駿台OB・OGに聞く 勉強のやる気が出ない時にやる気を出す方法18選

監修者:駿台予備学校 教務課

長期にわたる受験勉強においては、ときにやる気が出なかったり、モチベーションが下がったりすることもあるかもしません。しかし、志望校合格のためには、いかにモチベーションを維持し、コツコツ勉強を続けられるかが重要です。この記事では、駿台OB・OGの実例を交えつつ、受験勉強中にやる気が出なくなってしまったときの対処法を紹介します。

目次

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やる気が出ない時もある

受験勉強は、長期的なスパンで取り組むものです。ときにはモチベーションが下がり、やる気が出なくなることもあるでしょう。しかし、自然とやる気が戻ってくるのを待っていては、どんどん勉強の計画が遅れてしまいます。まずはやる気が出ない理由を知り、どのように解決すべきかを見ていきましょう。

やる気が出ない理由とは?

やる気が出ない理由は大きく分けて2つあります。

1つは、体調が優れないときや寝不足が続いているなど、フィジカル面での問題。もう1つは、受験勉強のほかに気がかりなことがある、大学受験に対する不安が強いなど、メンタル面での問題です。

また、集中力が切れた場合や、単に気分が乗らないときもあります。

やる気がでないことが辛い、ストレスになることも

やる気が出ないときほど「もっと集中して勉強を進めなきゃ…」とむやみに焦ってしまうもの。「テスト前なのに」、「受験生なのに」と自分を追い込むことで、モチベーションが上がらないこと自体にストレスを感じてしまい、余計に勉強が手に付かなくなるパターンも多いのです。

やる気の出る言葉、名言は数多ある

有名人や漫画の台詞など、世の中にはやる気を出すための名言が残されています。こんなに多くの名言があるのは、それだけモチベーションを維持し続けることが難しいから。やる気が出ないときは、いろいろな名言を見て、自分を鼓舞してみてはいかがでしょうか。

受験生におすすめの名言をいくつかご紹介します。

「行動するヤツだけが勝つ!」(ドラゴン桜2)

東大受験をテーマにした人気漫画『ドラゴン桜2』からの名言。「東大になんのために行くの?」「東大に行く意味って何?」と疑問や不安を抱く生徒に対して、桜木が喝を入れるシーンでのひと言です。受験勉強を進めるなかで、漠然とした不安に襲われたときに思い出せば、集中力を取り戻せるかもしれません。

参照:

X ドラゴン桜2(公式)

「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」(上杉鷹山)

一度は耳に、あるいは目にしたこともあるのではないでしょうか?江戸時代の米沢藩主 上杉鷹山の言葉です。やればできるようになる。やらなければできるようにはならない。上のドラゴン桜の名言と同じく、迷った時、立ち止まりそうなときに、背中を押してくれる言葉です。

「Genius is 1% inspiration and 99% perspiration. Accordingly, a genius is often merely a talented person who has done all of his or her homework.」

誰もが知るアメリカの発明家 トーマス・エジソンの名言。「天才は1%のひらめきと99%の努力」というのは聞いたことがあるかと思いますが、続きがあって、「つまり、天才の多くは宿題を全部やりきる才能を持つ人だ」と言います。やり残していることはないか?今できることはないか?振り返り、手を付けていきましょう。たゆまぬ努力が実を結びます。

少し検索するだけで、偉人やスポーツ選手、漫画やアニメなど、数々の名言を見つけることができると思います。その中から、自分にしっくりくる名言を見つけたら、机の前に名言を書いた紙を貼ったり、スマホのロック画面や壁紙に設定したりしても良いでしょう。だらだらしそうになったり、スマホをいじりたくなったりしたときに、ふと名言が目に入るようにしておけば、自分を戒められるはずです。

ですが、モチベーションを回復する方法は、名言を見たり、貼ったりするだけではありません。次からは、実際に駿台OB・OGに聞いてみたやる気を出す方法をご紹介します。試してみて、自分に一番効く方法を探してみてください。

勉強方法を工夫する

前述したように、受験勉強は長期スパンで行うものです。そのため、「志望校に合格する」という大きなゴールを掲げているだけだと、どうしても中だるみしやすくなります。そこでおすすめなのが、短期的なゴールを設定すること。小刻みにゴールを設定し、クリアすることで、モチベーションの維持を図るのが目的です。

駿台OB・OGにも、自分なりにその日のゴールを立てて勉強を進めている人は多くいます。では、具体的にどのようなゴールを設定したのか、合格体験記の中からいくつかご紹介します。

