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大学の学部、学科の選び方 5stepで見える選択肢

監修者:駿台予備学校 教務課

大学でどんな勉強をするのかは、学部で大きく違ってきます。そのため、実は大学選びよりも大切なのが、学部・学科の選び方です。この記事では、5つのステップで、学部・学科の選び方を解説します。どの学部を選べば良いかわからない、まだ迷っている人は参考にしてみてください。

目次

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行きたい学部、学科がわからない、決められない

全国には、さまざまな大学があります。文部科学省の学校基本調査によると、令和4年度の大学数は807校。学部数となると、全国で合計2676学部となります。さらに各学部にはそれぞれ複数の学科や専攻があり、膨大な数の選択肢の中から、自分が目指すべき場所を決めるのはなかなか難しいものです。

大学のみならず、学部・学科の選択は、4年間の大学生活に加え、その後の人生の選択にもつながります。本当にそれで良いのか迷うのも当然のことですが、「将来どうなりたいのか」「自分が興味のある学問は何なのか」を突き詰めれば、おのずと進むべき道は見えてくるのではないでしょうか。
実はもうあなたの中で答えは決まっていて、それに気づくだけなのかもしれません。

昔とは違う、文系・理系に分類できない学部、学科も

中学や高校に進学するときは、保護者の意見を参考にして進学先を選んだ人も多いのではないでしょうか。しかし、大学には最近は新しく創設された専門性の高い学部・学科も増えていて、まだ十分に認知されていない可能性もあります。

文系・理系どちらかに分けられない学部も

昔はどの学部も文系・理系のどちらかに分けられましたが、最近ではどちらとも言えない、複合的な学びができる学部も増えています。

たとえば、企業や地域社会の中で、モチベーションを高めるための実戦的な心理学を学ぶ東京未来大学のモチベーション行動科学部。危機管理に関する知識と技能を身につける、千葉科学大学の危機管理学部。プロのマンガ家から画力や構成力、ストーリー・キャラクターのつくり方などを学べる京都精華大学のマンガ学部など。これらの学部では、受験科目も、理系・文系両方の生徒が受けられる選択方式をとっています。

テーマに基づいた複合的な学びができる新しい学部も

従来の学部は文学部や、工学部など、名前を聞いただけで大まかな研究内容がわかるものがほとんどでした。しかし、最近では、創生学部、環境情報学部、ホスピタリティ・ツーリズム学部、ヒューマン学部など、テーマに基づいた複合的な学びを進める学部もあります。

従来の学部名にしか馴染みのない保護者からすると、子供がこういった学部に進学を希望したら心配になるかもしれません。しかし、こうした新しい学部は、特化した専門領域を持つことが多く、それが自分のやりたいことに合っていれば、志望校の有力な候補になり得ます。そのため、学部選びは保護者の意見は参考にしつつも、自分で調べて決めることが大切なのです。

大学の学部学科選び 5Step

それでは、実際に学部学科を選ぶ方法を、5Stepでご紹介します。

現在の学部の全体分類

まず、現在の学部の全体分類をざっくりと把握しておきましょう。

学問の領域

学問はいくつかのフィールドに分けられますが、必ずしも明確に分類されるわけではありません。全体のなかの、どのあたりにどんな学部があるかを把握したうえで、5つのStepで自分の志向と重ねていきます。

Step1 自分を振り返る

  • 学びたいものはあるか?
  • 興味や関心のあるものは何か?
  • 将来付きたい職業はあるか?

と、まずは、自分自身を振り返ってみましょう。すべてに必ずしもはっきりとした答えを出す必要はなく、ぼんやりとしたイメージだけでもあれば、それは学部選びのヒントになります。

具体的になりたい職業や、就きたい仕事があるなら、そのために必要な資格や、どこでその資格が取れるのかを調べてみましょう。資格が必要ない職業でも、その仕事につながりそうな学部はどこか考えてみてください。

Step2 興味のある分野、学部をピックアップ

学問の分野は、上記の表にあるように、「主に『人、文化』を中心にしたアプローチ」「主に『世の中』(社会)を中心にしたアプローチ」「主に『サイエンス』(自然科学)を中心としたアプローチ」の3つに分けられます。さらに、それらを複合したものや、それまでになかった学問をする、「新領域」とされる分野もあります。
大まかに分けられた分野において、自分の興味があるのはどこなのかを考え、気になる学部をピックアップしてみましょう。

