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宅浪(自宅浪人)は成功しない? メリット・デメリットと必勝法

監修者:駿台予備学校 教務課

大学受験において、浪人生が予備校へ通わず、自宅で勉強することを「宅浪」と言います。いざ浪人となったときに、予備校に通うのか、宅浪をするのかは迷うところです。この記事では宅浪のメリットやデメリット、成功するためのポイントなどを解説していきます。

目次

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宅浪とは、浪人生が自学自習で志望校合格を目指すこと

高校3年の受験期に、残念ながら志望する大学に合格できず、次年度の入試に向けて再び受験勉強に取り組む1年を送る浪人生。その中でも、予備校や塾などへ通わず、基本的に自宅での自習で浪人生活を送ることを「宅浪」といいます。
いずれにしても、「絶対に東大や京大に入りたい」「早稲田大や慶應大への憧れが人並み以上にある」「何が何でも医学部に進みたい」といった強い意志・自律心と、自分を冷静に客観視した上での学習計画・管理が合格のためには必要です。

東大や京大、早稲田大、慶應大、医学部などトップ校を目指す人に多い

宅浪は、強い意志を持って効率よく行うことで、大きな成果を得られるのが特徴です。そのため、東大や京大、早稲田大、慶應大、医学部など、トップ校を目指す人に宅浪が多い傾向にあります。

宅浪するメリット

宅浪には、どんなメリットがあるのでしょうか? 具体的に、4つほど例を挙げます。

費用が抑えられる

予備校や塾に通うとなると、入学金や、授業料などがかかります。宅浪なら、こうした費用はかかりません。宅浪でも参考書や問題集、模試などの費用はかかりますが、授業料に比べれば、安く抑えることはできるでしょう。

マイペース、自由に勉強を進められる

宅浪の大きなメリットの1つが、自分のペースで自由に勉強を進められることです。予備校を利用する場合は、決められたカリキュラムに沿って勉強することになります。しかし、得意科目や苦手科目、時間をかけたい科目がはっきりわかっていれば、宅浪のほうが集中して苦手科目の勉強をして成績を上げられるかもしれません。

自律した生活を送れるようになる

予備校に頼らず宅浪を選ぶ場合は、どんな勉強が必要か自分で判断し、自分で学ばねばなりません。人にやらされるのではなく、自分で決めたことをやり続けるのは強い意思が必要で、自立・自律力が磨かれるでしょう。

志望校がブレない

宅浪をしていると、人と話したりアドバイスを受けたりする機会は少なくなります。それはデメリットにも感じられますが、一方で周りの意見が耳に入らなければ、目標がブレることはないかもしれません。

デメリットは?やめとけ、と言われる理由は?

一方で実際に宅浪をしようとすると、周りから「やめとけ」と言われることも多いようです。どんなデメリットがあるか、具体的に解説します。

わからない問題をどうするか?

自宅で問題集や参考書を使って勉強していても、理解できないところはどうしても出てきます。予備校なら講師に質問できますが、宅浪では質問できる人がいません。そうなると、わからないまま進めることになったり、理解するのに時間がかかったりします。わからない問題が出てきたときに、頼れるところや人を見つけておくことは、宅浪するうえでポイントになるでしょう。

自分で全て進めなければならない

予備校には、大学の入試情報や出題傾向など、受験に関する情報もそろっています。宅浪は、そういった情報もすべて自分で集めなければならず、その労力や情報が手に入る時間の遅さなども大きなデメリットになると言えるでしょう。

孤独、メンタルがきつい時も自分で乗り切る必要がある

受験勉強をしていると、思うように成績が上がらなかったり、合否のプレッシャーから精神的に辛くなったりすることもあります。宅浪では、現役生や予備校生のように日々、顔を合わせる仲間がおらず、メンタル的にきついときに励まし合うこともできません。受験勉強に加えて、メンタルケアも自力で行わなければならないのです。

宅浪の成功率はどのくらい?

宅浪で志望校に合格するのは非常に難しく、宅浪で志望校に合格する「成功率」は、実際のところ一般的には高くありません。費用面の負担が小さいことから、浪人することに慣れてしまい、何年も浪人する「多浪」になりやすいのも宅浪の特徴です。

宅浪を成功させるためのポイント

それでは、宅浪を成功させるにはどうすれば良いのでしょうか? ここからは、そのポイントを具体的に解説していきます。

絶対に志望校に合格するという強い意志

宅浪では、学校や予備校が用意するカリキュラムもなく、ライバルの姿も目に入りません。そのため、モチベーションを維持するのが難しく、勉強をサボってだらけた生活になりやすいようです。そうならないためにも、「絶対に今年志望校に合格する」という強い意志を持ち続ける必要があります。

規則正しい生活を送るスケジュール管理 一日のスケジュール例

上述のとおり、ついだらけがちな宅浪では、スケジュール管理がカギとなります。まずは、入試までの期間を逆算して学習計画を立てましょう。

入試の本番が2月なら、10月からは過去問の演習を中心に志望校対策を行うとして、それまでに入試範囲のおさらいをしつつ、苦手科目をつぶすといった基礎固めをしておく必要があります。浪人生には、受験範囲の授業を受け終わっているという強みがあります。4月から、すぐに苦手な部分に重点的に取り組むことができ、年間のスケジュールを立てやすいです。

