双方向性のあるコミュニケーション③-みせかけの双方向性に注意-

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執筆:八尾直輝

「勉強のやり方」を教える塾プラスティー・塾長

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質問すれば良いわけではない(会話例)

ここまで解説した通り、質問は重要です。
しかし何でも質問をすればいいというわけではない点には要注意です。
以下の会話例を見てみましょう。

生徒「何か思うように課題を進められず困っています。」

先生「そうなんだ。やらないといけないとはわかっているんだよね?」

生徒「はい、そうなんですが、なかなかうまくできなくて…。」

先生「受験生にとって、夏休みが重要というのはわかっているよね?」

生徒「はい、わかっているつもりです。」

先生「そんな過ごし方で合格できると思う?」

生徒「思わないです…。」

先生の質問は質問の形をしていますが、結論ありきの質問で生徒は非常に限定的な回答をせざるを得ない状況に追い込まれています。

質問は「探る・深掘る・確認する」の3ステップを意識し、先入観なく生徒の回答を引き出すことを意識することが重要なのです。

「良い聞き役」になるための習慣

聴くことの重要性を解説しましたが、それでもアドバイスを我慢するのは簡単なことではありません。頭ではわかっていても早まってアドバイスを押し付けてしまうこともあるものです。

「良い聞き役」になるための習慣として、「もう1つ質問をする」ことを意識しましょう。
相手の様子がわかって、いよいよアドバイスをしようと思ったタイミングで、我慢して必ず質問を1回するのです。
「十分状況はわかった」と感じても、意外と相手のことを理解できていなかったり、先入観ありきの理解になっていることは少なくありません。「アドバイスしよう」と思ったタイミングで、「もう1つ質問をする」ことにぜひ挑戦してみてください。

著者プロフィール

八尾直輝の写真 八尾直輝 株式会社プラスティー教育研究所

「勉強のやり方」を教える塾プラスティー・塾長。 「できない」を「できる」に変換する独自の学習法と習慣形成の支援を行う「学習コーチ」というサービスを開発・提供。 共著には『ゲーミフィケーション勉強法』『小学生から自学力がつく』があり、雑誌『螢雪時代』への寄稿や、講演会の開催、学校・予備校・教育サービス開発に広く携わっている。

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