大学入試の基本 -入試制度を理解しよう-

監修者:駿台予備学校 教務課

大学のキャンパスに学生の姿が戻り、世の中がようやく元のように動き始めつつあります。
一方で、世界に目を向けると、国家間の緊張や経済的に不安定な情勢が続いています。
コロナ禍により、オンライン授業やテレワークなど、日常生活も変化を余儀なくされました。
このような時代を生き抜くために、一人ひとりの人としての真価があらためて問われています。
困難な課題に対して、自分で考え、主体的に行動し、解を見出す能力や資質がますます重要です。
大学受験を成長の好機ととらえ、自分の軸をぶらさず、全力で挑んでいきましょう。

目次

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難関大とは

主に、国立大の中で旧帝大と言われるグループ(北海道大、東北大、東京大、名古屋大、京都大、大阪大、九州大)および東京工業大、一橋大、神戸大など。私立大では早稲田大、慶應義塾大、青山学院大、学習院大、上智大、東京理科大、中央大、法政大、明治大、立教大、関西大、関西学院大、同志社大、立命館大など。そのほか医学部医学科が難関大となります。

大学入試制度のキホン

「大学入学共通テスト」「国公立大入試」「私立大入試」の基本を理解しておきましょう。
高3生は志望校の入試教科・科目を十分に調べ、それに対応した選択を行うことが必要です。
また、高1・2生は、苦手科目を避けるような安易な教科・科目選択は避けるべきでしょう。
将来の可能性を広げる攻めの選択・戦略が望ましいことは言うまでもありません。

大学入学共通テスト

役割

国公立大をめざす受験生は、ほとんどの場合、1次試験として共通テストが課され、共通テストの成績と個別(2次)試験の成績をもとに合格者を選抜します。私立大においても、約9割の大学で定員の一部を募集するにあたり共通テストを利用します。また、総合型選抜や学校推薦型選抜でも共通テストが課される場合があります。

出願校の決定

共通テスト実施後に受験生は自己採点を行い、大学入試センターが公表する平均点の中間集計やデータネット(駿台予備学校・ベネッセコーポレーションが主催する共通テストの自己採点集計)などを参考にしながら個別(2次)試験の出願を行います。ただし、私立大の共通テスト利用方式では、共通テストの受験前に出願が締め切りとなる募集単位もあります。

教科と科目

共通テストは5教科30科目(地理歴史と公民を合わせて1教科とする)が実施されます。国公立大は、文系は5教科8科目、理系は5教科7科目を課す大学が一般的です。

<おもなポイント>

☆共通テストの出願時に、「地理歴史・公民」は受験科目数を、「理科」は科目の選択方法を申し出て登録する。試験当日の変更はできない。
☆「地理歴史・公民」や「理科②」を2科目選択する場合、解答順に第1解答科目、第2解答科目と指定され、大学により成績利用方法が異なる。
☆「地理歴史・公民」は10科目から最大2科目選択する。同一名称を含む科目の組み合わせで2科目選択できない。
☆理科は「A:理科①から2科目を受験」「B:理科②から1科目を受験」「C:理科①から2科目、理科②から1科目を受験」「D:理科②から2科目受験」のパターンがある。
理科の選択方法は多くの国公立大では文系学部は「A」、理系学部は「D」を指定している。

2023年度大学入学共通テスト 出題科目等一覧

教科 グループ 出題科目 試験時間(配点)
国語 『国語』 80分(200点)
地理歴史
公民
「世界史A」「世界史B」「日本史A」
「日本史B」「地理A」「地理B」
「現代社会」「倫理」
「政治・経済」『倫理,政治・経済』
1科目選択:60分(100点)
2科目選択:130分(うち解答時間120分)(200点)
数学 「数学Ⅰ」『数学Ⅰ・数学A』 70分(100点)
「数学Ⅱ」『数学Ⅱ・数学B』
『簿記・会計』『情報関係基礎』
60分(100点)
理科 「物理基礎」「化学基礎」
「生物基礎」「地学基礎」
【理科①】2科目選択:60分(100点)
「物理」「化学」「生物」「地学」 【理科②】1科目選択:60分(100点)
2科目選択:130分(うち解答時間120分)(200点)
外国語 『英語』『ドイツ語』『フランス語』
『中国語』『韓国語』
『英語』【リーディング】80分(100点)
【リスニング】60分(うち解答時間30分)(100点)

