパスでは浮いてしまう可能性があります。
おしゃれを競う場ではなく、あくまで大学進学のためのイベント。目的を考えて服装を選びましょう。
自分では良いと思うのだけれど、自信がない、という人は、大学のホームページなどで、過去のオープンキャンパスの様子を見てみたり、先輩の話を聞いてみたりしても良いでしょう。
同伴する保護者の服装は、何が正解か
オープンキャンパスに、保護者が同行するケースも良く見られます。同伴する保護者は、どのような服装で行くべきなのでしょうか。
同伴するときの母親のスタイル
子どもと一緒に学内を歩き回るので、動きやすい服装で行くのがおすすめです。足が疲れそうな高いヒールの靴は、避けたほうが無難でしょう。とはいえ、あまりカジュアルすぎる服装も避けたいので、授業参観に行く程度のきれいめカジュアルを目指しましょう。
同伴するときの父親のスタイル
父親が同伴する場合も、清潔感のあるビジネスカジュアルがおすすめです。オープンキャンパスは夏の暑い季節に開催されることも多く、スーツにネクタイ、というほどキッチリした服装で行く必要はありません。襟付きのシャツにスラックスなどにすれば間違いないでしょう。
オープンキャンパスの私服と持ち物 みんなはどうしてる?
具体的に、どのようなアイテムを選べばいいのか、よくある疑問を確認していきましょう。
トップス…TシャツはNG?
色や柄が派手すぎるものでなければ、Tシャツでも問題ありません。実際、Tシャツでオープンキャンパスに来る人も多く、浮くこともないでしょう。Tシャツの上にシャツを羽織れば、温度調節がしやすいというメリットもあります。「カジュアル過ぎるのでは?」と心配な人は、襟付きのシャツを選べばキチンとした印象になります。いずれの場合も、室内はかなりエアコンが効いている場合もあるので、カーディガンやパーカーといった羽織物を用意しておくのがおすすめです。
ボトムス…スカートかパンツか、短パンは?
女子の場合、スカートかパンツかは、どちらでもかまいませんが、実習の体験などがあるなら、動きやすいパンツのほうがいいかもしれません。いずれにしても、過度に短いミニスカートは、悪目立ちすることが多いので避けたほうがよいでしょう。素材はジーンズでも構いませんが、ダメージジーンズや過度な装飾が付いたものはカジュアルになり過ぎます。シンプルなデザインがおすすめです。
男子の場合、暑い時期は短パン派、という人も多くいます。短パンだからダメ、ということはありませんが、ラフになりすぎないよう注意しましょう。
メイクやヘアスタイル
メイクやヘアスタイルは、清潔感が第一です。
メイクは、学生なのですっぴんで構いません。でもそれだと、落ち着かない!という人は、ナチュラルメイクを心がけましょう。個別面談予定がなければ、髪色もわざわざ真っ黒にする必要はありませんが、奇抜にならないよう、悪目立ちの印象が残らないように、気をつけたいところです。
靴…普段の靴で良い、サンダルはどうなの?
オープンキャンパスでは学内をかなり歩くことになるので、履き慣れた靴やスニーカーがおすすめです。ヒールが高い靴は歩きづらく、避けたほうがいいでしょう。サンダルは失礼に当たるわけではありませんが、クロックスのようなカジュアル過ぎるものは周りから浮いてしまう可能性があります。また、体験などで靴を脱ぐ場合もあるので、サンダルを履いていくなら靴下を持参しておくと安心です。
鞄…リュックでも良いか?
鞄はリュックでもちろん構いません。オープンキャンパスでは、資料が配布されることも多く、大きめの鞄を持って行くと便利です。
持っていくと良いもの
オープンキャンパスでは、参加申し込み書(申込履歴が確認できるもの)以外の持ち物として、あっても筆記用具と履物程度の指示しかありませんが、実際に参加した先輩方が、持って行って良かった、という声のきかれるものもあります。
いくつかご紹介します。
・筆記用具
メモ帳やペンといった筆記用具は必須です。メモしたいときに机が使えるとは限らないので、立ったままでも書きやすい小型で、表紙が固めのメモ帳は便利です。
・スリッパ
大学によってはスリッパなどの室内履きが必要になることがあります。オープンキャンパスの案内や、大学HPで確認しておきましょう。
・防寒対策の服
屋内はエアコンが効いていることも多く、ストールやカーディガンといった羽織物があると調整できて便利です。
・暑さ対策グッズ
暑い季節のオープンキャンパスは、タオルや汗ふきシートなどの汗対策グッズも用意しておきたいところです。水分補給のための飲み物は、受付で配布してくれたり、キャンパス内で買えたりしますが、不安なら水筒を持っていくと良いでしょう。
・お金
交通費はもちろん、可能であれば学内で昼食を取ると、より大学の雰囲気を感じられます。必要に応じて使えるように、ある程度のお金は持っておきましょう。
落ち着いてしっかりと見てこられるように
大学のオープンキャンパスの服装は、指定されている場合や、面接などがあるケースを除くと、それほど気にする必要はありません。しかし、周りから浮いた服装で行ってしまうと、自分で気になって早く帰りたくなってしまうこともあります。せっかくのオープンキャンパスなので、しっかり見てこられるように、自分が落ち着ける服装で行くようにしましょう。