大学の後期日程は難しい?-国立大学と私立大学それぞれの後期日程について概要や特徴を解説-

監修者:駿台予備学校 教務課

国公立大学の受験では、共通テストのほかに2次試験(個別試験)の結果によって各大学の合否が決定します。大学受験の後期日程とは、2次試験の日程のひとつです。この記事では、後期日程での大学受験を検討している人に向けて、後期日程の概要や特徴などを解説します。また私立大学の後期日程についてもとりあげます。ぜひ参考にしてください。

目次

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大学受験の後期日程とは

国公立大学受験における後期日程とは、共通テストを1次試験とすると、2次試験にあたる日程の一つです。前期日程との違いは、日程や募集人数、試験科目、難易度です。近年は後期日程の縮小・廃止をする大学も増えてきています。前期日程と後期日程のおおまかな目安・イメージとして以下の表にまとめました。

前期日程後期日程
日程2月下旬3月中旬
募集人数8割2割
試験科目・文系:外国語、国語、地歴公民、数学の中から2~3科目
・理系:外国語、理科、数学の中から2~3科目
・大学ごとに対応が異なる
例)前期よりも1~2科目減っている、総合問題の出題・小論文・面接を行う、共通テストの結果のみで合否を決定するなど
難易度後期より難易度は低い傾向にある前期より難易度は高い傾向にある

後期日程の大学受験に関する概要

大学受験の後期日程の詳細を以下で解説します。後期日程を受験する前に概要を確認しておきましょう。

国公立大学の後期日程

国公立大学の後期日程の出願受付日は、前期・中期と同じ1月下旬~2月上旬です。前期日程の試験は、2月下旬に行われますが、後期日程の試験は3月中旬に実施されます。また、2023年に行われる国公立大学の後期日程の合格発表は3月20日~3月23日となっています。

※参考:2023年度入試 年間スケジュール

私立大学の後期日程

私立大学にも国公立大学の後期日程にあたる入試日程は大学や学部によりありますが、名称は大学ごとにさまざまです。後期以外に、Ⅱ期やB方式といった言葉が用いられています。試験日は大学ごとに異なりますが、2月下旬から3月にかけて行われるのが一般的です。ある大学のスケジュールでは試験日が3月2日で、合格発表日は3月11日でした。私立大学の後期日程を受験する際は、志望大学の受験スケジュールを事前に確認しておきましょう。

大学受験の後期日程に関する特徴

大学受験の後期日程は国立大学と私立大学で特徴が異なるため、以下で詳細を解説します。

国公立大学の特徴

前期・中期・後期の出願日が同一

国公立の後期日程の出願日は、前期・中期と同じスケジュールです。国公立大学の2次試験は、分離分割方式によって実施されます。分離分割方式とは、2次試験を前期日程と後期日程の2回に分けて試験を行うことです。同じ大学の前期と後期で2度受験する、異なる大学を受けることも可能です。

出願時より実質倍率は下がる傾向にある

受験の倍率は、志願倍率と実質倍率の2種類に分けられます。志願倍率とは出願時の倍率のことで、実質倍率は実際に行われた試験時の倍率を意味する言葉です。出願しても、前期日程や私立大学の受験の合格者は後期日程を受験しないケースもあるため、実質倍率は志願倍率よりも大幅に減少する傾向にあります。

小論文や面接への対策が必要

国公立大学の場合、後期日程で教科試験を行わない場合があります。教科試験の代わりに、小論文や面接を実施する大学も少なくありません。国公立大学と私立大学の後期日程を受験する場合は、受験勉強に加えて小論文や面接に向けて対策しておくことも大切です。対策に時間を割けない場合は、共通テストの結果で合否を決める大学を選びましょう。

私立大学の特徴

3月に入ってからも出願が可能なところもある

私立大学は出願から試験日までの期間が短く、出願締切日から数日後には後期日程の受験日というスケジュールで実施されることもあります。私立大学の後期日程は主に3月に実施されるため、大学受験で合格するうえで最後のチャンスです。出願受付期間中に願書を提出できるよう事前に準備をしておきましょう。