勉強の計画を立てる

「今日は何から勉強しよう…」1日がそんな悩みから始まるのは、はっきり言って時間の無駄です。そうした時間を減らして勉強を効率化するためにも、あらかじめ勉強の計画を立てましょう。

計画を立てるコツは、ちゃんとクリアできる内容にすること。やることを盛り込みすぎた結果、クリアできなければ、かえってモチベーションの低下につながりかねません。「最低限ここまではやる」など、クリアしやすく自分に合った計画を立てるのがおすすめです。

毎月カレンダーをA4サイズで印刷して、1日1日何をやるか決めて書き込んでいました」(千葉大学 看護学部)

『最低限しないとまずいこと』と『追加で勉強したいこと』の2点を考えることで、調子に合わせて勉強量を変えつつ毎日最低限は勉強するようにしていた」(京都大学 法学部)

前日の夜に、次の日のスケジュールと優先順位を付けた『やることリスト』を作りました」(九州大学 工学部)

study plusというアプリやstudy plannerというスケジュール帳をよく使用しました」(京都大学 医学部人間健康化学科)

やったことを可視化する

どれだけ勉強をしたのか、可視化することによって達成感を得やすくなります。この「やり切った」という思いが、モチベーション維持につながるのです。駿台のOB・OGも、独自のやり方で勉強の成果を可視化しています。

問題集やテキストは進捗管理表を作っていました。(中略)完璧になった問題番号は塗り潰していくようにしていました。モチベーションも上がるのでお勧めです」(東北医科薬科大学 医学部医学科)

分からなかった単語はノートにまとめ、暇な時に眺めていました。調べた単語がびっしりと並んだノートは持っているだけで自信になる」(東京外国語大学 言語文化学部)

寝る直前に1日の復習をざっとすること」(東北医科薬科大学 医学部医学科)

毎日これはやる!を決める

「これだけはやる」という勉強を決め、ルーティン化してしまう方法です。ルーティン化すると、やる気のあるなしにかかわらず、自然と勉強へ取り組めるようになります。とくに、英単語などの暗記ものや、継続的に問題を解くことが重要になってくる数学などの教科と相性がいい方法です。

毎日英単語を100個ほどやり続けていました。連続記録は最長で162日でした。この記録を途絶えさせないぞというモチベーションが、続けられた原動力」(名古屋大学 工学部)

「英語は一日一長文欠かさずに読むことにしていました」(東京大学 文科一類)

数学はしばらくやらないと頭が鈍るので一日一問は解くようにした」(一橋大学 法学部)

電車で単語帳を少しでも見ること。一日やらないとその後もやらなくなると思ったので、1ページだけでも必ず見るようにしました」(一橋大学 法学部)

勉強する科目を変える

「なんとなくやる気が出ないな」と思ったら、勉強する科目を変えてみるのもひとつの手です。集中力が切れていると感じたら、臨機応変にスケジュールを組み替える柔軟さも必要です。また、時間帯によってやる科目を決めているという駿台OB・OGもいました。そうすることで、効率よく勉強を進められます。

1・2時間ごとに勉強する教科を変えることで気分転換」(国際医療福祉大学 医学部医学科)

頭が働きにくい朝一番には国語を、その次に頭を使う数学や物理などを勉強するというように、勉強する順番を決めていました」(東京大学 理科一類)

寝る前には英単語か日本史を覚えることなど、とにかく暗記することを欠かさず」(浜松医科大学 医学部医学科)

本番を意識して行動する

常日頃から受験本番を意識することで、ほどよい緊張感が生まれ、自身を鼓舞できるという声もありました。また、長時間かけて生活リズムや勉強の環境を整えることによって、本番を迎えたときに必要以上に緊張しなくて済むメリットもあります。

毎日、受験当日に起きる予定の時間に起きて勉強を始めることを続けました。特別なことがない限り生活リズムを変えない」(奈良県立医科大学 医学部医学科)

数学・理科など計算を伴う科目は、罫線が入ってない真っ白なノートに問題演習をしていました。本番の試験の答案用紙も真っ白だからです」(慶應義塾大学 理工学部)

音読を活用

音読勉強法は、ただ単に文字を目で追うだけよりも記憶力がアップすると言われています。英単語や社会、理科の単語を覚えるときは、音読勉強法を取り入れることで、効率よく勉強を進められます。すき間時間を活用して音読すると、さらに効率がアップします。いつもと違うやり方にすることで、気持ちの切り替えができるかもしれません。

