面接や筆記試験の服装や身だしなみは受験のコンディションに影響を与えます。服や持ち物選びに悩んで事前の準備に時間を割かれたり、服装のために本番の試験で集中できなかったりしたら大変です。服装選びのポイントは「面接官や試験官に与える印象」と「受験しやすさ」です。余裕をもって準備をして、スッキリした気持ちで当日の試験に臨みましょう。
入試における服装はどう決める?
入試において服装に気を付けたいのは、出願書類(受験票)として提出する顔写真、面接試験、筆記試験の3つの場面です。
入試は、大学は入学者を選抜する、受験生は進路を決めるという公的な場であることを意識しましょう。
さらに、受験生は選ばれる立場ですから、自分の都合や好みだけではなく、身だしなみを整え、学生らしい清潔感のある服装を心がけましょう。
国公立大学と私立大学、志望校によって服装に違いはある?
志望校を問わず、基本的に制服か私服かは自由です。志望校による服装の傾向は一概には言えませんが、一般選抜では、既卒生が多い大学は私服の割合が高いようです。また、大学の所在地(地方か都市部か)などによっても違いが見られることがあります。
制服と私服 それぞれの割合は?
入試の服装は、選抜方法によって対応が変わります。一般選抜(筆記試験のみ)は私服が多いです。
それに比べて、面接試験が行われる総合型選抜、学校推薦型選抜では、制服で臨む受験生の割合が高くなる傾向があるようです。
面接試験では服装や身だしなみが面接官の印象に影響を与えますので、筆記試験以上に注意が必要です。
顔写真、証明写真を撮る時の服装は?
出願書類(受験票)は、公的な書類です。大学によっては、出願時に提出した顔写真が、学生証に使用される場合もあります。プライベートな印象の顔写真は避けましょう。
顔写真を準備する、証明写真を撮る時の注意点
- 受験時に「本人確認」のために使用されます。眼鏡の有無や頭髪の色など、受験時と同じ状態で撮影しましょう。
- 一般選抜の場合でも、面接を想定した服装(制服やフォーマルな私服)が基本です。
- 顔がはっきりわかることが重要です。明るめの写真を選びましょう。
- 学生募集要項に顔写真の注意点(特にインターネット出願の場合)が掲載されている大学がありますので、撮影前に確認しましょう。
- 出願締切直前になってから慌ててスマートフォンで撮影するのは避けましょう。写真店か証明写真機を利用して、印象の良い顔写真を用意してください。
共通テスト、個別試験(二次試験)当日の服装は?

面接を伴わない筆記試験では、基本的に服装による評価はありません。私服で臨む受験生も多くいます。
ポイントは、リラックスして試験に集中できる服装であることと、不正行為の誤解を受けない服装であることです。
筆記試験の服装の注意点
- 着慣れている服装を選びましょう。必ずしも制服である必要はありません。
- ただし、あまりに奇抜なものやカジュアル過ぎるもの(スウェットなどの部屋着)は避けましょう。周りの人の視線を気にすることなく、また周りの人の集中を乱すことのない落ち着いた服装が望ましいです。
- 冬の試験では、エアコンの状態や座席位置によって暑かったり寒かったりすることがあります。セーターやカーディガンなど、室温に合わせて着たり脱いだりできるものを用意すると安心です。
- ひざ掛け、クッション等を使う場合は、試験官の許可が必要と考えましょう。また、コートやマフラーなどを着用する場合にも、試験官に声をかけておきましょう。事前に受験案内などを確認しておいてください。
- 試験内容に関係するデザインの服装は避けましょう。注意を受けたり、脱ぐように指示される場合があります。
NG例:英文字(ロゴを含む)、地図、難読漢字、格言、数式など
総合型選抜や学校推薦型選抜など、面接試験の服装のポイント

筆記試験とは異なり、面接試験では、服装や身だしなみが評価の対象になるという気持ちで、十分にチェックして臨みましょう。印象が良いと面接がよりスムーズに進行します。
心がけたいのは、学生らしさ、清潔感を意識した服装です。
高校生(制服あり)の場合
制服のある高校なら、制服で受験することが望ましいでしょう。
現役生中心の総合型選抜や学校推薦型選抜では、皆さんの印象が高校に対するイメージも左右します。