・「地理歴史・公民」の同一名称を含む科目の組合せとは,「世界史A」と「世界史B」、「日本史A」と「日本史B」、「地理A」と「地理B」、「倫理」と『倫理、政治・経済』及び「政治・経済」と『倫理、政治・経済』の組合せをいう。
・理科①については1科目のみの受験は認められていない。
(大学入試センター発表「令和5年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト出題教科・科目の出題方法等」をもとに作成)

国公立大入試

共通テスト・個別(2次)試験

「共通テスト」+「個別(2次)試験」の総合判定で合否決定されるのが基本です。共通テストと個別(2次)試験の比重は志望大学等によって異なりますが、難関国立大は個別(2次)試験を重視する傾向があります。また、共通テストの英語について、「リーディング」と「リスニング」の合否判定に使う傾斜配点は各大学の判断に任されています(リーディング:リスニングの比率の例/東京大7:3、京都大3:1など)。そのほか、共通テストの成績による「2段階選抜=個別(2次)試験に進む受験者を選抜する」が行われる場合もあります。
個別(2次)試験は、記述・論述中心の問題が一般的です。前期日程は教科試験が中心、後期日程では小論文、面接、総合問題など多様な出題形態が見られますが、いずれも社会の要請に応えて思考力・判断力・表現力を問う問題が増えてくることが考えられます。

分離分割方式

国公立大入試は、学部・学科ごとに募集定員を前期日程と後期日程に分割して募集する分離分割方式が基本です。一部の公立大では中期日程や独自日程も実施されます。原則として、前期日程+後期日程、または中期日程を加えて2〜3校受験できることになります。前期日程への一本化が進んでいることに加えて、分離分割方式での合格者決定システムから、国公立大志望者は前期日程を第一志望として併願作戦を立ててください

入学手続のルール

前期日程、後期日程とも同じ学部・学科を併願することができますが、前期日程で合格した入学手続者は後期日程の合格資格を失うという決まりがあります。総合型選抜、学校推薦型選抜でも、合格して入学手続をすると他の国公立大の合格者となることはできません。

私立大入試

一般選抜・共通テスト利用方式

一般選抜は、大学独自の問題による一般方式と共通テスト利用方式が主な受験方法です。共通テスト利用方式では、共通テストの得点のみで合否を判定する場合と、大学独自の問題を併用する場合があります。近年は、従来の一般方式の一部の教科について、共通テストの成績を利用し、記述論述形式の個別試験を実施する難関大もあります。
私立大の一般入試は1月から3月にかけて行われ、特に2月初旬から中旬にかけて試験日が集中しています。国公立大と併願する場合、最終的に国公立大の入試が終了するまでの期間で、学費(入学金を除く授業料等)を返還する大学もあります。

入試教科・科目

入試方法が多様化し2教科以下で受験できる募集単位も増えましたが、基本は3教科受験を考えましょう。文系は英語・国語に加え「地理歴史・公民」・数学から1科目、理系は英語・数学・理科などが一般的です。

受験方法の多様化(例)

各学部の個別入試と別にさまざまな方式の入試が行われ、併願のチャンスが広がっています。 

【全学部入試】    全学部・複数の学部の試験を共通の問題で同じ日に実施する入試。
【特定科目評価型】  得意科目を重視。事前に申告した科目の配点を高めに設定し評価。
【試験日自由選択型】 同一学部・学科で複数の試験日を設定。
【個別入試の複線化】 3教科型に加え、1〜2教科型など入試科目の異なる受験方式を実施。

総合型選抜と学校推薦型選抜

学力や意欲を多面的に評価するのが総合型選抜(旧AO入試)・学校推薦型選抜(旧推薦入試)です。国公立大、私立大を問わず導入が進んでいます。思考力・判断力・表現力や知識を活かす力が求められる中で特色ある選考が実施されており、さらに難関大では高い学力も求められます。安易に考えず、十分に検討した上で出願しましょう。

総合型選抜

  • 学校長の推薦は必要ではなく、基本的に誰もが自由に出願できる。
  • 面接、調査書やエントリーシートなどの出願書類、小論文などで総合的に審査する。

総合型選抜入試

学校推薦型選抜

  • 学校長の推薦が必要である。
  • 調査書などの出願書類、面接などで審査する。英語4技能の評価では、調査書の評定平均値などに加えて、英語外部資格・検定試験の成績も出願資格に加える大学も見られる。

「指定校推薦」(大学が過去の合格実績をもとに推薦を依頼する高校等を指定する)と「公募制推薦」(大学の定めた一定の基準を満たせば誰でも出願できる)に分かれる
※以上に加えて共通テストや独自の学力試験を課す場合があります。

学校推薦型入試一覧

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