お手洗いやお風呂に教科書のコピーを貼って音読しました」(一橋大学 社会学部)

中途半端にしない

勉強中に、「ちょっと休憩したい…」といった誘惑に襲われることもあるのではないでしょうか。でも、そこで負けてしまうと、休み癖がついてしまう恐れもあります。「いま手をつけている演習や過去問を、最後までやりきってから休憩する」のように、自分なりのルールを設け、自分に負けないように工夫してみましょう。

やらないと決めていたことは演習を中途半端なところで終わらせないこと」(横浜国立大学 理工学部)

環境を整える

駿台OB・OGの多くは、集中力を阻害する要素を自分で突き止め対処することで、勉強に集中できる環境を作っています。集中力を阻害する要素として、もっとも多く挙げられるのが「スマホ」です。強力な誘惑をどのようにして断ち切っているのか、実例を見ていきましょう。

そもそもスマホを切り離す

「近くにあるから触りたくなる。だったらスマホ自体を手元から遠ざけよう」という方法です。駿台OB・OGの中には、場所や時間を決めてスマホを遠ざけている方が多く見られました。

絶対にスマホを家に置いて学校と塾に行くようにしていました」(大阪公立大学 現代システム科学域)

スマホを触らないように日中はクローゼットに封印していました」(早稲田大学 政治経済学部)

スマホの使い方を制限する

「スマホを使わない」と、気持ちだけで我慢するのは難しい人もいます。その場合は、アプリによる時間管理や、使用した時間を可視化できるツールを活用するのがおすすめです。

高3になってからは、LINE以外でスマホを触りませんでした」(奈良県立医科大学 医学部医学科)

スマホの接触時間が分かるスクリーンタイムという機能の画面を友達とLINEで送り合い、互いに切磋琢磨」(関西学院大学 教育学部)

SNSはやめ、動画視聴は時間を制限。スマホに費やしている時間を極限まで減らした」(浜松医科大学 医学部)

スマホ内のアプリは必要最小限にとどめて、ゲームなどは全て削除していました」(大阪大学 基礎工学部)

勉強する環境を変える

自宅で勉強をしていると、周りの目がないのでどうにも自制心がはたらかない。そんな人に効果的なのが、勉強する場所を変える方法です。多くの駿台OB・OGも、自宅以外の勉強の場として自習室を利用しています。

高1から高3まで、どんなに面倒でも駿台が閉まっていると言う理由以外で自習室にいかない日を作らないようにした。駿台にスマホもiPadも持ち込まなかった」(東京慈恵会医科大学 医学部)

朝から閉館の時間まで駿台で勉強する。そして、家に帰ったら思いっきり休む」(京都府立医科大学 医学部医学科)

メリハリをつけるために、学校や駿台の自習室以外の場所(家やカフェ)では勉強しないと決めていました」(上智大学 法学部)

文房具で気分を変える

気持ちのオン・オフを切り替えるのに、手近なアイテムを使うのも有効な手段です。勉強中に使う文房具にこだわり、モチベーションを維持する駿台OB・OGもいました。

教科によってシャーペンを変えたり、その教科で独特の何かをすると、やる気が出たりその教科の脳になったりできるのでおすすめ」(神戸大学 海洋政策学部)

文房具を買うとモチベーションが上がりましたのでオススメです」(東京理科大学 理学部第一部)

集中できる音楽、気分の上がる曲を聴く

勉強をしている最中は、集中の妨げになるから音楽を聴かない人がいる一方、好きな音楽を聴いてストレス発散している人もいるようです。音楽が好きであれば、時と場所を選んで気分の盛り上がる曲を聴き、モチベーションアップにつなげてみてはいかがでしょうか。

演習や読解問題以外では、集中音楽や元気が出る音楽を聴きながら学習に取り組みました」(大阪大学 医学部保健学科)

好きな音楽をちょっとだけ聴いたりして、意識的に休憩するようにしていました」(名古屋大学 医学部)

気分転換法を見つける

やる気が出ないまま、注意力が散漫な状態でダラダラと勉強を続けても、知識は定着しません。時間は有限であるだけに、無駄な時間を過ごすより、意図的に休息をとって勉強の効率化を図りましょう。

駿台OB・OGが実践していた気分転換方法をいくつかご紹介するので、自分なりの方法を見つけてみてください。

身体を動かす

ずっと座りっぱなしで勉強を続けているなと思ったら、少し散歩をしてみたり、ストレッチをしたりしてみましょう。勉強の合間に適度な運動をはさむことで気晴らしになるのはもちろんですが、本番に向けた体力づくりにもつながります。