後輩のためにも「高校を代表して受験する!」という気概をもって取り組んでください。
制服がない場合や既卒生の場合
私服で受験する場合にも、制服に準ずるフォーマルな服装を心がけましょう。やはり、清潔感がポイントです。
ジャケット(上着)、襟付きのシャツを着用するのが基本です。Tシャツやジーパンなど、カジュアルな服装は避けましょう。
<男子>
- ワイシャツやズボンなどのプレスを忘れずに。
- ネクタイは必須ではないが、スーツの場合は着用したほうが自然。無地やストライプ柄が無難。結び方に慣れていなければ、当日慌てないように練習しておく。
- 髪はスタイリング剤で固め過ぎない、自然に見える仕上がりに。理容店で整髪しておくのがおすすめ。
<女子>
- スカートはひざ丈くらいの長さのもので、高校の規定があれば従う。パンツ(ズボン)スタイルも可。
- ストッキングはベージュ系の自然な色を。予備を持っていく。
- 表情が暗くならないように、前髪を上げる。後ろは髪が長い人はゴムなどでまとめる。
- メイクや髪型は派手なスタイルは避ける。ナチュラルスタイルで。
- ネイルやアクセサリーは避けたほうが無難。
面接試験では、受け答えの態度や立ち居振る舞いも重要です。
面接の流れやマナーは以下の記事も参考にしてください。
試験日当日の持ち物は? チェックリストを作っておこう
本番の試験では、焦ることなく、これまでの勉強の成果を余すことなく発揮したいものです。そのためにも、準備を万全にして、試験に集中できる態勢を整えましょう。
まずは、受験票や受験案内に書かれている注意をもれなく確認することが出発点です。
持ち物チェックリスト
持ち物をリストアップして確認すると安心です。
●忘れてはいけない必須アイテム例
受験票 | 生徒手帳(身分証) | 筆記用具(予備も用意する) |
時計(辞書・電卓・端末等の機能のないもの) | 昼食 | 現金・交通系ICカード(交通障害時のタクシー利用も想定して多めの金額を) |
スマートフォン(試験中は使用不可) | ハンカチ・ティッシュ | そのほか、持ち込み許可の場合の辞書など |
●あると便利なアイテム例
参考書・ノート(かさばらないもの。気分的に負担にならないもの) | 携帯用カイロやひざ掛け (ひざ掛けは試験官の許可が必要な場合あり) | セーターやカーディガンなど着たり脱いだりが容易なもの |
鉛筆削り(電動式や大型のものは不可) | マスク(現在は着用義務不要が多い) | そのほか、軽食や水筒、常備薬など |
カバン・靴の選び方
- 筆記試験はカバンかリュックかはどちらでも可。A4サイズの書類が入るものを。書類が折れ曲がらないようクリアファイルを持参すると便利。
- 面接試験は、高校指定のバックやスクールバックを利用すると良い。
- 靴は履き慣れたものを。面接の場合は、服装と合わせて選ぶ。派手過ぎるものや汚れが目立つものは避ける。降雪や荒天時は長靴・ブーツと靴を履き替えると安全や保温の対策に。
宿泊して受験する場合
- 忘れたものや不足しているものに気づいたら、コンビニ等を利用して早めに用意。
- 試験当日に着る服装は、しわにならないように、持ち運びや保管に注意。
- 大きな荷物はコインロッカーなどを利用して、負担にならないように。
大切なのは事前に準備をしておくこと
本番の試験当日の服装は前もって決めておくことで気持ちにゆとりができます。そのためには、オープンキャンパスに参加したり、高校の先生や先輩から情報を収集したりすることが役立ちます。
オープンキャンパスに参加する場合の服装も、制服・私服のどちらでもかまいません。面接試験とは異なり多少カジュアルな服装でも良いでしょう。ただし、夏に参加する場合には、短パン・サンダルなどの軽装や露出の多い服装は避けましょう。
キャンパスの学生を観察することで、大学生らしい服装がイメージしやすくなるでしょう。少し背伸びして、大学生になった自分を思い浮かべてみてください。
服装や身だしなみには、自信があらわれます。これまでの努力に自信をもって、自分をアピールする場にふさわしい服装で試験に臨みましょう。持ち物や試験会場・時間割など、小さな確認を怠らず、ベストのコンディションで本番の試験を迎えてください。