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大学受験 一般選抜(一般入試)とは? メリットや特徴を解説

監修者:駿台予備学校 教務課

一般選抜は、大学入試の中でも最もオーソドックスな選抜方法です。受験生に門戸が広く開かれ、募集人員も最も多くなっています。一般選抜の種類や、国公立大と私立大の選抜方法の違いなど、基本的な仕組みを理解しておきましょう。

目次

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一般選抜とは、大学受験の入試区分(入試方式)のひとつ

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一般選抜 総合型選抜
(旧AO入試)
学校推薦型選抜
(推薦入試)
大学ごとに指定された試験を受験してその得点で合格者が決まる。 大学が求める人物像にマッチしているかどうかで合格者が決まる。 公募制 指定校制
部活動における実績や課外活動などを重視して合格者が決まる。 大学が高校のこれまでの進学事績に応じて指定。 高校内での学内選抜がある。
(国公立大)前期・後期日程
(公立大)中期・独自日程
(国公立大)二段階選抜
(私立大)複線入試
(私立大)共通テスト利用入試
(私立大)全学部日程
・明治大 全学部統一入試
・日本大 全学統一方式 など
・お茶の水女子大 新フンボルト入試
・神戸大「志」特別選抜
・慶應義塾大法学部FIT入試
スポーツ推薦
文化活動推薦
有資格者推薦
・広島大 光り輝き入試

一般選抜は、大学受験の入試区分のひとつで、学校推薦型選抜や総合型選抜以外の選抜方法が一般選抜となります。
高校生活での学業成績や学外での活動、面接など多面的に判断され選抜される学校推薦型選抜や総合型選抜と違い、一般選抜は、

  • 国公立大は、共通テストおよび前期・中期・後期日程で実施される個別試験(2次試験)
  • 私立大は、おもに2月以降に実施される個別試験(共通テスト利用方式を含む)

で評価される学力を中心とした選抜方法を指します。

一般選抜以外の入試方式については、下記のページを参照してください。

「学校推薦型選抜の説明はこちら
2024年度総合型選抜一覧はこちら

一般選抜の特徴、メリットと注意点

大学入試では選抜方法の多様化が進んでいますが、一般選抜は大学入試の主流と言えます。

2022年度合格者入試区分別割合
参照

文部科学省「令和4年度国公私立大学入学者選抜実施状況」より集計

大学入学資格を満たせば誰でも受験できる

現役生・既卒生を問わず受験できます。大学入学資格(高等学校卒業者や高等学校卒業程度認定試験合格者など)以外の条件は設定されていないことが一般的です。
(ただし、国公立大で二段階選抜を実施する場合や、英語外部試験を利用し外国語の免除・得点加算等を受ける場合などは、基準が設けられます)

募集人員が多い

大学の入試区分の中で、最も募集人員が多いのが一般選抜です。
合格者の入試区分ごとの割合を見ると、一般選抜は、国立大では83.1%と8割以上を、公立大や私立大では75%前後を占めています。
一方で総合型選抜や学校推薦型選抜での合格者数は全体の4分の1を占め、増加傾向にあります。

併願や複数回の受験が可能

総合型選抜・学校推薦型選抜に比べて、一般選抜では志望校や選抜方式の選択肢が広がります。
国立大は前期日程と後期日程、公立大はこれに加えて中期日程があり、各期1校ずつ受験できるのが基本です。
私立大は、スケジュールさえ合えば、いくつでも受けることができます。選抜方式や日程を選び、同じ大学・学部を複数回受験することが可能です。

受験時の実力重視で評価される

国公立大は共通テストと個別試験(2次試験)で、私立大は大学の独自試験(共通テスト利用方式は、共通テストのみ、または共通テストと独自試験の併用)により合否が決まります。一般選抜では、高校の学業成績(調査書の評定平均値)と大学の合否判定は基本的には切り離して考えてよいでしょう。しかし、実力を伸ばすためにも、高校の学習をおろそかにはできません。

スケジュール管理や情報収集を入念に

特に私立大は、一般選抜の中で複数の選抜方式が行われるため、出願日程や受験日などのスケジュール管理に十分注意することが必要です。
第一志望大学を軸に積極的に出願することが望ましいですが、学習計画をもとに、負担にならないように検討しましょう。
さらに、国公立大・私立大ともに、自分が受験する教科・科目で他の大学・学部との併願が可能かどうか情報収集しておきましょう。

一般入試でも意欲が重要

一般選抜は学力主体の評価が基本ですが、出願時に志望理由や高校時代の活動についての記述や、志望理由書の提出を求めたりする大学はあります。
また、メディカル系や教員養成系などでは小論文や面接なども課されることがあります。
併願しやすい選抜方法ですが、入学してからのミスマッチがないよう、学びたいことや志望大学に対する自分の意欲をしっかり確認しておく必要があることは言うまでもありません。

志望理由書の書き方については、こちらの記事を参照してください。

志望理由書 書き方はこちら

知っておきたい 一般選抜の種類

一般選抜とまとめられますが、志望校が国公立大か、私立大かによっても選抜方式は変わります。また、私立大の場合、選抜方式の種類が多様化しています。

<国公立大学>

個別試験(2次試験)は、前期日程と後期日程で出題傾向が異なる

共通テストに対して、大学独自で実施する試験を個別試験(2次試験)と呼びます。
個別試験(2次試験)は記述・論述中心の問題が一般的です。前期日程は教科試験が中心、後期日程では小論文、面接、総合問題など多様な出題形態が見られます。