Step3 学部に属する学科、ゼミを調べてみる

同じ名称の学部でも、大学によって設置されている学科は異なります。また、学科やゼミによっても学ぶ内容は変わります。同じ心理学科でも、文学部の心理学科と人文学部の心理学科では、学ぶ内容が違うこともあるのです。また、同じような内容を学ぶ学科でも、大学によって名称が異なる場合もあります。

自分の興味のあることが学べるのはどこなのか、学部だけでなく学科やゼミの内容まで調べておきましょう。

Step4 公式HPやパンフレットをチェック

自分の興味に合致しそうなところが見つかったら、その学部・学科がある大学の公式HPやパンフレットをチェックしましょう。同じ学部や学科でも、大学によって学生数やカリキュラムポリシー(教育課程編成方針)は異なります。大学の公式HPで公開されているこれらの情報を比較して、自分に合いそうか、希望の条件を満たしているかなどを検討します。

Step5 オープンキャンパスで実際に見てみる

オープンキャンパスは、大学の雰囲気を肌で感じるチャンス。学ぶ内容やカリキュラムなどが気に入っても、実際に行ってみると雰囲気が合わないケースもあるものです。受験を突破して入学したあと、その大学で過ごす自分がイメージできるか、オープンキャンパスに行って考えてみましょう。

学部、学科が決まれば、志望大学も必然的に決まる

自分が学びたいことが具体的になると、学部や学科も定まってきます。そうすると、その学部や学科を設置している大学という視点で検討できるようになります。さらに、学校の雰囲気もしっくりきて、地理的に進学可能、受験も突破できそうとなると、おのずと志望校も決まってくるのではないでしょうか。

大学の選び方については、以下の記事も参照してください。

大学受験 志望校の決め方 決められない人向け7つの選び方

主な学部と学べること

ここからは、多くの大学に設置されている主な学部・学科や、そこで学べることについて解説します。

主に社会を中心としたアプローチ 法、経済、経営、商、政治、社会

主に社会を中心としたアプローチをする学問としては、法学部や経済学部などがあります。

法学部

商法や刑法などさまざまな法律を学び、どのように解釈されているか、既存の法律が現在の社会に適応しているかなどを考える学問です。弁護士や検事になるために、司法試験を受ける人の多くは、この法学部に進学します。一般企業へ就職したり、公務員になったりする人も多いです。

経済学部

人やモノ、お金の動きを分析する学問です。消費者の購買行動や、企業が利益を得ること、政府の景気対策など、さまざまな経済活動を理論面や実際の事象から研究していきます。経済学の中でも環境経済学や、財政学などに細分化しています。

経営学部

企業における経営管理について学ぶ学問です。企業内での人・設備の運用法や資金管理など、経営に関する基本に加え、簿記や会計、経済学なども学びます。大学によっては、経済学部経営学科として設置されていることもあります。

商学部

企業内での資源や資金の動きを分析する経営学部に対して、商学部では商品を軸に、企業と消費者の経済活動を研究します。また、経済学よりも実践的な経済活動が対象です。

政治学

政治の動きや仕組みや、より良い生活のための政治のあり方などを幅広く学ぶ学問です。「政治学部」を設置している大学はあまりなく、法学部政治学科や、経済学部政治経済学科のように、学科として設置されている大学が多いです。

社会学部

人々の社会的な営みや、コミュニケーションを分析して、社会の仕組みを研究する学問です。研究対象となる分野が幅広く、家族社会学や宗教社会学など、細分化されます。フィールドワークを通して、調査・研究することが多くなります。

主に「人・文化」を中心にしたアプローチ 文、外国語、教養、教育、家政、芸術

人や文化を中心にアプローチする学部としては、文学部や外国語学部などがあります。

文学部

文学部では、日本文学や英文学など、文学の研究のほか、歴史や思想など、人間の文化活動全般について学びます。人間の行動を学ぶという点で、心理学科も文学部に設置されているところが多いようです。

外国語学部

その名の通り、外国語を学ぶ学部です。英語やフランス語、ドイツ語は、ほかの学部でも第一、第二外国語として習いますが、外国語学部では、そのほかにもロシア語やスペイン語など、幅広い言語の学科が設けられています。語学の習得だけでなく、国や地域の文化や歴史も同時に学んでいきます。