年間を通じた大きな予定とは別に、短期的で具体的な目標を立てることも大切です。参考書や問題集を用意し、項目ごとにいつまでに終わらせるか予定を立てておきましょう。やるべきことを事前に決めることで、迷いなく取り組めます。また、ひとつひとつ終わらせていけば達成感が積み重なり、モチベーションの維持にも役立ちます。

上記の長期、短期目標の目標立てと並行して、下記の例のように一日のスケジュールも組みましょう。

●スケジュール例

7:00

起床

8:00~12:00

自宅学習(地歴公民と英語や古文の単語などの暗記)

12:00

昼食

14:00~18:00

図書館で勉強(数学演習や国語の読解)

18:30

帰宅・夕食

20:00~22:00

自宅学習(英語の文法と長文読解)

23:00

就寝

勉強する時間を決めておくことで、習慣化してスムーズに勉強に取り掛りやすくなります。もちろん、どの時間にどの科目をやるのかは、自分の学習状況によって細かく変えられます。そういった自由度の高さこそ、宅浪のメリットと言えるでしょう。

とはいえ、何時間も続けて勉強するのは効率がよくありません。適度に休憩時間も予定に組み込んでおきましょう。

ライバルや受験する仲間、バイトでもいい、他者との接点を持つ

他人の目がない宅浪は、集中して勉強に取り組める一方、なまけやすくもあります。意識して他者との接点を持ち、手を抜けない環境を作りましょう。

友人に同じ浪人生がいるなら定期的に連絡を取り、一緒に勉強したり情報交換したりするのもいいでしょう。アルバイトも週に数回、数時間程度であれば気分転換にもなるでしょう。

受験生たちのフォーラムなど、SNSをうまく利用すれば、ライバルの存在を感じられます。スマホに夢中にならない程度に調整しつつ、モチベーションの維持に役立てましょう。

志望大学の入試情報は細かくチェックする

大学入試は毎年行われていますが、その内容は常に同じではありません。特に最近は、2025年の大学入試共通テストの変更や、大学ごとに共通テストを取り入れるか否かなど、入試システムそのものが変わることもあります。もちろん試験の内容も、知識を問うものから思考力を求めるものへと、徐々に変化しています。

そのため、大学入試で最高のポテンシャルを発揮するには、できるだけ早く志望大学の入試情報を入手して、それに合わせて対策する必要があります。宅浪は、予備校生よりも情報収集でハンデを負うので、意識的に情報を集めましょう。

模試で自分の立ち位置を確認する

浪人生のスタート時点は、「志望校への合格に必要な学力が足りなかった」状態です。そこから志望校合格を勝ち取るには、自分の学力がそれに足りているかを確認する必要があります。いくら勉強を頑張っていても、実際は自己満足に終わり、学力が上がっていないケースもあるからです。

自分の立ち位置を確認するときに、指標として役立つのが「模試」です。駿台予備学校でも、すべての受験生を対象にした全国模試のほか、共通テストをイメージした模試や、大学別の実戦模試などを定期的に実施しています。共通テスト模試と大学別の模試を組み合わせたドッキング判定も行っているので、実力を確認する試験としても最適です。これらの模試は、予備校生以外の個人でも申込可能なので、宅浪だからこそ積極的に受けて、きちんと学力の伸びを確認しましょう。

【駿台模試】について、くわしくはこちら

不安があるなら予備校という選択肢も

ここまで宅浪のメリット、デメリットを解説してきましたが、少しでも不安が残るなら、予備校へ通うことを検討するのも1つの手です。予備校には、秋から入学する後期入学もあるので、宅浪で様子を見てから予備校に通うという選択肢もあります。

自宅近くに予備校がない、通う時間がもったいない

宅浪と違って、予備校は通わなければならず、通学時間がネックだと考えるのであれば、オンライン授業を利用する方法もあります。たとえば、駿台のオンライン授業対応コースは、駿台講師陣の授業がライブ配信され、自宅で受講でき、「クラス担任」による学習相談などのサポートも受けられます。自宅にいながら規則正しく、カリキュラムに沿った授業を受けられ、宅浪の不安を解消できるカリキュラムです。

【オンライン授業対応コース】について、くわしくはこちら

経済的に厳しい

経済的な理由で予備校の利用をためらっているのなら、住んでいる地域に補助金や助成金の制度がないか確認してみましょう。自治体・地域によっては、予備校の費用に助成金が利用できる場合もあります。また、秋からの受講にすれば、年間の受講よりも費用は抑えられます。夏期講習や冬期講習のみの受講も可能です。

【各種講習会】について、くわしくはこちら

受験は通過点であることを忘れない

前述のとおり、宅浪は費用面の負担が少ないだけに、多浪になりやすい傾向にあります。「今度こそ受からなければ」というプレッシャーがない分、受験を繰り返し、そのうちに受験そのものが目的のようになる危険性もあるのです。受験はあくまで大学に入学するためのもので、人生における通過点の1つに過ぎません。大切なのは、大学で何を学び、社会でどう生きていくかです。

予備校には、模試や夏期・冬期講習、秋からの後期入学など、宅浪でも利用できるものがあります。駿台予備学校は、志望校に合わせたカリキュラムを用意し、経験豊富な講師陣が一人ひとりをサポートします。独学での勉強で不安や行き詰まりを感じたら、ぜひご相談ください。

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