<私立大学>

大学独自の問題による一般方式と共通テスト利用方式が主な受験方法

共通テスト利用方式では、共通テストの得点のみで合否を判定する場合と、大学独自の問題を併用する場合があります。

受験方法の多様化(例)

各学部の個別入試と別にさまざまな方式の入試が行われ、併願のチャンスが広がっています。
【全学部統一入試】 全学部・複数の学部の試験を共通の問題で同じ日に実施する入試
【特定科目評価型】 得意科目を重視。事前に申告した科目の配点を高めに設定し評価
【試験日自由選択型】 同一学部・学科で複数の試験日を設定
【個別入試の複線化】 3教科型に加え、1〜2教科型など入試科目の異なる受験方式を実施
【外部試験利用入試】 外部試験の成績やスコアを出願基準や外国語の評価に利用する入試

「共通テスト利用方式の説明はこちら
国公立大と私立大の後期日程の説明はこちら

国公立大学の一般選抜の流れ

国公立大における、一般選抜の流れをくわしく見ていきます。

【共通テスト】

共通テストは5教科30科目(地理歴史と公民を合わせて1教科とする)が実施されます。国公立大は、文系は5教科8科目、理系は5教科7科目を課す大学が一般的です。

2025年度からの新課程入試の説明はこちら

共通テストの出願時に、「地理歴史・公民」は受験科目数を、「理科」は科目の選択方法を申し出て登録します。試験当日の変更はできません。つまり、共通テストの出願時に、希望する併願が可能な科目を選択する必要があります。

【出願校の決定】

共通テスト実施後に受験生は自己採点を行い、大学入試センターが公表する平均点の中間集計やデータネット(駿台予備学校・ベネッセコーポレーションが主催する共通テストの自己採点集計)などを参考にしながら個別試験(2次試験)の出願を行います。

二段階選抜

(共通テストの成績による個別試験(2次試験)に進む受験者を選抜する)が行われる場合もあります。

【個別試験(2次試験)】

個別試験(2次試験)の出願・試験・合格発表・入学手続の日程・期間は、文部科学省による「大学入学者選抜実施要綱」に沿って決められ、具体的な日程・期間は志望大学の入学者選抜要項や学生募集要項で公表されます。

出題傾向や配点、共通テストと個別試験(2次試験)の比重などは大学により異なります。

私立大学の一般選抜

先に述べたように、私立大の一般選抜は種類が多様化しています。一般的な流れを見ていきましょう。

【共通テスト】

私立大においても、約9割の大学で定員の一部を募集するにあたり共通テストを利用しています。共通テスト利用方式の出願期間は、共通テスト前の締切と共通テスト後の締切があります。

【入試教科・科目】

入試方法が多様化し2教科以下で受験できる募集単位も増えましたが、基本は3教科受験を考えましょう。文系は英語・国語に加え「地理歴史・公民」・数学から1科目、理系は英語・数学・理科などが一般的です。

【募集人員・倍率】

選抜方式や日程の選択の自由度が高く、志望大学・学部を複数回受験できることが私立大の一般選抜の特徴です。ただし、共通テスト利用方式や教科数が少ない募集単位で受験する場合、募集人員が少なかったり、高倍率になったりする場合があります。
入学者選抜要項や学生募集要項とともに、志望大学の入試データ(募集単位・学部・学科ごとの志願者数・合格者数・入学者数、受験者平均点や合格最低点など)も確認しましょう。

【合格発表と入学手続】

出願日程・受験日とともに、合格発表・入学手続のスケジュール確認も重要です。たとえば、第一志望校とその他の併願校とを比べて、併願校のほうが、入学手続締切(学費等の納入期限)が早い場合など、十分に検討しておく必要があります。
国公立大と私立大を併願する場合、最終的に国公立大の入試が終了するまでの期間で、学費(入学金を除く授業料等)を返還する大学もあります。

王道の選抜方式 正攻法の学習と大学別の対策を

  • 一般選抜は、実力(学力)を中心とした評価が基本です。国・数・英の主要教科の基礎を固める、苦手科目を早めに克服するなど、正攻法の学習を確実に行っていきましょう。

  • 個別試験(2次試験)は、大学独自の出題傾向が見られます。入試問題は、各大学のアドミッションポリシーや出題方針を反映したもので、「このような力を備えた受験生に入学してほしい」というメッセージとも言えます。その意味で、志望校の過去問題により、出題傾向と対策を踏まえた学習を行うことは不可欠です。

  • しかし、特に高校1・2年生は、焦らず、基礎を固めた上で、過去問題に取り組みましょう。

  • センター試験から共通テストへの移行で見られるように、「大学教育の基礎力となる知識・技能や思考力、判断力、表現力」を重視する傾向は、個別試験(2次試験)でも同じです。
    2025年度より新課程入試となり、出題傾向は変化していく可能性が考えられます。暗記中心の受動的な学習ではなく、自ら主体的に考え学ぶ姿勢がますます求められています。

  • 現役生は本番直前まで実力が伸びます。駿台では全国模試や大学別入試実戦模試などを実施していますが、志望校判定に一喜一憂するというより、むしろ弱点やミスの傾向をつかみ、効果的な学習計画を立てるために役立てましょう。

  • 既卒受験の場合、入試制度の変化に過敏に反応して、志望校を下げてしまったり、第一志望を諦めてしまったりするケースが見られます。しかし、変化の影響を冷静に理解することや、旧課程履修者への経過措置などを考慮して、後悔しない選択をしてください。

入試制度や試験内容が大学ごとに細かく異なる一般選抜は、特に入念な情報収集が必要です。駿台予備学校では受験生に役立つ情報や豊富な指導実績に基づくアドバイスを提供していますので、ぜひ活用してください。

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