教養学部

教養学部では、学部の枠にとらわれない幅広い知識を学びます。特定の分野に偏らない視点を持つことで、総合的なものの見方・考え方や、柔軟な思考力を身につけていきます。

教育学部

教育学部では、教育学を学ぶコースと、教員になるための養成コースがある大学が多いようです。教育学部では、幼稚園・小学校・中学校・高校の教員免許の取得が可能。なかでも小学校の教諭免許として一般的な一種免許は、4年制の教育学部を出ないと取れません。そのため、小学校の先生になりたい人は、教育学部への進学が一般的です。

家政学部

家庭における衣・食・住について分析・研究する学部です。学科によって、被服の制作、料理や調理、家計や生活にかかる経済活動、児童心理など、幅広いジャンルを選択できます。

芸術学部

映像やイラストのほか、グラフィックデザインなど、さまざまなクリエイティブ技術や音楽などの芸術分野を学ぶ学部です。絵画や彫刻などを学ぶだけでなく、イラストレーターやグラフィックデザイナーなど、職業につながる芸術を志す人も多くいます。最近は、漫画やアニメを対象にした科目も増えています。

基礎科学系・応用科学系 理、工

基礎科学系、応用科学系の学部としては、理学部や工学部があります。

理学部

理学部は、基礎科学を研究する学部です。数学科や物理学科、化学科などがあり、地球や宇宙の自然現象を理論的に解明することを目的としています。現代でも、まだまだ解明されていない事象を探求する学問です。

工学部

工学部は、物作りの技術を開発したり、学んだりする学部です。工業製品だけでなく、情報系や建築系、化学系、機械系といった、さまざまな分野があります。「世の中の役に立つモノを作り出したい」という人に合った学部です。建築士や電気主任技術者など、仕事に直接役立つ資格を取得できる学科もあります。

生命科学系 農、獣、畜産、水産、海洋

生命科学系の学部としては、農学部があります。

農学部

農学部は農業の勉強だけでなく、品種改良や遺伝子工学など、最先端技術を使った幅広いジャンルの研究が行われています。大学によって、行われている研究が異なるので、自分の希望と合うか確認しましょう。

獣医学科・畜産科・水産科・海洋学科

これらは、学部として設置されているところは少なく、農学部内の学科として設置されている大学がほとんどです。獣医学科は、獣医になるための学科で、動物の体について専門的な勉強をします。畜産科や水産科は、動物や魚類の飼育方法から、バイオテクノロジーを使った品種改良など、大学によってさまざまな研究が行われています。

医学系 医歯薬、看護

医学系の学部は、医学部や歯学部、看護学部などです。

医歯薬学部

医学部・歯学部・薬学部の総称です。それぞれ、医師・歯科医・薬剤師になるための知識を学び、国家試験の取得に向けて6年のカリキュラムが組まれています。ただし、薬学部では、薬剤師資格は取らず、薬の開発などを行う4年制の学科もあります。

看護学部

看護師になるための学部です。基本的には4年間で看護師試験の合格を目指します。大学によっては、それに加えて保健師や助産師の資格も取れるように、カリキュラムが組まれているところもあります。

新領域、複合系 国際関係、人間科学

最近は、従来の分類にとらわれない、複合的な新領域と言われる分野もあります。以下の学科以外にも、さまざまな領域の研究が行われています。

国際関係

国際間の問題は複雑で、それを理解するためには語学や文化といったベースとなる知識はもちろん、経済や環境問題など幅広い領域からのアプローチが必要です。国際関係の学部では、これらを総合的に学び、グローバルな人材を育成します。

人間科学

人間科学も、最近多くの大学で取り入れられている学問です。心理学や社会学など、人としての関わりのほか、スポーツ科学など身体に関わる領域もカバーします。こうした新しい学科は、大学によってカリキュラムの内容が異なることが多く、どんな研究をしているのかよく調べることが大切です。

予備校の強みは、全国の大学情報を把握していること

駿台予備学校は、毎年多くの受験生をサポートしているだけに、大学の方針や学科ごとの特色など、学生の志望校について詳しく知っていることが強みです。

全国の大学情報を把握することで、志望校に悩む学生一人ひとりに合わせたアドバイスが可能。もちろん、志望校が決まった後も、受験勉強の進め方や大学へのアプローチ方法、さらに受験生活におけるメンタル支援まで、しっかりサポートします。迷ったらぜひご相談ください。

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