共通テスト利用入試がある

私立大学の後期日程には、共通テスト利用入試と呼ばれる試験方法があります。共通テスト利用入試とは、共通テストの結果を利用して各大学が合否を決定する入試方法です。共通テストの受験後に受験生が志望大学の共通テスト利用入試に出願すると、各大学が共通テストの結果を問い合わせ、合否を決定します。国公立大学の受験生が利用しやすい方法です。

高倍率になる傾向がある

後期日程は、前期日程よりも募集人員が少ないため、倍率が高くなる傾向にあります。私立大学の後期日程は大学受験にチャレンジできる実質最後のチャンスのため、倍率は高くなります。また、国公立大学の受験で合格できなかった人が受験するケースも多いため、倍率だけでなく受験する人のレベルが総じて高くなるのも特徴の一つです。

1~2科目で受験できる大学がある

私立大学の後期日程では、3教科による一般選抜試験ではなく、1~2科目のみの受験が可能な大学が多いです。1科目には、小論文が含まれるケースも珍しくありません。私立大学の後期日程を受験する場合は、受験科目を考慮した試験対策を行うことが重要です。たとえば、得意な科目がある場合は、高得点を狙えるように重点を置いた受験勉強を計画しましょう。

入学手続きの準備も考慮に入れる

上記で、私立大学の後期日程の受験スケジュールは短期間と解説しましたが、合格発表から入学までの期間も短い傾向にあります。入学手続きには、入学金・授業料などの納付が必要です。また、居住エリアから遠方の大学に入学する場合は、物件探しや引っ越しなどの準備も欠かせません。

大学受験の後期日程が難しいといわれる理由

一般的に、大学受験の後期日程で合格するのは難しいと言われています。なぜなら、前期日程よりも後期日程のほうが募集人数は減少し、倍率が高まるためです。また、前期日程では難易度の高い大学を受験して合格できなかった場合に、志望大学の次のレベルの大学を後期日程で受ける人も少なくありません。

大学受験の後期日程への対策

国公立大学・私立大学のそれぞれの後期日程の受験対策を解説します。受験勉強の計画を立てる際に役立ててください。

国公立大学の後期日程対策

国公立大学の後期日程の受験に向けた対策は、まず過去問を中心に受験勉強の計画を立てましょう。試験間近や当日はできるだけリラックスした状態を維持できるように、ストレスを軽減するための工夫も必要です。前期日程を受験した大学の後期日程を受ける場合は、出題傾向が異なる可能性もあるため、過去問で対策することをおすすめします。

私立大学の後期日程対策

私立大学の後期日程の受験科目数が少ない場合は受験範囲を絞りやすく、対策しやすいのが特徴です。ただし、後期日程は難易度が上がる可能性も考えられるため、過去問から出題問題の傾向を掴むことが大切です。また、私立大学の後期日程では合格ラインの得点が高くなりやすいため、得意科目でもより高得点を目指しましょう。

大学受験後期日程の地区別志願状況

地域別に大学受験の後期日程の志願状況を紹介します。以下では、さらに国公立大学と私立大学に分けて解説します。

国公立大学の志願状況

2022年度の国公立大学における後期日程の志願状況は、前年に比べて増加傾向にあります。後期日程の志願者数は2021年度が160,921名に対し、2022年度は163,280名でした。地区別に見ると北関東や近畿、中国では志願者数が減少しました。一方で、北海道や東北、首都圏、甲信越・北陸、四国、九州・沖縄では国公立大学の志願者数が増加しています。

※参考:2022年度入試状況分析【国立公大】

まとめ

大学受験の後期日程は倍率が高まる可能性があるため、合格するのは簡単ではないと言われています。受験準備は計画的に行うことが大切です。進路や大学受験の相談サポートが充実した予備校もあります。

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