集中力が欠け始めたら、机から離れて散歩などして気分転換」(九州大学 工学部)

散歩をしたり趣味のダンスをしたりと、運動をおこたらないようにしていた」(法政大学 法学部)

仮眠をとる

問題を解きながらうとうとしてしまったら、いっそのこと仮眠をとってしまいましょう。数十分の仮眠をとるだけで、脳がシャキッとして集中力が戻ります。ただし、何時間も寝てしまわないよう、タイマーの設定を忘れずに。

勉強の合間で集中力が落ちてきたと感じたら、10分程度の睡眠を挟んで、できるだけいつも頭がクリアな状態で勉強に臨みました」(名古屋大学 理学部)

昼ご飯を食べた後に眠かったら必ず1時間とか30分でもいいから昼寝」(一橋大学 商学部)

家のゲーミングチェアに座って勉強していたため、集中が切れた時にすぐ仮眠をとれるようにしていた」(京都大学 工学部)

友達との時間を持つ

長い受験勉強を乗り切れたのは友達の存在が大きかったと、多くの駿台OB・OGは語っています。

努力をおこたらない友人の姿勢に鼓舞される場合もあれば、何気ない会話やコミュニケーションを取ることで気分転換になる場合もあります。いずれにせよ、同じ目標に向かって励む友達の存在は、受験勉強という孤独な戦いを続けるうえで、心強い味方になるでしょう。

友達と一緒に学校で勉強することで乗り越えることができました」(広島大学 医学部医学科)

モチベーションは、友人と一緒に勉強することで維持」(慶應義塾大学 法学部)

授業で友達と会って話したりすることが良い気分転換」(北海道大学 医学部医学科)

自分へのご褒美も用意する

報酬があれば努力できるタイプもいます。たまには目の前にご褒美をぶら下げてやる気アップを図るのも良いでしょう。

たまに自分へのご褒美でおいしいものを買っていた」(東京農工大学 工学部)

我慢ばかりでは気持ちがもたないので、毎日20分ほどはYouTubeを見る」(京都大学 医学部医学科)

逆にやらない!と決めることも大切

ここまではやると良いこと、やるべきことを紹介してきました。しかし、モチベーションをアップするためには、「〇〇をやらない」と決める方法もあります。合格者の多くが、受験勉強中に「睡眠時間を削る」、「人と比べる」の2つを避けていることがわかっています。

睡眠時間を削らない

やるべき勉強の範囲が多いと、睡眠時間を削って勉強に充てる時間を捻出する人も少なくありません。でも、睡眠時間を削ると、結果的に集中が途切れやすくなり、効率が落ちてしまいます

駿台OB・OGも、「何時までには絶対に寝る」、「〇時間は寝る」と決めて、しっかり睡眠をとっている人が多いです。勉強時間が足りないと感じているのであれば、睡眠時間を削るのではなく、移動時間やお風呂タイムなどの隙間時間を活用しましょう。

就寝時間は一貫して0時半頃と決めていたので、入試間近でも睡眠時間は特に変えていません」(名古屋大学 医学部)

英単語はほぼ毎日やりました。暗記物は隙間時間に、実際の演習等は机に向かってどっしりやる」(慶應義塾大学 理工学部)

人と比べない

模擬試験の結果が良くなかったり、思うように演習問題が解けなかったりすると、「どうして自分はうまくできないんだろう…」と周囲の人と比べてしまいがちです。しかし、間違えないでほしいのは、受験とは“自分自身の戦い”であること。比較するべきは他人ではなく、自分だと心得ましょう。

受験勉強中やらなかったことは、人と比べることです。私は良くも悪くも人と比べて焦ってしまうので、人の点数や学習状況を聞かないようにしていました」(名古屋大学 工学部)

自分を信じて、信じられる自分をめざして

ほとんどの受験生は、大学受験に対して漠然とした不安を抱えるものです。もし不安が頭をもたげたときは、「自分はこれまでこんなにも努力してきたんだ」ということを思い出してください。きっと、今まで積み重ねてきた努力が自信をくれるはずです。

長期スパンで勉強を続けるためにも、自分なりのモチベーションアップの方法を見つけておきたいところです。先輩のやり方も参考にしながら、自分に合った方法で努力を積み重ねましょう。

迷ったときは、志望校に合格した人の、やってきたことを参考に、自分がこれならできる、これをやってみようというものを見つけてみてください。

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